JP2539568Y2 - 金属製真空断熱容器 - Google Patents

金属製真空断熱容器

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JP2539568Y2 JP1989138725U JP13872589U JP2539568Y2 JP 2539568 Y2 JP2539568 Y2 JP 2539568Y2 JP 1989138725 U JP1989138725 U JP 1989138725U JP 13872589 U JP13872589 U JP 13872589U JP 2539568 Y2 JP2539568 Y2 JP 2539568Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、内瓶と外瓶との間に支持部材を設けて、大
気圧による内瓶および外瓶の変形を防止した金属製真空
断熱容器に関するものである。
「従来の技術」 金属製真空断熱容器(以下、断熱容器と略称する。)
は、金属製有底筒状の内瓶と同じく金属製有底筒状で内
瓶より大径の外瓶とがそれぞれ口部で接合して二重構造
を形成してなるもので、これら内瓶と外瓶との間隙は、
高真空に排気されて真空断熱層を形成している。
このような断熱容器の製造方法としては、まず内瓶と
底部に排気孔を配した外瓶とを口部で接合して二重構造
とし、これを口部を下にして上記排気孔の廻りにろう材
を配置し、このろう材上に封止板を載置した後、真空加
熱炉内で真空加熱処理を行い、上記内瓶および外瓶の間
隙を真空にするとともに上記ろう材を溶融させて封止板
を自重により落下させることにより上記排気孔を密閉し
て真空封止を行う方法(特開昭58−192516号公報参照)
が知られている。
また他の製造方法としては、まず上記方法と同様に内
瓶とチップ管を設けた外瓶とを口部で接合して二重構造
とし、次いでこれを加熱しながら上記チップ管から内瓶
および外瓶の間の間隙の排気を行った後、チップ管を圧
切して真空封止を行う方法などがある。
「考案が解決しようとする課題」 ところが、上述した二つの方法のうちいずれの方法を
用いて製造した場合でも、内外瓶の間が真空状態に保持
されていることから、内外瓶の各壁が大気圧を受けるこ
ととなり、内外瓶の胴部は円筒状に形成されていて、大
気圧の荷重に耐ええるものの、底部等の平坦な部分は、
その大気圧荷重により真空空間側へ変形するという問題
がある。しかも、製造時における金属の脱ガス処理のた
め高温に加熱されることより、金属の強度が低下するの
で、なお一層変形を惹起することになる。このようなこ
とより、特に口径が大きな平底を有する真空断熱鍋等は
製造が困難であった。
そこで、このような変形を防止するため、底部等の平
坦な部分の肉厚を厚くする方法が試みられたが、全体的
に肉厚を厚くした場合には、大幅に重量が増加するとい
った問題があり、この問題を解決すべく底部等の平坦な
部分のみ肉厚を厚くした場合には、肉厚の厚い部材と薄
い部材との溶接が難しいという問題が生じる。
また、変形を防止するために平坦な部材を真空断熱層
側に湾曲させたり、平坦部分にリブをもうけたりする方
法も試みられている。第15図は、このような断熱容器の
一例を示すもので、内瓶1および外瓶2の底部を真空断
熱層3側に湾曲させ、かつ外瓶2の底部にリブ4…を設
けて変形を防止したものである。
しかしながらこのような構成の断熱容器は、製造コス
トが高いばかりでなく、内容積に比較して外観が大き
い、すなわち容積効率が悪いという問題があり、さらに
は内瓶および外瓶の底部が平坦でないことから、使い勝
手や外観が悪いという問題がある。このようなことより
内瓶、外瓶との間の底部に支持部材を介在せしめること
が試みられているが、支持部材の介在で該部材を伝わっ
て熱損失が生じて断熱性能を損なうこととなっていた。
本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、大気圧に
より内瓶もしくは外瓶が変形することがなく、しかも軽
量で平底等の底部を平坦とすることを可能として容積効
率が良く、また断熱性能が高い断熱容器の提供を目的と
するものである。
「課題を解決するための手段」 本考案の金属製真空断熱容器は、金属製の内瓶と金属
製の外瓶とからなり、上記内瓶と外瓶との間を真空排気
して真空二重壁構造とした金属製真空断熱容器であっ
て、上記内瓶および外瓶の底部の間に、金属薄板からな
り、内瓶底部の直径の10〜50%の直径を有する筒状の支
持部材を、この支持部材の上下各端面がそれぞれ内外瓶
の底面に面するように介在させたことを特徴としてい
る。
「作用」 本考案にあっては、内瓶と外瓶との間の底部に金属薄
板からなり、内瓶底部の直径の10〜50%の直径を有する
筒状の支持部材を各上下端部がそれぞれ内瓶と外瓶との
間の底部に接触するように介在させることにより、内瓶
と外瓶との間を高真空に排気した際に内瓶もしくは外瓶
に対して大気圧がかかった場合でも、この支持部材の各
端面により内瓶および外瓶が支持されるため、内瓶およ
び外瓶が変形しない。しかも中空筒体の周壁軸方向で支
持するので、大きな荷重に耐えられ、従って中空筒体周
壁の厚みを極めて薄くできて伝熱による熱損失を低くす
ることができるばかりでなく、支持部材をリング状に支
えるので、極めて広い面積を適切均等に支持することが
できる。
「実施例」 以下、本考案の断熱容器について図面を用いて詳しく
説明する。
(実施例1) 第1図は、本考案の断熱容器の一例(第1実施例)を
示すものである。
この断熱容器は、金属製の内瓶1と、この内瓶1の口
部に連続して一体的に形成された金属製の外瓶2と、内
瓶1の底面と外瓶2の底面との間に配設された中空筒状
の支持部材5と、内瓶1と外瓶2との間隙を10-1Torr以
下の高真空にすることにより得られる真空断熱層3とか
ら構成されるものである。
内瓶1は、有底円筒状のものでその底部の略中央部に
は上記支持部材5を位置決めするために内側に膨出した
円形の内瓶側段差6が設けられている。この内瓶側段差
6は、その直径が支持部材5の外径よりやや大径に形成
されたものである。
外瓶2は、一方の端部が内瓶1の口部と一体化してい
る筒状の外筒壁7と、この外筒壁7の他方の端部に接合
する封止底板8とからなるもので、封止底板8は外筒壁
7の外周より大径に形成された円板状のものである。こ
の封止底板8の周部は起曲されて円筒状の立ち上がり壁
9を形成しており、この立ち上がり壁9と上記外筒壁7
とはろう材10を介して気密に嵌合している。封止底板8
の略中央部で上記内瓶側段差6に対向する位置には、内
側に膨出する円形の外瓶側段差11が形成されている。こ
の外瓶側段差11は、上記内瓶側段差6と共に支持部材5
を位置決めするために設けられたもので、その直径は支
持部材5の内径よりやや小さめに形成されている。
上記内瓶1、外筒壁7および封止底板8は、炭素鋼、
ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属からなるもの
で、絞り加工や溶接加工などの加工方法にて形成されて
なるものである。
また、支持部材5はステンレス鋼等の金属薄板からな
る中空筒状のもので、上下端部がそれぞれ内瓶1の底部
と封止底板8に接触し、かつ内瓶側段差6および外瓶側
段差11にて位置決めされる位置に配置されている。この
支持部材5は、ステンレス鋼などの金属薄板を筒状に巻
き、接合部を溶接することにより形成されたものであ
る。
次に、この断熱容器の製造方法について説明する。
まず、内瓶1と外筒壁7とを内瓶1の口部で絞り加工
により連続して一体化した容器本体12を形成する。次
に、周囲に立ち上がり壁9が設けられた封止底板8を用
意し、この立ち上がり壁9が上方に突出するように図示
略の台上に載置する。この封止底板8上であって外瓶側
段差11により位置決めされる位置に中空筒状の支持部材
5を配置する。次いで、上記容器本体12の底部開口部に
立ち上がり壁9をろう材10を介して嵌合させる。この
際、支持部材5の上端部は内瓶側段差6により位置決め
される位置に配置される。この状態で、真空加熱処理を
行い、内瓶1と外筒壁7および封止底板8との間隙を真
空排気して真空断熱層3を形成すると共に、このろう材
10を溶融溶着して封止底板8と容器本体12とを気密に接
合する。以上の工程により断熱容器が形成される。
ここで、支持部材5の軸方向の長さが長いことから封
止底板8と容器本体12との嵌合部分に空隙が生じないよ
うにするために、支持部材5はその軸方向の長さが内瓶
1の底部と封止底板8との間隔よりやや小さめに形成さ
れていることが好ましい。このように小さめに形成され
ていても、真空加熱処理により真空断熱層3が形成され
た際に、内瓶1の底部および封止底板8が少し変形して
支持部材5のそれぞれの端部と密着するので、支持部材
5が真空断熱層3内で移動することはない。
本考案において支持部材5の形状は中空円筒状に限ら
れるものでなく、加工の都合等によっては中空多角筒状
のものであってもよい。また、第2図ないし第5図に示
すように支持部材5が製造時に内瓶1もしくは封止底板
8に仮止めできるように支持部材5に溶接用の仮止板13
を設けてもよい。この仮止板13は、例えば第2図に示す
ように円筒状の支持部材5の上端部を覆うように設けら
れたもの、もしくは第4図に示すように下端面から外方
に突出して設けられたもの、また第3図に示すようにそ
の両方を設けたもの、さらに第5図に示すように上端部
および下端部から外方に突出して設けられたものなどが
ある。
このように支持部材5に仮止板13を設けることによ
り、上記断熱容器のように内瓶側段差6や外瓶側段差11
を設けなくても、この仮止板13をスポット溶接等により
内瓶1もしくは封止底板8に仮止めすることにより、断
熱容器の製造時に支持部材5の位置決めが可能になる。
また、本考案において支持部材5の直径は、内瓶1底
部の直径の10〜50%の範囲とする。支持部材5の直径が
内瓶1底部の直径の50%を越えると、第6図に示すよう
に支持部材5の内側で内瓶1および外瓶2の底部が変形
して接触し、完全な真空断熱層3が得られない場合があ
る。また支持部材5の直径が内瓶1底部の直径の10%よ
り小さいと、支持部材5の外側で内瓶1および外瓶2の
底部が変形する場合がある。
本考案の断熱容器は、このように支持部材5を内瓶1
および外瓶2の間に介在させることにより、その断熱性
能が従来の断熱容器と比較して低下することはない。
これは、一つは支持部材5の径が内瓶1と外瓶2との
口部接合部の径より小さい支持部材5を用いることによ
り、支持部材5による熱損失が上記口部接合部からの熱
損失よりかなり小さくなるため断熱容器全体の熱損失に
大きな影響を及ぼさないこと、また支持部材5を用いる
ことにより、内瓶1もしくは外瓶2の肉厚を薄くするこ
とが可能となり、これにより口部接合部からの熱損失が
低下することといった二つの理由によるものである。こ
のように熱損失の面からも支持部材5の径は小さい方が
好ましい。
支持部材5の板厚は強度的には厚い方が良いが、支持
部材5を通じて伝導する熱損失量を考慮した場合伝熱量
は板厚と比例関係にあるので、できる限り肉厚を薄くし
た方が熱損失量が小さく、従って強度的に耐え得る範囲
で極力薄い方が好ましい。実用的には、0.1〜0.8mm程度
が適している。
(実験例1) 第1表に支持部材5の径の大きさを変化させた断熱容
器および支持部材5の無い断熱容器における伝熱量の値
を示す。なお、内瓶1はステンレス鋼製で内径300mmφ
のものを用い、内瓶1内の湯温は90℃とした。また内瓶
1の伝熱長さは20mmであった。ここで、伝熱長さとは湯
面から内瓶1の上端までの長さをいう。
第1表から明らかなように、支持部材5を用いたこと
により熱損失が大きくなることはなく、むしろ内瓶1の
肉厚を薄くできることから断熱性能は向上する。また、
支持部材5の径が小さいほうが熱損失は少ない。
(実験例2) 第1図に示す構造の断熱容器(実施例1)と、第7図
に示す第1実施例の断熱容器から支持部材5を除いた断
熱容器(比較例1)と、第9図に示す内瓶1および外瓶
2の底部の肉厚を厚くし、さらに内瓶1および外瓶2の
底部を真空断熱層3側に湾曲させた断熱容器(比較例
2)とを、上述した真空加熱処理を用いた方法により製
造した。
ここで、各断熱容器の高さは10.0cm、外瓶2の内径は
80mmφ、内瓶1の内径は70mmφ、内瓶1の深さは実施例
1および比較例1の断熱容器では90mm、比較例2の断熱
容器では80mmで、内瓶1、外瓶2および支持部材5の材
質はステンレス鋼を用いた。また、真空加熱炉を大気圧
に戻す際の各断熱容器の温度は700〜800℃であった。
結果を第2表に示す。
比較例1の断熱容器は、真空加熱炉内で大気圧に戻す
際に、第8図に示すように、内瓶1の底部と外瓶2の底
部が変形することにより接触し、完全な真空断熱層3が
得られなかった。また、比較例2の断熱容器は底部が変
形することは無かったが、第1表から明らかなように、
容積効率がわるく、さらに容器全体の重量が重いという
欠点を有するものであった。
(実施例2) 次に、本考案の断熱容器の第2実施例について説明す
る。
第10図は、この断熱容器の真空封止前の状態を示すも
のである。この真空封止されて断熱容器となる容器(以
下、容器14とする。)は、口部が縮径された有底円筒状
の内容器15と同じく口部が縮径された有底円筒状の形状
で内容器15より大径の外容器16とが口部で接合されて二
重構造をなすもので、内容器15の底部と外容器16の底部
との間には、側面に排気口17が形成された円筒状の支持
部材5が配設されており、また外容器15の底部の略中央
で上記支持部材5の内側には、真空排気用の銅パイプか
らなるチップ管18がろう材10により気密に接合されてい
る。さらに、外容器16の周部近傍には高真空下において
金属中から放出される水素ガス等の残留ガスを吸着する
ためのゲッター19が配設されている。
支持部材5は、第1実施例と同じく内容器15および外
容器16の底部に設けられた段差により位置決めされてい
る。
上記内容器15、外容器16および支持部材5は、上述し
た第1実施例の内瓶1等と同様の材質で、同様の加工方
法により形成されたものである。
また、支持部材5は上記形状に限られるものでなく、
例えば予め多数の穴あけ加工が施されているいわゆるパ
ンチングプレート等を中空筒状に形成したものを用いて
もよい。このように支持部材5にパンチングプレート等
を用いることにより、チップ管18からの排気性が向上す
るばかりでなく、内容器15から外容器16への熱損失を低
減することができる。
次に、この容器14を真空封止して本考案の第2実施例
である断熱容器を形成する方法について説明する。
まず、この容器14を550℃程度に加熱した後、上記チ
ップ管18により、内容器15および外容器16間の間隙内を
10-1Torr以下まで排気し真空断熱層3を形成する。次い
で、容器本体14を冷却した後、チップ管18を油圧カッタ
ーなどにより圧切して密封することにより断熱容器が形
成される。
(実施例3) 本考案の断熱容器の第3実施例を第11図に示す。
この断熱容器は、上記第2実施例の断熱容器と同様に
口部が縮径された有底円筒状の内容器15と同じく口部が
縮径された有底円筒状の形状で内容器15より大径の外容
器16とが口部で接合されて二重構造をなすもので、内容
器15と外容器16と間隙は、10-1Torr以下の高真空に排気
されて真空断熱層3を形成している。
内容器15の底部の略中央部には、真空断熱層3側に膨
出した円形の内容器側凸部20が形成されており、また外
容器16の底部略中央部には、同じく真空断熱層3側に円
形に膨出をした外容器側凸部21が内容器側凸部20に対向
する位置に設けられている。この外容器側凸部21は、内
容器側凸部20より大径に形成されたものである。外容器
16底部の周部近傍には、開口部22が設けられており、こ
の開口部22は外側から封止板23およびろう材10により気
密に封止されている。また、外容器16底部の周部近傍に
はゲッター19が固着されている。
支持部材5は、上記内容器側凸部20と外容器側凸部21
との間に配設されており、この支持部材5の内容器側凸
部20側端部には、端部を閉塞するように仮止板13aが設
けられており、また外容器側凸部21側の端部には、端部
から外方に突出して仮止板13bが設けられている。これ
らの仮止板13a、13bは、断熱容器を製造する際に予め外
容器16もしくは内容器15にこの仮止板13をスポット溶接
にて仮止めして支持部材5の位置決めを行うものであ
る。
このような構成の断熱容器にあっては、真空排気後外
容器16の底部が変形して支持部材5に密着した際におい
ても、外容器側凸部21が設けられていること、および仮
止板13bの作用により支持部材5の形状が外部から見て
分かるようなことが無くなり、デザイン的な処理が可能
となる。
また、第12図ないし第14図に示すように、支持部材5
と内容器15底部もしくは外容器16底部との間に、熱を伝
導しにくい材料からなるシート状の物質(以下、熱抵抗
体とする)24を介在させることも可能である。
第12図は、仮止板13,13bが形成された支持部材5と外
容器16の底部との間に熱抵抗体24を配した例を示し、第
13図は支持部材5と内容器15底部との間に熱抵抗体24を
配した例を示し、さらに第14図は、支持部材5と内容器
15および外容器16との間に熱抵抗体24、24を配した例を
示すものである。
熱抵抗体24としては、例えばケイ酸カルシウム、パー
ライトなどをシート状に成形したもの、あるいはグラス
ウール、セラミックウールなどをシート状に形成したも
のなどが好適に用いられる。
このように熱抵抗体24を介在させることにより、内容
器15と外容器16との間の熱伝導を低下させることができ
るため断熱性能を向上させることができる。
なお、熱抵抗体24を介在させて支持部材5を配する場
合、第12図ないし第14図に示すように支持部材5の少く
とも熱抵抗体24に接する面には仮止め板13を形成してお
くとよい。その理由としては、容器内部が真空に排気さ
れて大気圧による荷重を受け、支持部材5と熱抵抗体24
とが密着した際に、仮止め板13が形成されていると、支
持部材5と熱抵抗体24とが面接触となるため、熱抵抗体
24の破損の危険性を防ぐことができるからである。
「考案の効果」 以上説明したように本考案は、金属製の内瓶と金属製
の外瓶とを口部で接合して真空二重構造とした金属製真
空断熱容器であって、上記内瓶および外瓶の間に、金属
薄板からなり、内瓶底部の直径の10〜50%の直径を有す
る筒状の支持部材を各端面がそれぞれ内瓶もしくは外瓶
に対向するように介在させたことを特徴とする金属製真
空断熱容器であるので、内瓶と外瓶との間隙を高真空に
排気した際に内瓶もしくは外瓶に対して真空断熱層側に
大気圧による応力がかかった場合でも、この支持部材に
より内瓶もしくは外瓶の変形がおさえられる。従って、
内瓶もしくは外瓶の平坦部分の肉厚を厚くしたり、湾曲
に加工したりする必要が無い。
よって、本考案の断熱容器は、大気圧により内瓶およ
び外瓶が変形することがなく、しかも容積効率が良好で
かつ軽量であるという効果を奏するものである。
また、内瓶底部の直径の10〜50%の直径を有する支持
部材を用いることにより、支持部材を介する熱損失が内
瓶と外瓶との口部接合部からの熱損失よりかなり小さく
なるため断熱容器全体の熱損失に大きな影響を及ぼさな
いこと、また支持部材を用いることにより、内瓶もしく
は外瓶の肉厚を薄くすることが可能となり、これにより
口部接合部からの熱損失を低下させることができること
から、断熱容器の断熱性能を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の断熱容器の第1実施例を示す概略断面
図、第2図ないし第5図は本考案に用いられる支持部材
を示す概略断面図、第6図は大径の支持部材を用いた場
合の内瓶および外瓶底部の変形状態を示す概略断面図、
第7図ないし第9図は支持部材を用いない従来の断熱容
器を示す概略断面図、第10図は本考案の断熱容器の第2
実施例を製造するための容器を示す概略断面図、第11図
は本考案の第3実施例の断熱容器を示す概略断面図、第
12図ないし第14図は本考案に用いられる支持部材の配設
方法を示す概略断面図、第15図は従来の断熱容器を示す
概略断面図である。 1……内瓶、2……外瓶、3……真空断熱層、5……支
持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 蒲地 秀史 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−110162(JP,A) 実開 昭61−134753(JP,U) 実開 昭61−124251(JP,U) 実開 昭59−145328(JP,U) 特公 昭61−1135(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の内瓶と金属製の外瓶とからなり、
    上記内瓶と外瓶との間を真空排気して真空二重壁構造と
    した金属製真空断熱容器であって、上記内瓶および外瓶
    の底部の間に、金属薄板からなり、内瓶底部の直径の10
    〜50%の直径を有する筒状の支持部材を、この支持部材
    の上下各端面がそれぞれ内外瓶の底面に面するように介
    在させたことを特徴とする金属製真空断熱容器。
JP1989138725U 1989-11-30 1989-11-30 金属製真空断熱容器 Expired - Lifetime JP2539568Y2 (ja)

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