JP2540133B2 - 易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法 - Google Patents
易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法Info
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- JP2540133B2 JP2540133B2 JP61195594A JP19559486A JP2540133B2 JP 2540133 B2 JP2540133 B2 JP 2540133B2 JP 61195594 A JP61195594 A JP 61195594A JP 19559486 A JP19559486 A JP 19559486A JP 2540133 B2 JP2540133 B2 JP 2540133B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱硬化性樹脂を出発原料とした易黒鉛化性高
密度炭素、黒鉛材の製造方法に関するものである。
密度炭素、黒鉛材の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂等が知られており、これらを成形、硬化させた
後、炭素化または黒鉛化すればガラス状炭素と呼ばれる
気体不浸透性を有する炭素、黒鉛材が得られることを知
られている。また、高密度の炭素、黒鉛材を製造する方
法として、炭素材原料を大気圧下で400〜600℃に加熱
し、ホットプレス法により50〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形後、焼成し黒鉛化する方法が特開昭61−122110号公
報に開示されている。
ン樹脂等が知られており、これらを成形、硬化させた
後、炭素化または黒鉛化すればガラス状炭素と呼ばれる
気体不浸透性を有する炭素、黒鉛材が得られることを知
られている。また、高密度の炭素、黒鉛材を製造する方
法として、炭素材原料を大気圧下で400〜600℃に加熱
し、ホットプレス法により50〜400kg/cm2の圧力で加圧
成形後、焼成し黒鉛化する方法が特開昭61−122110号公
報に開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 従来知られているフェノール樹脂、フラン樹脂等の熱
硬化性樹脂は、炭素化収率が低いので大きな炭素化収縮
を示し、それゆえ炭素化過程においてクラックが生じ易
く、特殊な方法を使用しないと炭素、黒鉛材が得られに
くいという欠点があり、また出来上がった炭素はガラス
状炭素と称される極めて難黒鉛化性の炭素であり、この
炭素を黒鉛化処理してもその構造はほとんど変化しない
という問題点を有していた。
硬化性樹脂は、炭素化収率が低いので大きな炭素化収縮
を示し、それゆえ炭素化過程においてクラックが生じ易
く、特殊な方法を使用しないと炭素、黒鉛材が得られに
くいという欠点があり、また出来上がった炭素はガラス
状炭素と称される極めて難黒鉛化性の炭素であり、この
炭素を黒鉛化処理してもその構造はほとんど変化しない
という問題点を有していた。
バルクメソフェーズ、メソカーボンマイクロビーズ、
石油系もしくは石炭系コークス等の自己焼結能を有する
炭素材原料を大気圧下で加熱し、ホットプレス法により
加圧成形する前記特開昭61−122110号公報の方法によれ
ば、加熱温度において前記炭素材原料は、その内部に含
まれている自己焼結能を発揮させるバインダー成分を介
して物理的に接触されるにすぎず前記炭素材原料を炭素
化あるいは黒鉛化して得られる炭素、黒鉛材には、強度
的に限界がある。また、前記炭素材原料から黒鉛材を上
記の方法により製造する場合には、黒鉛化性を制御する
ことができないという欠点がある。
石油系もしくは石炭系コークス等の自己焼結能を有する
炭素材原料を大気圧下で加熱し、ホットプレス法により
加圧成形する前記特開昭61−122110号公報の方法によれ
ば、加熱温度において前記炭素材原料は、その内部に含
まれている自己焼結能を発揮させるバインダー成分を介
して物理的に接触されるにすぎず前記炭素材原料を炭素
化あるいは黒鉛化して得られる炭素、黒鉛材には、強度
的に限界がある。また、前記炭素材原料から黒鉛材を上
記の方法により製造する場合には、黒鉛化性を制御する
ことができないという欠点がある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明は前記従来方法の有する欠点ならびに問題点を
除去・改善することを目的とし、特許請求の範囲記載の
方法を提供することによって上記目的を達成することが
できる。
除去・改善することを目的とし、特許請求の範囲記載の
方法を提供することによって上記目的を達成することが
できる。
本発明者らは、2環以上の縮合多環芳香族化合物と芳
香族架橋剤と酸触媒の混合物を60〜300℃の温度範囲内
で加熱反応させて熱可塑性を有する熱硬化性中間反応生
成物を得た後、100〜400℃の温度範囲内で熱硬化成形し
た際、得られた成形体が主としてメチレン結合からなる
架橋高分子成形体であることに着目し、このメチレン結
合が開裂する350〜550℃の温度範囲において、ホットプ
レスによって物理的圧力を加えることにより分子の配向
を促進し、より黒鉛結晶構造に類似した2次元配向を得
た後に、800〜3000℃の温度範囲内で加熱焼成すること
を特徴とする、易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方
法を新規に知見した。
香族架橋剤と酸触媒の混合物を60〜300℃の温度範囲内
で加熱反応させて熱可塑性を有する熱硬化性中間反応生
成物を得た後、100〜400℃の温度範囲内で熱硬化成形し
た際、得られた成形体が主としてメチレン結合からなる
架橋高分子成形体であることに着目し、このメチレン結
合が開裂する350〜550℃の温度範囲において、ホットプ
レスによって物理的圧力を加えることにより分子の配向
を促進し、より黒鉛結晶構造に類似した2次元配向を得
た後に、800〜3000℃の温度範囲内で加熱焼成すること
を特徴とする、易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方
法を新規に知見した。
次に、本発明の熱硬化性中間反応生成物を構成する縮
合多環芳香族化合物、芳香族架橋剤及び酸触媒について
説明する。
合多環芳香族化合物、芳香族架橋剤及び酸触媒について
説明する。
本発明によれば縮合多環芳香族化合物として、石炭系
若しくは石油系の重質油、タール、ピッチ、あるいはナ
フタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ク
リセン、ナフタセン、アセナチレン、ペリレン、コロネ
ン及びこれらの主骨格とする誘導体のなかから選ばれる
1種又は2種以上の混合物等を使用することができ、特
に本発明によれば、前記縮合多環芳香族化合物の分子量
が大きくかつその軟化点が低いものを選択することが好
ましい。
若しくは石油系の重質油、タール、ピッチ、あるいはナ
フタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ク
リセン、ナフタセン、アセナチレン、ペリレン、コロネ
ン及びこれらの主骨格とする誘導体のなかから選ばれる
1種又は2種以上の混合物等を使用することができ、特
に本発明によれば、前記縮合多環芳香族化合物の分子量
が大きくかつその軟化点が低いものを選択することが好
ましい。
本発明によれば芳香族架橋剤として、ヒドロキシメチ
ル基、ハロメチル基のいずれか少なくとも1種の基を2
個以上有する1環又は2環以上の芳香環からなる芳香族
化合物、例えばp−キシリレングリコール、p−キシレ
ンジクロライド、ジメチル−p−キシリレングリコー
ル、ジメチル−m−キシリレングリコールシリレングリ
コール等を使用することができる。
ル基、ハロメチル基のいずれか少なくとも1種の基を2
個以上有する1環又は2環以上の芳香環からなる芳香族
化合物、例えばp−キシリレングリコール、p−キシレ
ンジクロライド、ジメチル−p−キシリレングリコー
ル、ジメチル−m−キシリレングリコールシリレングリ
コール等を使用することができる。
本発明によれば酸触媒として、塩化アルミニウム、弗
化ホウ素等のルイス酸あるいは、硫酸、リン酸、有機ス
ルホン酸、カルボン酸等のブロトン酸及びこれらの誘導
体の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物を使用す
ることができる。
化ホウ素等のルイス酸あるいは、硫酸、リン酸、有機ス
ルホン酸、カルボン酸等のブロトン酸及びこれらの誘導
体の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物を使用す
ることができる。
本発明にあっては、前記縮合多環芳香族化合物のうち
分子量が比較的大きな石炭系若しくは石油系の重質油、
タール、ピッチ等を使用し、かつ分子内に酸素、イオウ
等の異種元素を含まないものを使用することがより易黒
鉛化性の炭素、黒鉛材を得るのに好ましく、なかでも軟
化点が、80〜110℃の温度範囲のものを使用することが
特に好ましい。120℃以上の軟化点をもつ前記縮合多環
芳香族化合物を使用する場合は、反応の制御がむずかし
くなるから溶剤及び/又は可塑剤を添加して軟化点を降
下させて使用することが好ましい。
分子量が比較的大きな石炭系若しくは石油系の重質油、
タール、ピッチ等を使用し、かつ分子内に酸素、イオウ
等の異種元素を含まないものを使用することがより易黒
鉛化性の炭素、黒鉛材を得るのに好ましく、なかでも軟
化点が、80〜110℃の温度範囲のものを使用することが
特に好ましい。120℃以上の軟化点をもつ前記縮合多環
芳香族化合物を使用する場合は、反応の制御がむずかし
くなるから溶剤及び/又は可塑剤を添加して軟化点を降
下させて使用することが好ましい。
次に、前記縮合多環芳香族化合物に対する前記芳香族
架橋剤及び前記酸触媒について説明する。
架橋剤及び前記酸触媒について説明する。
芳香族架橋剤は縮合多環芳香族化合物100重量部に対
して、40〜80重量部、酸触媒は芳香族架橋剤と縮合多環
芳香族化合物との混合物の合計100重量部に対して、1
〜20重量部が好適な範囲である。またこれらを反応させ
るための加熱は60〜300℃の温度範囲にする必要があ
る。前記加熱温度は、60℃より低いと反応が生起せず、
一方300℃より高いと反応速度が速いので均一に反応さ
せることができないので上記加熱温度は、60〜300℃の
温度範囲にする必要がある。また前記温度範囲は、少な
くとも前記縮合多環芳香族化合物の軟化点以上でなけれ
ばならない。加熱温度及び時間を適宜選択することによ
り、熱可塑性を有する熱硬化性中間反応生成物(所謂B
ステージ樹脂)を得ることができる。
して、40〜80重量部、酸触媒は芳香族架橋剤と縮合多環
芳香族化合物との混合物の合計100重量部に対して、1
〜20重量部が好適な範囲である。またこれらを反応させ
るための加熱は60〜300℃の温度範囲にする必要があ
る。前記加熱温度は、60℃より低いと反応が生起せず、
一方300℃より高いと反応速度が速いので均一に反応さ
せることができないので上記加熱温度は、60〜300℃の
温度範囲にする必要がある。また前記温度範囲は、少な
くとも前記縮合多環芳香族化合物の軟化点以上でなけれ
ばならない。加熱温度及び時間を適宜選択することによ
り、熱可塑性を有する熱硬化性中間反応生成物(所謂B
ステージ樹脂)を得ることができる。
次に、前記熱硬化成形について説明する。
前記熱硬化性中間反応生成物を熱硬化成形するための
加熱温度は、100〜400℃の温度範囲にする必要がある。
前記加熱温度は、100℃より低いと硬化が生起せず、一
方400℃より高いとメチレン結合が開裂するため上記加
熱温度は、100〜400℃の温度範囲にする必要がある。前
記熱硬化性中間反応生成物をホットプレス用成形型に充
填し、予備加圧もしくは非加圧下で加熱温度及び時間を
適宜選択することにより、熱硬化成形し架橋高分子成形
体(所謂Cステージ樹脂)を得ることができる。
加熱温度は、100〜400℃の温度範囲にする必要がある。
前記加熱温度は、100℃より低いと硬化が生起せず、一
方400℃より高いとメチレン結合が開裂するため上記加
熱温度は、100〜400℃の温度範囲にする必要がある。前
記熱硬化性中間反応生成物をホットプレス用成形型に充
填し、予備加圧もしくは非加圧下で加熱温度及び時間を
適宜選択することにより、熱硬化成形し架橋高分子成形
体(所謂Cステージ樹脂)を得ることができる。
次に、前記架橋高分子成形体を、350〜550℃の温度範
囲内で最終加圧することの作用及び効果について説明す
る。
囲内で最終加圧することの作用及び効果について説明す
る。
前記温度範囲は、前記架橋高分子のメチレン結合が開
裂する温度であり、この温度範囲内でわずかながら軟化
が起きている事を本発明者らは新規に知見した。そこで
本発明においては、前記温度範囲内で、非酸化性雰囲気
中で、40〜400kg/cm2の圧力で加圧することにより、前
記架橋高分子のメチレン結合が開裂し、ラジカルやイオ
ンを含む縮合多環芳香族分子を物理的に配向させるとと
もにラジカルやイオンの再結合を伴う、芳香族化及び黒
鉛結晶構造に類似した2次元的な炭素前駆体巨大分子の
生成を兼ねた炭素化の初期過程を容易に経過しうること
を新規に知見した。
裂する温度であり、この温度範囲内でわずかながら軟化
が起きている事を本発明者らは新規に知見した。そこで
本発明においては、前記温度範囲内で、非酸化性雰囲気
中で、40〜400kg/cm2の圧力で加圧することにより、前
記架橋高分子のメチレン結合が開裂し、ラジカルやイオ
ンを含む縮合多環芳香族分子を物理的に配向させるとと
もにラジカルやイオンの再結合を伴う、芳香族化及び黒
鉛結晶構造に類似した2次元的な炭素前駆体巨大分子の
生成を兼ねた炭素化の初期過程を容易に経過しうること
を新規に知見した。
次に、前記焼成について説明する。
加熱焼成は、非酸化性雰囲気中で、800〜3000℃の温
度範囲内で行なうが、前記温度範囲内における550〜150
0℃の温度領域では炭素化が進行する過程であり、1500
〜3000℃の温度領域では黒鉛化が進行する過程である。
前記炭素化過程においては、炭素化の初期過程、すなわ
ち350〜550℃の温度範囲内において、より黒鉛結晶構造
に類似した分子配向がなされているため、易黒鉛化性の
炭素を与えるばかりでなく、加圧による高密度化が期待
できる。
度範囲内で行なうが、前記温度範囲内における550〜150
0℃の温度領域では炭素化が進行する過程であり、1500
〜3000℃の温度領域では黒鉛化が進行する過程である。
前記炭素化過程においては、炭素化の初期過程、すなわ
ち350〜550℃の温度範囲内において、より黒鉛結晶構造
に類似した分子配向がなされているため、易黒鉛化性の
炭素を与えるばかりでなく、加圧による高密度化が期待
できる。
本発明方法のa)工程において前記(イ)の縮合多環
芳香族化合物,(ロ)の芳香族架橋剤,および(ハ)の
酸触媒を混合して混合物とする際に、天然黒鉛,人造黒
鉛、コークスメソカーボンマイクロビーズ,メソフェー
ズ,カーボンブラック,カーボンファイバー,木炭のな
かから選ばれるいずれか1種または2種以上を前記混合
物に混合したものを酸化性もしくは非酸化性雰囲気中で
60〜300℃の温度範囲内で加熱反応させて実質的に熱可
塑性を有する熱硬化性中間反応生成物を得ることもでき
る。
芳香族化合物,(ロ)の芳香族架橋剤,および(ハ)の
酸触媒を混合して混合物とする際に、天然黒鉛,人造黒
鉛、コークスメソカーボンマイクロビーズ,メソフェー
ズ,カーボンブラック,カーボンファイバー,木炭のな
かから選ばれるいずれか1種または2種以上を前記混合
物に混合したものを酸化性もしくは非酸化性雰囲気中で
60〜300℃の温度範囲内で加熱反応させて実質的に熱可
塑性を有する熱硬化性中間反応生成物を得ることもでき
る。
(実施例) 次に、本発明を実施例について説明する。
実施例1. 軟化点85℃の石炭系ピッチ100重量部に対し、p−キ
シリレングリコールを65重量部を混合して混合物とな
し、この混合物100重量部に対してp−トルエンスルホ
ン酸を9重量部添加し、120℃で60分間加熱し、Bステ
ージ樹脂を得た。このBステージ樹脂を金型温度200℃
で100×100×50mmの大きさにモールド成形した後、非酸
化性雰囲気中、400℃の温度で100kg/cm2の圧力でホット
プレスした。次にこの成形体を20℃/hrの昇温速度で280
0℃まで焼成した。
シリレングリコールを65重量部を混合して混合物とな
し、この混合物100重量部に対してp−トルエンスルホ
ン酸を9重量部添加し、120℃で60分間加熱し、Bステ
ージ樹脂を得た。このBステージ樹脂を金型温度200℃
で100×100×50mmの大きさにモールド成形した後、非酸
化性雰囲気中、400℃の温度で100kg/cm2の圧力でホット
プレスした。次にこの成形体を20℃/hrの昇温速度で280
0℃まで焼成した。
この得られた焼成体の電気比抵抗は、この焼成体をホ
ットプレスする際の加圧軸に垂直方向では800μΩcmで
あり、一方、加圧軸に平行方向では4900μΩcmであっ
た。すなわち得られた焼成体はそれを構成する黒鉛の2
次元的配向性が極めて優れていることがわかった。なお
この焼成体の見掛比重は1.85g/cm3であってこの焼成体
は極めて高密度であった。
ットプレスする際の加圧軸に垂直方向では800μΩcmで
あり、一方、加圧軸に平行方向では4900μΩcmであっ
た。すなわち得られた焼成体はそれを構成する黒鉛の2
次元的配向性が極めて優れていることがわかった。なお
この焼成体の見掛比重は1.85g/cm3であってこの焼成体
は極めて高密度であった。
実施例2. 軟化点140℃の水添した石炭系ピッチ100重量部に対
し、p−キシレンジクロライドを65重量部を混合して混
合物となし、この混合物100重量部に対してp−トルエ
ンスルホン酸10重量部を添加し、160℃で30分間加熱し
てBステージ樹脂を得た。このBステージ樹脂を200℃
で熱硬化させた後、非酸化性雰囲気中、450℃の温度で2
50kg/cm2の圧力でホットプレスした。次にこの成形体を
10℃/hrの昇温速度で3000℃まで焼成した。
し、p−キシレンジクロライドを65重量部を混合して混
合物となし、この混合物100重量部に対してp−トルエ
ンスルホン酸10重量部を添加し、160℃で30分間加熱し
てBステージ樹脂を得た。このBステージ樹脂を200℃
で熱硬化させた後、非酸化性雰囲気中、450℃の温度で2
50kg/cm2の圧力でホットプレスした。次にこの成形体を
10℃/hrの昇温速度で3000℃まで焼成した。
得られた焼成体の気体不浸透性を調べたところ、成形
体のホットプレスする際の加圧軸に平行方向ではヘリウ
ムガスに対し10-6cm2/sec.cmHgであり、一方加圧軸に垂
直方向では10-3cm2/sec.cmHgであり、この結果よりみて
加圧軸に平行方向では気体不浸透性が著しく優れている
ことがわかった。
体のホットプレスする際の加圧軸に平行方向ではヘリウ
ムガスに対し10-6cm2/sec.cmHgであり、一方加圧軸に垂
直方向では10-3cm2/sec.cmHgであり、この結果よりみて
加圧軸に平行方向では気体不浸透性が著しく優れている
ことがわかった。
実施例3. 軟化点220℃の石炭系ピッチα−メチルナフタリンを7
0重量部加え、非酸化性雰囲気中で250℃で混合し、軟化
点80℃の混合物を得た。この混合物100重量部に対しP
−キシリレングリコールを55重量部添加混合した混合物
100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸を9重量部
と44μm以下に粉砕した天然黒鉛100重量部を添加し、1
20℃で40分間ニーダーで混合加熱して、Bステージ樹脂
を得た。このBステージ樹脂を金型温度250℃でモール
ド成形した後、非酸化性雰囲気中450℃の温度で250Kg/c
m2の圧力でホットプレスして成形体を得た。この成形体
を10℃/hrの昇温速度で2800℃まで加熱焼成した。得ら
れた焼成体の曲げ強度および熱伝導度を調べたところ、
ホットプレスする際の加圧軸に垂直方向のそれぞれの値
は1200kg/cm2,150kcal/m.hr.℃であり、一方、加圧軸に
平行方向のそれぞれの値は300kg/cm2,40kcal/m.hr.℃で
あった。すなわち得られた焼成体はそれを構成する黒鉛
の2次元配向性が極めて優れていることがわかった。
0重量部加え、非酸化性雰囲気中で250℃で混合し、軟化
点80℃の混合物を得た。この混合物100重量部に対しP
−キシリレングリコールを55重量部添加混合した混合物
100重量部に対し、p−トルエンスルホン酸を9重量部
と44μm以下に粉砕した天然黒鉛100重量部を添加し、1
20℃で40分間ニーダーで混合加熱して、Bステージ樹脂
を得た。このBステージ樹脂を金型温度250℃でモール
ド成形した後、非酸化性雰囲気中450℃の温度で250Kg/c
m2の圧力でホットプレスして成形体を得た。この成形体
を10℃/hrの昇温速度で2800℃まで加熱焼成した。得ら
れた焼成体の曲げ強度および熱伝導度を調べたところ、
ホットプレスする際の加圧軸に垂直方向のそれぞれの値
は1200kg/cm2,150kcal/m.hr.℃であり、一方、加圧軸に
平行方向のそれぞれの値は300kg/cm2,40kcal/m.hr.℃で
あった。すなわち得られた焼成体はそれを構成する黒鉛
の2次元配向性が極めて優れていることがわかった。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明によれば、架橋高分子成形
体を、メチレン結合の開裂する温度で物理的圧力を加え
ることにより、架橋高分子の縮合多環芳香族分子を配向
させ、より黒鉛結晶構造に類似した2次元配向を得るこ
とができる。
体を、メチレン結合の開裂する温度で物理的圧力を加え
ることにより、架橋高分子の縮合多環芳香族分子を配向
させ、より黒鉛結晶構造に類似した2次元配向を得るこ
とができる。
本発明の製造方法により得られる炭素・黒鉛材は、従
来炭素・黒鉛材に比し高密度高強度であり、電気伝導性
・熱伝導性に富み、また気体不浸透性に優れ、熱交換器
用部材,化学用機械用部材等として、従来のものに比べ
て有利に使用することができ、産業上大きく寄与するこ
とが期待できる。
来炭素・黒鉛材に比し高密度高強度であり、電気伝導性
・熱伝導性に富み、また気体不浸透性に優れ、熱交換器
用部材,化学用機械用部材等として、従来のものに比べ
て有利に使用することができ、産業上大きく寄与するこ
とが期待できる。
Claims (5)
- 【請求項1】下記a〜d工程からなる熱硬化性樹脂を原
料とする易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法: a.(イ)2環以上の縮合多環芳香族化合物, (ロ)ヒドロキシメチル基、ハロメチル基のいづれか少
なくとも1種の基を2個以上有する1環または2環以上
の芳香環からなる芳香族架橋剤, (ハ)酸触媒, 上記(イ)、(ロ)および(ハ)の混合物を酸化性もし
くは非酸化性雰囲気中で60〜300℃の温度範囲内で加熱
反応させて実質的に熱可塑性を有する熱硬化性中間反応
生成物を得る工程; b.上記工程aにて得られた熱硬化性中間反応生成物を、
酸化性もしくは非酸化性雰囲気中で100〜400℃の温度範
囲内で熱硬化成形して架橋高分子成形体を得る工程; c.上記工程bにて得られた前記架橋高分子成形体を、35
0〜550℃の温度範囲内で非酸化性雰囲気中で加圧し、前
記架橋高分子の縮合多環芳香族分子を物理的に2次元配
向させた成形体を得る工程; d.上記工程cにて得られた2次元配向されてなる高分子
成形体を非酸化性雰囲気中で800〜3000℃の温度範囲内
で加熱焼成する工程。 - 【請求項2】前記工程aの(イ)に記載の縮合多環芳香
族化合物は、石炭系もしくは石油系の重質油,タール,
ピッチのなかから選ばれる1種または2種以上であるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項3】前記工程aの(ロ)に記載の芳香族架橋剤
は、p−キシリレングリコール、p−キシレンジクロラ
イド、ジメチル−m−キシリレングリコール、ジメチル
−p−キシリレングリコールおよびこれらの誘導体のな
かから選ばれる1種または2種以上であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項4】前記工程aの(ハ)に記載の酸触媒は、塩
化アルミニウム、弗化ホウ素、リン酸、有機スルホン
酸、カルボン酸およびこれらの誘導体のなかから選ばれ
る1種又は2種以上であることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項5】前記工程cで行う加圧は、1軸加圧のホッ
トプレスもしくは等方加圧のホットアイソスタティック
プレスであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61195594A JP2540133B2 (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61195594A JP2540133B2 (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS6355110A JPS6355110A (ja) | 1988-03-09 |
JP2540133B2 true JP2540133B2 (ja) | 1996-10-02 |
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JP61195594A Expired - Lifetime JP2540133B2 (ja) | 1986-08-22 | 1986-08-22 | 易黒鉛化性高密度炭素、黒鉛材の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2540133B2 (ja) |
-
1986
- 1986-08-22 JP JP61195594A patent/JP2540133B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPS6355110A (ja) | 1988-03-09 |
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