JP2542056Y2 - 白金クラッド材 - Google Patents

白金クラッド材

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JP2542056Y2
JP2542056Y2 JP1992023949U JP2394992U JP2542056Y2 JP 2542056 Y2 JP2542056 Y2 JP 2542056Y2 JP 1992023949 U JP1992023949 U JP 1992023949U JP 2394992 U JP2394992 U JP 2394992U JP 2542056 Y2 JP2542056 Y2 JP 2542056Y2
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JP
Japan
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platinum
clad material
wire
alloy
catalytic reaction
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JP1992023949U
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JPH072757U (ja
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弘之 毛塚
秀銘 岡原
修二 福田
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はガスライター等のガス燃
焼器具の火口に取付けられて燃料ガスの燃焼を促進させ
るための白金触媒部材用白金クラッド材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の白金触媒部材用白金線
(以下白金線等という)には白金線又は白金合金線が用
いられており、中空枠体に捲回又はコイル状に捲回して
白金触媒部材に供されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】以上のような従来の白
金触媒部材をガス燃焼器具に取着して使用する場合、使
用の過程で受ける強度の衝撃又は振動により白金触媒部
材に用いられている白金線等は機械的強度が低いため度
々変形を起こし、そのため触媒反応の低下という白金触
媒部材としての基本的な機能を損なうという致命的欠陥
があった。本考案は前記問題点を解決することを課題と
するものである。
【0004】即ち具体的には白金触媒部材に白金クラッ
ド材を用いることによって前記問題点の解決を図らんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案に係わる前記問題
点解決のための白金クラッド材(1)は被覆層(2)を
白金とし、その厚さと片側で芯材(3)の線径又は厚さ
に対し5〜20%とする構成と芯材(3)を白金と白金
に対し10〜30重量%含有するイリジウムとの白金合
とする構成からなる白金クラッド材(1)とするもの
である。
【0006】本考案においてかかる構成を採った理由は
次のようである。即ち白金触媒部材(4)に用いられて
いる白金線等に求められている必須条件は十分な燃焼触
媒反応が得られること及び十分に高い耐衝撃性を有して
いることである。
【0007】前記必須条件について前者の十分な燃焼触
媒反応を得るには白金線等は白金100%のものが最も
好適である。白金合金では白金100%に比し燃焼触媒
反応が不十分であることによる。従って燃焼触媒反応の
点では白金100%の白金線等の使用が求められるので
ある。
【0008】しかし白金100%の白金線等の最大の欠
点は高温下での耐衝撃性に欠けることである。即ち強度
の衝撃又は振動が付加された場合白金線等は大きく変形
しそのため白金触媒部材(4)の機能である燃焼触媒反
応が殆ど起こり得なくなることでる。かかる点から白金
100%の白金線等は耐衝撃性の点から使用に耐え得な
い。
【0009】そこで燃焼触媒反応と耐衝撃性との調和を
とるものとして考えられるのは白金合金である。しかし
白金をベースとする白金合金においては含有させる白金
以外の成分の含有率を変動させることによって白金線等
の特性は大きく変化する。即ち白金合金の硬質成分であ
るイリジウム、ロジウム等の含有率を高めれば白金線等
の耐衝撃性は大きく改善される。しかし燃焼触媒反応は
大きく低下する。
【0010】逆に硬質成分であるイリジウム、ロジウム
等の含有率を低く抑えれば燃焼触媒反応は十分であって
も耐衝撃性は不十分である。前記両特性に付いて調和の
とれた白金以外の成分の種類と含有率を求めて実験を重
ねたが白金合金で前記両特性の調和をとることは困難で
ある。
【0011】そこで本考案ではいわゆるクラッド材を用
いることによって課題解決を図らんとしたのである。こ
こでクラッド材とは二種以上の合金を重ね合わせてそれ
ぞれの素材の有している特性を兼ね合わせた材料のこと
である。
【0012】このクラッド材の採用に当たって最大の問
題点は高温下で生ずる熱拡散を如何に抑制するかであ
る。即ちクラッド材において被覆層(2)と芯材(3)
とを異なる金属で構成させても融点近くの温度にまで加
熱するときは内部原子の移動現象である熱拡散によって
両金属原子が相互拡散すれば組成は均一化され最終的に
は両金属は合金と化する。これではクラッド材とする価
値がない。
【0013】そこで熱拡散を支配する重要な要因は両金
属の組合せ、温度及び時間であるが白金触媒部材(4)
の使用上温度及び時間については変更が大きく望めない
以上、残る要因の両金属の組合せに照準を絞ったのであ
る。即ち被覆層(2)を白金とし当該白金との間で熱拡
張の極力小さい金属であってしかもきわめて高い耐熱性
を有する金属との組合せとするものである。
【0014】従来白金を用いるクラッド材は貴金属の節
約効果及び弾性の相補効果を上げる見地から芯材(3)
にはモリブデン等白金合金以外のものが用いられ、白金
合金を用いることは貴金属の節約効果から論外とされて
いた。
【0015】しかし種々実験を重ねた結果、クラッド材
において被覆層(2)を白金とし、芯材(3)を白金合
金以外のものを用いた場合にはクラッド材自体の耐熱強
度は十分であっても触媒反応は使用時間の経過と共に劣
化し遂には全く起こり得なくなる。このことは白金と白
金合金以外の金属との異質の組合せでは高温下における
熱拡散がきわめて激しいことを示している。
【0016】そこで本考案では白金と白金合金以外の金
属との異質の組合せでは熱拡散を抑制することはきわめ
て困難であるとの判断に立ち貴金属の節約効果に背くこ
とになるが芯材(3)として白金合金を用いることにし
たのである、その理由は次のようである。
【0017】ー般に金属間の拡散係数は異質金属間と同
属金属間とを対比した場合、同属金属間の方が2桁前後
小さい。このことは同属金属間では高温下においても熱
拡散しにくいことを示すものである。
【0018】本考案に係わる白金クラッド材(1)はこ
の点に着目し芯材(3)として白金合金を用いる。そし
て前記白金合金は白金族のうち機械的強度を高めるに寄
与するイリジウムと白金との合金とするものである。
【0019】前記白金合金において添加する金属は加工
上の制約を受ける限度近くまで添加することは芯材とす
る白金合金の機械的強度を高める上で望ましい。添加量
が少なければ求める機械的強度の高い芯材(3)は得ら
れないからである。
【0020】白金合金に添加する金属の含有量は種々の
実験結果から10〜30重量%の範囲が適当である。こ
れより少ない場合には添加の効果は不十分であり、逆に
多い場合には加工困難となるからである。
【0021】次に芯材(3)に被覆するPt被覆層
(2)の厚さはクラッド材が十分に長い時間、高温にさ
らされてもクラッド材表面が白金で覆われている状態を
維持することのできる厚さでなければならない。如何に
同属の金属間とはいえわずかながらも熱拡散は進むから
である。
【0022】本考案の白金クラッド材(1)では芯材
(3)の線径又は厚さによって白金被覆層(2)の厚さ
は異ならしめている。その白金被覆層(2)の厚さの最
適値は芯材(3)の線径又は厚さに対し片側で5〜20
%である。これより厚くすることは白金の節約効果に背
き、逆に薄くすることは触媒反応を弱めることになるか
らである。
【0023】
【作用】以上の如き構成でなる本考案の白金クラッド材
(1)をライター等の燃焼器具火口に取付け、その下方
に配設されたノズルから噴出する可燃性ガスと空気との
混合ガスの燃焼火炎にさらすと白金クラッド材(1)に
接触した燃焼火炎は白金の触媒作用によってきわめて高
い活性化状態に引上げられるため、その燃焼は瞬時にし
てかつ完全なものとなる。
【0024】
【実施例】以下に本考案の白金クラッド材(1)加工の
一実施例について説明する。まず、材質白金でなる、外
径5.6mm,内径4.5mmのパイプ材に、材質白金
とイリジウム20重量%の合金でなる、外径4.3mm
の芯材を挿入し、ダイス引き抜きによる伸線加工にて線
径4.9mmの白金クラッド材の線材とし、次いで熱処
理にて焼鈍する。その後順次同様の伸線加工及び熱処理
を行ない、即ち線径4.2mm,3.5mm,2.0m
m,1.0mmにて各々熱処理を行ない、最終伸線加工
上がりで線径0.15mmの本考案の白金クラッド材
(1)を得るものである。
【0025】次に、本考案の白金クラッド材(1)をラ
イターに取付けるに際して割り出した最適条件は以下の
ようである。
【0026】即ち白金クラッド材を線径0.15mmの
線材とした場合、芯材(3)の線径を0.11mm,白
金被覆層(2)を片側20μとし、芯材(3)の白金合
金は白金とイリジウム20重量%との合金で構成した場
合は良好な触媒反応を示しかつ長時間の使用においても
前記触媒反応が劣化しない。
【0027】更に枠体に捲回して補強しなくてもコイル
状等適宜の形状とする白金クラッド材(1)単体でも強
度の振動、衝撃に変形することなく十分に耐え得る。
【0028】本考案の白金クラッド材(1)は高温下に
おいても十分に高い機械的強度を有するため従来の白金
触媒部材(4)に用いられていた枠体は必ずも必要とし
ない。このことは部品の削減というメリットの他に燃焼
ガス流の通過をより円滑ならしめるという効果がある。
特に白金触媒部材(4)が小型化した場合、枠体の存在
による燃焼ガス流の妨害が触媒反応を低下させることと
の関連で枠体を使用しなくてもよい本考案の白金クラッ
ド材(1)の存在意義は大きい。
【0029】
【考案の効果】第一の効果は白金触媒部材において枠体
を用いず白金クラッド材単体で使用できることである。
第二の効果は白金クラッド材単体でも枠体を用いた場合
と同等の触媒反応と耐衝撃性を有していることである。
第三の効果は白金クラッド材単体での使用が可能なるた
め加工形態の幅が広がることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本考案白金クラッド材の断面図である。
【図2】は本考案白金クラッド材を用いた白金触媒部材
の平面図である。
【図3】は本考案白金クラッド材を用いた白金触媒部材
の平面図である。
【図4】は本考案白金クラッド材を用いた白金触媒部材
をライターに取付けたものの部分断面図である。
【符号の説明】
1.白金クラッド材 2.被覆層 3.芯材 4.白金触媒部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 鈴木 洋昭 (56)参考文献 特開 平4−235740(JP,A) 特開 平2−153053(JP,A) 実開 平2−115659(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆層を白金としその厚さを片側で芯材
    の線径又は厚さに対し5〜20%とする構成と芯材を白
    金と白金に対し10〜30重量%含有するイリジウムと
    の白金合金とする構成からなる白金クラッド材。
JP1992023949U 1992-03-03 1992-03-03 白金クラッド材 Expired - Lifetime JP2542056Y2 (ja)

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JPH072757U JPH072757U (ja) 1995-01-17
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