JP2541177Y2 - 着脱用架台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、マニプレータ用の着脱
部を着脱するために用いる着脱用架台に関する。

【０００２】

【従来の技術】マニプレータを用いて作業を行う場合
は、作業の種類に応じてハンドの先端の部分が取り換え
られる。即ち、ハンドの先端には着脱自在に種々の構造
の着脱部が具えられる。ハンドに対して着脱部を着脱す
る場合には、人手により着脱部を移動させてガイド孔に
ガイドピンを挿脱することにより相互の位置決めをして
行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、着脱部は重
量が大きいためにハンドに対する着脱部の着脱にクレー
ン等を必要とし、そのために時間がかかる。また、原子
力施設でマニプレータを用いる場合には、遠隔操作でハ
ンドへの着脱部の着脱を行わねばならず困難が伴う。

【０００４】そこで本考案は、斯かる課題を解決した着
脱用架台を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本考案の構成は、ベース上に回転駆動される回転台
を設けるとともに回転台の上には水平面内で一定量だけ
移動しうる載置台を設け、マニプレータのハンドに着脱
自在な着脱部を位置決めするための複数のガイド車輪を
載置台上に具えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】着脱部を載置台上に載せる場合は載置台が水平
面内で動くことから、着脱部を所定の位置へ容易に載せ
ることができ、載せた後にマニプレータの着脱部をハン
ドから切り離す。逆に着脱部をハンドに取り付けるに
は、着脱部の真下に着脱架台を置いて回転台を回転させ
ることにより着脱部とハンドとの位置合わせをしたのち
にハンドを降下させて着脱部をハンドに結合する。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。本考案による着脱用架台の構成を、図
１〜図５に示す。図のように、４本のＩ型鋼を結合する
ことによりベース１が形成される。ベース１には回転自
在に回転台２が取り付けられる。即ち、図４に示すよう
にベース１上に結合した支持板９に孔９ａが形成される
とともに支持板９にリング状の取付金具１５を介して軸
受１１が具えられ、軸受１１を介して孔９ａ内に回転自
在に支持された上回転軸６，下回転軸８に回転台２が結
合される。

【０００８】そして、回転台２を回転駆動するための手
段が具えられる。図４に示すように下回転軸８の下端に
ウォームホイル５が結合され、図５に示すようにベース
１に固定された一対の軸受１２に回転自在に支持される
ウォーム４がウォームホイル５と噛み合う。このウォー
ム４はジョイント２２と連結軸２３を介してシャフト１
０に連結される。図３に示すようにこのシャフト１０は
軸受１２で支持され、手動により回転駆動させることが
できる。

【０００９】回転板２は図２に示すように略四角形の形
状を有し、四つの辺の中央部に突出部２ａを有する。こ
の回転板２上には、水平面内で一定量だけ移動しうるよ
うに長方形の載置台３が具えられる。即ち、以下のよう
になっている。図３に示すように回転板２上に複数のロ
ーラ１４が回転自在に具えられ、ローラ１４上に載置台
３が載せられる。そして、回転板２の夫々の突出部２ａ
上にはＬ字形の断面形状を有するストッパ１７が具えら
れ、ストッパ１７に緩衝材１６が貼着される。

【００１０】載置台３上にはマニプレータの着脱部を決
められた位置に載せるようにガイドするガイド車輪１３
が具えられる。本実施例では着脱部の形状に合わせた形
状のゴム製のパッキン２１が載置台３上に貼着され、パ
ッキン２１を囲むようにして５個のガイド車輪１３が載
置台３上に取り付けられる。

【００１１】次に、斯かる着脱用架台の作用を説明す
る。図１に示すように、ロボットのハンド２５にボルト
２６を介して着脱自在に着脱部２７が取り付けられてい
る。この着脱部２７を取り外すには、着脱部２７に対し
て水平面内での着脱用架台の概略の位置決めを行ったの
ちに行う。図の状態から着脱部２７を降下させると、着
脱部２７とガイド車輪１３とが接触する。着脱部２７と
ガイド車輪１３により囲まれる部分とが一致していなく
ても載置台３がストッパ７で囲まれた範囲内である程度
動くため、着脱部２７を降ろしてゆくとガイド車輪１３
に水平方向の力が加わり、ガイド車輪１３で囲まれた部
分へ着脱部２７がはいり込む。また、回転軸６，８のま
わりでの位置が合わない場合にはシャフト１０を回転さ
せる。すると、その回転力が連結軸２３，ウォーム４，
ウォームホイル５を介して回転台２，載置台３へ伝わ
り、ガイド車輪１３で囲まれた部分へ着脱部２７がはい
り込む。

【００１２】このようにして着脱部２７が載置台３上に
載るとき、パッキン２１が緩衝材として作用する。この
あと、ボルト２６を取り外してハンド２５から着脱部２
７を分離し、ハンド２５を上昇させれば着脱部２７のみ
が着脱用架台の上に残り、着脱部２７の取り外し作業が
完了する。

【００１３】着脱用架台の上に載せられた着脱部２７を
ハンド２５に装着する場合は前記と逆の手順で行う。シ
ャフト１０の回転駆動はマニプレータや人手により行う
ことができる。

【００１４】

【考案の効果】以上の説明からわかるように、本考案に
よる着脱用架台によればベースに対して回転台を回転さ
せることができかつ回転台に対して載置台を水平面内で
移動できるので、ガイド車輪によって位置決めされて載
置台上に載置される着脱部のマニプレータハンドへの着
脱が容易かつ確実に行える。

【００１５】また、斯かる構造であることから、遠隔操
作によるハンドへの着脱部の着脱作業も容易であり、着
脱用架台と共に吊り上げることによって着脱部の移動が
安定して行える。

【００１６】更に、載置台に対する着脱部の位置決めに
ガイド車輪を用いることから、接触抵抗が少なく着脱部
の案内がスムーズに行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による着脱用架台の斜視図。

【図２】本考案による着脱用架台の平面図。

【図３】本考案による着脱用架台の正面図。

【図４】本考案による着脱用架台の部分断面図。

【図５】本考案による着脱用架台の底面図。

【符号の説明】 １…ベース、２…回転台、３…載置台、４…ウォーム、
５…ウォームホイル、１０…シャフト、１１…軸受、１
３…ガイド車輪、１７…ストッパ、２３…連結軸、２５
…ハンド、２７…着脱部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マニプレータのハンドの先端に着脱自在
   に取り付けられるとともに作業の種類に応じて取り換え
   られる着脱部をハンドに取り付けたままで直接に載せて
   取り外したり取り付けたりするための着脱用架台であっ
   て、 ベース上に回転駆動可能な回転台を具え、回転台上には
   回転台に対して一定量だけ水平面内で移動しうる載置台
   を具え、載置台上に載せるマニプレータ用の着脱部が決
   められた位置に載置されるように着脱部をガイドする複
   数のガイド車輪を載置台の上面であって着脱部と対応す
   る位置に具えたことを特徴とする着脱用架台。