JP2542807C - - Google Patents

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JP2542807C
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oil
insulating oil
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tan
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は電気絶縁油に関し、詳しくは高い熱安定性を有するとともに、すぐれ
たガス吸収特性ならびに流動帯電特性を有する電気絶縁油に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 近年、電力需要の増大に伴ない変圧器の超々高電圧化(100万V以上)なら
びに大型化が進んでいる。これに伴ない絶縁信頼性の向上のため、電気絶縁油に
対する要求性状も一段と厳しいものとなっている。特に、超々高電圧変圧器用絶
縁油においては熱安定性の低下に伴なう誘電正接(tan δ)の増大が大きな問題
となっている。すなわち、tan δの増大により誘電体内に発生する熱量が大とな
り、変圧器の発熱に結びつくこととなる。この点、従来から使用されてきたナフ
テン系の潤滑油留分を主体とする電気絶縁油は安定性が悪く、誘電正接(tan δ
)の変化が著しいため、超々高電圧変圧器用の絶縁油としては致命的な問題を有
する。 【0003】 tan δの増大については種々の原因が考えられ、未だ十分に解明されていない
点もあるが、銅の存在が影響しているとの報告もなされている。そこで、銅と定
量的に反応する1,2,3−ベンゾトリアゾール(B.T.A.)を通常の鉱油
基油に少量添加することにより tanδの増加を抑えることが試みられている。し かし、この方法によって tanδの増加を完全に抑えることは困難であり、さらに
改良された技術の出現が望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】 そこで本発明者は、先般このような問題点を解消しうる本質的に tanδの経時
変化の小さい電気絶縁油の開発に成功した(特開昭61−4109号公報参照)
。 ところが、超又は超々高電圧下の電気絶縁油は流動帯電による放電の危険性が
通常より高いため、流動帯電の小さいことが必要であり、さらにまた絶縁油自身
の分解ガスの発生が多くなって危険であるため、一層ガス吸収性に優れることが
要求される。 【0005】 そのため本発明者は、さらにこれらの要求特性を考慮して上記の電気絶縁油に
改良を加えて、tan δの経時変化を小さく維持しつつ、ガス吸収性を増大し、流
動帯電性の小さい電気絶縁油を開発すべく鋭意研究を重ね、本発明を完成した。 【0006】 すなわち本発明は、パラフィン系原油又は中間基原油を蒸留して得られた留出
油を精製した後、深脱ろう処理した、沸点150℃以上の鉱油を主成分とするも
のであって、粘度が2〜500 cSt(40℃),流動点が−40℃以下,硫黄分
が6〜800ppm および芳香族炭化水素含量(%CA)が6〜30%である電気
絶縁油を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】 本発明の電気絶縁油は鉱油、特にパラフィン系原油または中間基原油を蒸留し
て得られた留出油(常圧換算で沸点約250〜600℃)を常法に従って精製し
た後、深脱ろう処理を行なうことによって得ることができる。なお、留出油とは
原油を常圧蒸留するかあるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られるものを
意味する。精製法は特に制限はないが、次の〜のいずれかの処理をすること
によって得ることができる。 【0008】 留出油を水素化処理または水素化処理したのちアルカリ蒸留もしくは硫酸
洗浄を行なう。 留出油を溶剤精製処理または溶剤精製処理したのちアルカリ蒸留もしくは
硫酸洗浄を行なう。 留出油を水素化処理したのち、続いて第2段目の水素化処理を行なう。 留出油を水素化処理したのち、第2段目の水素化処理、さらに第3段目の
水素化処理を行なう。 留出油を水素化処理したのち、第2段目の水素化処理を行ない、さらにア
ルカリ蒸留もしくは硫酸洗浄を行なう。 【0009】 これらの操作は、特開昭61−4109号公報に開示されている電気絶縁油の
場合と基本的には同じであるが、水素化処理の条件等を適宜調節して上述した如
き所定性状の電気絶縁油を得るように工夫すべきである。 【0010】 以下に、処理法の一例を示す。 クウェート原油などの中間基原油から常法により、潤滑油粗原料を調製し、こ
れに水素化処理を施す。この処理によって、潤滑油留分に好ましくない成分を除
去したり、有効な成分に変えたりする反応が行われる。また、芳香族炭化水素含
量が適宜範囲に調節される。なお、この際硫黄分含量も所定範囲に調節される。 【0011】 次いで、減圧蒸留等により必要な粘度を得るような分留を行なう。しかる後に
、既知の溶剤脱ろうを行ない、通常のパラフィンベースオイルが有する流動点、
すなわち−15℃〜−10℃程度に脱ろうする。 【0012】 この脱ろう処理後、所望によりさらに水素化処理を行ない、ベースオイルの熱
的,化学的な安定性を向上させる。しかし、流動点がまだ高いため、電気絶縁油
としては適当でない。そのために引続き深脱ろう処理が行なわれる。この処理は
苛酷な条件での溶剤脱ろう法やゼオライト触媒を用い、該触媒の細孔に吸着され るパラフィン(主としてノルマルパラフィン)を選択的に水素雰囲気下で分解し
てろう分となるものを除去する接触水添脱ろう法が適用される。 【0013】 水素化処理は、原料油の性状等により異なるが、通常は反応温度200〜48
0℃、好ましくは250〜450℃、水素圧力5〜300Kg/cm2、好ましくは
30〜250kg/cm2、水素導入量(対供給留出油1kL当り)30〜3000
Nm3、好ましくは100〜2000Nm3の条件で行なわれる。また、この際に用
いられる触媒は担体としてアルミナ,シリカ,シリカ・アルミナ,ゼオライト,
活性炭,ボーキサイトなどを用い、周期律表第VI族,第VIII族などの金属、好ま
しくはコバルト,ニッケル,モリブデン,タングステンなどの触媒成分を既知の
方法で担持させたものが使用される。なお、触媒は予め予備硫化したものが好ま
しい。 【0014】 上記した如く、留出油は水素化処理した後、種種の処理が行なわれるが、第2
段目あるいは第3段目の水素化処理を行なう場合、水素化処理条件は上記範囲内
で設定すればよく、第1〜3段目の各条件は同一であってもよく異なってもよい
。しかし、通常は第1段目よりは第2段目、第2段目よりは第3段目の条件を厳
しくして行なわれる。 次に、アルカリ蒸留は微量の酸性物質を除去して留出分の安定性を改良する工
程として行なわれ、NaOH,KOH等のアルカリを加えて減圧蒸留することに
より行なう。 【0015】 また、硫酸洗浄は、一般に石油製品の仕上げ工程として行なわれているもので
あり、芳香族炭化水素、特に多環芳香族炭化水素やオレフィン類,硫黄化合物な
どを除去して留出油の性状を改善するために適用される。本発明では処理油に0
.5〜5重量%の濃硫酸を加えて室温〜60℃の温度で処理することにより行な
い、しかる後NaOHなどで中和する。 なお、留出油の精製処理は上記操作の組合せにより、前記した如く〜の具
体的方法があるが、これらの中では特に,,の方法が好ましい。 【0016】 上記の如き処理により得られる留出油はその性状が、沸点150℃以上、好ま
しくは200〜600℃、粘度2〜500 cSt(40℃)、好ましくは3〜40
cSt(40℃)、流動点−40℃以下、硫黄分含量6〜800ppm、芳香族炭化
水素含量(%CA)6〜30%である。 このようにして得られる留出油は、そのままで電気絶縁油として用いることも
できるし、またさらに他の添加剤を適量加えて用いることもできる。 【0017】 【実施例】 次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。 実施例1〜5および比較例1,2 第1表に示す性状の供試油についてtan δの経時変化を測定した。測定は油量
500 mL、温度95℃、銅量 44.8cm2/100 mL、空気量1L/hr、時間8
hrの条件で行なった。結果を第1図に示す。またこの供試油について、ガス吸収
性,流動帯電性および耐腐食性を測定した。結果を第2表に示す。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 【0020】 【発明の効果】 このようにして得られる本発明の電気絶縁油は、tan δの経時変化が小さく、
熱安定性に極めてすぐれていると共に、ガス吸収性が大きく流動帯電性が小さく
すぐれた電気絶縁特性を有するものである。そのうえ、耐腐食性や低温流動性に
おいても良好である。 従って、本発明の電気絶縁油は、変圧器用、特に超々高電圧の変圧器用の絶縁
油として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 電気絶縁油のtan δの経時変化を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 パラフィン系原油又は中間基原油を蒸留して得られた留出油を
    精製した後、深脱ろう処理した、沸点150℃以上の鉱油を主成分とするもので
    あって、粘度が2〜500 cSt(40℃),流動点が−40℃以下,硫黄分が6
    〜800ppm および芳香族炭化水素含量(%CA)が6〜30%である電気絶縁
    油。

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