JP2544026B2 - ロ―ル回し金装着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圧延ロールの研削、点
検等の作業において、ロール受け台に載置した圧延ロー
ルをロールグラインダーのような回転装置の回し金に装
着するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、表面研削、点検等の作業のた
めにロールグラインダーのような回転装置に圧延ロール
を取り付けるに際しては、一旦、クレーン等の搬送手段
によってロールを受け台に載置したのち、ロール端部に
カップリング取付けのために形成した断面が小判形をな
す部分（小判部）の側面に面盤の動力伝達具（通称回し
金) の当たり面を当接して装着することによって行われ
ている。

【０００３】この回し金のロール小判部への当接に際し
ては、面盤の回し金の停止角度位置は一定せず、また、
ロール受け台に載置された小判部の側面角度位置も一定
しないために、当接すべき両者の角度位置がずれている
ことが通常である。このため、回し金と小判部とを当接
させるために人力によって回し金を回動して小判部との
当接角度位置を調節しているのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、圧延設備におけ
る圧延ロールの準備、整備作業は、圧延スケジュールか
ら必要ロール順を決定する過程、必要ロールを選定する
過程、ロール研削順を決定する過程、選定した必要ロー
ルを搬送する過程、必要ロールを研削する過程の全過程
にわたる完全自動化が試みられるようになった。

【０００５】この圧延ロールの準備、整備作業の全過程
の完全自動化の中で、個々の作業の自動化、無人化は必
須の要件であり、ロール研削、点検作業における上記回
し金装着に際しての人力による装着の準備作業は大きな
阻害要因となる。

【０００６】本発明の目的は、ロールの研削、点検作業
に際して、ロール受け台に載置されたロールの回転駆動
力受け面と回転駆動を伝達する回し金との当接作業を自
動化するための装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のロール回し金装
着装置は、ロール受け台に載置されてロールの回転駆動
力を受ける小判型の受け面の角度位置を、小判部の側面
を通過する光によって検出する光センサーと、同検出手
段によって得られた角度位置に基づいてロールを装着す
べき面盤の回し金の角度位置をロールの回転駆動力の小
判型受け面の角度位置に対応した位置に調整する手段と
を有することを特徴とする。

【０００８】

【作用】ロールを装着すべき面盤の回し金の角度位置
と、ロールの回転駆動力受け面の角度位置とが当初どの
ような位置関係にあっても、ロールの回転駆動力受け面
の角度位置を検出し、面盤を回転させながら回し金の角
度位置が前記検出した角度位置に対応した位置にきたと
きに面盤の回転を停止することによって、回し金の角度
位置とロールの回転駆動力受け面の角度位置とが適正な
位置関係となる。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の実施例装置を回転駆動装置と
してのロールグラインダーに設置した状態を示す正面図
であり、図２は面盤の側面図である。

【００１０】図１及び図２に示すように、ロールグライ
ンダー１の面盤２には、受け台６に載置されたロール５
の端部のカップリング取付け部に形成された小判部７の
両側面に当接してロール５に回転力を伝達する一対の回
し金３が、面盤２の中心を挟んで対称の位置に間隔調節
と進退調節自在に設けられている。そして、ロール小判
部７の一部を囲僥する角度検出装置８が設けられてい
る。

【００１１】図３は図１のＡ−Ａ線から見た側面図で、
角度検出装置８の構造を示す図である。同図に示すよう
に、ロール小判部７の全周の略１／２を覆うように形成
された外輪８１と内輪８２が設けられている。内輪８２
は、外輪８１から外れないようにゆるく外輪８１に支持
されている。また、内輪８２の外側にはラックが設けら
れており、外輪８１に取り付けられたモータ８７でピニ
オン８６を介して駆動され、図中の矢印ａ，ｂで示す方
向に、外輪８１の内面に沿って回動する。さらに、同内
輪８２の両端部に、ロール小判部７の側面に沿って光が
通るように発光器８３と受光器８４とからなる光センサ
ーが設けられている。８５は外輪８１の基部に取り付け
られたシリンダーであって、ロールグラインダー１の基
板に傾動杆８８によって傾動自在に取り付けた外輪８１
を移動させて系外に退避させる機能を有する。

【００１２】９２は回し金３の角度位置を検出するため
に面盤２に取り付けられた鋼製のストライカーであり、
９１は角度検出装置８の内輪８２に取り付けられた近接
スイッチである。ストライカー９２は、図２に示すよう
に、面盤２の回転中心からロール５端部の径より外側で
２個の回し金３を結ぶ線と直角な線上に取り付けられ、
その先端は近接スイッチ９１を作動させ得る距離にあ
る。近接スイッチ９１は、図３に示すように、発光器８
３と受光器８４を結ぶ線がロール小判部７の側面に平行
になった状態で、ロール軸心を通り発光器８３と受光器
８４を結ぶ線と平行な線上に設置されている。

【００１３】上記構成の装着装置によるロール小判部７
と回し金３の角度位置調整は以下の要領で行われる。

【００１４】まず、図１に示すようにロール５を受け台
６に載置した後、シリンダー８５を駆動して角度検出装
置８を退避位置からロール小判部７の軸心と同心となる
位置に移動させる。当初、図３の一点鎖線で示す位置に
ある発光器８３から光を発すると、その光はロール小判
部７の角部に当たり光は受光器８４に届かない。そし
て、発光器８３から発光しつつ内輪８２を矢印ｂ方向に
回動し、図３の実線で示す位置に発光器８３と受光器８
４がきたときに、発光器８３からの光がロール小判部７
の側面に沿って通過して受光器８４に届く。当初の内輪
８２の回動位置によってはｂ方向へ内輪８２を回転させ
ても発光器８３からの光が受光器８４に届かないことも
あるが、この場合は、内輪８２をａ方向へ回転させる。
発光器８３からの光が受光器８４に届いた時点で内輪８
２に取り付けられた近接スイッチ９１はロール軸心を通
る線上にある。次にロールグラインダー１の回転駆動機
（図示せず）によって面盤２を回転させる。面盤２の回
転に伴ってストライカー９２が近接スイッチ９１を作動
させたときに面盤２の回転を停止させる。このとき２個
の回し金３を結ぶ線とロール小判部７の側面は直角とな
り、回し金３とロール小判部７が干渉しない適正な位置
となる。そして角度検出装置８を退避させた後、面盤２
をロール端部に向けて押し出すことによって、回し金３
をロール小判部７の側面に当接し装着できる。なお、近
接スイッチ９１とストライカー９２の位置をそれぞれロ
ール軸に対して同じ角度だけずらした位置に設置しても
同じ効果が得られる。このようにして、回し金３とロー
ル小判部７との位置調整が自動的に行われる。

【００１５】図４は本発明の他の実施例を示す図で、同
図の（ａ）はロール小判部の回転角度位置の検出を説明
するための図であり、（ｂ）は回し金の回転角度位置の
検出を説明するための図である。なお、図１乃至図３で
説明した部材と同じ部材に対しては同じ符号を付し、詳
細な説明は省略する。

【００１６】本実施例は、ロール小判部７の回転角度α
の検出と回し金３の回転角度βの検出を別の検出機構に
よって行い、回し金３の回転角度βがロール小判部７の
回転角度αと一致したときに面盤２の回転を停止するよ
うにしたものである。

【００１７】ロール小判部７の回転角度αの検出は、内
輪８２が外輪８１に対して基準位置にあるときに両者対
応する位置に取り付けた外輪８１側の近接スイッチ９３
及び内輪８２側のストライカー９４と、モータ８７に取
り付けたパルス発信器８９により行う。内輪８２が基準
位置にあるときのパルスカウントを０とし、すなわち、
ストライカー９４により近接スイッチ９３が作動したと
きにカウントをリセットし、内輪８２の回動とともにパ
ルス発信器８９からのパルスをカウントし、図３で説明
したように発光器８３からの光を受光器８４が受光した
ときまでのカウント数からロール小判部７の回転角度α
を算出する。

【００１８】回し金３の回転角度βの検出は、面盤２の
外周で２個の回し金３に対応した位置に取り付けた２個
のストライカー９６と、面盤２の回転中心を通る水平線
上に固定して取り付けた近接スイッッチ９５と、面盤２
をベルト２２で回転駆動するモータ２１に取り付けたパ
ルス発信器２３により行う。２個の回し金３が互いに水
平の位置にあるときのパルスカウントを０とし、すなわ
ち、どちらかのストライカー９６により近接スイッチ９
５が作動したときにカウントをリセットし、面盤２の回
動とともにパルス発信器２３からのパルスをカウント
し、前述したように発光器８３からの光を受光器８４が
受光したときまでのカウント数から面盤２の回転角度、
すなわち回し金２の回転角度βを算出する。

【００１９】そして、回し金２の回転角度βがロール小
判部７の回転角度αに一致したときに面盤２の回転を停
止する。これにより、回し金３とロール小判部７との位
置調整が自動的に行われる。

【００２０】図５は本発明のさらに他の実施例を示す図
である。

【００２１】本実施例は、同図の（ａ），（ｃ）に示す
ように、面盤２のいずれか一方の回し金３の内周寄り
に、回し金３を挟んで２個の近接スイッチ９７を面盤２
から出没自在に取り付け、ロール５の小判部７をこの近
接スイッチ９７に対するストライカーとして利用して、
回し金３の回転角度をロール小判部７の回転角度に一致
させるようにしたものである。すなわち、２個の回し金
３を結ぶ線がロール小判部７の側面と直角な状態にある
とき（同図の（ａ）の状態）は、２個の近接スイッチ９
７はともにオフとなり、２個の回し金３を結ぶ線がロー
ル小判部７の側面と直角な状態にないとき（同図の
（ｂ）の状態）は、２個の近接スイッチ９７のうちいず
れか一方または両方がオンになるので、２個の近接スイ
ッチ９７のオン・オフ状態から回し金３とロール小判部
７との位置関係を検出することができ、これに基づいて
両者の位置調整を自動的に行うことができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。

【００２３】（１）ロール端部の小判部の回転角度位置
を検出し、これに基づいてロールを装着する面盤の回し
金の回転角度位置を調整することにより、両者の位置調
整を自動的に行うことができ、一連の装着作業を完全自
動化できる。

【００２４】（２）ロールの研削、点検作業における手
作業がなくなり、ロール整備作業の完全自動化が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例装置を回転駆動装置としてのロ
ールグラインダーに設置した状態を示す正面図である。

【図２】図１における面盤の側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線からみた側面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す図である。

【図５】本発明のさらに他の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ ロールグラインダー ２ 面盤 ３ 回し金 ５ ロール ６ ロール受け台 ７ ロール小判部 ８ 角度検出装置 ２１，８７ モータ ２２ ベルト ２３，８９ パルス発信器 ８１ 外輪 ８２ 内輪 ８３ 発光器 ８４ 受光器 ８５ シリンダー ８６ ピニオン ８８ 傾動杆 ９１，９３，９５，９７ 近接スイッチ ９２，９４，９６ ストライカー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール受け台に載置されてロールの回転
   駆動力を受ける小判型の受け面の角度位置を、小判部の
   側面を通過する光によって検出する光センサーと、同検
   出手段によって得られた角度位置に基づいてロールを装
   着すべき面盤の回し金の角度位置をロールの回転駆動力
   の小判型受け面の角度位置に対応した位置に調整する手
   段とを有するロール回し金装着装置。