JP2542397Y2 - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents

車両用ディスクブレーキ

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JP2542397Y2
JP2542397Y2 JP1993020386U JP2038693U JP2542397Y2 JP 2542397 Y2 JP2542397 Y2 JP 2542397Y2 JP 1993020386 U JP1993020386 U JP 1993020386U JP 2038693 U JP2038693 U JP 2038693U JP 2542397 Y2 JP2542397 Y2 JP 2542397Y2
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竹徳 土屋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車や自動二輪車等
の車両に用いられる車両用のディスクブレーキに係り、
詳しくは、キャリパ支持腕のパッドガイド部で、摩擦パ
ッドの裏板耳片を支承するパッドリテーナの構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】摩擦パッドの裏板の両側部に耳片を突設
し、両耳片を、一対のキャリパ支持腕に対向形成された
パッドガイド部に支承させて、摩擦パッドをディスク軸
方向へ移動可能に吊持するディスクブレーキでは、ステ
ンレス等の薄板を用いたパッドリテーナをパッドガイド
部に敷設し、該パッドリテーナを介して耳片を支承する
ことによって、摩擦パッドの移動が円滑に行なえるよう
しており、その一例として、実公昭60−21559号
公報に示されるものがある。
【0003】上述のディスクブレーキに用いられるパッ
ドガイド部は、ディスク半径方向外側に摩擦パッドの浮
き上がりや抜けを防止する突片を備えたいわゆる上顎付
きで、摩擦パッドをディスク半径方向に抜き差しするこ
とができないため、摩擦パッドは、パッドリテーナを敷
設したパッドガイド部に、反ディスクロータ側から差し
込むようになっている。
【0004】一方、パッドリテーナは、ディスク半径方
向内外に対向する内側片及び外側受け片と、これらをつ
なぐ帯状の側片と、内側片の一端から外側へ突出して、
該内側片の内側へ折り返される弾性ループ部と、該弾性
ループ部の先端から内側片と外側受け片との間に延びる
パッド弾発片とを持っている。
【0005】上述のパッドリテーナは、外側受け片及び
内側片が、パッドガイド部の上面及び下面に敷設され、
側片がパッドガイド部の奥壁内面に敷設されると共に、
弾性ループ部が、パッドガイド部の反ディスクロータ側
に突出配置され、摩擦パッドの耳片は、パッドガイド部
の反ディスクロータ側から、パッド弾発片をディスク半
径方向内側へ押し退けながら、外側受け片とパッド弾発
片との間に差し込まれて行く。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような反ディスクロータ側からの組付けでは、キャリパ
ボディやキャリパブラケットとの間に、摩擦パッドを把
持する間隙が殆どないうえ、弾性ループ部が外側受け片
と内側片の反ディスクロータ側へ突出していることか
ら、耳片が弾性ループ部に接触した当初から傾いて、摩
擦パッドの差し込みを困難なものにしている。また、パ
ッド弾発片が外側受け片方向へ傾斜していて、摩擦パッ
ドに対する偏荷重が漸増するため、内方への差し込みを
一層困難にするばかりか、摩擦パッドが倒れ状態にセッ
トされてしまう虞がある。
【0007】このため、摩擦パッドの傾きとは逆方向に
付勢して、この付勢力を加減しながら差し込んでいくと
いう巧みな技術が要求されることとなり、この組付けを
どうしても時間のかかる手作業に頼らざるをえず、摩擦
パッドの組付けを自動化しにくい一因ともなっていた。
【0008】本考案は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、摩擦パッドの組付
けを、特別な技術を要することなく短時間で簡便に行な
うことができ、また機械による自動組付けにも好適なパ
ッドリテーナを備えた車両用ディスクブレーキを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上述の目的に従い、本考
案は、車体に固設されるキャリパブラケットに、ディス
クロータの外側をディスク軸方向に跨ぐ一対のキャリパ
支持腕を延設し、両キャリパ支持腕に相対向して設けた
パッドガイド部にパッドリテーナを敷設して、摩擦パッ
ドの裏板両側部に突出する耳片を支承する車両用ディス
クブレーキにおいて、前記パッドリテーナに、前記裏板
の耳片を挟んでディスク半径方向内外に向き合う内側受
け片及び外側受け片と、内側受け片及び外側受け片の
で、かついずれか一方の受け片側に偏位して配設され
るパッド弾発片とをそれぞれディスク軸と平行に設ける
と共に、該パッド弾発片のディスク軸方向の長さを内側
受け片及び外側受け片のディスク軸方向の長さよりも短
く形成して、パッド弾発片をディスクロータ寄りに配設
し、該パッド弾発片の反ディスクロータ側の端部に、先
端が前記いずれか一方の受け片に達する差し込みガイド
片を傾斜して延出し、前記内側受け片と外側受け片との
間隔を、前記耳片のディスク半径方向のよりも広く設
定して、パッド弾発片よりも反ディスクロータ側の内側
受け片と外側受け片との間を耳片の仮置きスペースとな
し、内側受け片及び外側受け片のいずれか他方とパッド
弾発片との間隔を、耳片のディスク半径方向のと同等
又はこれよりも狭く設定して、内側受け片と外側受け片
のいずれか他方とパッド弾発片との間を耳片のセットス
ペースとなしたことを特徴としている。
【0010】
【作用】パッドリテーナの内外の受け片の間のスペース
は、パッド弾発片とこれに対向する他方の受け片とで、
耳片の内側面と外側面とを保持するディスクロータ側の
セットスペースと、内外の受け片でなる反ディスクロー
タ側の仮置きスペースとに分けられる。
【0011】摩擦パッドの差し込み側となる仮置きスペ
ースでは、その間隔が耳片のディスク半径方向の幅より
も広く設定されているため、摩擦パッドをセットスペー
スへ設置する前の耳片の仮置きが可能で、人手による組
付けでは摩擦パッドの持ち直しが行なえ、また機械によ
る自動組付けでは、チャックや押込み具の差し替えが行
なえるようになる
【0012】仮置きスペースでの仮置き状態から、摩擦
パッドを差し込んでいくと、耳片の内側面と外側面のい
ずれか一方が、パッド弾発片の差し込みガイド片上を滑
りながら、ディスクロータ側へ進入して行き、セットス
ペースでは、その間隔が耳片のディスク半径方向の幅と
同等又はこれよりも狭く設定されているため、内側受け
片及び外側受け片のいずれか他方とパッド弾発片との間
に耳片が挟まれて、摩擦パッドのセット状態となる。
【0013】摩擦パッドの耳片は、仮置きスペースから
セットスペースヘ移動する際に、パッド弾発片から傾斜
して延出している差し込みガイド片上で傾こうとする
が、耳片の他方の側面が、他方の受け片と接触してガイ
ドされるので、摩擦パッドの倒れが防止される。
【0014】セットスペースでの耳片は、内外の側面
が、内側受け片及び外側受け片のいずれか他方とパッド
弾発片に接触して保持され、摩擦パッドがディスクロー
タの側面と平行に吊り下げられる。
【0015】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0016】ディスクブレーキ1は、車輪と一体に回転
するディスクロータ2と、該ディスクロータ2の一側部
で車体に固設されるキャリパブラケット3と、該キャリ
パブラケット3のキャリパ支持腕3a,3aに、一対の
スライドピン4,4を介して、ディスク軸方向へ移動可
能に支持されるキャリパボディ5と、該ボディ5の作用
部5aと反作用部5bの内側で、ディスクロータ2を挟
んで対向配置される一対の摩擦パッド6,6とからなっ
ている。
【0017】キャリパボディ5は、ディスクロータ2の
両側に配設される上述の作用部5a及び反作用部5b
と、これらをディスクロータ2の外側を跨いで連結する
ブリッジ部5cとからなっている。作用部5aには、デ
ィスクロータ2側を開口したシリンダ孔7が設けられ、
該シリンダ孔7に、有底円筒状のピストン8が収容され
ており、ピストン8は、シリンダ孔底部の液圧室9に供
給される圧液によって、シリンダ孔7をディスクロータ
方向へ移動するようになっている。また、作用部5aの
側部には、車体取り付け腕5d,5dが突設されてお
り、各車体取付け腕5dの先端には、それぞれ上述のス
ライドピン4が、取付けボルト10にて突設されてい
る。
【0018】キャリパ支持腕3a,3aは、キャリパブ
ラケット3の両側部から、ブリッジ部5cの両側を挟み
ながらディスクロータ2の外側をディスク軸方向に跨
ぎ、更にディスクロータ2の他側部で、反作用部5bの
側壁に沿ってディスク中心方向へ延びる形状となってい
る。キャリパ支持腕3a,3aの先端部は、タイロッド
3bにて連結されていて、制動トルクのかかる両支持腕
3a,3aの剛性力を高めている。
【0019】各キャリパ支持腕3aには、上述のスライ
ドピン4を収容するガイド孔3cが穿設され、また双方
のキャリパ支持腕3a,3aには、ディスクロータ2の
それぞれの側部で互いに向き合う4つのパッドガイド部
3dが設けられている。各パッドガイド部3dは、ディ
スク半径方向外側に突片3eを有する上顎付きで、各摩
擦パッド6は、裏板11の両側部に突出する耳片11
a,11aを、ディスク回入側と回出側のパッドガイド
部3d,3dに反ディスクロータ側より差し込ま
片11a,11aがディスク回入側と回出側のパッドガ
イド部3d,3dに、それぞれパッドリテーナ13を介
して支承される。
【0020】上記パッドリテーナ13は、ディスク回入
側又は回出側で、ディスクロータ両側のパッドガイド部
3d,3dに敷設される一対のリテーナ部13a,13
aと、ディスクロータ2の外側を跨いで、リテーナ部1
3a,13aの上部をつなぐ連結片13bと、該連結片
13bの中央部から突出して、キャリパ支持腕3aのロ
ータ溝3fに係止される取付け片13cとからなってい
る。
【0021】リテーナ部13aは、摩擦パッド6の耳
片11aを挟んでディスク半径方向の内外に向き合う内
側受け片13d及び外側受け片13eと、これら両片1
3d,13eをつなぐ側片13fと、各内側受け片13
のディスクロータ寄りからキャリパボディ5方向へ突
して、内側受け片13d方向へ曲げ戻された一対の弾
性ループ部13g,13gと、該弾性ループ部13g,
13gの先端から、内側受け片13dの前方へ延設され
たパッド弾発片13hとからなっており、該パッド弾発
片13hは、内側受け片13d及び外側受け片13eの
間で、かつ内側受け片13d側に偏位し、かつディスク
ロータ寄りに配設され、これら受け片13d,13e及
びパッド弾発片13hは、ディスク軸と平行に配設され
ている。
【0022】内側受け片13dと外側受け片13e及び
側片13fは、ディスク軸方向の長さが略同一長で形成
されており、内外の受け片13d,13eの間隔C1
は、耳片11aのディスク半径方向の幅Wよりも広く設
定されている。また、パッド弾 発片13hと外側受け片
13eとの間隔C2は、耳片11aのディスク半径方向
の幅Wと同等か、これよりもやや狭く設定されている。
パッド弾発片13hと内外の受け片13d,13eとの
ディスクロータ端は面一であり、パッド弾発片13h
は、そのディスク軸方向の長さL1が、摩擦パッド6の
耳片11aが、ライニング12の新品時からフル摩耗す
るまでを移動する距離に足りる長さであって、内外の受
け片13d,13eディスク軸方向の長さL2よりも短
く形成されている。
【0023】これにより、パッドリテーナ部13aの内
外の受け片の間のスペースは、ディスクロータ側のパッ
ド弾発片13hと外側受け片13eとの間にセットスペ
ース14が、またパッド弾発片13hから反ディスクロ
ータ側の内側受け片13dと外側受け片13eとの間に
仮置きスペース15がそれぞれ設定され、摩擦パッド6
の差し込み側となる反ディスクロータ側に仮置きスペー
ス15を設定することによって、摩擦パッド6をセット
スペース14へ設置する前の耳片11aの仮置きができ
るようにしている。
【0024】内外の受け片13d,13eと側片13f
の反ディスクロータ側端には、それぞれ差し込みガイド
片13iがそれぞれ外開きに設けられており、摩擦パッ
ド6の耳片11aを、上述の仮置きスペース15へ容易
に差し込めるようにしている。また、パッド弾発片13
hの反ディスクロータ側には、差し込みガイド片13j
が、内側受け片13dの外側を斜め方向に交差して延出
している。この差し込みガイド片13jは、仮置きスペ
ース15へ差し込まれた耳片11aを、パッド弾発片1
3h上へ案内するためのものであるから、その先端が少
なくとも内側受け片13dに達していればよい。
【0025】リテーナ部13aは、内側受け片13dと
外側受け片13eとが、それぞれパッドガイド部3dの
上面及び下面に敷設され、側片13fがパッドガイド部
3dの奥壁内面に敷設される。また、パッド弾発片13
hは、パッドガイド部3dからキャリパボディ5側へ突
出して、内側受け片13dと外側受け片13eと共にデ
ィスク軸と平行に配設される。
【0026】本実施例は、以上のように構成されてお
り、摩擦パッド6は、ディスクロータ2のそれぞれの
側部で、裏板11の耳片11a,11aが、ディスク回
入及び回出のパッドガイド部3d,3dに、反ディスク
ロータ側からそれぞれ差し込まれて行き、パッドガイド
部3dへの差し込み側となるパッドリテーナ13の仮置
きスペースでは、耳片11aの内側面が内側受け片13
dに支承される(図1の想像線)。
【0027】上述の仮置きスペース15では、内外の受
け片13d,13eの間隔C1が、耳片11aのディス
ク半径方向の幅Wよりも広く、耳片11aの外側面と外
側受け片13eとの間に余裕があるため、耳片11aを
容易に差し込みできるほか、この仮置きスペース15に
おいて、摩擦パッド6の耳片11aをセットスペース1
4にセットする前の仮置きが可能で、摩擦パッド6を人
手で組付けする場合には、摩擦パッド6の持ち直しが可
能であり、同じく摩擦パッド6を機械で組付けする場合
には、マグネットチャックを押動部材に交換することが
できる。
【0028】仮置きスペース15の耳片11aが、セッ
トスペース14方向へ押し込まれて行くと、耳片11a
の内側面を支承するガイド面が、内側受け片13dから
差し込みガイド片13jに代わり、耳片11aの内側面
が、差し込みガイド片13j上を滑りながら、パッド弾
発片13h側へ進入して行く。
【0029】差し込みガイド片13jは、前述のように
内側受け片13dへ向けて傾斜しているため、差し込み
ガイド片13j上の耳片11aは、差し込みガイド片1
3jと同角度で傾こうとするが、差し込みガイド片13
jと外側受け片13eとの間隔は、ディスクロータ2に
近づくに連れて次第に幅狭となるため、傾こうとする
片11aの外側面が、外側受け片13eと接触してガイ
ドされるので、摩擦パッド6の倒れが防止される。
【0030】セットスペース14のパッド弾発片13h
と外側受け片13eとの間隔C2が、耳片11aのディ
スク半径方向の幅Wよりも狭い場合には、耳片11aの
外側面が外側受け片13eに早くから接触し、差し込み
ガイド片13j上をパッド弾発片13hへ近づくに連れ
て、差し込みガイド片13jとパッド弾発片13hと
を、ディスク中心方向へ押し拡げながら進入して行く。
【0031】差し込みガイド片13jを乗り越えた耳片
11aは、セットスペース14のパッド弾発片13hに
到達して、パッド弾発片13hと外側受け片13eとの
間に挟まれながら進入して行き、ライニング12がディ
スクロータ2の側面に当接して反力を受けて押込みを停
止した位置が、摩擦パッド6のセット位置となる。
【0032】セットスペース14に進入した耳片11a
は、パッド弾発片13hと外側受け片13eとの間隔C
が、耳片11aのディスク半径方向の幅Wよりも狭い
場合に、耳片11aがパッド弾発片13hの適度な弾発
力を以て弾持される。摩擦パッド6のライニング12が
新品の場合には、耳片11aがセットスペースの最外側
である図1の実線に位置する。摩擦パッド6は、このよ
うにして、パッドガイド部3dのセットペース14に組
付けされ、ディスクロータ2の側面と平行に吊下げられ
るもので、耳片11aは、制動操作によって、パッド弾
発片13hと外側受け片13eとの間を、ディスク軸方
向に往復移動する。
【0033】本実施例は、以上のように、パッドリテー
ナ部13aのディスクロータ側に、パッド弾発片13h
と外側受け片13eによるセットスペース14を設定
し、またパッドリテーナ部13aから反ディスクロータ
側に、内側受け片13dと外側受け片13eによる仮置
きスペース15を設定したことにより、セットスペース
14へ組付けする前の摩擦パッド6の耳片11aを、仮
置きスペース15に仮置きすることができるので、前述
のように、摩擦パッド6を人手で組付けする場合には、
摩擦パッド6の持ち直しが可能であり、同じく摩擦パッ
ド6を機械で組付けする場合には、マグネットチャック
から押動部材へ容易に交換することができる。
【0034】尚、上述の実施例では、パッドガイド部を
上顎付きで説明したが、本考案のパッドリテーナは、上
顎を持たない段状のパッドガイド部にも適用が可能であ
る。また、パッド弾発部は外側受け片の側に設けてもよ
く、更にパッド弾発部が配設される側の受け片に切り込
みを入れて差し込みガイド片を収容すると、パッド弾発
部を内外の受け片の間に配設することができる。
【0035】
【考案の効果】本考案は、以上説明したように、パッド
ガイド部に敷設されるパッドリテーナに、裏板の耳片を
挟んでディスク半径方向内外に向き合う内側受け片及び
外側受け片と、該内側受け片及び外側受け片の間で、か
ついずれか一方の受け片側に偏位して配設されるパッド
弾発片とをそれぞれディスク軸と平行に設けると共に、
該パッド弾発片のディスク軸方向の長さを内側受け片及
び外側受け片のディスク軸方向の長さよりも短く形成し
て、パッド弾発片をディスクロータ寄りに配設し、該パ
ッド弾発片の反ディスクロータ側の端部に、先端が前記
いずれか一方の受け片に達する差し込みガイド片を傾斜
して延出し、前記内側受け片と外側受け片との間隔を、
前記耳片のディスク半径方向の幅よりも広く設定して、
パッド弾発片よりも反ディスクロータ側の内側受け片と
外側受け片との間を耳片の仮置きスペースとなし、内側
受け片及び外側受け片のいずれか他方とパッド弾発片と
の間隔を、耳片のディスク半径方向の幅と同等又はこれ
よりも狭く設定して、内側受け片と外側受け片のいずれ
か他方とパッド弾発片との間を耳片のセットスペースと
なしたから、耳片を仮置きスペースからセットスペース
ヘ良好に案内することができるので、摩擦パッドが組付
け途中で倒れたり、セット位置に傾いて取付けられるこ
とがなくなる。
【0036】また、仮置きスペースでは、摩擦パッドの
仮置きが可能で、人手による組付けでは摩擦パッドの持
ち直しが行なえるので、作業者に特別な技術を要するこ
となく、摩擦パッドを誰にでも短時間で簡便に組付けす
ることができる。更に、この仮置きスペースでは、チャ
ックや押込み具の差し替えが行なえるので、機械による
自動組付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のI−I断面図
【図2】本考案の一実施例を示すディスクブレーキの一
部切欠き平面図
【図3】図2のIII−III断面図
【図4】図3のIV−IV断面図
【図5】パッドリテーナの斜視図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…ディスクロータ 3…キャリパブラケット 3a…キャリパ支持腕 3d…パッドガイド部 3e…突片 3f…ロータ溝 5…キャリパボディ 6…摩擦パッド 13…パッドリテーナ 13a…リテーナ部 13b…連結片 13c…取付け片 13d…内側受け片 13e…外側受け片 13f…側片 13g…弾性ループ部 13h…パッド弾発片 13i…内側受け片13dと外側受け片13eと側片1
3fとに形成された差し込みガイド片 13j…内側受け片13dの外側を斜め方向に交差する
差し込みガイド片14…仮置きスペース 15…セットスペース C1…内側受け片13dと外側受け片13eとの間隔 C2…パッド弾発片13hと外側受け片13eとの間隔 …耳片11aのディスク半径方向の L1…パッド弾発片のディスク軸方向の長さ L2…内側受け片13dと外側受け片13eのディスク
軸方向の長さ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に固設されるキャリパブラケット
    に、ディスクロータの外側をディスク軸方向に跨ぐ一対
    のキャリパ支持腕を延設し、両キャリパ支持腕に相対向
    して設けたパッドガイド部にパッドリテーナを敷設し
    て、摩擦パッドの裏板両側部に突出する耳片を支承する
    車両用ディスクブレーキにおいて、前記パッドリテーナ
    に、前記裏板の耳片を挟んでディスク半径方向内外に向
    き合う内側受け片及び外側受け片と、内側受け片及び
    外側受け片の間で、かついずれか一方の受け片側に偏位
    して配設されるパッド弾発片とをそれぞれディスク軸と
    平行に設けると共に、該パッド弾発片のディスク軸方向
    の長さを内側受け片及び外側受け片のディスク軸方向の
    長さよりも短く形成して、パッド弾発片をディスクロー
    タ寄りに配設し、該パッド弾発片の反ディスクロータ側
    の端部に、先端が前記いずれか一方の受け片に達する差
    し込みガイド片を傾斜して延出し、前記内側受け片と外
    側受け片との間隔を、前記耳片のディスク半径方向の
    よりも広く設定して、パッド弾発片よりも反ディスクロ
    ータ側の内側受け片と外側受け片との間を耳片の仮置き
    スペースとなし、内側受け片及び外側受け片のいずれか
    他方とパッド弾発片との間隔を、耳片のディスク半径方
    向のと同等又はこれよりも狭く設定して、内側受け片
    と外側受け片のいずれか他方とパッド弾発片との間を耳
    片のセットスペースとなしたことを特徴とする車両用デ
    ィスクブレー
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