JP2543569B2 - 微細位置決め用電歪素子 - Google Patents

微細位置決め用電歪素子

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微細位置決め用電歪素子に関する。
近年、半導体素子などの集積化が進む中で、その製造
工程においてミクロンオーダーの変位量を制御する技術
が切望されるようになってきた。圧電/電歪効果を利用
するアクチュエータは、こうした次世代のマイクロ・メ
カトロニクスの中心を担う機械要素になると期待されて
いる。例えば、光学、天文学または精密加工などの分野
においてサブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整
する変位素子が所望されるようになってきた。
〔従来の技術〕
従来のアクチュエータとしては、電磁力で働くモー
タ、この電磁モータの歯車によって直進的な動きに変換
するものや、電磁コイルとバネを組み合わせたボイスコ
イル等が代表的なところとしてあげられる。高速の連続
回転や位置決めなど、これらのアクチュエータはあらゆ
る機械において広く用いられているが、光学、精密機械
等の分野を中心として次第に新しい変位素子へのニーズ
が急増してきている。例えば、レーザやカメラ等の工学
機器の加工精度や、半導体製造装置における位置決め精
度に対する要求は、既に1ミクロン以下のレベルに達し
ており、その要求は今後も益々シビアなものとなってい
く。これまでのように電磁モータを利用した位置決めで
は構造、制御共に複雑になるばかりで、また、ボイスコ
イルでは発生力や応答速度の点でそれぞれ問題がある。
このような状況のもと、最近電磁力を使わない新アクチ
ュエータとして電歪アクチュエータがにわかに脚光を浴
びており、エレクトロニクスセラミックス市場において
も新たにジャンルを拡大すべくその将来性に対して大き
な期待がかけられている。このような変位素子に要求さ
れる一般的な条件としては、 (1) 変位量が大きい(最大電圧における変位量)、 (2) 履歴(最大電圧の半分における変位量差を最大
変位で割った値と定義する)が小さい、 (3) 応答速度が速い、 (4) 温度特性が良い、 (5) 低エネルギで駆動できる、 (6) 発生応力が大きい、 (7) サイズ、重量が小さい、 (8) 使用における劣化がない、 等である。
固体変位素子材料は変位量が外部指令により制御可能
でなければならず、その外部要因として温度、磁界、電
界等が考えられる。その中で、温度変化を利用する変位
素子は、大きなエネルギを要し、また応答が遅いという
欠点を有する。磁界を利用する磁歪材料は、変位量が小
さく、稼働用コイルが必要で、装置の大型化につながる
欠点を有する。これに対し、電界を利用して変位を得る
材料として圧電材料、電歪材料がある。圧電材料とは、
例えばPZTなどで、最大変位量は10Kv/cmの電圧に対し0.
06%の伸びが認められるが、変位の履歴が15〜30%と大
きく、フィードバック制御を行わないと精密位置決めが
困難である。電歪材料とは、例えばPMNなどで、最大変
位量は10Kv/cmの電圧に対し0.06%、変位の履歴は5〜1
0%と満足されるが、往々にして誘導率が大きいため駆
動電力の増加をもたらし、省エネルギの側面からの改良
が望まれている。このように最大変位量が小さいという
問題点が近年の研究で少しずつ克服されつつあるが、未
だ充分なレベルに到達していないのが現状である。ま
た、電歪材料は圧電材料と比較して履歴が少ない、電界
分極処理の必要がない、苛酷な使用条件での劣化に対し
て強いなどの利点がある。PMN以外の電歪材料として、
〔Pb,Ba〕〔Zr,Ti〕O3(以下、PBZTと略す〕系セラミッ
クスがある。この系については既にハネ ウエル(HANE
Y WELL)社のK.M.LEUNGらによって調べられている(フ
ェロエレクトリクス(Ferroelectrics),1980,VOL.27,p
41−43)。
K.M.LEUNGらは論文の中で、Pb0.73Ba0.27Bi0.02Zr
0.70Ti0.30O3の組成について研究しているが、最大変位
量は10Kv/cmの電圧に対し0.06%と小さい。
また、特開昭60−144984においてPBZT+Pb−Ba−Bi−
W系の特許が公開されているが、〔Pbx Ba1-x〕〔Zry T
i1-y〕O3なる組成式において、特許請求の範囲等に規定
されたx、yの範囲は0.75≦x≦0.83、0.53≦y≦0.55
であり、組成上本発明とは明らかに区別される。また、
履歴についての記載はされていないが、履歴が非常に大
きいことが予想される。また、PZTに各種金属を添加す
る特許は数多く出願されているが、PZTのPbをアルカリ
金属、アルカリ土類金属で置換する置換量は30%以下で
あるため、本発明とは明らかに異なる。また、本発明は
アルカリ土類金属をBaに限定するものである。以上のよ
うに圧電/電歪材料で大変位でかつミクロンオーダーの
変位を精密に制御できるものは未だ現存しないのが実際
のところである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、従来品に比べ変位量が大きく、かつ
履歴が小さい電歪材料を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の欠点を改良するために、鋭意検
討の結果、組成が〔Pbx Ba1-x〕〔Zry Ti1-y〕Oz(但
し、x、yの範囲が0.55≦x≦0.70、0.45≦y≦0.80で
あり、Zは各元素の酸化状態により定まる数値をと
る。)で表される磁器組成物に金属成分の配合比が1〜
10mol%となるようにNb化合物を添加することにより最
大変位量が0.06%以上、歪みの履歴が5%以下となるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、 組成が〔Pbx Ba1-x〕〔Zry Ti1-y〕Oz(但しx、yの
範囲が0.55≦x≦0.70、0.45≦y≦0.80であり、zは各
元素の酸化状態により定まる数値をとる。)で表される
磁器組成物に金属成分の配合比が1〜10mol%となるよ
うにNb化合物を添加してなる微細位置決め用電歪素子で
ある。
本発明の電歪素子は、ヒステリシスが非常に小さいこ
とが重要な特徴であり、微細位置決め用の電歪素子とし
て利用される。
本発明で開発した電歪素子は、履歴においてこれまで
の圧電材料とは明らかに異なるものであり、これまでの
圧電材料に比べ履歴は約1/5に減少している。このよう
に従来品とは比較にならないほど履歴が小さい材料の応
用分野は非常に大きいと思われる(例えば、精密機械加
工、トンネル顕微鏡の位置移動機構等)。
本発明でいうNb化合物とは酸化物、窒化物、ふっ化物
などで種類を問わない。添加量は1〜10mol%が最適で
ある。添加量が1mol%以下であると履歴が5%以上とな
り、10mol%以上であると最大変位量が0.06%以下とな
る。
x<0.55では本発明の特徴とする大変位が得られな
い。またx>0.70であると本発明の特徴とする履歴が小
さくならない。このためxの範囲を0.55≦x≦0.70に限
定した。また、y<0.50であると履歴が小さくならな
い。また、y>0.80であると大変位が得られない。この
ためyの範囲を0.50≦x≦0.80に限定した。また本発明
でいう履歴とは、5Kv/cmのときの変位量差を10Kv/cmで
の変位量で割った値をいう。また本発明でいう歪み量と
は10Kv/cmの電解を印加したときの伸びをサンプルの厚
さで割った値をいう。
〔実施例〕
PbO、BaCO3、ZrO2、TiO2及びNb2O5の各原料を秤量配
合し、ボールミルで10時間混合した。得られた混合物を
800〜900℃で2時間仮焼した。その後、再度ボールミル
で微粉砕し、乾燥後、2トン/cm2の圧力で円板状に成型
した。これを1200〜1350℃で3時間焼結した。焼結した
円板を厚さ0.5mmに切断し、その表面に銀電極を焼き付
けた。この様にして得られた試料について、両端に電解
を印加し、10Kv/cmでの伸び及び変位の履歴を測定し
た。変位量及び変位の履歴の測定はポテンショメータに
より行った。
測定結果の一例を第1表に示す。
〔発明の効果〕 上述したように、本発明のPBZT系の組成領域はこれま
では伸び率が小さい領域であるとして研究されていなか
った。本発明者らはその組成領域に注目し、大変位でか
つ履歴を小さくする目的でNb化合物を添加したところ、
履歴が1/5となる組成を発見した。本発明はこの新規の
事実に基づくものである。本発明の特徴は履歴が極端に
小さいことである。従来の圧電材料では履歴が20〜25%
程度であるとされていたが、これを5%以下に小さくし
たことは驚くべきことである。このようにほとんど履歴
を有しない電歪素子は微細位置決め用として応用分野が
広いと思われる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成が〔Pbx Ba1-x〕〔Zry Ti1-y〕Oz(但
    しx、yの範囲が0.55≦x≦0.70、0.45≦y≦0.80であ
    り、zは各元素の酸化状態により定まる数値をとる。)
    で表される磁器組成物に金属成分の配合比が1〜10mol
    %となるようにNb化合物を添加してなる微細位置決め用
    電歪素子。
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