JP2543766B2 - ウイルス及び細胞の吸着分離剤並びにこれを用いたウイルス及び細胞の分離方法 - Google Patents

ウイルス及び細胞の吸着分離剤並びにこれを用いたウイルス及び細胞の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「利用分野」 本発明は、ウイルス及び動植物細胞の吸着分離剤並び
にこれを用いたウイルス及び動植物細胞の分離方法に関
する。
「従来技術及びその問題点」 インフルエンザ等をはじめとするウイルス性疾患の予
防及び治療は、古くから医療分野における重要な課題と
されてきた。特に、近年、後天性免疫不全症候群(AID
S)ウイルス感染者の急増などが話題になるに到り、そ
の必要性が更に重要視されるようになってきた。現在ま
でに、主に血液中のB型肝炎ウイルスを対象に高分子膜
・中空糸あるいはイオン交換樹脂により分離除去する方
法が提案されている。しかしながら、これらは、分離シ
ステム上、複雑であるばかりでなく、高価な装置になっ
てしまい、実用化までには到っていない。
近年、リン酸カルシウム系化合物は、その優れた生体
親和性により人工骨、人工歯根などの生体材料として応
用研究が盛んに行われている。また、蛋白質などの生体
高分子を分離精製するための液体クロマトグラフィー用
充填剤として以前から使用されており、最近の技術の進
歩により高性能の充填剤も開発され、分析用としても使
用されるようになってきた。
更に、最近では、特開昭61−235752号公報などに示さ
れているように細胞に対する特異的吸着能が見出され、
免疫学的応用も検討されつつある。しかしながら、この
公報には、細胞分離剤としてリン酸カルシウム系顆粒が
持つべき微細構造について検討されておらず、操作時間
は短縮されたものの保水性に問題があり、分離性能はな
お改善の余地を残している。
また、特開昭63−284号公報には、繊維状アパタイト
により保水性を向上させ、分離性能を向上させたことが
記載されているが、この公報に記載されているものに限
らず、繊維状のものはカラム等の分離器に均一に充填す
ることが困難であり、また、ロットによりバラツキが大
きく、顆粒状のものに比べて性能が安定しにくいという
欠点を持っている。
一方、特開昭63−16045号公報には、液体クロマトグ
ラフィー用充填材としてのリン酸カルシウム系多孔質顆
粒が開示されているが、ウイルスあるいは細胞の吸着分
離剤として有効であるための微細気孔構造について検討
がなされていない。
「発明の目的」 本発明の目的は、リン酸カルシウム系化合物の持つ細
胞に対する吸着能を向上させ、より高い分離吸着性能及
び充分な保水性を有し、しかも安定性に優れた微細構造
を有するウイルス及び細胞の吸着分離剤並びにこれを用
いた分離方法を提供することにある。
「発明の構成」 本発明のウイルス及び細胞の吸着分離剤は、平均孔径
20〜500nmの連続微細気孔と平均孔径1〜50μmの連続
小気孔の2種類の連続気孔構造を有するリン酸カルシウ
ム系多孔質顆粒であることを特徴とする。
本発明の吸着分離剤は、上記のように2種類の連続気
孔構造を有する多孔質顆粒である。顆粒状の吸着分離剤
にウイルスを吸着させるには、通常経路を長くするため
に顆粒を多孔質にする必要がある。ウイルスの大きさ
は、その種類によって異なるが、一般に20〜300nmの範
囲の径を持っている。したがって、ウイルスが通過する
ための気孔径は20nm以上である必要がある。また、この
気孔がウイルスよりあまり大きすぎても吸着の機会を減
少するだけで、無意味となるため、気孔径は500nm以下
であればよい。一方、この顆粒に充分な保水性を持たせ
るためには、ウイルスや細胞の浮遊液が比較的浸透しや
すい1〜50μmの連続小気孔が必要である。
本発明の吸着分離剤においては、顆粒が上記のような
2種類の気孔構造を有すると共に、10〜75%の気孔率を
有することが好ましい。顆粒の気孔率は、保水性と大き
く関係し、10%未満では、ウイルスや細胞の吸着に必要
な保水性が得られず、75%を超えると、顆粒自体の強度
を保持できなくなる。
更に、本発明の吸着分離剤は、平均粒径10〜2000μm
の顆粒であるのが好ましい。細胞の分離用としては、10
0μm以上あれば、顆粒の間隙を細胞が通過できる。し
かし、2000μmを超えると、間隙が大きくなりすぎ、細
胞を吸着できなくなる。また、ウイルスの分離用として
は1μm以上の粒径であれば良いが、実用上は10μm以
上の粒径であることが好ましい。
上記のような2種類の気孔構造を有するリン酸カルシ
ウム系多孔質顆粒は、公知の方法で湿式合成したリン酸
カルシウム系化合物の結晶粒子を原料として様々な方法
で製造することができる。例えば、この原料粒子を懸濁
したスラリーを直接噴霧乾燥などにより二次粒子に造粒
するか、あるいはこのスラリーに粘度調整剤、熱分解性
有機化合物粒子又は繊維等の添加物を加えて噴霧乾燥な
どにより二次粒子に造粒する。この二次粒子を再びスラ
リー状に懸濁して湿式成形するか又は加圧による乾式成
形等によりブロック体に成形する。その際、焼成により
熱分解して1〜50μmの気孔を形成するための有機化合
物を添加してもよい。無添加でも、焼成温度など、他の
条件を調節することにより気孔径を制御することもでき
る。得られたブロック体を500℃〜1300℃の温度範囲で
焼成する。500℃未満では、有機化合物の熱分解やブロ
ック体の焼結が充分に行われない。また、焼成を1300℃
を超える高温で行うと、焼結体が緻密化しすぎたり、リ
ン酸カルシウムが分解を起こすおそれがある。
このように焼成したブロック体を粉砕後、分級して必
要な粒径の顆粒を得ることができる。この顆粒の20〜50
0nmの微細気孔は、二次粒子造粒用の原料スラリー中の
結晶粒子の大きさ、スラリーの粘度、添加物などを適切
に調節することによって調整することができる。また、
1〜50μmの小気孔は、前記のように二次粒子からブロ
ック体成形時に成形方法や添加物を適切に選択すること
によって調整することができる。
本発明の吸着分離剤に用いるリン酸カルシウムとして
は、Ca/P比が1.4〜1.8のものであれば各種のものを使用
することができるが、焼結性や顆粒の強度を考慮する
と、1.5〜1.67であることが好ましい。さらに具体的に
は、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト等の各
種のアパタイト、α−及びβ−リン酸三カルシウム、リ
ン酸四カルシウム並びにこれらの2種以上の混合物を使
用することができる。
本発明の吸着分離剤において、上記のようなリン酸カ
ルシウム系多孔質顆粒の表面に、例えば生体由来のヒア
ルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン誘導体、フィブ
ロネクチン、オステオネクチンなどの多糖類、ムコ多糖
類及び蛋白質並びにそれらの誘導体のうちの1種以上を
部分吸着させ、顆粒表面の物理化学的性質あるいは免疫
学的性質を変調して対象細胞群のそれぞれに対する吸着
活性を巧妙に変化させることもできる。これによって、
カラムの分離特性を効果的に変化させ、シャープな溶出
パターンを与える分離特性や、分離スペクトルの制御を
行うことができる。さらに、細胞のサブポピュレーショ
ンの各々に対する吸着効果が変調されて、特定のサブポ
ピュレーションを選択分離することも可能である。
本発明の吸着分離剤は、ウイルス及び特定の動植物細
胞を吸着する。したがって、本発明は、この吸着分離剤
を用いて生物学的液体からウイルス及び細胞を分離する
方法を提供するものである。生物学的液体としては、血
液、血清、尿、唾液あるいは細胞及び/又はウイルスの
浮遊液が挙げられる。本発明の分離方法は、生物学的液
体中のウイルスの除去、特定細胞の回収、例えば全血又
はリンパ細胞からT細胞の回収などに利用することがで
きる。全血を対象とする場合には、採血時にヘパリン、
クエン酸などの血液凝固阻止剤を添加し、培養液で1〜
10倍に希釈して用いるのが好ましい。希釈液を用いる
と、血液の粘性が低下するので、分離が促進される。し
かし、10倍を超えて希釈すると、取り扱い量が多くな
り、不都合である。
本発明の吸着分離剤を用いてウイルスあるいは細胞の
分離を行うには、カラム等の分離器にガラスウールなど
を液体の出口側に詰めて吸着分離剤の流出を防止した
後、吸着分離剤を充填し、洗浄後、生物学的液体を流
し、この生物学的液体を充分に浸透させた後、洗浄液を
流し、非吸着性の細胞を洗い流し、回収すればよい。
浮遊液、希釈用培養液又は洗浄液としては、含まれる
ウイルスあるいは細胞に応じて適宜選択することができ
るが、例えば生理食塩水、ハンクス培地(HBSS)、血清
培地(例えばRPMI−1640)、無血清培地などを用いるこ
とができる。
また、T細胞などのように有用細胞の分離を行う場合
には、含まれる細胞に障害を与えないように室温〜37℃
程度の温度で分離操作を行うのが好ましい。このように
して回収されたT細胞は、生存率、抗体産生調節機能な
どの性質において分離操作前と実質的に同一であった。
「発明の実施例」 次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、下記の実施例及び比較例においては、インフル
エンザウイルスPR8を生理食塩水中に浮遊させて用い
た。また、力価の測定は、下記の方法で行った。
力価の測定方法 インフルエンザウイルスが赤血球に付着すると、この
赤血球同士が凝集を起こす。この反応を利用して、ウイ
ルス浮遊液を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶
液)で2倍、4倍、8倍、16倍、・・・と2倍段階希釈
した液と、同量の0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合
して何倍希釈液まで凝集反応を起こすかによって原液
(希釈前の液)の力価(titer)を評価する。
実施例1 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを1200℃で焼成
し、気孔率20%、粒系300〜600μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は20nm、平均小気孔径は2μ
mであった。
内容積6mlのシリンジにガラスウール0.03gをほぼ1ml
になるように詰め、その上に上記の顆粒1gを充填した。
こうして調製したカラムにインフルエンザウイルスPR8
の浮遊液を流し、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価
を上記の方法で測定した。結果を第1表に示す。
実施例2 顆粒の粒径が100〜300μmである以外は実施例1と同
様の顆粒を用い、実施例1と同様に操作し、カラム通過
後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結果を第1表に示
す。
実施例3 実施例2と同じ顆粒3gを使用した以外は、実施例1と
同様にしてカラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定
し、結果を第1表に示す。
実施例4 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを900℃で焼成
し、気孔率45%、粒径100〜300μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は50nm、平均小気孔径は4μ
mであった。
得られた顆粒1gを使用して実施例1と同じ操作を行
い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結
果を第1表に示す。
実施例5 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを700℃で焼成
し、気孔率60%、粒径100〜300μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は100nm、平均小気孔径は6
μmであった。
得られた顆粒1gを使用して実施例1と同じ操作を行
い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結
果を第1表に示す。
実施例6 実施例5と同じ顆粒を2gを使用して実施例1と同じ操
作を行い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定
し、結果を第1表に示す。
実施例7 Ca/P比1.5のリン酸カルシウムを1100℃で焼成し、気
孔率30%、粒径100〜300μmの顆粒を製造した。この顆
粒の平均微細気孔径は300nm、平均小気孔径は8μmで
あった。
得られた顆粒1gを使用して実施例1と同じ操作を行
い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結
果を第1表に示す。
実施例8 Ca/P比1.5のリン酸カルシウムを700℃で焼成し、気孔
率60%、粒径100〜300μmの顆粒を製造した。この顆粒
の平均微細気孔径は100nm、平均小気孔径は10μmであ
った。
得られた顆粒1gを使用して実施例1と同じ操作を行
い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結
果を第1表に示す。
実施例9 実施例8と同じ顆粒を2gを使用して実施例1と同じ操
作を行い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定
し、結果を第1表に示す。
実施例10 Ca/P比1.57のリン酸カルシウムを1100℃で焼成し、気
孔率25%、粒径100〜300μmの顆粒を製造した。この顆
粒の平均微細気孔径は50nm、平均小気孔径は3μmであ
った。
得られた顆粒1gを使用して実施例1と同じ操作を行
い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を測定し、結
果を第1表に示す。
比較例1 Ca/P比が1.67のリン酸カルシウムを700℃で焼成して
得た、平均孔径50nmの微細気孔のみを有し、気孔率が50
%、粒径が100〜300μmの顆粒1gを使用して実施例1と
同じ操作を行い、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価
を測定し、結果を第1表に示す。
比較例2 比較例1と同じ顆粒を2g使用した以外は、比較例1と
同様に操作し、カラム通過後のウイルス浮遊液の力価を
測定し、結果を第1表に示す。
表に示した力価は、流出液中のインフルエンザウイル
スの単位体積中の濃度に比例している。したがって、実
施例中最も成績の悪かった実施例1でも、比較例1及び
2と比べると、ウイルスが半分に減少している。しか
も、実施例6及び9では全ウイルスがほぼ完全に吸着さ
れて流出せず、本発明のリン酸カルシウム顆粒の吸着性
能の高さを示している。また、実施例5、6、8及び9
から本発明による顆粒は、その量を増加することにより
吸着量も上昇することが可能である。
これに対して、比較例2では、比較例1の2倍の顆粒
を使用しているにもかかわらず吸着量は向上していな
い。
実施例11 内容積6mlのシリンジにガラスウール0.03gをほぼ1ml
になるように詰め、その上に実施例1で製造した顆粒1g
を充填した。こうして調製したカラムにヒト末梢血リン
パ細胞5×106個を浮遊させたハンクス培地0.2mlを流
し、この浮遊液が顆粒に充分浸透した後、3mlのハンク
ス培地を流して非吸着細胞を流出させて回収した。この
回収した細胞に蛍光標識抗体、抗Leu4と抗Leu12をラベ
ルした後、FACS(fluorescence activated cell sorte
r)を用いてT細胞及びB細胞の陽性率を調べた。結果
を第2表に示した。
実施例12 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを900℃で焼成
し、気孔率45%、粒径300〜600μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は50nm、平均小気孔径は4μ
mであった。
この顆粒1gを用いて実施例11と同様に操作してT細胞
及びB細胞の陽性率を調べた。結果を第2表に示した。
実施例13 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを700℃で焼成
し、気孔率60%、粒径300〜600μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は100nm、平均小気孔径は6
μmであった。
この顆粒1gを用いて実施例11と同様に操作してT細胞
及びB細胞の陽性率を調べた。結果を第2表に示した。
比較例3 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを700℃で焼成
し、平均孔径50nmの微細気孔のみを有する気孔率50%、
粒径300〜600μmの顆粒を製造した。
この顆粒1gを用いて実施例11と同様に操作してT細胞
及びB細胞の陽性率を調べた。結果を第2表に示した。
実施例11、12及び13においては、この順でB細胞の吸
着量が大きくなっているが、これは顆粒全体の体積がそ
の順に大きくなっているためと考えられるが、実施例11
及び12は比較例3よりも体積は小さいにもかかわらず、
良い吸着性能を示している。また、実施例11において
も、比較例3に比べて高い吸着が行われている。
実施例14 Ca/P比1.67のハイドロキシアパタイトを1200℃で焼成
し、気孔率20%、粒径300〜600μmの顆粒を製造した。
この顆粒の平均微細気孔径は20nm、平均小気孔径は2μ
mであった。
内容積6mlのシリンジにガラスウール0.03gをほぼ1ml
になるように詰め、その上に上記の顆粒1gを充填してカ
ラムとした。
採血時に血液凝固阻止剤としてクエン酸を13%添加し
た血液1mlを上記カラムに流し、流出した血液を回収し
た。この回収した血液中の細胞に蛍光標識抗体、CD3
(抗−Leu 4)とCD19(抗−Leu 12)をラベルした後、N
H4Clで赤血球を溶血させ、FACSを用いてT細胞とB細胞
の陽性率を調べた。結果を第3表に示した。
実施例15 実施例14と同様にして作成したカラムに実施例14と同
様の方法で採血後にハンクス培地で2倍に希釈した血液
2mlを流し、さらに実施例14と同様に操作し、結果を第
3表に示した。
実施例16 実施例15と同様にして作成したカラムに実施例14と同
様の方法で採血後にハンクス培地で4倍に希釈した血液
4mlを流し、さらに実施例14と同様に操作し、結果を第
3表に示した。
なお、上記の実施例においては、インフルエンザウイ
ルス及びリンパ細胞に対する吸着性能を測定したが、本
発明の吸着分離剤は、これらのウイルス及び細胞ばかり
でなく、他のウイルス及び細胞に対しても同様に機能す
る。
また、本発明の吸着分離剤は、花粉症の原因となるス
ギ花粉などの植物細胞の吸着剤としても使用することが
できる。
「発明の効果」 以上のように、本発明の吸着分離剤は、ウイルス及び
動植物細胞に対して高い吸着能を示し、これらの吸着分
離に有効である。本発明の吸着分離剤は、B細胞やマク
ロファージを選択的に吸着し、一方、T細胞には影響を
与えないので、T細胞をサブセットの分布を変えずに高
純度に回収できるため、T細胞の分析だけでなく、免疫
学的研究や臨床検査に利用することができる。臨床検査
としては、癌、自己免疫疾患、エイズなどに関してT細
胞の分布、機能検査を行うことができる。臨床検査にお
いては、採血後の全血をそのまま検査装置にかけて検査
を行うこともあり、このような場合に、予め本発明の吸
着分離剤によりB細胞やマクロファージを除去しておく
ことにより、より精度の高いT細胞検査が可能になる。
さらに、本発明の吸着分離剤は、充分な保水性を有
し、しかも安定性に優れた微細構造を有するので、短時
間に再現性の高い分離を行うことができる。また、本発
明の吸着分離剤を用いて分離を行う場合には、インキュ
ベーションを必要としないので、操作は極めて簡略化さ
れる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均孔径20〜500nmの連続微細気孔と平均
    孔径1〜50μmの連続小気孔の2種類の連続気孔構造を
    有するリン酸カルシウム系多孔質顆粒であることを特徴
    とするウイルス及び細胞の吸着分離剤。
  2. 【請求項2】気孔率が10〜75%である請求項1記載の吸
    着分離剤。
  3. 【請求項3】平均粒径が10〜2000μmである請求項1又
    は2記載の吸着分離剤。
  4. 【請求項4】顆粒表面に生体由来の多糖類、ムコ多糖類
    及び蛋白質並びにそれらの誘導体のうちの1種以上を部
    分吸着させてなる請求項1記載の吸着分離剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の吸着分離剤を充填したカラ
    ムに生物学的液体を流すことを特徴とするウイルス及び
    細胞の分離方法。
  6. 【請求項6】生物学的液体が血液、血清、尿、唾液ある
    いは細胞及び/又はウイルスの浮遊液である請求項5記
    載の分離方法。
  7. 【請求項7】生物学的液体が、採血時に血液凝固阻止剤
    を添加した血液を培養液で1〜10倍に希釈したものであ
    る請求項6記載の分離方法。
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JPH0321342A (ja) 1991-01-30

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