JP2543939Y2 - 精紡機のロービングガイド - Google Patents

精紡機のロービングガイド

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JP2543939Y2
JP2543939Y2 JP4005792U JP4005792U JP2543939Y2 JP 2543939 Y2 JP2543939 Y2 JP 2543939Y2 JP 4005792 U JP4005792 U JP 4005792U JP 4005792 U JP4005792 U JP 4005792U JP 2543939 Y2 JP2543939 Y2 JP 2543939Y2
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道雄 柴野
憲吾 大橋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は精紡機機台のクリールに
沿って内外2列に吊下された粗糸巻が空に近付いたとき
に、該粗糸巻を精紡機機台に沿って移動して予め予備粗
糸巻レールに準備された満粗糸巻(予備粗糸巻)と交換
し、しかも内側に吊下された粗糸巻も直接予備粗糸巻と
交換する形式の粗糸替機により粗糸替えを行う精紡機に
おいて使用されるロービングガイドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】精紡機、特にリング精紡機ではクリール
を構成する内外2列の粗糸巻レールに吊下された粗糸巻
から粗糸を引き出し、内外1組の粗糸巻の中間位置にそ
れぞれ配設されたロービングガイドを経て下方のドラフ
トパートへ供給するようにしている。粗糸のドラフトパ
ートへの供給が進み、粗糸巻が空ないしは空に近づくと
新しい粗糸巻と交換する粗糸替え作業が必要となる。そ
して、紡績工場における自動化が進み、粗糸替え作業及
び粗糸替え後の粗糸継ぎ作業の自動化が提案されている
(例えば、特開昭61−119728号公報、特開平2
−127368号公報等)。
【0003】前記公報に開示された粗糸替え方法では、
内外2列に吊下された粗糸巻が2本ずつ予備粗糸巻と交
換され、内側に吊下された空粗糸巻を取り出す際と、予
備粗糸巻を内側の粗糸巻レールに吊下する際に、空粗糸
巻及び予備粗糸巻がロービングガイドと当接する。この
ため、ロービングガイドを空粗糸巻及び予備粗糸巻の移
動に支障を来さない位置と紡出時の所定位置とに移動配
置可能に構成する必要がある。
【0004】従来、この種のロービングガイドとして図
11,12に示すものが実開平1−157184号公報
に開示されている。ロービングガイド60は精紡機機台
(図示せず)の長手方向に沿って延設された支持レール
61にスピンドルピッチの倍の所定間隔で突設された支
軸62に取付けられている。支軸62には支持ブラケッ
ト63がその基端において回動可能に支持され、支持ブ
ラケット63の先端に上下方向に延びる状態で固定され
た取付けロッド64の下端にガイド本体65が固定され
ている。支持ブラケット63より上方に突出した取付け
ロッド64の突出端と、隣接する支軸62の上端との間
に引張りばね66が掛装され、支持ブラケット63が常
には支持レール61の長手方向と平行になる位置に保持
されている。又、ガイド本体65には図12に示すよう
に取付ロッド64を中心として左右両側にガイド凹部6
7a,67bが形成されている。又、ガイド本体65が
支持レール61と平行に延びる状態すなわち正常紡出時
の所定位置に配置された状態においてクリール(図示せ
ず)の外側と対応する側に、粗糸導入口68a,68b
と、粗糸導入口68a,68bへ粗糸を案内する案内部
69a,70a,69b,70bとが形成されている。
【0005】粗糸替え時、クリールの内側に吊下された
空粗糸巻E(図13に鎖線で示す)が取り出される際
に、空粗糸巻Eがロービングガイド60と当接状態で移
動する。この時、ロービングガイド60は図13に実線
で示す所定位置から鎖線で示す退避位置P1まで回動さ
れ、空粗糸巻Eとの係合が解除された後、ロービングガ
イド60は引張りばね66の付勢力により所定位置に復
帰する。又、満粗糸巻(予備粗糸巻)Fが粗糸巻レール
に吊架される際には、図13に鎖線で示す位置から満粗
糸巻Fが移動する途中でロービングガイド60と当接
し、ロービングガイド60が所定位置から鎖線で示す退
避位置P2まで時計方向に回動される。そして、満粗糸
巻Fとの係合が解除された後、ロービングガイド60は
所定位置に復帰する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】精紡機では粗糸替え作
業の周期を長くして粗糸替え作業の回数を減らすことが
望まれている。粗糸替え作業の周期を長くするために
は、満粗糸巻Fの粗糸巻量すなわち満粗糸巻Fの径を大
きくする必要がある。満粗糸巻Fが粗糸巻レールの吊架
位置へ移動する際に退避位置P2まで回動されたロービ
ングガイド60は、満粗糸巻Fが粗糸巻レールに吊架さ
れた後に所定位置に復帰する必要がある。ところが、満
粗糸巻Fの径が大きくなると、図13のP3で示す位置
におけるガイド本体65と満粗糸巻Fとの隙間がなくな
り、ガイド本体65が満粗糸巻Fと干渉する。その結
果、所定位置への復帰が阻止されたり、満粗糸巻Fの表
面の粗糸を傷めるという問題がある。
【0007】又、満粗糸巻Fの径が大きくなると、満粗
糸巻Fが粗糸巻レールの吊架位置へ移動する際に、図1
3のP4で示す位置におけるガイド本体65と満粗糸巻
Fとの隙間がなくなり、満粗糸巻Fが隣接するガイド本
体65の案内部70bを構成する部分と係合する。その
結果、当該ロービングガイド60が回動する。紡出中の
粗糸巻は粗糸に加わる軽いテンションで回動可能となっ
ているため、ロービングガイド60の回動により紡出中
の中玉粗糸巻Mから引き出されつつある粗糸Rが弛む。
そして、粗糸替え対象錘以外の紡出中の粗糸巻は粗糸R
の弛みをコントロールできないため、弛んだ粗糸Rがト
ランペットに巻き付いて粗糸切れが生じるという問題も
ある。
【0008】前記の問題点を解消するため、ガイド本体
65を小型化して図12における寸法W1を小さくする
ことが考えられる。しかし、寸法W1を小さくすると、
粗糸掛け装置により粗糸導入口68a,68bに粗糸R
を導入する粗糸導入許容範囲W2,W3が狭くなる。一
方、ロービングガイドはクリールピラーに水平に取付け
られた支持レール61に取付けられた状態で、精紡機の
長手方向に所定間隔で配置されており、膨大な数があ
る。そして、ロービングガイドは製品コストの関係から
廉価に設計され、各ロービングガイドを厳密に正確な位
置に配設することは非常に難しい。従って、粗糸導入許
容範囲W2,W3が狭くなると、粗糸掛けミスが発生し
易くなるという問題がある。
【0009】本考案は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は粗糸導入許容範囲を小さくする
ことなくガイド本体を小型化することが可能な精紡機の
ロービングガイドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本考案においては、クリールに沿って内外2列に吊下
された粗糸ボビンの中間に支軸を中心に回動可能にかつ
付勢手段により常には正常紡出時の所定位置に保持され
精紡機のロービングガイドであって、前記内外2列に
吊下された2個の粗糸ボビンの粗糸を案内するガイド本
体に、粗糸が導入される独立した第1及び第2のガイド
凹部を設け、第1のガイド凹部の粗糸導入口をロービン
グガイドが前記正常紡出時の所定位置に配置された状態
においてクリールの外側と対向する側に設け、第2のガ
イド凹部の粗糸導入口を前記第1のガイド凹部の粗糸導
入口とほぼ90°ずれた向きに設け、各ガイド凹部に導
入された粗糸と係合する係止部を設けた。
【0011】
【作用】ロービングガイドは常にはガイド本体に設けら
れた第1のガイド凹部の粗糸導入口が、クリールの外側
と対向する側に位置する正常紡出時の所定位置に保持さ
れる。粗糸継ぎ完了後、ドラフトパートから予備粗糸巻
に連なる2本の粗糸が粗糸掛け装置によりガイド本体近
傍に移動されると、一方の粗糸は第1のガイド凹部の粗
糸導入口へ導かれる。この時、他方の粗糸はガイド本体
の側方で、第2のガイド凹部の粗糸導入口と対向する位
置に配置される。次に両粗糸が粗糸掛け装置によりクリ
ールの長手方向に沿って平行に移動されると、一方の粗
糸は第1のガイド凹部の奥に導かれ、他方の粗糸は粗糸
導入口を経て第2のガイド凹部内に導かれる。そして、
粗糸掛け装置が後退すると、各粗糸が各ガイド凹部を経
てドラフトパートに導かれる状態となる。各ガイド凹部
内に導かれた粗糸は、ガイド本体が所定位置から回動さ
れた場合には、係止部と係合することにより、ガイド凹
部からの離脱が防止される。
【0012】
【実施例】(実施例1) 以下、本考案を具体化した一実施例を図1〜図9に従っ
て説明する。
【0013】図5に示すように、精紡機のクリール1に
は機台の左右両側(片側のみ図示)にそれぞれ内外2列
の粗糸巻レール2a,2bが機台長手方向(紙面と垂直
な方向)と平行に配設されている。両粗糸巻レール2
a,2bの間には支持レール3が機台長手方向と平行に
配設されている。粗糸巻レール2a,2bにはそれぞれ
スピンドルピッチの倍の所定間隔でボビンハンガ4が装
備されている。クリール1には支持ブラケット5が外方
へ延出され、その先端には予備粗糸巻レールとしての搬
送レール6が前記粗糸巻レール2a,2bと平行に延設
されている。搬送レール6には搬送体7が走行可能に支
持され、搬送体7にはボビンハンガ7aが装備されてい
る。
【0014】支持レール3にはスピンドルピッチの倍の
所定間隔で支軸8が下方へ延びる状態で固定されてい
る。図1に示すように、各支軸8にはロービングガイド
9を構成する支持アーム10がその基端において回動可
能に支承され、支軸8には支持アーム10の上下両側に
スプリングホルダ11がネジにより固定されている。支
持アーム10とスプリングホルダ11との間には一対の
ねじりコイルばね12が介装されている。両ねじりコイ
ルばね12はねじり方向が同じに形成され、両ねじりコ
イルばね12の付勢力が釣り合った状態で支持アーム1
0が支持レール3の長手方向と平行になるように設定さ
れている。
【0015】支持アーム10の先端には取付ロッド13
が下方に延びるように固定され、取付ロッド13の下端
にガイド本体14が固定されている。ガイド本体14に
は図2等に示すように2個のガイド凹部15,16が形
成されている。第1のガイド凹部15はガイド本体14
が正常紡出時の所定位置に配置された状態においてクリ
ール1の外側に向いた位置に粗糸導入口15aが形成さ
れている。第2のガイド凹部16はその粗糸導入口16
aが前記第1のガイド凹部15の粗糸導入口15aとほ
ぼ90°ずれた向き、すなわちクリールの長手方向に向
いた位置に形成されている。すなわち、従来のロービン
グガイドに存在した図2に鎖線で示す部分がなくなり、
粗糸導入口16aが側方(クリールの長手方向)に向か
って開口している。従って、第1のガイド凹部15に対
する粗糸導入許容範囲W2が従来と同じ場合、ガイド本
体14の寸法W1は従来のものより小さくなる。
【0016】ガイド凹部15,16を構成する前壁17
a,17bの外面は、後記する粗糸掛け装置の粗糸ガイ
ドがクリールの内側へ向かって移動する際に、粗糸と係
合しても粗糸を粗糸導入口15a,16aへ円滑に案内
可能に、粗糸導入口15a,15bに向かって斜めに延
びるように形成されている。前壁17a,17bの先端
上面には、ガイド本体14が所定位置から回動された場
合に、各ガイド凹部15,16に導入された粗糸Rと係
合して、ガイド凹部15,16からの粗糸の離脱を防止
する係止部18a,18bが突設されている。
【0017】なお、取付けロッド13の下部にはクラン
ク状の屈曲部13aが形成されている。この屈曲部13
aは後記する粗糸掛けガイド41,44による粗糸掛け
作業の際に、取付けロッド13と粗糸掛けガイド41,
44との干渉を避ける役割を果たすものである(図5参
照)。取付けロッド13は図2に示すように支持アーム
10の長手方向と直交する方向と屈曲部13aとの成
す角度θがほぼ30°となるように支持アーム10に固
定されている。
【0018】一方、精紡機機台に沿って移動して粗糸替
え作業を行う粗糸替機は、例えば本願出願人が先に提案
した特開平2−127368号公報に開示された装置と
同様な粗糸交換装置と、粗糸交換装置による粗糸ボビン
の交換作業の前に粗糸継ぎ作業を行う粗糸継ぎ装置(図
示せず)を備えている。又、粗糸掛け装置は粗糸替機の
粗糸替え作業時進行方向後部寄りに配設されている。
【0019】粗糸掛け装置は本願出願人が先に提案(特
願平3−299300号)した装置と同様な構成であ
る。図5に示すように、粗糸掛け装置19は粗糸替機2
0の前面(クリール1と対向する側)に配設されてい
る。粗糸替機20の前面(クリール1と対向する側)に
は支持シャフト21がブラケット22を介して粗糸替機
20の移動方向と平行に延びる状態で支持されている。
支持シャフト21には粗糸掛け装置19の基盤23が後
端において回動可能に支承されている。粗糸替機20の
上部前面のフレームに固着されたブラケット24にはエ
アシリンダ25が基端においてピン連結されている。エ
アシリンダ25のピストンロッド25aは基盤23の上
面に固着されたブラケット26(図6に図示)にピンを
介して回動可能に連結されている。そして、ピストンロ
ッド25aが没入位置にあるときに基盤23が水平状態
に保持され、ピストンロッド25aが突出位置にあると
きに基盤23が前傾位置に保持されるようになってい
る。
【0020】図6に示すように、基盤23の上面には平
行四節リンクを構成する一対のアーム27,28の下端
が、支持シャフト21と直交する方向に延びる軸29を
介して回動可能に支持されている。両アーム27,28
の上端には支持プレート30がピン連結されている。
又、基盤23の上面には支持ブラケット31が固定さ
れ、支持ブラケット31上にブレーキ付きの正逆回転可
能なモータ32が固定されている。モータ32の駆動軸
にはレバー33が一体回転可能に取り付けられ、レバー
33とアーム27とが連結ロッド34を介して連結され
ている。モータ32の駆動軸はほぼ180°の範囲で回
動され、その回動に伴ってアーム27,28が回動され
るとともに、支持プレート30が支持シャフト21と平
行に移動されるようになっている。
【0021】支持プレート30の上面には支持ブラケッ
ト35が固着され、支持ブラケット35には支軸36が
支持シャフト21と平行に延びるように固定されてい
る。支軸36には支持ブロック37が歯付きプーリ38
と一体回転可能に支持されている。歯付きプーリ38は
ベルト39を介して、正逆回転可能なブレーキ付きモー
タ40により回動されるようになっている。
【0022】支持ブロック37には固定粗糸掛けガイド
41の基端が固定されている。固定粗糸掛けガイド41
の側方には平行四節リンクを構成する一対のレバー4
2,43の一端が回動可能に連結され、その他端に可動
粗糸掛けガイド44がピンにより回動可能に連結されて
いる。固定粗糸掛けガイド41の基端寄りにはエアシリ
ンダ45の基端が回動可能に支持され、そのピストンロ
ッド45aが一方のレバー42にピンを介して回動可能
に連結されている。そして、エアシリンダ45の作動に
より可動粗糸掛けガイド44が支持シャフト21と平行
に移動され、ピストンロッド45aが突出位置に配置さ
れた状態では両粗糸掛けガイド41,44の間隔が拡が
った粗糸すくい位置に配置されるようになっている。両
粗糸掛けガイド41,44は前記モータ40の駆動によ
り、支持ブロック44とともに回動されて図5に示すよ
うに、先端が下方へ延びる待機位置Aと、先端がアーム
27,28とほぼ直角となるピッチ変換位置Bと、先端
が上方へ延びる粗糸掛け位置の3位置に配置されるよう
になっている。
【0023】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。このロービングガイド9が使用される精紡機
では粗糸巻レール2a,2bに、その長手方向に沿って
一組おきに中玉粗糸巻Mと満粗糸巻Fとを吊下した状態
で紡出が開始される。そして、中玉粗糸巻Mが空に近い
空粗糸巻Eとなったときに粗糸替えが行われる。粗糸替
え時期になると、粗糸替機20が精紡機機台の一端から
間欠的に移動して粗糸替え作業を開始する。粗糸替機2
0は所定の粗糸替え位置に停止し、搬送体7に吊下され
ている満粗糸巻Fをボビンハンガ7aから取外す。又、
図示しない粗糸継ぎ装置により、紡出中の空粗糸巻Eか
らトランペット46を経てドラフトパート47に連なる
粗糸Rと満粗糸巻Fの粗糸との粗糸継ぎ作業が行われ
る。
【0024】粗糸継ぎ完了後、空粗糸巻Eが図示しない
粗糸交換装置により粗糸巻レール2a,2bに吊下され
た図3(a)に鎖線で示す位置から、実線で示すクリー
ル1の外側へと移動される。ロービングガイド9が内外
2列に吊下された粗糸ボビンの中間に配置されているた
め、空粗糸巻Eを取り出す行程の途中において内側の空
粗糸巻Eがロービングガイド9と干渉する。しかし、ロ
ービングガイド9が支軸8を中心にして所定位置から鎖
線で示す位置に回動され、空粗糸巻Eは支障なく移動す
る。
【0025】前記のようにロービングガイド9を精度良
く取付けるのは手間がかかるため、支持アーム10は必
ずしも正確にクリールの長手方向と平行に固定されず、
若干曲がった状態となる場合がある。そのとき、粗糸掛
けガイド41,44との干渉を避ける役割を果たすよう
取付けロッド13の下部に形成された屈曲部13a
突出方向によっては支障を来す場合がある。実開平1−
157184号公報に開示されたロービングガイドの取
付けロッドには屈曲部はないが、従来、屈曲部13aの
突出方向を図7に鎖線で示すように、支持アーム10の
延びる方向(図7の左右方向)とほぼ直交するように形
成したものがある。しかし、屈曲部13aが支持アーム
10の延びる方向とほぼ直交するように突出形成されて
いると、空粗糸巻Eを図7の矢印方向に取り出す際に、
図7に鎖線で示すように空粗糸巻Eの周面が屈曲部13
に対してその突出方向とほぼ直交する状態で当接す
る。このような状態で空粗糸巻Eが移動すると、屈曲部
13aと空粗糸巻Eとの摩擦係数の関係でロービングガ
イド13に無理な力が作用する状態となる。しかし、こ
の実施例では支持アーム10の長手方向と直交する方向
と屈曲部13aとの成す角度θがほぼ30°となってい
る。従って、支持アーム10が若干曲がった状態で固定
されても、空粗糸巻Eはその周面が屈曲部13aに対し
てその突出方向と直交する状態で当接することが確実に
防止される。すなわち、図7に実線で示すように空粗糸
巻Eは必ず屈曲部13aに対してその側面から接触する
状態となり、ロービングガイド9に無理な力が作用する
虞がなくなる。
【0026】次に粗糸継ぎが完了した満粗糸巻Fが粗糸
交換装置を構成する満ボビン移載装置48のペッグ49
に装着された状態で粗糸掛け作業が行われる。粗糸掛け
装置19が待機位置に配置された状態では、粗糸掛けガ
イド41,44は図5に示す待機位置Aに配置されてい
る。又、ピストンロッド45aが突出位置に保持され、
可動粗糸掛けガイド44は両粗糸掛けガイド41,44
の間隔が、両満粗糸巻Fからトランペット46に至る2
本の粗糸Rと係合可能な間隔となる粗糸すくい位置に保
持されている。この状態から両粗糸掛けガイド41,4
4が図5の反時計方向へ回動され、満粗糸巻Fからトラ
ンペット46を経てドラフトパート47に連なる粗糸R
をすくいつつ、図5のピッチ変換位置Bまで回動され
る。この時可動粗糸掛けガイド44は図3(b)に鎖線
で示す位置にある。
【0027】次に可動粗糸掛けガイド44が固定粗糸掛
けガイド41に接近する粗糸掛け位置に移動配置される
(図3(b)の実線の状態)。次に両粗糸掛けガイド4
1,44が上方へ延びる図5に実線で示す粗糸掛け位置
まで回動される。この状態で支持プレート30が支持シ
ャフト21に沿って平行に移動され、図4(a)に示す
ように、可動粗糸掛けガイド44がガイド本体14の粗
糸導入口15aと対向する状態となる。
【0028】次にエアシリンダ25が作動してピストン
ロッド25aが突出位置に配置され、基盤23が傾動さ
れて粗糸掛け装置19全体が図5に鎖線で示すように前
傾する。その結果、図4(b)に示すように、可動粗糸
掛けガイド44と係合状態にある粗糸Rの下流部が粗糸
導入口15aより奥に進入する。又、固定粗糸掛けガイ
ド41と係合状態にある粗糸Rの下流部は、ガイド本体
14の側方において粗糸導入口15aと対向する位置に
配置される。次にモータ32が正転駆動されて支持プレ
ート30が図4の左方向へ移動され、両粗糸掛けガイド
41,44からトランペット46に連なる粗糸Rが各ガ
イド凹部15,16の奥へ導かれる(図4(c)の状
態)。次にエアシリンダ25が作動してピストンロッド
25aが没入位置に配置され、基盤23が水平位置に復
帰して粗糸掛け装置19全体が図5に実線で示す位置に
復帰する。この結果、両粗糸掛けガイド41,44と粗
糸Rとの係合が解除され、粗糸Rがガイド本体14を介
してトランペット46に導かれる状態となる。
【0029】次にモータ40が逆転駆動されて両粗糸掛
けガイド41,44が下方へ向かって延びる待機状態へ
回動された後、モータ32が逆転駆動されて支持プレー
ト30が待機位置に配置される。次にエアシリンダ45
が作動してピストンロッド45aが突出位置に配置さ
れ、可動粗糸掛けガイド44が粗糸すくい位置に配置さ
れて粗糸掛け作業の1サイクルが終了する。
【0030】なお、粗糸掛け作業時に満ボビンFから両
粗糸掛けガイド41,44を経てドラフトパート46に
連なる粗糸Rが弛みすぎたり、粗糸Rに過大な張力が加
わるのを防止するため、ペッグ49がサーボモータ50
により回転駆動される。
【0031】次に満ボビン移載装置48が作動され、図
8(a)に示すように粗糸掛け完了後の満粗糸巻Fがク
リール1の長手方向と交差する方向に並んだ状態に配置
された後、図8(b)に示すように両満粗糸巻Fが粗糸
巻レール2a,2bに吊下される。クリール1の内側の
粗糸巻レール2bに吊下される満粗糸巻Fは移動途中で
ロービングガイド9と干渉するが、支持アーム10とと
もにロービングガイド9が図8の時計方向に回動されて
満粗糸巻Fが通過し、満粗糸巻Fの通過後、ねじりコイ
ルばね12の付勢力により基準位置に復帰する。図8
(b)に鎖線で示すように、ガイド本体14が退避位置
に回動されると、各ガイド凹部15,16内に導入され
た粗糸Rが粗糸導入口15a,16a側に向かって移動
する。しかし、移動途中で粗糸Rが係止部18a,18
bと係合し、粗糸Rがガイド凹部15,16から離脱す
ることが確実に防止される。
【0032】前記のように第1のガイド凹部15に対す
る粗糸導入許容範囲W2が従来と同じ場合、ガイド本体
14の寸法W1は従来のものより小さくなる。従って、
図9に鎖線で示すように支持アーム10を短くしてガイ
ド本体14を支軸8側に近づけても、満粗糸巻Fがクリ
ール1の内側へ移動する際、粗糸替え対象錘に隣接する
ガイド本体14と満粗糸巻Fとが干渉することがない。
又、ガイド本体14を支軸8側に近づけることにより、
支軸8を回動中心とするガイド本体14の先端の回動軌
跡の半径が小さくなる。その結果、満粗糸巻Fの径を前
記半径の減少分だけ、実線で示す従来の場合より大きく
することができる。
【0033】又、ガイド本体14の材質としては一般に
ベークライトが使用されており、製造時にバフ研磨が必
要となる。本考案のロービングガイドでは2個のガイド
凹部15,16のうち、第2のガイド凹部16は図2に
示すように、ガイド凹部16の開放側と対向する位置に
従来存在した鎖線で示す壁が存在しない。従って、ガイ
ド凹部16のバフ研磨がやり易くなって製造が容易とな
る。
【0034】なお、本考案は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、図10(a)に示すように、ガイ
ド本体14の寸法W1は従来と同じで、第1のガイド凹
部15への粗糸導入許容範囲W2の寸法を大きくしても
よい。このガイド本体14の場合は使用可能な満粗糸巻
Fの最大径は従来と同じであるが、ロービングガイド9
の取付け位置精度や粗糸掛け装置19の位置規制を従来
よりラフにしても粗糸掛けを確実に行うことができる。
第2のガイド凹部16へはガイド本体14の側方から粗
糸Rが導入されるため、第1のガイド凹部15に粗糸R
が導入されれば第2のガイド凹部16へは確実に粗糸R
が導入される。又、図10(b)に示すように、第1実
施例のガイド本体14とほぼ同じ形状に形成するととも
に、一方の前壁17bの一部を切り落とした形状として
もよい。この場合は第1実施例のガイド本体14より粗
糸導入許容範囲W2が図10(b)のδの分だけ大きく
なる。又、図10(c)に示すように、前壁17a,1
7bを長くするなど、ガイド本体14の形状を適宜変更
してもよい。又、屈曲部13bの支持アーム10に対す
る角度を適宜変更してもよい。
【0035】
【考案の効果】以上詳述したように本考案によれば、粗
糸導入許容範囲を従来と同じにした場合、満粗糸巻の径
を従来より大きくすることができる。又、満粗糸巻の径
が従来と同じ場合には、粗糸導入許容範囲を従来より大
きくでき、ロービングガイドの取付け位置精度や粗糸掛
け装置の位置規制を従来よりラフにしても粗糸掛けを確
実に行うことができる。又、ガイド本体の形状が単純と
なり、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施例のロービングガイドの取付
け状態を示す側面図であり、(b)は同じく正面図であ
る。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】粗糸掛け工程を示す模式図である。
【図4】粗糸掛け工程を示す模式図である。
【図5】粗糸掛け装置、ロービングガイド及びクリール
に吊下された粗糸ボビンの関係を示す概略側面図であ
る。
【図6】粗糸掛け装置の概略背面図である。
【図7】空粗糸巻を取り出す際のロービングガイドと空
粗糸巻との関係を示す平面図である。
【図8】粗糸掛け完了後の満粗糸巻を粗糸巻レールに吊
下する工程を示す模式図である。
【図9】ロービングガイドの作用を説明する模式図であ
る。
【図10】変更例のロービングガイドのガイド本体を示
す平面図である。
【図11】従来のロービングガイドを示す正面図であ
る。
【図12】従来のロービングガイドの平断面図である。
【図13】従来のロービングガイドの作用を説明する模
式図である。
【符号の説明】
1…クリール、2a,2b…粗糸巻レール、8…支軸、
9…ロービングガイド、10…支持アーム、12…付勢
手段としてのねじりコイルばね、13…取付けロッド、
13a…屈曲部、14…ガイド本体、15…第1のガイ
ド凹部、16…第2のガイド凹部、15a,16a…粗
糸導入口、18a,18b…係止部、F…粗糸ボビンと
しての満粗糸巻、M…同じく中玉粗糸巻、E…同じく空
粗糸巻、R…粗糸、W1…寸法、W2…粗糸導入許容範
囲。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリールに沿って内外2列に吊下された
    粗糸ボビンの中間に支軸を中心に回動可能にかつ付勢手
    段により常には正常紡出時の所定位置に保持される精紡
    機のロービングガイドであって、前記内外2列に吊下さ
    れた2個の粗糸ボビンの粗糸を案内するガイド本体に、
    粗糸が導入される独立した第1及び第2のガイド凹部を
    設け、第1のガイド凹部の粗糸導入口をロービングガイ
    ドが前記正常紡出時の所定位置に配置された状態におい
    クリールの外側と対向する側に設け、第2のガイド凹
    部の粗糸導入口を前記第1のガイド凹部の粗糸導入口と
    ほぼ90°ずれた向きに設け、各ガイド凹部に導入され
    た粗糸と係合する係止部を設けた精紡機のロービングガ
    イド。
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