JPH0544269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、小売される個別包装体などが複数ま
とめて内装箱等に集合包装された集合包装体に関
する。

「従来の技術」 商品をメーカーから搬出する際には、一般に第
６図に示すように、商品を小売単位毎に包装した
個別包装体２……を複数個収まとめて内装箱１に
集合包装し、ついでこの内装箱１……を複数個ま
とめて外装箱（図示せず）に収容している。

そして小売店においては、第７図および第８図
に示すように、内装箱（以下、集合包装箱と記
す）１に個別包装体２……を収容した状態で陳列
して販売することが広く行なわれている。

従来このような集合包装体の個別包装体２は、
第９図に示すように、内容物８が個装包装箱３に
収容されたものであつた。そして個別包装体２
は、個装包装箱３の表示広告等の施された正面板
３ａが顧客の目に止まるように、該正面板３ａが
集合包装箱１の正面板１ａ側に位置するようにし
て集合包装箱１に収容されている。

また、個装包装箱３は、見映えやデザイン等の
美的観点から、天側フラツプ３ｂおよび底側フラ
ツプ３ｃが正面板３ａに連設されて、背面板３ｄ
側に折り込まれ背面板３ｄの内側に差し込まれる
ようになつている。

「考案が解決しようとする課題」 このような従来の集合包装体にあつては、個装
包装箱３の底側フラツプ３ｃが、第１０図に示す
ように、個装包装箱３をなす包装材料の剛性に起
因する復元力で浮き上がる傾向があるため、この
底板フラツプ３ｃを下にして収容される個別包装
体２が、手前側に倒れ易くなる傾向がある。

このため、従来の集合包装体においては、集合
包装箱１に収容された個別包装体２……を、消費
者が手前側から抜き取つて行くと、第１１図に示
すように、残つた個別包装体２……が手前に倒れ
て、個装包装箱３の広告表示の施された正面板３
ａが見えにくくなり、陳列効果が損なわれる不都
合があつた。

この問題に対処するために、集合包装箱１の底
に第１２図に示すような波型の成形板４を配置し
て個別包装体２が背面側に傾斜するようにした集
合包装体が提供されているが、この集合包装体に
あつては成形板４を別個に用意する必要があり、
素材も成形性の理由からプラスチツク等を用いる
ために物流経費が不要に増大する問題がある。

「課題を解決するための手段」 本考案では、個装包装箱の正面板に対して直交
しかつ正面板の底側端縁を含む面から離間した位
置に、背面板の底側端縁を抜けることによつて、
前記課題の解決を図つた。

「作用」 このように個装包装箱を形成すると、正面板に
連設された底側フラツプを背面板の内側に差し込
んだときに、正面板と底側フラツプとのなす角度
が90度未満になり、個装包装箱は背面板側に傾倒
し易い状態になる。

また差し込まれた底側フラツプが外れる場合に
は、第４図に示すように、底側フラツプが背面板
よりも後方側に出ることとなるので、その際には
底側フラツプが背面板に強く当接することとな
る。このため個装包装箱の底側フラツプの脱出が
防止される。

「実施例」 以下、図面を参照して本考案の集合包装体を詳
しく説明する。

第１図および第２図は、本考案の集合包装体の
一実施例をなす個装包装箱５を示すものである。

この個装包装箱５は、正面板５ａと側板５ｂ，
５ｂと背面板５ｃとによつて角筒状の本体部分が
形成されると共に、正面板５ａの上側端縁５ｄに
天側フラツプ５ｅが連設され、正面板５ａの底側
端縁５ｆに底側フラツプ５ｇが連設されたもので
ある。

この個装包装箱５にあつては、正面板５ａに対
して直交しかつ正面板５ａの底側端縁５ｆを含む
面Ｂとの間すき間Ｌが生じる位置に背面板５ｃの
底側端縁５ｈが設けられている。

またこの個装包装箱５の側板５ｂの底側端縁５
ｉは、正面板５ａの底側端縁５ｆから背面板５ｃ
の底側端縁５ｈに向かつて斜めに形成されてい
る。

この個装包装箱５の底側フラツプ５ｇは、正面
板５ａに連設された本体部分５１とその先端縁に
連設された舌片部５２とによつて形成されてい
る。底側フラツプ５ｇの本体部分５１は、正面板
５ａの底側端縁５ｆと背面板５ｃの底側端縁５ｈ
とを結ぶ距離とほぼ等しい幅に形成されており、
その先端に連設された舌片部５２が背面板５ｃの
内面に当接するようになつている。

この個装包装箱５は、内容物８の収容された状
態で底側フラツプ５ｇおよび天側フラツプ５ｅが
背面板５ｃの内側に差し込まれて、個別包装体６
とされる。

そしてこれら個別包装体６……は、第３図に示
すように、集合包装箱１に正面側から背面側に向
かつて１列に並ぶように収容されている。また個
装包装箱５の正面板５ａが集合包装箱１の正面板
１ａ側に向くようにして収容されている。

この集合包装体にあつては、個装包装箱５の底
側フラツプ５ｇを背面板５ｃの内側に差し込む
と、第４図に示すように正面板５ａと底側フラツ
プ５ｇとのなす角度αが90度未満になる。その結
果、集合包装箱１に収容された個別包装体６は個
装包装箱５の背面板５ｃ側に傾倒し易い状態にな
る。

また第４図中２点鎖線で示すように、差し込ま
れた底側フラツプ５ｇが外れる場合には、底側フ
ラツプ５ｇが背面板５ｃよりも後方側に出ること
となるので、その際には底側フラツプ５ｇの舌片
部５２が背面板５ｃに強く当接することとなる。
このため個装包装箱５の底側フラツプ５ｇの脱出
が防止される。

従つて、この集合包装箱１に収容された状態で
陳列された個別包装体６……を、第５図に示すよ
うに、消費者が手前側から購入していつても、個
別包装体６が手前に倒れることがなく、個装包装
箱５の広告表示が施された正面板５ａが常に消費
者から視認し易い状態に保たれる。よつてこの集
合包装体によれば、常に良好な陳列効果が得られ
る。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案の集合包装体にお
いては、個装包装箱の正面板に対して直交しかつ
正面板の底側端縁を含む面から離間した位置に、
背面板の底側端縁が設けられているので、個装包
装箱の正面板と底側フラツプとのなす角度が90度
未満になるうえ、差し込まれた底側フラツプの脱
出が防止され、この個装包装箱に包装された個別
包装体は背面板側に傾倒し易い状態になる。

従つて本考案の集合包装体は、集合包装箱に収
容さた状態で陳列された個別包装体を、消費者が
手前側から購入していつても、個別包装体が前に
倒れることがなく、個装包装箱の広告表示が施さ
れた正面板が常に消費者から視認し易い状態に保
たれて、常に良好な陳列効果が得られる。

また本考案の集合包装体では個装包装箱の形状
によつて、個別包装体の前倒れを防止したので、
包装に新たな包装材が必要となることが無く、物
流経費の増大を招くことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の集合包装体の一実施例を構成
する個装包装箱を示す断面図、第２図は同個装包
装箱を示す斜視図、第３図は同実施例の集合包装
体の陳列状態を示す断面図、第４図は本考案の集
合包装体の作用を説明するための概略図、第５図
は実施例の集合包装体の陳列状態を示す断面図、
第６図は従来の集合包装体を示す斜視図、第７図
は従来の集合包装体の陳列状態を示す斜視図、第
８図は同陳列状態を示す断面図、第９図は従来の
集合包装体をなす個装包装箱を示す断面図、第１
０図および第１１図は従来の問題点を説明するた
めのもので、第１０図は個装包装箱の底部を示す
断面図、第１１図は集合包装箱の陳列状態を示す
断面図、第１２図は従来の集合包装体で用いられ
ていた成形板を示す断面図である。 １……集合包装箱、１ａ……正面板、５……個
装包装箱、５ａ……正面板、５ｃ……背面板、５
ｆ……（正面板の）底側端縁、５ｇ……底側フラ
ツプ、５ｈ……（背面板の）底側端縁、６……個
別包装体、Ｂ……面、Ｌ……すき間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 集合包装箱の中に個装包装箱に包まれた個別包
   装体が複数収容されてなり、当該複数個の個別包
   装体が個装包装箱の正面側が集合包装箱の正面側
   に向くようにして集合包装箱の正面側から背面側
   に向かつて配列されると共に、前記個装包装箱が
   その正面をなす正面板に底側フラツプが連設され
   て、この底側フラツプが背面板の内側に差し込ま
   れてなるものである集合包装体であつて、 前記個装包装箱の正面板に対して直交しかつ正
   面板の底側端縁を含む面から離間した位置に、前
   記個装包装箱の背面板の底側端縁が設けられたこ
   とを特徴とする集合包装体。