JP2543815Y2 - 蝶 番 - Google Patents

蝶 番

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JP2543815Y2
JP2543815Y2 JP1993019526U JP1952693U JP2543815Y2 JP 2543815 Y2 JP2543815 Y2 JP 2543815Y2 JP 1993019526 U JP1993019526 U JP 1993019526U JP 1952693 U JP1952693 U JP 1952693U JP 2543815 Y2 JP2543815 Y2 JP 2543815Y2
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和男 山口
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株式会社ヤマグチ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、仏壇扉や書籍棚の開き
扉などの開閉機構として適用するに好適な蝶番に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の仏壇は、仏壇扉が蝶番を介して仏
壇本体に対して開閉自在に取り付けられており、仏壇の
搬入や組立、或いは仏壇扉の修理や交換などに際して仏
壇扉を仏壇本体から取り外すときには、一人が仏壇扉を
支えた状態で、蝶番を仏壇扉又は仏壇本体に固定してい
る木ねじを別の一人が取り除く必要があるので、作業が
面倒であるばかりか、作業者が二人必要となるという不
都合があった。
【0003】かかる不都合を解消するため、スライド式
の蝶番(蝶番を構成する一対の平板が互いに軸心方向に
抜ける構造のもの)を用いて、仏壇扉を持ち上げて仏壇
本体から取り外すようにする方法が提案されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、スライ
ド式の蝶番を用いた方法では、仏壇扉を持ち上げようと
したときに、該仏壇扉が仏壇本体の天板や上部かまち等
の突出部分に当接し、仏壇扉の取り外し作業が円滑に行
なえない場合がある。
【0005】このことは、仏壇扉以外の扉(例えば、書
籍棚の開き扉)についても同様である。
【0006】本考案は、上記事情に鑑み、仏壇扉や書籍
棚の開き扉の取り外し作業を円滑に行なうことが可能な
蝶番を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本考案は複数個の
係合穴(6a、7a、9a)を有する筒状の第1連結部
材(6、7、9)が一列に設けられた第1平板(2)
と、これら第1連結部材(6、7、9)に噛合し得る複
数個の係合穴(10a、11a)を有する筒状の第2連
結部材(10、11)が一列に設けられた第2平板
(3)と、これら第1平板(2)及び第2平板(3)を
前記第1連結部材(6、7、9)及び前記第2連結部材
(10、11)を介して枢着する枢軸(1)とからなる
蝶番(5)において、前記枢軸(1)によって、第1平
板(2)と第2平板(3)を枢着状態に連結する枢着位
置(P1)と、第1平板(2)と第2平板(3)を分離
する枢着解除位置(P2)との間で、前記枢軸(1)を
前記係合穴(6a、7a、9a)及び係合穴(10a、
11a)に移動自在に挿着し、前記第1連結部材(6)
に略L字状の係合溝(6b)を形成すると共に、該係合
溝(6b)の水平部の端部にやや上方に切り込まれた係
止部(6c)を形成し、前記枢軸(1)に係合ピン(1
e)を該係合溝(6b)に係合する形で突設して、該係
合ピン(1e)の先端が係合溝(6e)より外方に突出
しないようにし、前記連結部材(6)と略同径の頭部
(1a)を有する枢軸(1)に第1太径部(1b)、第
2太径部(1d)、第3太径部(1g)及び第1細径部
(1c)、第2細径部(1f)を形成し、かつ第1連結
部材(9)の係合穴(9a)内において、枢軸(1)の
第3太径部(1g)と第1連結部材(9)の下側の擬宝
珠(13)との間にスプリング(12)を縮設し、前記
第2連結部材(10、11)に前記枢軸(1)の第1細
径部(1c),第2細径部(1f)の直径より広い幅を
有するスリット(10b、11b)を当該第2連結部材
(10、11)の軸心方向に貫通する形で形成し、前記
枢軸(1)が前記スプリング(12)の弾性により押上
げられて前記枢着解除位置(P2)に位置決めされた際
に、前記スプリング(12)の弾性により枢軸(1)の
係合ピン(1e)が、係合溝(6b)の縦状頂点の内壁
(6d)に押圧位置されて、前記各第1連結部材(6、
7、9)の間に当該枢軸(1)の第1細径部(1e)、
第2細径部(1f)のみが存在するようにし、第2連結
部材(10、11)の前記スリット(10b、11b)
を前記第1細径部(1e)、第 2細径部(1f)に嵌合
し、前記枢軸(1)を回転して枢着位置(P1)に位置
決めされた際に、当該枢軸(1)の第1太径部(1
b)、第2太径部(1d)、第3太径部(1g)が、前
記第1連結部材(6、7、9)の係合穴(6a、7a、
9a)と、前記第2連結部材(10、11)の係合穴
(10a、11a)の双方に嵌入係合すると共に、スプ
リング(12)の弾性により枢軸(1)が押上げられ
て、枢軸(1)の係合ピン(1e)が係合溝(6b)の
係止部(6c)に押圧位置されて構成した蝶番。
【0008】枢軸(1)の第1太径部(1b)と、第2
太径部(1d)の下部にそれぞれテーパー面(1j、1
k)を形成して構成される。
【0009】また、上記枢軸(1)の頭部(1a)に差
し込みピン(1h)を当該枢軸(1)の軸心方向と交差
する方向に突出した形で着脱自在に設けて構成される。
【0010】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本考
案は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「実用新案登録請求の範囲」及び「作用」の欄
についても同様である。
【0011】
【作用】上記した構成により、本考案は、第1平板
(2)と第2平板(3)の分離に際して、枢着解除位置
(P2)に位置決めされた枢軸(1)の第1細径部(1
c)、第2細径部(1f)より第2連結部材(10、1
1)のスリット(10b、11b)が通過して抜けるよ
うに作用する。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0013】図1は本考案による蝶番の一実施例を示す
正面図、図2は図1の左側面図、図3は図1に示す蝶番
の平板同士を離反させた状態を示す正面図である。
【0014】本考案による蝶番5は、図1に示すよう
に、略丸棒状の金属製の枢軸1と、2枚の金属製の第1
平板2、第2平板3と、前記枢軸1が押上げられるスプ
リング12と、第1連結部材6に略L字状の係合溝6b
を形成し、該係合溝6bの端部にやや上方に切込まれた
係止部6cを形成し、枢軸1に突設した係合ピン1cを
係合溝6bに係合させて構成されている。
【0015】即ち、各第1平板2、第2平板3は、それ
ぞれ長方形板状の本体2a、3aからなり、各本体2
a、3aにはそれぞれ、ねじ止め用孔2b、3bが3箇
所形成されている。また、一方の第1平板2の本体2a
の図1右端部には、3個の略円筒状の第1連結部材6、
7、9が、それ等の軸心を互いに一致させた形で設けら
れており、各第1連結部材6、7、9の係合穴6a、7
a、9aは、それぞれの上下両側が開口している。第1
連結部材6には略L字状の係合溝6bが、当該第1連結
部材6の係合穴6aと外部とを連通する形で穿設されて
おり、係合溝6bの水平部の図1左端部には、図2に示
すように、やや上方に切り込まれた係止部6cが形成さ
れている。かつ略L字状の係合溝6には、縦状頂点の内
壁6dを有している。また、第1連結部材9の下側には
擬宝珠13が固着されている。また、他方の第2平板3
の本体3aの図1左端部には、2個の略円筒状の第2
結部材10、11が、それ等の軸心を互いに一致させた
形で、かつ前記第1平板2の第1連結部材6、7、9に
噛合した形で設けられており、各第2連結部材10、1
1の係合穴10a、11aは、それぞれの上下両側が開
口している。なお、上記の第1連結部材6、7、9、
2連結部材1011は、その内径(即ち、係合穴6
a、7a、9a、10a及び11aの径)が互いに等
しくなるように形成されている。
【0016】また、第1平板2の第1連結部材6、7、
9の係合穴6a、7a、9a及び第2平板3の第2連結
部材10、11の係合穴10a、11aに挿着された枢
軸1は、図1に示すように、前記第1連結部材6と略同
径の頭部1aを有しており、頭部1aの図1下側には、
前記第1連結部材6、7、9、第2連結部材10、1
各係合穴6a、7a、9a、10a、11aの内径よ
り僅かに小さい直径を有する円柱状の第1太径部1bが
設けられている。第1太径部1bの下側には、第1細径
部1cを介して該第1太径部1bと同径の円柱状の第2
太径部1dが設けられており、更に第2太径部1dの下
側には、第2細径部1fを介して該第2太径部1dと同
径の円柱状の第3太径部1gが設けられている。第2連
結部材10、11には前記枢軸1の第1細径部1c、第
2細径部1fの直径より広い幅を有するスリット10
b、11bを当該第2連結部材10、11の軸心方向に
貫通する形で形成している。また、第1太径部1bの側
面には、前記第1連結部材6の略L字状の係合溝6bに
摺動自在に係合する係合ピン1eが突設されており、
係合ピン1eの先端は前記係合溝6bより外方に突出し
ないようにし、第1太径部1b及び第2太径部1dの下
部にはそれぞれテーパー面1j、1kが円環状に形成さ
れている。なお、頭部1aには、当該枢軸1の軸心方向
と直角な方向に突出した丸棒状の差し込みピン1hが着
脱自在に設けられており、また、第1連結部材9の係合
穴9a内において、第3太径部1gと前記擬宝珠13と
の間にはスプリング12が縮設されている。前記枢軸1
が前記スプリング12の弾性により押上げられて前記枢
着解除位置P2に位置決めされた際に、前記スプリング
12の弾性により枢軸1の係合ピン1eが、係合溝6b
の縦状頂点の内壁6dに押圧位置されて、前記各第1連
結部材6、7、9の間に当該枢軸1の第1細径部1e、
第2細径部1fのみが存在するようにし、第2連結部材
10、11の前記スリット10b、11bを前記第1細
径部1e、第2細径部1fに嵌合し、前記枢軸1を回転
して枢着位置P1に位置決めされた際に、当該枢軸1の
第1太径部1b、第2太径部1d、第3太径部1gが、
前記第1連結部材6、7、9の係合穴6a、7a、9a
と、前記第2連結部材10、11の係合穴10a、11
aの双方に嵌入係合すると共に、スプリング12の弾性
により枢軸1が押上げられて、 枢軸1の係合ピン1eが
係合溝6bの係止部6cに押圧位置される。
【0017】従って、図1及び図2に示すように、第1
平板2の連結部材6、7、9と第2平板3の連結部材1
0、11とを噛合させ、更に枢軸1が枢着位置P1に位
置決めされた状態では、2枚の第1平板2、第2平板3
が枢軸1を中心として回動自在に連結され、蝶番5とし
ての本来の機能を果たすことになる。
【0018】本考案による蝶番5は以上のような構成を
有するので、図1に示すように、蝶番5の一方の第1
板2を3本のねじ14によって仏壇本体16に固定する
と共に、蝶番5の他方の第2平板を3本の木ねじ15に
よって仏壇扉17に固定すれば、仏壇扉17が蝶番5を
介して仏壇本体16に対して回動自在に取り付けられた
状態となるが、仏壇の搬入や組立、或いは仏壇扉17の
修理や交換などに際して仏壇扉17を仏壇本体16から
取り外すときには、次の手順で行なう。
【0019】即ち、枢軸1の頭部1aと差し込みピン1
hに手を掛けてスプリング12の弾性に抗して該枢軸1
をやや下方に押し下げて回す。すると、それまで枢着位
置P1に位置決めされていた枢軸1が、スプリング12
の弾性によって距離L1だけ持ち上がって枢着解除位置
P2に位置決めされる(図3に示す状態)。即ち、枢軸
1の係合ピン1cは、係止部6cを下降して係合溝6b
の水平部に達し、該水平部を経て縦状部を通り、縦状頂
点の内壁6dに移動して枢軸1の上昇は止り、その結
果、枢軸1の第1太径部1bは第2連結部材10の上端
面よりやや上に移動し、第2太径部1dは第1連結部材
7内に納まり、第2連結部材10内には枢軸1の第1細
径部1cのみが存在し、2連結部材11内には枢軸1
の第2細径部1fのみが存在している状態となる。な
お、枢軸1の頭部1aには差し込みピン1hが枢軸1の
軸心方向と直角な方向に突出した形で設けられているの
で、枢軸1の回転作業を小さい力で容易に実行すること
が出来る。
【0020】この状態で、第2平板3が固定された仏壇
扉17を平行に移動させる。この際、第1連結部材6、
7、9とのそれぞれの間、つまり、第2連結部材10、
11内にはそれぞれ枢軸1の第1細径部1c、第2細径
部1fが存在するが、これら第2連結部材10、11に
は、図2に示すように、スリット10b、11bが形成
されているので、枢軸1の第1細径部1c、第2細径部
1fよりはスリット10b、11bを通過して第2
結部材10、11が簡単に外れ、その結果、仏壇扉17
は仏壇本体16から外れることとなる。
【0021】従って、ドライバー等で多数の木ねじ14
又は木ねじ15を取り外す必要がなく、作業者が一人で
あっても仏壇扉17の仏壇本体16からの取り外し作業
を簡単かつ迅速に実行することが可能となる。
【0022】また、こうして取り外された仏壇扉17を
再び仏壇本体16に取り付ける際には、取り外しのとき
と逆の手順で行なう。即ち、図3に示すように、枢軸1
が枢着解除位置P2に位置決めされた状態で、第2平板
3が固定された仏壇扉17を水平に移動させて、第2
結部材10、11を第1連結部材6、7、9に噛合させ
る。次いで、枢軸1を距離L1だけ押し下げて前記と逆
方向に回して、係合ピン1eを第1連結部材6の係止部
6cに位置決めする。すると、それまで枢着解除位置P
2に位置決めされていた枢軸1がスプリング12の弾性
に抗する形で下降して枢着位置P1に位置決めされる
(図1及び図2に示す状態)。その結果、枢軸1の第1
太径部1bは第1連結部材6と第2連結部材10の双方
に嵌入係合し、枢軸1の第2太径部1dは第1連結部材
7と第2連結部材11の双方に嵌入係合する。この際、
第1太径部1b及び第2太径部1dの下部には、既に述
べたように、テーパー面1j、1kが形成されているの
で、第1太径部1bの第2連結部材10への嵌入作業及
び第2太径部1dの第2連結部材11への嵌入作業は円
滑に行なわれる。また、枢軸1の頭部1aに設けられた
差し込みピン1hを利用して枢軸1の回転作業を小さい
力で容易に実行することが出来る。ここで、仏壇扉17
の仏壇本体16への取付け作業が終了する。
【0023】なお、枢軸1の頭部1aに着脱自在に設け
られた差し込みピン1hは、仏壇扉17を仏壇本体16
に取り付けたり取り外したりする際にのみ有益なもので
あるので、仏壇の外観を損ねる等の事情がある場合には
差し込みピン1hを頭部1aから取り外すことも可能で
ある。
【0024】また、仏壇扉17が蝶番5を介して仏壇本
体16に対して回動自在に取り付けられた状態では、図
1及び図2に示すように、枢軸1が下方のスプリング1
2によって押上げられていて、該枢軸1の係合ピン1e
第1連結部材6の水平部の端部のやや上方に切り込ま
れた係止部6cに引っ掛かっているため、枢軸1の第1
連結部材6(従って、第1平板2)に対する回動が拘束
される。その結果、仏壇扉17を仏壇本体16に対して
頻繁に開閉させても、枢軸1が回転して第1平板2、
2平板3間の枢着状態が解除され、第1平板2と第2平
板3が分離されて事故につながるようなことはない。
【0025】なお、上述の実施例では、図1に示すよう
に、第1平板2、第2平板3の本体2a、3aにそれぞ
れ3個のねじ止め用孔2b、3bを設けた蝶番5につい
て説明したが、ねじ止め用孔2b、3bの個数は3個に
限る訳ではない。即ち、蝶番5のサイズ等に応じて、適
当な個数(通常、2〜4個)のねじ止め用孔2b、3b
を設ければよい。ねじ止め用孔2b、3bの個数を変更
したい場合には、木ねじ14、15の使用本数も同様に
変更する必要があることは言及するまでもない。
【0026】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
複数個の係合穴6a、7a、9aを有する筒状の第1連
結部材6、7、9が一列に設けられた第1平板2と、こ
れら第1連結部材6、7、9に噛合し得る複数個の係合
穴10a、11aを有する筒状の第2連結部材10、1
1が一列に設けられた第2平板3と、これら第1平板2
及び第2平板3を前記第1連結部材6、7、9及び前記
第2連結部材10、11を介して枢着する枢軸1とから
なる蝶番5において、前記枢軸1によって、第1平板2
と第2平板3を枢着状態に連結する枢着位置P1と、第
1平板2と第2平板3を分離する枢着解除位置P2との
間で、前記枢軸1を前記係合穴6a、7a、9a及び係
合穴10a、11aに移動自在に挿着し、前記第1連結
部材6に略L字状の係合溝6bを形成すると共に、該係
合溝6bの水平部の端部にやや上方に切り込まれた係止
部6cを形成し、前記枢軸1に係合ピン1eを該係合溝
6bに係合する形で突設して、該係合ピン1eの先端が
係合溝6eより外方に突出しないようにし、前記連結部
材6と略同径の頭部1aを有する枢軸1に第1太径部1
b、第2太径部1d、第3太径部1g及び第1細径部1
c、第2細径部1fを形成し、かつ第1連結部材9の係
合穴9a内において、枢軸1の第3太径部1gと第1連
結部材9の下側の擬宝珠13との間にスプリング12を
縮設し、前記第2連結部材10、11に前記枢軸1の第
1細径部1c,第2細径部1fの直径より広い幅を有す
るスリット10b、11bを当該第2連結部材10、1
1の軸心方向に貫通する形で形成し、前記枢軸1が前記
スプリング12の弾性により押上げられて前記枢着解除
位置P2に位置決めされた際に、前記スプリング12の
弾性により枢軸1の係合ピン1eが、係合溝6bの縦状
頂点の内壁6dに押圧位置されて、前記各第1連結部材
6、7、9の間に当該枢軸1の第1細径部1e、第2細
径部1fのみが存在するようにし、第2連結部材10、
11の前記スリット10b、11bを前記第1細径部1
e、第2細径部1fに嵌合し、前記枢軸1を回動して枢
着位置P1に位置決めされた際に、当該枢軸1の第1太
径部1b、第2太径部1d、第3太径部1gが、前記第
1連結部材6、7、9の係合穴6a、7a、9aと、前
記第2連結部材10、11の係合穴10a、11aの双
方に嵌 入係合すると共に、スプリング12の弾性により
枢軸1が押上げられて、枢軸1の係合ピン1eが係合溝
6bの係止部6cに押圧位置されて構成したので、
ち、枢軸1は常時下側のスプリング12によって押上げ
られているから、第1平板と第2平板の分離に際し
て、枢軸解除位置P2に位置決めされた枢軸1の細径部
1c、1fより第2連結部材10、11を、そのスリッ
ト10b、11bを通して確実に抜くことが出来ること
から、第1平板2に対して第2平板3を枢軸1に直角な
方向に抜いて取り外すことが可能となる。従って、本考
案による蝶番5を仏壇に適用した場合(即ち、仏壇扉1
7を蝶番5を介して仏壇本体16に取り付けた場合)に
は、仏壇扉17の取り外し作業を円滑に行なうことが出
来る。その結果、仏壇の搬入や組立、或いは仏壇扉17
の修理や交換等を経済的に行なうことが可能となる。
た、仏壇扉17が蝶番5を介して仏壇本体16に対して
回動自在に取り付けられた状態では、図1及び図2に示
すように、枢軸1が下方のスプリング12によって押上
げられていて、該枢軸1の係合ピン1eが第1連結部材
6の水平部の端部のやや上方に切り込まれた係止部6c
に引っ掛かっているため、枢軸1の第1連結部材6(従
って、第1平板2)に対する回動が拘束される。その結
果、仏壇扉17を仏壇本体16に対して頻繁に開閉させ
ても、枢軸1が回転して第1平板2、第2平板3間の枢
着状態が解除され、第1平板2と第2平板3が分離され
て事故につながるようなことはない。さらに、係合ピン
1eの先端が係合溝6bの外方に突出しないように構成
して、2枚の第1平板2と第2平板3が重なるように枢
着できる便利がある。
【0027】また、上記枢軸1の太径部1b、1d、に
テーバ面1j、1kを形成して構成しているため該枢
軸1を下降した場合、太径部1b、1d、の第2連結部
10、11の係合穴10a、11aへの嵌入作業を円
滑に行なうことが出来、第1平板に対する第2平板
の取り付け作業を簡便にすることが可能となる。
【0028】また、上記枢軸1の頭部1aに差し込みピ
ン1hを当該枢軸1の軸心方向と交差する方向に突出し
た形で着脱自在に設けて構成しているため常時スプリ
ング12によって押上げられている枢軸1の回転作業を
小さい力で容易に実行することが出来るので、第1平板
と第2平板との取り付け、取り外し作業が更に簡便
化されると同時に、着脱自在であるため蝶番の外観を損
ねるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による蝶番の一実施例を示す正面図であ
る。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1に示す蝶番の平板同士を離反させた状態を
示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・枢軸 1a・・・・・・連結部材6と略同径の頭部 1b、1d、1g・・・・・第1太径部、第2太径部、
第3太径部 1c、1f・・・第1細径部、第2細径部 1e・・・・・・係合ビン 1h・・・・・・差し込みビン 1j、1k・・・テーバ面 2・・・・・・・第1平 3・・・・・・・第2平 5・・・・・・・蝶番 6、7、9・・・・・・・・第1連結部 6a、7a、9a・・・・・係合穴 6b・・・・・・略L字状の係合溝6c・・・・・・係合溝6bの水平部の端部にやや上方
に切り込まれ た係止部 6d・・・・・・係合溝6bの縦状頂点の内壁 10 11・・・第2連結部 10a、11a・・・・・係合穴 10b、11b・・・・・スリット12・・・・・・スプリング 13・・・・・・擬宝珠 P1・・・・・・枢着位置 P2・・・・・・枢着解除位置

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の係合穴(6a、7a、9a)を
    有する筒状の第1連結部材(6、7、9)が一列に設け
    られた第1平板(2)と、これら第1連結部材(6、
    7、9)に噛合し得る複数個の係合穴(10a、11
    a)を有する筒状の第2連結部材(10、11)が一列
    に設けられた第2平板(3)と、これら第1平板(2)
    及び第2平板(3)を前記第1連結部材(6、7、9)
    及び前記第2連結部材(10、11)を介して枢着する
    枢軸(1)とからなる蝶番(5)において、前記枢軸
    (1)によって、第1平板(2)と第2平板(3)を枢
    着状態に連結する枢着位置(P1)と、第1平板(2)
    と第2平板(3)を分離する枢着解除位置(P2)との
    間で、前記枢軸(1)を前記係合穴(6a、7a、9
    a)及び係合穴(10a、11a)に移動自在に挿着
    し、前記第1連結部材(6)に略L字状の係合溝(6
    b)を形成すると共に、該係合溝(6b)の水平部の端
    部にやや上方に切り込まれた係止部(6c)を形成し、
    前記枢軸(1)に係合ピン(1e)を該係合溝(6b)
    に係合する形で突設して、該係合ピン(1e)の先端が
    係合溝(6e)より外方に突出しないようにし、前記連
    結部材(6)と略同径の頭部(1a)を有する枢軸
    (1)に第1太径部(1b)、第2太径部(1d)、第
    3太径部(1g)及び第1細径部(1c)、第2細径部
    (1f)を形成し、かつ第1連結部材(9)の係合穴
    (9a)内において、枢軸(1)の第3太径部(1g)
    と第1連結部材(9)の下側の擬宝珠(13)との間に
    スプリング(12)を縮設し、前記第2連結部材(1
    0、11)に前記枢軸(1)の第1細径部(1c),第
    2細径部(1f)の直径より広い幅を有するスリット
    (10b、11b)を当該第2連結部材(10、11)
    の軸心方向に貫通する形で形成し、前記枢軸(1)が前
    記スプリング(12)の弾性により押上げられて前記枢
    着解除位置(P2)に位置決めされた際に、前記スプリ
    ング(12)の弾性により枢軸(1)の係合ピン(1
    e)が、係合溝(6b)の縦状頂点の内壁(6d)に押
    圧位置されて、前記各第1連結部材(6、7、9)の間
    に当該枢軸(1)の第1細径部(1e)、第2細径部
    (1f)のみが存在するようにし、第2連結部材(1
    0、11)の前記スリット(10b、11b)を前記第
    1細径部(1e)、第2細径部(1f)に嵌合し、前記
    枢軸(1)を回転して枢着位置(P1)に 位置決めされ
    た際に、当該枢軸(1)の第1太径部(1b)、第2太
    径部(1d)、第3太径部(1g)が、前記第1連結部
    材(6、7、9)の係合穴(6a)7a、9a)と、前
    記第2連結部材(10、11)の係合穴(10a、11
    a)の双方に嵌入係合すると共に、スプリング(12)
    の弾性により枢軸(1)が押上げられて、枢軸(1)の
    係合ピン(1e)が係合溝(6b)の係止部(6c)に
    押圧位置されて構成した蝶番。
  2. 【請求項2】 枢軸(1)の第1太径部(1b)と、第
    2太径部(1d)の下部にそれぞれテーパー面(1j、
    1k)を形成して構成した請求項1記載の蝶番。
  3. 【請求項3】 枢軸(1)の頭部(1a)に差し込みピ
    ン(1h)を当該枢軸(1)の軸心方向と交差する方向
    に突出した形で着脱自在に設けて構成した請求項1又は
    請求項2記載の蝶番。
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