JP2544136Y2

JP2544136Y2 - 自動車用シートスライド装置

Info

Publication number: JP2544136Y2
Application number: JP9272492U
Authority: JP
Inventors: 勉相原; 正夫二瓶
Original assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Current assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Priority date: 1992-12-25
Filing date: 1992-12-25
Publication date: 1997-08-13
Anticipated expiration: 2007-08-13
Also published as: JPH0653268U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ロアレールにアッパー
レールをその長手方向に摺動可能に嵌合し、アッパーレ
ール側に、ロアレール側の係合孔に係脱可能な爪部を有
するラッチ及び係合孔を貫通してラッチの爪部が係合可
能な歯部を有する補強プレートを設けてなる自動車用シ
ートスライド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の装置は、図３及び図４に示すよう
に、前後のフロアブラケット(100)を介してフロアに固
定されたほぼ水平の基片(102)と、基片(102)の両側部よ
り起立して、長手方向に沿って複数の係合孔(103)が穿
設された左右の側片(104)とを有して断面略Ｕ字状をな
すロアレール(101)に、座席側に固定された断面略逆Ｔ
字状のアッパーレール(105)を、ローラ(107)及びボール
(108)を介して長手方向に摺動自在に内嵌するととも
に、アッパーレール(105)側の下片(106)に歯部(109a)を
有する補強プレート(109)を固着し、アッパーレール(10
5)側に枢着されたラッチ(110)の爪部(110a)が、ロアレ
ール(101)側の係合孔(103)及び補強プレート(109)の歯
部(109a)に係合することによって、アッパーレール(10
5)の基片(105a)に連結されたシートベルトを介してアッ
パーレール(105)に大きな荷重が作用しても、ラッチ(11
0)を両持ち支持して爪部(110a)の変形を抑制し、強固に
アッパーレール(105)を固定し得るようになっている(例
えば特開昭62-238136号公報参照)。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の装置は、補強プレート(109)の歯部(109a)
が下方に折曲されて自由端になっているため、シートベ
ルトを介してラッチ(110)に前後方向への大荷重が作用
すると、ラッチ(110)を介して補強プレート(109)の歯部
(109a)が荷重方向に変形させられて、ラッチ(110)との
係合が外れ易くなり、ロック強度の低下を招くことがあ
る。補強プレート(109)の歯部(109a)の変形を押さえる
には、補強プレート(109)の板厚アップが考えられる
が、狭いロアレール(101)内では、スペースが限られ、
十分な板厚を採用することは困難であり、また、加工性
が悪くなり、コストアップを招く等の問題点を有する。
本考案は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑
み、補強プレートの板厚を厚くすることなく、ロック強
度の向上を図ることができるようにした自動車用シート
スライド装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案の装置は、フロアに固定され、長手方向に複
数の係合孔が穿設された側片を有する断面略Ｕ字状のロ
アレールに、シート側に固定されるアッパーレールをそ
の長手方向に摺動可能に内嵌し、アッパーレール側に、
係合孔に係脱可能な爪部を有するラッチ及び係合孔を貫
通してラッチの爪部が係合可能な歯部を有する補強プレ
ートを設けてなる自動車用シートスライド装置におい
て、補強プレートの基片の両側に歯部を形成し、各歯部
の先端部をアッパーレール側に固着するとともに、両側
の歯部の根元を基片により連結したことを特徴としてい
る。

【０００５】

【作用】アッパーレールに、荷重が作用した場合、ラッ
チがロアレールの係合孔及び補強プレートの歯部に係合
していることにより、アッパーレールの移動は阻止され
る。この場合、補強プレートは、各歯部の先端部がアッ
パーレール側にそれぞれ固着され、かつ両側の歯部の根
元が基片により連結されて両持ち支持され、閉断面にな
っていることにより、ラッチから荷重が作用しても各歯
部の変形が阻止され、ラッチの爪部が歯部から容易に離
脱することがない。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の一実施例を、図１及び図２に
基づいて説明する。(１)は、自動車のフロアに長手方向
を車体の前後方向に向けて固定された断面略Ｕ字状のロ
アレールで、ほぼ水平の基片(２)の両側部より起立する
左右の側片(３)と、両側片(３)の先端より互いに内方に
向かって延出する上片(４)と、上片(４)の内端より垂下
する垂下片(５)とからなっている。両側片(３)には、長
手方向に一定間隔をもって複数の矩形の係合孔(６)が穿
設されている。

【０００７】(７)は、シートクッション(図示略)の下部
にボルト等によって取り付けられ、ロアレール(１)内に
内装されたローラ(図示略)及びボール(９)を介して長手
方向に摺動自在に内嵌された断面略逆Ｔ字状のアッパー
レールで、ほぼＬ字状に折曲した２枚の鋼板(10)(10)
を、背中合わせに接合することにより、ロアレール(１)
における両上片(４)間を通って上方に突出するほぼ垂直
の基片(11)と、基片(11)の下端より、ロアレール(１)の
基片(２)とほぼ平行をなして両側方に向かって延出する
下片(12)と、下片(12)の先端より起立する起立片(13)と
からなっている。

【０００８】(14)は、アッパーレール(７)の両下片(12)
に固着され、複数の歯部(14b)(14c)(14d)を有する補強
プレート、(16)は、アッパーレール(７)の基片(11)の側
面に固着され、先端部に筒状に形成された支持部(16a)
を有するブラケット、(17)は、支持部(16a)に枢着され
た作動軸(15)に固着されたラッチで、ラッチ(16)の作動
端には、作動軸(15)とブラケット(16)との間に設けられ
た付勢部材(図示略)の付勢力によりロアレール(１)の係
合孔(６)及び歯部(14b)(14c)(14d)に係合して、ロアレ
ール(１)に対するアッパーレール(７)の長手方向の移動
を阻止する複数の爪部(17a)が形成されている。

【０００９】補強プレート(14)は、横断面略Ｕ字状をな
し、実施例においては上方に折曲した３個の歯部(14b)
(14c)(14d)が形成され、真ん中の歯部(14c)は、基片(14
a)の両端を上方に折曲して形成され、また、前後の歯部
(14b)(14d)は、基片(14a)の前後端を上方に折曲して形
成されて、それぞれの歯部(14b)(14c)(14d)の先端がア
ッパーレール(７)の下片(12)に溶接等により固着されて
いる。従って、補強プレート(14)は、アッパーレール
(７)に固着された状態においては、歯部(14b)(14c)(14
d)の先端部がアッパーレール(７)の下片(12)に固着さ
れ、また、両側の歯部(14b)(14c)(14d)の根元が基片(14
a)により連結されて閉断面となっている。また、ラッチ
(17)の爪部(17a)は、真ん中の歯部(14c)に対しては幅方
向に係合し、前後の歯部(14b)(14d)に対しては板厚方向
に係合するようになっている。

【００１０】アッパーレール(７)が所定の位置に固定さ
れているときは、ラッチ(17)の爪部(17a)がロアレール
(１)の所定の係合孔(６)及び補強プレート(14)の歯部(1
4b)(14c)(14d)に係合している。この状態において、ラ
ッチ(17)を作動軸(15)を介して図１において時計方向に
回動させて、ラッチ(17)の爪部(17a)を補強プレート(1
4)の歯部(14b)(14c)(14d)及びロアレール(１)の係合孔
(６)から離脱させることにより、アッパーレール(７)の
前後動が自由になり、任意の位置に移動させることがで
きる。

【００１１】衝突等により乗員に慣性力が作用してシー
トベルトを介してアッパーレール(７)に、車両に対して
前方向への荷重が作用した場合、ラッチ(17)がロアレー
ル(１)の係合孔(６)及び補強プレート(14)の歯部(14b)
(14c)(14d)に係合していることにより、アッパーレール
(７)のロアレール(１)に対する相対的移動は阻止され
る。この場合、補強プレート(14)は、両側の歯部(14b)
(14c)(14d)のそれぞれの先端部がアッパーレール(７)の
両下片(12)に固着され、かつ両側の歯部(14b)(14c)(14
d)が基片(14a)により連結されて両持ち支持されて閉断
面になっていることにより、ラッチ(17)から荷重が作用
しても歯部(14b)(14c)(14d)の変形が阻止され、ラッチ
(17)の爪部(17a)が補強プレート(14)の歯部(14b)(14c)
(14d)から離脱することがない。

【００１２】

【考案の効果】上述のように、本考案にあっては、補強
プレートの両側の歯部先端を、アッパーレールに固着し
て、補強プレートを閉断面としたので、荷重が作用した
際の、歯部の変形を押さえることができ、板厚を厚くす
ることなくロック強度の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の縦断正面図である。

【図２】下方から視た補強プレートとアッパーレールの
部分斜視図である。

【図３】従来のシートスライド装置の縦断正面図であ
る。

【図４】シートスライド装置の斜視図である。

【符号の説明】

(１)ロアレール (３)側片 (６)係合孔 (７)アッパーレー
ル (11)基片 (12)下片 (14)補強プレート (14a)基片 (14b)(14c)(14d)歯部 (17)ラッチ (17a)爪部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フロアに固定され、長手方向に複数の係
合孔が穿設された側片を有する断面略Ｕ字状のロアレー
ルに、シート側に固定されるアッパーレールをその長手
方向に摺動可能に内嵌し、アッパーレール側に、係合孔
に係脱可能な爪部を有するラッチ及び係合孔を貫通して
ラッチの爪部が係合可能な歯部を有する補強プレートを
設けてなる自動車用シートスライド装置において、補強
プレートの基片の両側に歯部を形成し、各歯部の先端部
をアッパーレール側に固着するとともに、両側の歯部の
根元を基片により連結したことを特徴とする自動車用シ
ートスライド装置。