JP2542682B2 - セラミックス焼成用道具材 - Google Patents

セラミックス焼成用道具材

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JP2542682B2 JP63181141A JP18114188A JP2542682B2 JP 2542682 B2 JP2542682 B2 JP 2542682B2 JP 63181141 A JP63181141 A JP 63181141A JP 18114188 A JP18114188 A JP 18114188A JP 2542682 B2 JP2542682 B2 JP 2542682B2
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雅司 藤本
能久 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフェライトなどのセラミックスを焼成する際
に用いられるセッター、棚板などの道具材に関する。
〔従来の技術〕
例えばフェライトなどのセラミックスを焼成する際に
は、棚板上にセッターを載せ、セッター上に被焼成物を
載せたものを、支柱を介して多段に積層した状態で炉内
に装入している。
棚板としてはAl2O3質又はAl2O3−SiO2質でかさ比重2.
0〜4.0のもの、セッターとしては高純度Al2O3質でかさ
比重2.0〜4.0のものが使用されるのが一般的である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述したようなセッターや棚板を使用した場
合、以下のような問題が生じていた。すなわち、被焼
成物のセッターとの接触部分に焼きむらが生じたり、バ
インダーが残存することがある。セッター及び棚板の
空隙率が小さいため、雰囲気ガスの流通性が悪い。セ
ッター及び棚板のかさ比重が大きいため、熱容量が大き
く、熱効率が悪い。
なお、高純度アルミナ質からなり、かさ比重が約1.0
〜1.5で、熱容量の小さい軽量セッターも知られてはい
るが、こうした軽量セッターの空隙率は50〜70%であ
り、やはり雰囲気ガスの流通性がそれほどよくないとい
う問題があった。
そこで、セラミックフォームからなる棚板などの道具
材を使用することが試みられている。しかし、従来のセ
ラミックフォームからなる道具材は、強度及び耐スポー
リング性に劣るという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、被焼成物に焼きむらやバイング残りを生じさせるこ
とがなく、雰囲気ガスの流通性が良好で、熱効率を改善
することができ、しかも強度及び耐スポーリング性に優
れたセラミックス焼成用道具材を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明のセラミックス焼成用セッターは、平均粒子径
の比ZrO2/Al2O3が1〜10であるAl2O3とZrO2とを、Al2O
370〜95重量%、ZrO230〜5重量%の組成比で配合、成
形し、焼成してなり、かさ比重が0.7〜2.0、空隙率が50
〜90%であることを特徴とするものである。
本発明に係るセラミックス焼成用道具材は、いわゆる
セラミックフォームからなるものである。このような道
具材は以下のような方法により製造することができる。
例えば、原料粉末のスリップを調製し、ウレタンフォー
ムのような芯材に上記スリップを含浸させて乾燥すると
いう作業を繰返した後、焼成して芯材を焼去することに
より製造することができる。したがって、セラミックフ
ォームからなる道具材のかさ比重や空隙率は、芯材であ
るウレタンフォームの目開きの種類、セル数及び含浸回
数を変化させることにより所望の特性が得られる。
本発明において、Al2O3とZrO3との平均粒子径の比ZrO
2/Al2O3(以下、Z/Aと記す)を、1〜10と規定したの
は以下のような理由による。すなわち、Z/Aが1未満で
は耐スポーリング性が低下するため、セラミックス焼成
用道具材として使用することが困難である。また、Z/A
が10を超えると圧縮強さが低下するとともに耐スポーリ
ング性が低下するため、やはりセラミックス焼成用道具
材として使用することが困難である。
なお、各原料の平均粒子径は、Al2O3が0.1〜10μm、
ZrO2が1〜10μmであることが望ましい。
本発明において、組成比をAl2O370〜95重量%、ZrO23
0〜5重量%と規定したのは、Al2O3が70重量%未満で、
ZrO2が30重量%を超えると道具材の圧縮強さが低下し、
一方Al2O3が95重量%を超え、ZrO2が5重量%未満であ
ると、耐スポーリング性が低下するためである。
本発明において、セラミックフォームからなる道具材
のかさ比重を0.7〜2.0と規定したのは、かさ比重が0.7
未満では強度が低下し、一方かさ比重が2.0を超えると
熱容量が大きくなって熱効率を向上させる効果が少ない
ためである。
本発明において、セラミックフォームからなる道具材
の空隙率を50〜90%と規定したのは、空隙率が50%未満
では雰囲気ガスの流通性を改善する効果が少ないうえに
熱容量が大きくなって熱効率を向上させる効果が少な
く、一方空隙率が90%を超えると強度が低下するためで
ある。
なお、本発明の道具材を例えばセッターとして用いる
場合、かさ比重は0.5〜1.2、空隙率は70〜90%、厚みは
3〜10mm、1インチ当りのセル数は13〜30であることが
望ましい。これは目開きが大きい(例えば♯6、8)と
被焼成物に傷が入りやすいためである。
また、本発明の道具材を棚板や匣鉢として用いる場
合、かさ比重は0.7〜2.0、空隙率は50〜85%、厚みは10
〜30mm、1インチ当りのセル数は6〜20であることが望
ましい。これは、セッターに比べて棚板、匣鉢は積み上
げて使用されることが多く。強度が要求されるためであ
る。すなわち、同じかさ比重のフォームを得る場合、セ
ル数が小さい(目開きが大きい)ほど骨格の太さが大と
なり強度が向上する。
本発明によれば、被焼成物と道具材との接触部分が点
接触又は線接触となるので、被焼成物に焼きむらが生じ
たりバインダが残ることがなく、雰囲気ガスの流通性が
良好で、軽量であるため熱効率を改善することができ、
しかも強度及び耐スポーリング性に優れたセラミックス
焼成用道具材を提供することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
第1表に示す平均粒子径比のアルミナ及びジルコニア
(No1〜15)を、同表に示す組成比で配合し、水を加え
て混合してスリップを調製した。このスリップをウレタ
ンフォームからなる芯材に含浸させて乾燥するという作
業を数回繰返した後、焼成して芯材を焼去した。
得られたセラミックフォームの一部を切出して作製さ
れた試料について、かさ比重、空隙率、骨格かさ比重、
圧縮強さ、耐スポーリング性を調べた。この場合、耐ス
ポーリング性は、直径50mm、厚さ50mm、セル数6の試料
を、SiC発熱体を有する電気炉内に1200℃で15分間保持
し、5分間水冷するという操作を5回繰返した後、試料
の骨格部が徐々に欠け落ることに伴なう重量変化(重量
残存率(%))で評価した。その結果を第1表に示す。
また、平均粒子径の比(Z/A)と圧縮強さ及び重量残存
率との関係を第1図に示す。
なお、第1図には従来のアルミナ質セラミックフォー
ムの試料についても上記と同様の結果を併記する。
第1表及び第1図から明らかなように、アルミナ−ジ
ルコニア質のセラミックフォームは平均粒子径の比(Z/
A)が1〜10の範囲で充分な圧縮強さを維持しつつ耐ス
ポーリング性を向上できることがわかる。特に、平均粒
子径の比が4〜6の範囲では耐スポーリング性を著しく
向上することができる。
次に、以下の比較例1、2及び実施例1、2のように
して同一の電気炉内でフェライトを焼成した。
比較例1 Al2O3の棚板上に高純度Al2O3質のセッターを載せ、セ
ッター上にフェライト原料を載せ、更にAl2O3質の支柱
(3角柱状をなし、棚板の4隅に設けられる)を介して
複数段積層した。
比較例2 Al2O3の棚板上に軽量セッターを載せ、軽量セッター
上にフェライト原料を載せ、更にAl2O3質の支柱を介し
て複数段積層した。
実施例1 第2図(a)に示すように、Al2O3質の棚板1上にア
ルミナージルコニア質のセラミックフォーム(No7)か
らなるセッター2を載せ、セッター2上にフェライト原
料を載せ、更にAl2O3質の支柱3を介して複数段積層し
た。
実施例2 アルミナ−ジルコニア質のセラミックフォーム(No
7)からなる棚板4上に直接フェライト原料を載せ、更
にAl2O3質の支柱3を介して複数段積層した。
以上のそれぞれの場合について、焼きむらによる不良
率及び消費電力を調べた。その結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように実施例1及び2では、焼き
むらによる不良率が少なく、しかも消費電力も少なくな
っており、歩留り及び熱効率の両者を向上できることが
わかる。
なお、本発明に係るセラミック焼成用道具材、例えば
棚板やセッターはセル数の異なる複数のセラミックフォ
ームを積層したものでもよい。また、本発明に係るセラ
ミック焼成用道具材の用途としては、上述した棚板及び
セッターに限らず、棚板の支柱、るつぼやさやばち及び
それらの蓋体など種々の用途が挙げられる。また、本発
明に係るセラミック焼成用道具材を補強するには、欠落
が生じやすい周辺部を緻密質のセラミックスでコーティ
ングすればよい。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明のセラミック焼成用道具材
によれば、被焼成物に焼きむらやバインダ残りを生じさ
せることがなく、雰囲気ガスの流通性が良好で、熱効率
を改善することができ、しかも強度及び耐スポーリング
性に優れているなど顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るセラミック焼成用道具材の平均粒
子径比(ZrO2/Al2O3)と圧縮強さ及び重量残存率との
関係を示す特性図、第2図(a)及び(b)はそれぞれ
本発明に係るセラミック焼成用道具材による焼成方法を
示す断面図である。 1…棚板(Al2O3質)、2…セッター(アリミナ−ジル
コニア質セラミックフォーム)、3…支柱(Al2O
3質)、4…棚板(アリミナ−ジルコニア質セラミック
フォーム)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径の比ZrO2/Al2O3が1〜10であ
    るAl2O3とZrO2とを、Al2O370〜95重量%、ZrO230〜5重
    量%の組成比で配合、成形し、焼成してなり、かさ比重
    が0.7〜2.0、空隙率が50〜90%であることを特徴とする
    セラミックス焼成用道具材。
JP63181141A 1988-07-20 1988-07-20 セラミックス焼成用道具材 Expired - Lifetime JP2542682B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61201659A (ja) * 1985-03-06 1986-09-06 東芝セラミツクス株式会社 セラミックフォームの製造方法
JPS61141666A (ja) * 1984-12-12 1986-06-28 東芝セラミツクス株式会社 セラミックフオ−ム

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