JP2542214Y2 - 包装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は正面の上下方に連接される上・下係止部を背
面の内側に差し込んで組立てた六面体形状の包装容器の
改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の六面体からなる包装容器は、係止部を
背面の内側に差し込んだ状態では上・下面が互いに凸弧
状に反り返える傾向があり、上面或いは下面にて直立さ
せようとしても倒れてしまう問題がある。

そこで、背面の下端を正面より短小にして組立時下面
が背面上りに傾斜するようにし、かつ背面の下端に足桁
部を設けて包装容器を正面の下端と背面の足桁部とで直
立し得るようにしたものが例えば実公昭63−8570号公報
に記載されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記公報記載のものも下面が凸弧状に
反り返える膨出現象を防止するための手立ては全く講じ
られていないために、膨出した下面の方が正面の下端よ
りも突出してしまい、包装容器が前方に傾き易くなり、
安定した直立状態を保ち得ないものであった。

それ故に本考案の目的は、前記公報記載のものの課題
を解決した、改良された包装容器を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

かかる目的を達成するため、本考案の包装容器は、正
面，背面，左・右側面及び正面の上・下端に折目線を介
して連接される上・下面とからなり、該各上・下面に折
目線を介してそれぞれ上・下係止部を連接し、また左・
右側面の上・下端に折目線を介してそれぞれ右上・右下
覆片及び左上・左下覆片を連接し、これらを内側へ折り
曲げると共に上・下係止部を背面の内側に差し込んで組
み立てられる六面体形状の包装容器において、 左・右側面下端の折目線は正面下端の折目線より僅か
に上方位置に設け、背面下端は正面１下端の折目線より
僅かに下方位置に設け、前記左・右下覆片と下面とをそ
れぞれ内側に折り曲げ、相互に接着して一体に貼り合わ
せ下面がほぼ水平かつ平坦面となるようにした構成から
なる。

〔作用〕

組立時に、下面が左・右下覆片の下側に無理なく重合
し、しかも左・右下覆片と下面とが相互に接着して一体
に貼り合わされるので、下面が凸弧状に膨出することが
防止され、ほぼ水平な平坦面を保ち得る。これにより、
下面が正面下端より突出するようなことはほとんどなく
なり、また背面の下端が正面の下端、さらには下面より
も僅かに下方位置に設けられ、この背面の下端とほぼ水
平でかつ平坦な下面とで包装容器がしっかりと支持さ
れ、安定した直立状態が保持される。

〔実施例〕

以下に本考案に係る包装容器の一実施例を図面と共に
説明する。第１図において正面１の右方に折目線2aを介
して右側面２が連接され、また、正面１の左方には折目
線3aを介して左側面3,折目線4aを介して背面4,折目線5a
を介して糊代５が順に連接されている。正面１の上端に
は折目線6aを介して上面6,折目線7aを介して上係止部７
が連接され、また、正面１の下端には折目線8aを介して
下面8,折目線9aを介して下係止部９が夫々連接されてい
る。

一方、右側面２の上下端には折目線10a,11aを介して
右上覆片10と右下覆片11が連接され、また、左側面３の
上下端には折目線12a,13aを介して左上覆片12と左下覆
片13が夫々連接されている。

前記左・右側面2,3下端の折目線11a,13aは正面１下端
の折目線8aよりも約0.5mm上方位置に設けられ、また背
面４の下端4bは正面１下端の折目線8aより約1.0mm下方
位置に設けられている。

このように構成した本考案の包装容器は組立時に、左
・右下覆片11,13が下面８より約0.5mm高い位置で内側に
折り曲げられるので、下面８は左・右下覆片11,13の下
側に無理なく重合し、しかも、この左・右下覆片11,13
と下面８とが第３図に示すように相互に接着14されて一
体に貼り合わされることから、下面８が下方へ凸弧状に
湾曲して膨出することが防止され、ほぼ水平かつ平坦に
保たせることができる。これにより、下面８が正面１下
端より突出するようなことはなくなる。さらに、背面４
の下端4bは前記正面１下端の折目線8aより僅かに下方位
置に設けてあるために、この背面４の下端4bと前述のよ
うにほぼ水平且つ平坦面に保たれている下面８とで包装
容器がしっかりと支持され、その直立状態を安定させる
ことができる。

〔考案の効果〕

以上、詳述したように本考案の包装容器は、下面が左
・右下覆片の下側に無理なく重合し、しかも、下面と左
・右下覆片とが相互に接着され一体に貼り合わされるの
で、下面が凸弧状に膨出変形することがなく、下面全体
をほぼ水平且つ平坦に保たせることができる。そして、
この平坦な下面と正面下端より僅かに下方位置に設けた
背面下端とで包装容器がしっかりと支持され、安定した
直立状態が保持でき、商品を収容して店頭に陳列した場
合の美観や取扱上の作業性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係わる包装容器の一実施例を示すもので、
第１図は展開平面図、第２図は組立て状態を示す斜視
図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線断面図である。 １……正面、2,3……左・右側面、４……背面、4b……
下端、６……上面、7,9……上・下係止部、８……下
面、11,13……左・右下覆片、14……接着。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平２−45924（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−183814（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】正面1,背面4,左・右側面2,3及び正面１の
   上・下端に折目線6a,8aを介して連接される上・下面6,8
   とからなり、該各上・下面6,8に折目線7a,9aを介してそ
   れぞれ上・下係止部7,9を連接し、また左・右側面2,3の
   上・下端に折目線10a,11a,12a,13aを介してそれぞれ右
   上・右下覆片10,11及び左上・左下覆片12,13を連接し、
   これらを内側へ折り曲げると共に上・下係止部7,9を背
   面４の内側に差し込んで組み立てられる六面体形状の包
   装容器において、 左・右側面2,3下端の折目線11a,13aは正面１下端の折目
   線8aより僅かに上方位置に設け、背面４下端4bは正面１
   下端の折目線8aより僅かに下方位置に設け、前記左・右
   下覆片11,13と下面８とをそれぞれ内側に折り曲げ、相
   互に接着14して一体に貼り合わせ下面がほぼ水平かつ平
   坦面となるようにしたことを特徴とする包装容器。