JP2539302B2 - 冷却剤 - Google Patents

冷却剤

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JP2539302B2
JP2539302B2 JP10401391A JP10401391A JP2539302B2 JP 2539302 B2 JP2539302 B2 JP 2539302B2 JP 10401391 A JP10401391 A JP 10401391A JP 10401391 A JP10401391 A JP 10401391A JP 2539302 B2 JP2539302 B2 JP 2539302B2
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喜基 松本
正幸 藤沢
繁夫 有木
弥代子 平本
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷却剤に関し、さらに詳
細には無機アンモニウム塩と結晶水を保有する塩とを混
合することによって吸熱を生ずる冷却剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電源などを必要としない簡易冷却
材料として蓄熱容量の大きい物質を使用した蓄冷材およ
び二種以上の物質を混合する際に生ずる吸熱を利用した
冷却剤などが知られており、人体、食品などに対する簡
易冷却用として一般に普及しつつある。このうち、前者
の蓄冷剤は使用前に冷蔵庫や冷凍庫などで冷却しなけれ
ばならず不便である。一方、後者の冷却剤は事前の冷却
操作を必要とせず少なくとも2種類の物質を混合するだ
けで冷却効果が得られるという利点がある。
【0003】このような冷却剤としては無機アンモニウ
ム塩と水、または、無機アンモニウム塩と結晶水を保有
する塩類の組合せがある。無機アンモニウム塩として
は、例えば硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、臭化アンモニウムなどが使用され、これ
と水または結晶水を保有する塩とが混合される。また、
結晶水を保有する冷却剤用の塩として従来知られている
ものとして炭酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム
7水和物、硫酸ナトリウム10水和物、燐酸2ナトリウ
ム12水和物などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アンモ
ニウム塩と水とを混合するものは冷却効果があまり高く
なく、また、袋内などにアンモニウム塩と水を隔離収納
する場合には、輸送時などに隔離部が破損する虞がある
ため、取扱が面倒である。一方、アンモニウム塩と冷却
剤用として従来知られている塩の水和物の結晶とを混合
するものでは水を混合する場合に比較すれば冷却効果は
幾分高くなり、また、収納袋の取扱に対する安全性もよ
くなるが、やはり冷却到達温度がせいぜい−10℃程度
であること、夏場の倉庫内など保存中に雰囲気温度が4
0℃を超えるような場合には、これらの結晶水を保有す
る塩水和物は融解するため、使用時の吸熱量が大巾に減
少することおよび融解した後、雰囲気温度が再度低下す
るとこれらの塩は再結晶して塊状化するため、アンモニ
ウム塩と混合しても、もはや期待される冷却効果は得ら
れなくなることなどで実用上満足できるものはなかっ
た。
【0005】また、雰囲気温度が40℃を超えても融解
しない塩水和物として、例えば、メタ珪酸ナトリウム9
水和物、塩化マグネシウム6水和物、4硼酸ナトリウム
10水和物などがある。しかしなから、これらの水和物
はメタ珪酸ナトリウム9水和物を除けばアンモニウム塩
と混合してもほとんど吸熱は見られない。また、メタ珪
酸ナトリウム9水和物はアンモニウム塩と混合すると比
較的良好な冷却効果が見られるが、このもの単独ではア
ンモニウム塩との反応が遅いためか袋や容器内に収納し
たような状態においては中心部の温度が低下しても外壁
部の温度は余り低下せず、実用的に優れた冷却感が得難
いという欠点がある。このように現在までのところ冷却
効果が大きく、しかも雰囲気温度が40℃のような高温
においても結晶の融解が生じず、かつ、冷却感の優れた
冷却剤は知られていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題に対処し、冷却効果が高く、かつ、保存中に雰囲気温
度が上昇しても結晶が融解や変質することのない冷却剤
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、結晶水を保有する塩
に水酸化ストロンチウム8水和物を用いることによって
優れた効果が得られることを見い出し、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、無機アンモニウム塩に、結晶水
を保有する塩として水酸化ストロンチウム8水和物を混
合することを特徴とする冷却剤である。
【0007】本発明において使用される無機アンモニウ
ム塩としては、例えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、酸性硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、燐酸
水素2アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウ
ムなどであり、これらのうちでも硝酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、臭化アンモニウムなどが好ましく、硝
酸アンモニウムが特に好ましい。アンモニウム塩はそれ
ぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を併用しても
よい。
【0008】本発明において結晶水を保有する塩として
水酸化ストロンチウム8水和物が使用される。また、本
発明において、極端な過冷状態を抑制するとともに冷却
持続時間をさらに延長させるなどの目的で水酸化ストロ
ンチウム8水和物に対し、その他の結晶水を保有する塩
を併用してもよく、例えば、メタ珪酸ナトリウム9水和
物などが好ましい。無機アンモニウム塩と結晶水を保有
する塩との混合比率は、通常は重量比で1対0.1〜1
0.0、好ましくは1対0.25〜4.0、より好まし
くは1対0.5〜2.0である。また、結晶水を保有す
る塩全体に対する水酸化ストロンチウム8水和物の重量
割合としては、通常は、5%以上、好ましくは10%以
上、さらに好ましくは30%以上である。さらに、冷却
剤の冷却性能を調節する目的などで各種の高吸水性物質
や増粘剤などを添加することもでき、例えばでんぷん、
カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、
デンプン−アクリル酸グラフト共重合物、マレイン酸共
重合物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん
化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などが挙
げられる。
【0009】本発明の冷却剤は無機アンモニウム塩と水
酸化ストロンチウム8水和物などの塩の水和物をぞれぞ
れ別の容器に保存し、使用時にこれらを取り出して混合
してもよいが、携帯用などとする場合には、通常は取り
除きが容易な隔離手段を有する1つの袋、容器などに両
者を隔離して収納した状態で保存しておき、使用時には
この隔離手段を取り除いて両者を混合することによって
互いに溶解し、液状化が進行して冷却が開始され、それ
ぞれの冷却目的に供せられる。
【0010】
【実施例】
実施例1 雰囲気温度20℃において、100mlのガラス製ビー
カーに硝酸アンモニウム25gと水酸化ストロンチウム
8水和物25gを入れ、ガラス棒で攪拌して混合した
後、温度計をビーカーの中心部および外壁部に取り付け
て中心部および外壁部の最低温度および10℃以下にお
ける冷却持続時間を測定し、それぞれ10℃以下の平均
温度ならびに外壁部における10℃以下の冷却温度面積
を求めた。なお、冷却温度面積は外壁温度が10℃以下
になったときから、最低温度を経て再び10℃に上昇す
るまで10秒毎に測定した値と10℃との温度差に、1
0/60を乗じた各値を積算したもので、その単位は℃
・分で表される。
【0011】実施例2 硝酸アンモニウム17g、水酸化ストロンチウム8水和
物33gとした他は実施例1と同様にして冷却温度を測
定した。
【0012】実施例3 硝酸アンモニウム30g、水酸化ストロンチウム8水和
物20gとした他は実施例1と同様にして冷却温度を測
定した。
【0013】実施例4 硝酸アンモニウムを用いる代わりに臭化アンモニウム1
4gを水酸化ストロンチウム8水和物36gとを混合し
た他は実施例1と同様にして冷却温度を測定した。
【0014】実施例5 硝酸アンモニウムを用いる代わりに塩化アンモニウム2
5gを水酸化ストロンチウム8水和物25gとを混合し
た他は実施例1と同様にして冷却温度を測定した。
【0015】実施例6 硝酸アンモニウム25gに水酸化ストロンチウム8水和
物12.5gおよびメタ珪酸ナトリウム8水和物12.
5gを混合した他は実施例1と同様にして冷却温度を測
定した。
【0016】実施例7 硝酸アンモニウム17gに水酸化ストロンチウム8水和
物30gおよび吸水性物質として酢酸ビニル・アクリル
酸エステル共重合体けん化物(スミカゲル)3gを混合
した他は実施例1と同様にして冷却温度を測定した。以
上、実施例1〜7それぞれの配合割合を表1に、また、
得られた結果を表2に示す。
【0017】比較例1 雰囲気温度20℃において、100mlのガラス製ビー
カーに硝酸アンモニウム25gと純水25gを入れ、ガ
ラス棒で攪拌して混合した後、温度計をビーカーの中心
部および外壁部取り付けて中心部および外壁部の最低温
度および10℃度以下における冷却持続時間を測定し、
それぞれの10℃以下の平均温度ならびに外壁部におけ
る10℃以下の冷却温度面積を求めた。
【0018】比較例2 硝酸アンモニウム32g、純水18gとした他は比較例
1と同様にして冷却温度を測定した。
【0019】比較例3 純水を用いる代わりに硝酸アンモニウム25gにメタ珪
酸ナトリウム9水和物25gを混合した他は比較例1と
同様にして冷却温度を測定した。
【0020】比較例4 純水を用いる代わりに硝酸アンモニウム27gに炭酸ナ
トリウム10水和物23gを混合した他は比較例1と同
様にして冷却温度を測定した。
【0021】比較例5 純水を用いる代わりに硝酸アンモニウム25gに塩化マ
グネシウム6水和物25gを混合した他は比較例1と同
様にして冷却温度を測定した。
【0022】比較例6 純水を用いる代わりに硝酸アンモニウム25gに4硼酸
ナトリウム10水和物25gを混合した他は比較例1と
同様にして冷却温度を測定した。
【0023】比較例7 硝酸アンモニウムと純水を用いる代わりに臭化アンモニ
ウム25gにメタ珪酸ナトリウム9水和物25gを混合
した他は比較例1と同様にして冷却温度を測定した。以
上、比較例1〜7それぞれの配合割合を表3に、また、
得られた結果を表4に示す。
【0024】実施例8 雰囲気温度40℃において、100mlのガラス製ビー
カーに硝酸アンモニウム25gと水酸化ストロンチウム
8水和物25gを入れ、ガラス棒で攪拌して混合した
後、温度計を取り付けて中心部の最低温度および10℃
以下における冷却持続時間および10℃以下の平均温度
を求めた。
【0025】実施例9 硝酸アンモニウムを用いる代わりに臭化アンモニウム1
4gを水酸化ストロンチウム8水和物36gと混合した
他は実施例8と同様に冷却温度を測定した。
【0026】実施例10 硝酸アンモニウム25gに水酸化ストロンチウム8水和
物12.5gおよびメタ珪酸ナトリウム9水和物12.
5gを混合した他は実施例8と同様にして冷却温度を測
定した。以上、実施例8〜10の配合割合を表5に、ま
た、得られた結果を表6に示す。
【0027】
【発明の効果】本発明の冷却剤は水酸化ストロンチウム
8水和物を用いたものであり、従来の冷却剤では得られ
なかった−20℃のような低い冷却到達温度、長時間の
冷却持続性を有するなど10℃以下における冷却温度面
積が大きく、優れた冷却感が得られ、しかも、夏場など
における40℃のような高い雰囲気温度においても結晶
の融解、変質などによる劣化がなく、長期間安定した状
態で保存することができるなど実用上数多くの優れた特
徴を備えたものである。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平本 弥代子 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイ オニクス株式会社 平塚工場内 審査官 藤原 浩子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機アンモニウム塩に、結晶水を保有す
    る塩として水酸化ストロンチウム8水和物を混合するこ
    とを特徴とする冷却剤。
  2. 【請求項2】 結晶水を保有する塩が、水酸化ストロン
    チウム8水和物にメタ珪酸ナトリウム9水和物を併用し
    たものである請求項1に記載の冷却剤。
  3. 【請求項3】 無機アンモニウム塩が、硝酸アンモニウ
    ム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウムから選ばれる
    1種または2種以上である請求項1に記載の冷却剤。
JP10401391A 1991-02-08 1991-02-08 冷却剤 Expired - Lifetime JP2539302B2 (ja)

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US07/827,601 US5261241A (en) 1991-02-08 1992-01-29 Refrigerant
DE69208107T DE69208107T2 (de) 1991-02-08 1992-02-06 Kältemittel
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