JPH111750A - 排気系用触媒担体合金およびその製造法 - Google Patents

排気系用触媒担体合金およびその製造法

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JPH111750A
JPH111750A JP14973197A JP14973197A JPH111750A JP H111750 A JPH111750 A JP H111750A JP 14973197 A JP14973197 A JP 14973197A JP 14973197 A JP14973197 A JP 14973197A JP H111750 A JPH111750 A JP H111750A
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iron
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JP14973197A
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Jun Maki
純 真木
Toshio Tagami
利男 田上
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気系用触媒担持合金およびその製造法を提
供する。 【解決手段】 板厚0.3〜2mm、表面から10μmに
おける組成が、Cr:8〜25%、Al:1.5〜20
%、Fe:残部、上記以外の元素の合計:3%以下なる
鋼材の表面に、アルミナ系皮膜を有するような触媒担持
合金は優れた性能を有する。合金中にはSiを含有する
とより性能が向上する。該材料は、鋼成分がSi:0.
8%以下、Cr:8〜25%、Al:0.5%、残部F
eからなり、板厚が前記であるような冷延鋼板を再結晶
焼鈍後、Al浴でめっきし、更に酸素を含有する雰囲気
中で、600℃以上の時間が積算で3hr以上となるよう
に加熱処理することでより性能向上が図れる。 【効果】 本発明の材料は特に二輪車の触媒担体として
優れた性能を有し、経済的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各車種の排気系シ
ステムに使用される触媒担体合金およびその製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の地球環境問題に関する関心の高ま
りから、環境に対する法規制も強まる傾向にある。具体
的には、例えばガソリン車、ディーゼル車の排気ガス中
の成分が法規制され、排気系システムには排気ガスの浄
化装置が備えられている。これまでガソリン車、ディー
ゼル車の排気ガスの浄化にはPt系の触媒が多く使用さ
れ、成果を上げている。またその触媒担体素材は、セラ
ミックス系のものから近年ではAlを含有するステンレ
ス鋼も使用されている。これらは触媒と排気ガスの接触
面積を増すため、通常ハニカム構造となっている。
【0003】一方、最近の動きとして、二輪車の排気ガ
スについても規制される予定となり、二輪車排気系シス
テムにおいても触媒の適用が検討され始めている。これ
まで四輪車に使用されてきたハニカム構造の触媒担体の
最大の課題はその経済性にある。ハニカム構造は50μ
m程度のフォイルを幾重にも重ねた構造で、担体素材が
セラミックス系にしろステンレス系にしろ素材費用が高
くなる。例えばステンレス系材料を例にとると、合金元
素をの多く含むため、メタルコスト、製鋼、圧延コスト
が掛かるうえ、厚み50μmまで圧延する必要があり、
結果的に素材費用の高騰を招く。また構造が複雑なた
め、フォイルへの加工、ロウ付け等を必要とし、加工費
用も多く要する。従って、ハニカム構造の触媒担体合金
として要求される特性は、耐酸化性に優れること、フォ
イルへの加工が容易であること、ハニカムへの成型はロ
ウ付けを行うことからロウ付け性に優れること等であ
る。
【0004】特開平2−180643号公報において、
ステンレス系材料にアルミ合金めっきを施し、ハニカム
構造の触媒担体を製造する方法が開示されている。しか
し同公報において、ロウ付け性を確保するため、真空中
で加熱してロウ付けを阻害するアルミ系酸化物を蒸発さ
せる必要があった。更に、アルミめっきをハニカム構造
にすることには、もう一つの問題があった。ハニカム構
造にした後に、加熱してめっき層のAlを鋼中へ拡散さ
せるときに、熱収縮が10%程度起こり、ハニカム自体
が縮んだり、不均一に収縮してハニカムと外筒に隙間が
生じて接合不良となるということである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】二輪車の触媒担体にお
いては、パイプの内面に触媒を担持するという、より簡
単な形状も検討されており、あるいはハニカムよりも簡
単な構造の構造体に触媒を担持させることも考えられて
いる。本発明はこのような触媒担体用の素材として最適
なものを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記したような触媒担体
を構成する素材(以下担体素材という)に要求される特
性を述べる。触媒担体内で触媒により排気ガスを浄化す
るが、この過程は発熱反応であり、触媒担体の温度は最
大で900〜950℃になりうる。担体素材はこのよう
な高温における十分な強度、疲労強度、耐酸化性を有す
ることが必要である。また触媒担体の構造は、通常担体
素材の表面に空孔の多いアルミナ皮膜を焼結し、かつそ
の空孔の多いアルミナ皮膜中に触媒物質を担持するとい
うものである。使用中に担体素材よりアルミナ皮膜へ熱
拡散が起こると触媒物質を担持すべきサイトを拡散物質
が奪うため、触媒性能が劣化する。従って担体素材とし
て、高温において外方への元素の拡散が起こりにくいこ
とが要求される。
【0007】その一方で、ハニカム構造と異なり、成型
は製管加工、溶接を必要とし、製管加工性、溶接性が要
求される。これまで使用されていた、Alを含有するス
テンレス鋼は、これらの製管加工、溶接が困難であり、
この用途には不適である。また板厚については、通常の
冷延鋼板のもので、特に圧延費用がかかることもない。
【0008】本発明者らは、上記の要求される特性を勘
案し、種々の素材の高温における挙動等を鋭意調査検討
し、本発明を完成させたものである。まず高温において
十分な強度、耐酸化性を有する材料としては、ステンレ
ス系素材が考えられる。例えば四輪車の金属系の触媒担
体合金には、20Cr−5Al系のステンレス鋼が多く
使用されている。これは鋼中のAlが高温で表面にアル
ミナを形成し、耐酸化性に寄与するためである。しかし
前記したように、20Cr−5Al系ステンレスの素材
コストは高く、また製管加工や溶接が困難である。そこ
で耐酸化性に優れ、経済的で成型のしやすい素材を検討
した。その結果、Cr含有鋼にAl系のめっきを施し、
加熱初期に安定なアルミナ系酸化皮膜を表面に生成させ
ることで、鋼母材の成分としては従来よりも少ないA
l,Cr量で十分な耐酸化性を確保し、および外方への
元素の拡散を抑制でき、さらに成型性、溶接性にも優れ
ることを知見して本発明を完成させたものである。その
製造法は、Al,Si添加量を限定したステンレス鋼に
Al系めっきを行い、Alを鋼内部へ拡散させること
で、成型性に優れ、表面に安定なアルミナ皮膜を経済的
に得ようとするものである。
【0009】すなわち本発明の要旨とするところは以下
の通りである。 (1)板厚が0.3〜2.0mmの鉄系合金板であって、
その鉄系合金板表面から前記表面を起点として板厚中心
方向に10μmにおける組成が、重量%で、Cr:8〜
25%、Al:1.5〜20%を含有し、かつ、Crと
AlとFe以外の成分を含有しないかまたはその合計が
3%以下であり、残部Feからなる鉄系合金板の表面
に、アルミナ系皮膜を有することを特徴とする排気系用
触媒担体合金。
【0010】(2)板厚が0.3〜2.0mmの鉄系合金
板であって、その鉄系合金板表面から前記表面を起点と
して板厚中心方向に10μmにおける組成が、重量%
で、Cr:8〜25%、Al:1.5〜20%、Si/
Al比:0.05〜0.20のSiを含有し、かつ、C
rとAlとFeとSi以外の成分を含有しないかまたは
その合計が3%以下であり、残部Feからなる鉄系合金
板の表面に、アルミナ系皮膜を有することを特徴とする
排気系用触媒担体合金。
【0011】(3)成分が重量%で、Si:0.8%以
下、Cr:8〜25%、Al:0.5%以下を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚が0.3
〜2mmである熱延鋼板を酸洗後、または冷延鋼板を再結
晶焼鈍後、Alおよび不可避的不純物からなるアルミめ
っき浴で溶融アルミめっきを行い、更に酸素を含有する
雰囲気中で、600℃以上の時間が積算で2hr以上とな
るように加熱処理することを特徴とする排気系用触媒担
体合金の製造法。
【0012】(4)成分が重量%で、Si:0.8%以
下、Cr:8〜25%、Al:0.5%以下を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚が0.3
〜2mmである熱延鋼板を酸洗後、または冷延鋼板を再結
晶焼鈍後、Si:5〜12%を含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物からなるアルミめっき浴で溶融アルミ
めっきを行い、更に酸素を含有する雰囲気中で、600
℃以上の時間が積算で2hr以上となるように加熱処理す
ることを特徴とする排気系用触媒担体合金の製造法。
【0013】次に本発明の限定理由について説明する。
まず触媒担体合金の成分について記述する。 Cr:本発明における担体素材は、触媒担体として使用
する温度である900℃前後での強度、耐酸化性が要求
される。Crはそのどちらにも寄与し、Crが8%未満
では強度、耐酸化性とも十分発揮されない。また25%
を超えると効果が飽和し、作り込みが難しくなるためこ
の値を上限とする。より好ましいCrの上限は20%未
満である。
【0014】Al:特に加熱の初期段階で合金の表層に
Alが多量に存在することで、安定なアルミナを主体と
する酸化皮膜が容易に生成し、それ以上の酸化を抑制
し、また合金の外方への拡散も抑制する。その効果はA
lが1.5%以上で効果を発揮する。従来の知見では、
900℃程度の温度で十分な耐酸化性を発揮するにはA
lが5%程度必要とされているが、本発明による鋼材は
初期は表面がAl層であるため、加熱初期において安定
な酸化皮膜を形成して、結果として少ないAl量で十分
な効果を発揮する。また表面に安定なアルミナ皮膜を形
成するように加熱を行うが、この過程でめっき層中のA
lが母材内部へ拡散する。アルミナ皮膜が生成するまで
の加熱によりAlが母材内部へ拡散して行くため、母材
表面より10μmの点でAl濃度の上限は20%であ
り、この値をAl量の上限とする。
【0015】Si:Siは添加しなくても十分な性能は
得られるが、添加することで、より高い性能が安定して
得られる。SiもAlと同じく安定な酸化皮膜の形成に
寄与する元素である。また本発明はCr含有鋼にアルミ
めっき後、拡散処理で表面のアルミめっき層の成分を内
方に拡散させるものであって、Siはアルミめっきと母
材の鋼板との相互拡散を抑制する元素でもある。すなわ
ちめっき層中にSiが無いと、アルミめっき層の母材へ
の拡散が速やかに進行して、表面にアルミナ皮膜を形成
するための十分な時間が得にくくなる。従ってSiを添
加する場合にはSi/Alが0.05未満ではこの効果
は得られず、まためっき浴の組成を変えて製造したアル
ミめっき鋼板を加熱した後の実験結果でのSi/Alの
上限は0.20であることから、この値をSi/Alの
上限値とする。
【0016】その他の元素:他の元素として考えられる
元素は、Mo,Ni,Ti等であるが、これらの元素の
合計値は3%以下とする。フェライト系ステンレスの耐
食性を高めるためにMoを添加する例が多くみられる
が、本発明においてもMoを0.5%〜2%程度の若干
量含有することも可能である。このため単なる不純物の
量としてはやや多い3%以下に限定する。一般にステン
レス鋼としては、フェライト系とオーステナイト系があ
るが、オーステナイト系ステンレスは熱膨張係数が大き
いために、本発明のような用途においては望ましくな
く、Niを含有しないフェライト系ステンレスないしは
Cr含有鋼を使用することが好ましい。
【0017】なお本発明において、板表面を起点として
板厚中心方向に10μmにおける表層直下の組成を規定
している。本発明の趣旨より、Al濃度は表層から傾斜
を持った分布となる可能性も十分あるため、このような
規定とする。なお組成の測定はEPMAの定量分析等の
方法で行うものとする。ここで、板表面を起点として板
厚中心方向に10μmという規定は、電子線のスポット
径1μm程度の範囲をもつ。
【0018】また板厚の限定理由であるが、本発明にお
ける合金は、例えばパイプ状に成型した触媒担体として
使用され、高温になったときにもその部材は十分な強度
を有する必要がある。また前述したように板厚が小さく
Al/Feの比率が大きい場合には、めっき層中Alが
鋼中に拡散する際の熱収縮の影響が大きく、変形の可能
性がある。これらの理由から板厚の下限を0.3mmとす
る。一方、板厚の増大は当然重量増大を意味し、無用な
板厚増大は望ましくない。この意味から板厚の上限を2
mmとする。
【0019】本発明の触媒担体合金は、表面にアルミナ
系皮膜を有する。本発明において、特にこのアルミナの
組成、構造、厚みを限定するものではない。しかし通常
の加熱条件においては、厚みは1〜5μm程度で、緻密
なα−アルミナとなっている。更にSiを含有する場合
にはアルミナの内層にSiが濃化したSi−Cr−Fe
系の酸化物が生成する。触媒を担持させるためにこの層
をγ−アルミ等に変化させることも当然可能である。
【0020】次に製造法の限定理由を説明する。まず鋼
成分について説明する。 Si:鋼中のSiは酸素との親和力が強く、溶融めっき
工程内で表面に濃化し、安定なシリカ皮膜を形成する。
このシリカ皮膜は溶融アルミと母材との反応を阻害し、
不めっき等のめっき欠陥の原因となる。ステンレス鋼は
やはり酸素との親和性の高いCrを含有するため溶融め
っきが困難であるが、Si添加により一層めっきが困難
となる。従ってSiは低い方が好ましく、0.8%以下
に限定する。より望ましくは0.3%以下である。
【0021】Cr:触媒担持合金のCr限定理由で述べ
たように、使用温度での強度、耐酸化性を満足するため
には8%以上必要で、一方25%超では効果が飽和する
ため、8〜25%に限定する。
【0022】Al:Alは通常製鋼工程で、溶鋼の脱酸
剤として使用される。しかしAlも非常に酸素との親和
力が強い元素で、Siと同じく溶融めっき性を大きく阻
害する。従ってAlも低い方が好ましく、0.3%以下
に限定する。また鋼の板厚の限定理由は、触媒担体合金
の項で述べたのと同じ理由による。
【0023】次に溶融アルミめっきのめっき浴組成であ
るが、本発明においては純Alめっきでも十分な性能が
得られるが、浴中にSiを添加することでより高い性能
が得られる。Siを添加するときの添加量は5〜12%
とする。溶融アルミめっきにおいて、通常Siを添加す
るが、これはアルミめっき鋼板のめっき層−母材界面に
生成し、加工性を阻害する硬質な合金層の量を減少させ
るためである。Si添加量が5%未満ではこの効果は十
分得られず、また12%超の添加は効果が飽和するとと
もに過剰のSiにより耐食性が劣化する。本発明におい
ては特に高い耐食性を求められているわけではなく、1
2%超のSi量でも特に支障はない。しかし操業上、浴
組成を多数持つことは困難で、アルミめっき鋼板の他の
用途では耐食性を要求されることから、事実上Siは1
2%以下に制限される。以上の理由より、Si量は5〜
12%に限定する。
【0024】本発明は例えばパイプの内面に触媒を担持
するという構造の触媒担体用の素材として最適なものを
提供する。実際に触媒担体として使用する際には、本発
明の素材の表面にγ−アルミナ等の格子中に欠陥を多く
含む酸化物等を10〜50μm塗布、焼結し、該酸化物
の内部に触媒となる貴金属系元素(Pt,Pd等)を担
持させる。本発明において、加熱条件を酸素を含有する
雰囲気中で、600℃以上の時間が積算で2hr以上とな
ると規定している。これは前記した焼結条件が600℃
×2hr以上必要であるためである。触媒物質担持後にも
加熱をされうるが、本発明における加熱は、焼結の際の
加熱、触媒物質担持後の加熱、あるいはその両方を含む
ものである。
【0025】本発明のアルミめっきCr含有鋼は、通常
の製造法で製造される。転炉、電気炉等で成分を調整さ
れ、熱延、酸洗、あるいはさらに、冷延、熱処理等の工
程を経て、溶融アルミめっき工程にてめっきを行う。再
結晶焼鈍は、溶融アルミめっきに先立って別ラインで行
っても、溶融アルミめっき工程内で行ってもよい。めっ
き性を高めるために、溶融アルミめっき前に洗浄処理、
あるいはNi系、Fe系のプレめっきを行ってもよい。
アルミめっきは無酸化炉方式、ラジアントチューブ方式
いずれの形式でも構わない。まためっき後は付着量を調
整し、ゼロスパングル処理、スキンパス、クロメート処
理、オイリング等の種々の後処理を行うこともできる。
めっきの付着量については、通常の付着量である、片面
当たり30〜100g/m2 程度であり、特に限定する
ものではない。本発明を実施例でもって更に詳しく説明
する。
【0026】
【実施例1】表1に示す成分の鋼を、普通鋼製造と同一
の設備を用いて、転炉出鋼、熱間圧延、酸洗後、0.8
mm厚に冷間圧延した。また一部については、真空溶解炉
を使用して成分を調整し、熱間圧延、酸洗、冷間圧延に
より0.8mm厚に調整した(表1の*印)。表1で空欄
になっている箇所はその上と欄と同一の値である。これ
らのコイルに無酸化炉方式の溶融めっきラインで、浴中
Si量を変化させて溶融アルミめっきを行い、ガスワイ
ピング法で付着量を両面で約80g/m2 に調整し、1
%の調質圧延を施した。また一部の試料は電気めっき法
により、Niプレめっき、Fe−Bプレめっきを付着量
1g/m2 で施した。このときの浴温は660℃で、浴
中にはSi以外に不可避的不純物としてFeを約2%含
有していた。
【0027】こうして製造した、種々の鋼成分を持つ溶
融アルミめっき鋼板に加熱処理を施した。加熱は全て大
気中で行い、温度と時間は表2に示す通りである。これ
らの鋼板の特性を下の(1)〜(3)に示す方法で評価
した。(1)は加熱前の評価、(2),(3)は加熱後
の評価である。
【0028】
【表1】
【0029】(1)溶融アルミめっき性 溶融アルミめっき後、100mm×100mmの試料のアル
ミ層を20%NaOHで剥離し、合金層の生成状況を判
定した。 [判定基準] ○:不めっき3個/dm2 以下 △:不めっき4〜10個/dm2 ×:不めっき10個/dm2
【0030】(2)耐酸化性試験 100mm×100mmの試験片を大気中で900℃×24
hr加熱し、一旦冷却後更に大気中で1200℃×20hr
加熱し、目視で異常酸化の有無を判定した。 [判定基準] ○:異常酸化無し ×:異常酸化発生
【0031】(3)鉄系合金表層合金組成分析 (2)の900℃×24hr加熱後、断面研磨を施し、E
PMAで表面から内部へ10μm箇所で、スポット径
(直径)1μmにて各5点を定量分析し、その平均値を
算出した。
【0032】表2に、溶融めっき条件、加熱条件、鉄系
合金表層合金組成、および性能の評価結果を示す。鋼中
Cr量が不足する(比較例20)と、アルミめっきを施
しても十分な耐酸化性は得られない。浴中のSiが少な
いとき(本発明例19)にはめっき中のSiも少なく、
Al−Feの相互拡散が活発となって表面に十分なアル
ミナ皮膜を生成しないため、耐酸化性がやや劣り、また
鋼中iが高いとき(本発明例16,17)や、Alが多
い(本発明例18)と、めっき性がやや劣り、不めっき
起因の異常酸化が発生して、やはり耐酸化性が劣る傾向
にある。これらの条件が十分満たされる(本発明例1〜
15)と、不めっきの発生が無く、また900℃×24
hr加熱後の断面を観察すると、全ての試料の表面に安定
したアルミナ系の皮膜が生成しており、耐酸化性が良好
である。
【0033】
【表2】
【0034】
【実施例2】製造方法は、原則的に実施例1と同一であ
る。鋼成分を実施例1のD鋼とし、冷延段階で板厚を
0.4〜1.2mmの範囲内で変化させた。さらに一部は
熱延で厚みを1.8mmに調整し、酸洗後冷延せずにめっ
きに供した。溶融アルミめっき工程でのめっき付着量は
両面60〜140g/m2 の範囲で変化させた。めっき
組成は9.5%Siである。更に付着量両面80g/m
2 の材料について、加熱条件を数水準行った。こうして
製造した試料の性能を次の方法で調査した。製造条件と
性能評価結果を表3にまとめる。
【0035】(1)耐酸化性試験 100mm×100mmの試験片を大気中で表3に示す条件
で加熱し、一旦冷却した後に更に大気中で1200℃×
20hrの加熱を行った。試験後の異常酸化の有無を目視
判定した。 [判定基準] ○:異常酸化無し ×:異常酸化発生
【0036】(2)合金組成分析 (1)の最初の条件の加熱後、断面研磨を施し、EPM
Aで表面から10μm箇所で各5点を定量分析し、その
平均値を算出した。
【0037】(3)熱収縮 (1)の最初の条件の加熱前後で板厚を測定して板厚方
向の収縮率を計算した。 [判定基準] ○:収縮率5%以下 ×:収縮率5%超
【0038】
【表3】
【0039】表3に示すように、板厚、付着量、加熱条
件を種々変えても、本発明の触媒担体合金は優れた耐酸
化性を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明は、パイフ゜型を始めとした、ハ
ニカム構造よりも簡単な構造を有する触媒担体用に適し
た触媒担体合金とその製造法を開示したものである。本
発明により、これまでのように材料費、加工費のかから
ない触媒担体合金を得ることが可能になり、産業上の寄
与は大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚が0.3〜2.0mmの鉄系合金板で
    あって、その鉄系合金板表面から該表面を起点として板
    厚中心方向に10μmにおける組成が、重量%で、C
    r:8〜25%、Al:1.5〜20%を含有し、か
    つ、CrとAlとFe以外の成分を実質的に含有しない
    か、または含有する場合はその合計が3%以下であり、
    残部が実質的にFeからなる鉄系合金板の表面に、アル
    ミナ系皮膜を有することを特徴とする排気系用触媒担体
    合金。
  2. 【請求項2】 板厚が0.3〜2.0mmの鉄系合金板で
    あって、その鉄系合金板表面から前記表面を起点として
    板厚中心方向に10μmにおける組成が、重量%で、C
    r:8〜25%、Al:1.5〜20%、Si/Al
    比:0.05〜0.20のSiを含有し、かつ、Crと
    AlとFeとSi以外の成分を実質的に含有しないか、
    または含有する場合はその合計が3%以下であり、残部
    が実質的にFeからなる鉄系合金板の表面に、アルミナ
    系皮膜を有することを特徴とする排気系用触媒担体合
    金。
  3. 【請求項3】 成分が重量%で、Si:0.8%以下、
    Cr:8〜25%、Al:0.5%以下を含有し、残部
    がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚が0.3〜
    2mmである熱延鋼板を酸洗後、または冷延鋼板を再結晶
    焼鈍後、Alおよび不可避的不純物からなるアルミめっ
    き浴で溶融アルミめっきを行い、更に酸素を含有する雰
    囲気中で、600℃以上の時間が積算で2hr以上となる
    ように加熱処理することを特徴とする排気系用触媒担体
    合金の製造法。
  4. 【請求項4】 成分が重量%で、Si:0.8%以下、
    Cr:8〜25%、Al:0.5%以下を含有し、残部
    がFeおよび不可避的不純物からなり、板厚が0.3〜
    2mmである熱延鋼板を酸洗後、または冷延鋼板を再結晶
    焼鈍後、Si:5〜12%を含有し、残部がAlおよび
    不可避的不純物からなるアルミめっき浴で溶融アルミめ
    っきを行い、更に酸素を含有する雰囲気中で、600℃
    以上の時間が積算で2hr以上となるように加熱処理する
    ことを特徴とする排気系用触媒担体合金の製造法。
JP14973197A 1997-06-06 1997-06-06 排気系用触媒担体合金およびその製造法 Withdrawn JPH111750A (ja)

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