JP2542615Y2 - 植付アーム支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は植付アーム支持構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の強制押出式ロータリー式植付装置のロータリー
ケースに取付られた植付アームにおいて、植付アームの
ロータリーケース側の支持部は側面視で定まった形がな
く、適当な形の部材に構成され、他方、植付アーム側の
ロータリーケースの支持部への取付基部も、側面視でロ
ータリーケースの支持部と一致する形の取付基部とし
て、側面視において前記支持部材の取付基部と植付アー
ム側の接合部分は同形で重なるようになっている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 以上のようなものであると、側面視においてロータリ
ーケース側の支持部と植付アーム側の取付基部は適当な
形の同形で重なるように配設されているので、強度が小
さく、しかも、ロータリーケースの回転にともなってロ
ータリーケースの前記カム軸上で自転する植付アームと
その取付基部・支持部に対する草や藁くずの巻きつきが
多く、泥水等の付着が多い問題があった。

〔問題点を解決するための手段〕

したがって本案の技術的課題は、ロータリーケースの
支持部材の植付アームの支持部を、側面視で円形の円板
状体に構成するとともに、植付アーム側の支持部への取
付基部を有する取付け部を、側面視で前記円形の円板状
体の円周内に納まる形の取付基部として、植付アームを
該取付基部にてロータリーケースの円板状体の支持部に
側面から結合して支持するように構成することにより、
強度があり、草や藁くずの巻きつきならびに泥水等の付
着の少ない植付アーム支持構造を得ることを目的とする
ものである。

この技術的課題を解決する本案の技術的手段は、ロー
タリーケースに取付られたカム軸に支持部材を嵌装し
て、該支持部材に植付アームと遊星歯車とを固定するよ
う構成するとともにカム軸に設けられたカムによって軸
を中心として揺動するプッシュレバーを設け、リンクを
介してプッシュロッドを前後動せしめるよう構成する植
付アームを前記ロータリーケースの回転にともなって該
ロータリーケースの前記カム軸上で自転するように構成
したロータリー植付位置における強制押出式の植付アー
ムにおいて、前記ロータリーケースの支持部材の植付ア
ームの支持部を、側面視で円形の円板状体に構成すると
ともに、植付アーム側の支持部への取付基部を有する取
付け部を、側面視で前記円形の円板状体の円周内に角形
形状体に構成し、植付アームを該取付基部にてロータリ
ーケースの円板状体の支持部に側面から結合して支持す
るように構成したことを特徴とする植付アーム支持構
造。

〔考案の効果〕

この技術的手段によれば、ロータリーケースに取付ら
れたカム軸に支持部材を嵌装して、該支持部材に植付ア
ームと遊星歯車とを固定するよう構成するとともにカム
軸に設けられたカムによって軸を中心として揺動するプ
ッシュレバーを設け、リンクを介してプッシュロッドを
前後動せしめるよう構成する植付アームを前記ロータリ
ーケースの回転にともなって該ロータリーケースの前記
カム軸上で自転するように構成しロータリー植付位置に
おける強制押出式の植付アームにおいて、前記ロータリ
ーケースの支持部材の植付アームの支持部を、側面視で
円形の円板状体に構成するとともに、植付アーム側の支
持部への取付基部を有する取付け部を、側面視で前記円
形の円板状体の円周内に納まる形の取付基部として、植
付アームを該取付基部にてロータリーケースの円板状体
の支持部に側面から結合して支持するように構成したか
ら、 ロータリーケースの回転にともなってロータリーケー
スの前記カム軸上で自転する植付アームを、その支持部
材の側面視で円形の円板状体の円周内に、不等形等の側
面視で前記円形の円板状体の円周内に納まる安定した形
で結合することにより、ロータリーケースへの精度の良
く強度の高い取付け状態が得られるとともに、ロータリ
ーケースのカム軸上での自転する植付アームの取付基部
とロータリーケースの支持部の回転に対しても、支持部
の外周部分を円形とすることと、植付アームの取付基部
を支持部の円周内に納まるものとすることにより、引っ
掛かるところがほとんどなく、草や藁くずの巻きつきが
なく、しかも、泥水等の付着も少なくすることができ
て、理想的な植付アームの支持部の構造を得ることがで
きるすぐれた特徴を有する。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例について説明する。

先ず、ロータリー植付位置について説明する。

第４図において、エンジンからミッションケースを介
して駆動される植付主軸（16）から植付伝動ケース（1
7）内のチェーンとスプロケットとからなる伝動系統を
経て、入力軸（18）が安全クラッチ（19）を介して駆動
される。

第５図に示す伝動軸、すなわち入力軸（18）は植付伝
動ケース（17）に対して回転自在である。

伝動軸（18）には太陽歯車（19）が遊嵌されている。

ただし、太陽歯車位相調節部材（20）を介して植付伝
動ケース（17）に固定されている。これは、太陽歯車
（19）の植付伝動ケース（17）に対する相対位置を変え
るものである。伝動軸（18）の端部には、中空状の２つ
割りロータリーケース（20）が軸架されており、植付爪
の上部停止装置との関係から位置調整して伝動軸（18）
にロータリーケース（20）が取付けられ、ボルト（21）
により伝動軸（18）に固定されるものである。

回転体としてのロータリーケース（20）には、太陽歯
車（19）と噛合し、かつ太陽歯車（19）と同歯数の中間
歯車（22）（22）が中間軸（23）（23）を介して回転自
在に設けられており、植付軸としてのカム軸（24）上に
は前記中間軸（23）上の中間歯車（22）に常時噛合する
太陽歯車（19）と同歯数の遊星歯車（25）が後述する支
持部材を介して枢着されている。

これら太陽歯車（19）、中間歯車（22）、遊星歯車
（25）は第６図に示す如く回転中心から適宜寸法（ｅ）
偏心した歯車である。

カム軸（24）は、位置調節部材（26）を介してロータ
リーケース（20）に取付けられている。

そして、位置調節部材（26）を調整することにより、
押出爪の押出タイミングが変更される。カム軸（24）に
は後述するカムが設けられている。

又、カム軸（24）には支持部材（27）が嵌装され、こ
の支持部材（27）に植付アーム（28）と前記した遊星歯
車（25）とが固定されている。さらに、支持部材（27）
の植付アーム（28）の支持部（27a）を側面視で円形の
円板状体（円形のフランジ）に構成して、植付アーム
（28）側の支持部材（27）への取付け部（28a）を側面
視で前記円形の円板状体の円周内に複数の締結部（28
b）を有する多角形形状体（側面視で多角形のフラン
ジ）として、側面視において前記支持部材（27）の円板
状体の円内で植付アーム（28）側の多角形形状体が締結
部（28b）にて結合配設される。

さて、回転体としてのロータリーケース（20）がその
回転軸である伝動軸（18）により第６図の如く矢印Ａ方
向に自転すると、植付伝動ケース（17）に対して、回転
不能の太陽歯車（19）に噛合する中間歯車（22）はロー
タリーケース（20）の自転に伴ってその自転の回転角度
と同じ回転角度だけ矢印Ｂの方向に自転する。

この中間歯車（22）に遊星歯車（25）を介して連動す
る植付爪アーム支持部材（27）は、中間歯車（22）の自
転により矢印Ｃ方向、つまりロータリーケース（20）の
自転方向と逆方向に自転するから、植付アーム（28）は
苗載台の方向を向いた姿勢状態で駆動軸（18）を中心に
旋回運動することになり、この旋回運動中において苗載
台に面する側を上から下に下降するとき、その植付爪の
先端部にて苗載台上の苗マットから苗を一株だけ分割し
たのち、その下降下限において圃場面に植付し、その後
において圃場面より上昇するもので植付時に押出爪が苗
を押出すので苗は植付爪から離れる。

また、第６図に示す如く太陽歯車（19）、中間歯車
（22）、遊星歯車（25）の何れもがｅ量偏心した偏心歯
車に構成されているのでロータリーケース（20）の矢印
Ａ方向への自転に伴って支持部材（27）は公転し、それ
に伴う支持部材（27）自体のＣ方向への自転はその一回
転中において偏心歯車（22）、（22）（25）（25）それ
ぞれの噛み合いにおける回転軸心に対する噛み合いピッ
チ半径の違いによりロータリーケース（20）の自転速度
に対して早くなったり遅くなったりするように構成され
ている。

よって、ロータリーケース（20）の自転に対して植付
アーム（28）のＣ方向への自転が遅くなる時期が、苗取
位置から植付アーム（28）の圃場面に近づくように下降
する時期に、又一方、植付アーム（28）のＣ方向への自
転が早くなる時期が植付アーム（28）の上昇上限に近づ
くように植付位置から上昇する時期に各々該当するよう
に設定することにより、各植付アーム（28）は圃場面に
近づくように下降するときロータリーケース（20）の自
転よりもＣ方向に遅れ勝手にゆっくり自転しながら公転
により姿勢を下向きに変え、植付後に上昇上限に近づく
とき、ロータリーケース（20）の自転よりも余分にＣ方
向に進み勝手に自転して姿勢を上向きに変えるから、第
６図の如く爪先端の運動軌跡の閉ループは一方によりカ
ーブし、他方はより直線に近いところの変形の楕円状の
閉ループ曲線となっている。

以上のようなロータリー植付位置における強制押出式
植付アーム支持構造は、第1,5図の如く、支持部材の植
付アームの支持部を側面視で円形のフランジに構成し
て、植付アーム側の支持部材への取付け部を側面視で不
等形のフランジとして、側面視において前記支持部材の
円形のフランジ内で植付アーム側の不等形のフランジが
結合配設されるものである。

また、カム軸（24）のカム（29）によって軸（30）を
中心として揺動するプッシュレバー（31）があり、リン
ク（32）を介してプッシュロッド（33）を前後動せしめ
るようになっている。

（34）はスプリングでプッシュロッド（33）を前方に
向かって附勢しており、押出爪（33a）はこのプッシュ
ロッド（33）の先端に取付けられている。（35）は固定
爪である。

ところで、従来の以上のような植付アームにおけるプ
ッシュレバー（３）は、形状を呈しており、その先端
にプッシュロッド（４）が取付けられていて、この部分
にクッションゴム（９）があるので爪ケース（８）の背
部が長くなり、後方の植付爪軌跡Ｘと爪ケース（８）の
背部との間に十分なスペースが確保できないし、又、プ
ッシュレバー（３）の形状が形状であるので、植付アー
ムのロータリーケース取付部におけるスペースが十分に
確保できず、したがって苗と爪ケースの干渉防止用スペ
ースが十分確保できない。又、実開昭61−110223号のも
のは中間軸が単にＬ字形に配置されているため、爪ケー
ス背部に余裕のある空間が形成されず、後方の植付爪と
爪ケースとの干渉防止用スペースが十分確保できない。

すなわち、プッシュレバー（31）を逆Ｕ字状に形成
し、かつプッシュレバー（31）がプッシュロッド（33）
を押し切った位置のときのプッシュレバー（31）の前面
と、これと対向する爪ケースの面（38）をクッションゴ
ム（37）を介して一部平行になしたものである。

以上の如く、プッシュレバー（31）が逆Ｕ字状に形成
されているので、クッションゴムをプッシュロッドの位
置と同様な位置に設ける必要がなく、プッシュレバーの
第１の折曲部に近く設けることができ、又、プッシュロ
ッドの位置を第２の折曲部に近く設けることができて、
前方の位置にプッシュロッドを配置することができるの
で、爪ケースの背部を後方に向かって大きく形成する必
要がなく、爪ケースの背部と後方の植付アームの爪軌跡
との間のスペースS1を十分に確保できる。

しかしてプッシュロッド（33）の軸線Ｙとプッシュレ
バー軸（30）との間隔が小さいのでプッシュレバー（3
1）とプッシュロッド（33）の連結点（32）の移動量、
すなわちプッシュレバー（31）の移動量を多くすること
によりプッシュロッドの必要なストロークをとるように
なっている。

したがって、プッシュレバーの慣性力が強いがこれを
プッシュレバー（31）の前面と、これと対向する爪ケー
スの面（38）とを平行とすることにより、プッシュレバ
ー（31）の力を爪ケースの全面で受け止めることがで
き、クッションゴムの使用と相俊ってプッシュレバーに
変形を与えるような力が作用しない。

本案は、ロータリーケースに取付られたカム軸に支持
部材を嵌装して、該支持部材に植付アームとを遊星歯車
とを固定するよう構成するとともにカム軸に設けられた
カムによって軸を中心として揺動するプッシュレバーを
設け、リンクを介してプッシュロッドを前後動せしめる
よう構成する植付アームを前記ロータリーケースの回転
にともなって該ロータリーケースの前記カム軸上で自転
するように構成したロータリー植付位置における強制押
出式の植付アームにおいて、ロータリーケースの支持部
材の植付アームの支持部を、側面視で円形の円板状体に
構成するとともに、植付アーム側の支持部への取付基部
を有する取付け部を、側面視で前記円形の円板状体の円
周内に角形形状体に構成し、植付アームを該取付基部に
てロータリーケースの円板状体の支持部に側面から結合
して支持するように構成し、ロータリーケースの回転に
ともなってロータリーケースの前記カム軸上で自転する
植付アームをその支持部材の円形の円板状体内に植付ア
ーム側の角形形状体の取付け部を安定した形で強度をも
って結合することにより、ロータリーケースへの精度の
良い取付け状が得られるとともに、ロータリーケースの
カム軸上での自転する植付アームと支持部材の両フラン
ジの外周部材の回転に対しても、角形形状体の取付け部
を円形支持部の円形外周でガードすることにより、草や
藁くずの巻きつきがなくしかも泥水等の付着も少なくす
ることができて、理想的な植付アームの取付け部・支持
部の構造を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案植付アームの正面図、第２図は同上平面
図、第３図はプッシュレバーの斜視面、第４図は伝動系
統図、第５図はロータリーケースの断面図、第６図は植
付軌跡の説明図、第７、８図は従来の植付アームの正面
図と平面図である。 （20）……ロータリーケース （24）……カム軸 （29）……カム （30）……回動軸 （31）……プッシュレバー （32）……リンク （33）……プッシュロッド （35）……固定爪 （37）……クッションゴム

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロータリーケースに取付られたカム軸に支
   持部材を嵌装して、該支持部材に植付アームと遊星歯車
   とを固定するよう構成するとともにカム軸に設けられた
   カムによって軸を中心として揺動するプッシュレバーを
   設け、リンクを介してプッシュロッドを前後動せしめる
   ように構成する植付アームを前記ロータリーケースの回
   転にともなって該ロータリーケースの前記カム軸上で自
   転するように構成したロータリー植付位置における強制
   押出式の植付アームにおいて、前記ロータリーケースの
   支持部材の植付アームの支持部を、側面視で円形の円板
   状体に構成するとともに、植付アーム側の支持部への取
   付基部を有する取付け部を、側面視で前記円形の円板状
   体の円周内に角形形状体に構成し、植付アームを該取付
   基部にてロータリーケースの円板状体の支持部に側面か
   ら結合して支持するように構成したことを特徴とする植
   付アーム支持構造。