JP2539112B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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- JP2539112B2 JP2539112B2 JP18079291A JP18079291A JP2539112B2 JP 2539112 B2 JP2539112 B2 JP 2539112B2 JP 18079291 A JP18079291 A JP 18079291A JP 18079291 A JP18079291 A JP 18079291A JP 2539112 B2 JP2539112 B2 JP 2539112B2
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- photosensitive member
- electrophotographic
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Composite Materials (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真装置に関し、よ
り詳しくは、電子写真感光体の表面改質に関する。とく
に電子写真感光体に離型性を付与して紙のタルクやトナ
ー等の汚れを効率よく除去し、耐久性に優れた電子写真
感光体を有する装置に関する。
り詳しくは、電子写真感光体の表面改質に関する。とく
に電子写真感光体に離型性を付与して紙のタルクやトナ
ー等の汚れを効率よく除去し、耐久性に優れた電子写真
感光体を有する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置においては、電子写
真感光体は一連の電子写真プロセス、すなわち一次帯
電、画像露光による静電潜像の形成、静電像とは逆の極
性に帯電したトナーによる現像、普通紙へのトナー像の
転写、クリーニング装置によるドラム上の残存トナーの
除去、強露光によるドラム上の電荷の除去の繰り返しプ
ロセス下において使用される。
真感光体は一連の電子写真プロセス、すなわち一次帯
電、画像露光による静電潜像の形成、静電像とは逆の極
性に帯電したトナーによる現像、普通紙へのトナー像の
転写、クリーニング装置によるドラム上の残存トナーの
除去、強露光によるドラム上の電荷の除去の繰り返しプ
ロセス下において使用される。
【0003】これらの工程の中で、電子写真感光体ドラ
ム上の紙のタルクや残存トナーは通常、クリーニングロ
ーラーやクリーニングブレードを用いて除去されてい
る。
ム上の紙のタルクや残存トナーは通常、クリーニングロ
ーラーやクリーニングブレードを用いて除去されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で、トナーを除去しようとしても小量の紙のタルク
やトナーは、除去されずに電子写真感光体ドラム上に残
り、繰り返し画像を形成させると白抜けや黒い斑点が画
像にあらわれ画像品質を低下させるという課題があっ
た。また、トナー除去のため、クリーニングローラーや
クリーニングブレードを強くかけると、感光体の表層の
電荷が変化し耐久性が低下するという課題があった。
方法で、トナーを除去しようとしても小量の紙のタルク
やトナーは、除去されずに電子写真感光体ドラム上に残
り、繰り返し画像を形成させると白抜けや黒い斑点が画
像にあらわれ画像品質を低下させるという課題があっ
た。また、トナー除去のため、クリーニングローラーや
クリーニングブレードを強くかけると、感光体の表層の
電荷が変化し耐久性が低下するという課題があった。
【0005】本発明は、従来の欠点に鑑みなされたもの
で、クリーニング工程で紙のタルクやトナーが容易に除
去でき、耐久性に優れた電子写真感光体を提供し、画像
品質の優れた電子写真装置を提供することを目的として
いる。
で、クリーニング工程で紙のタルクやトナーが容易に除
去でき、耐久性に優れた電子写真感光体を提供し、画像
品質の優れた電子写真装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電子写真装置は、電子写真感光体を有し、
帯電、像露光、現像、転写、及びクリーニングの各工程
を含むプロセスによって複写画像を得るための電子写真
装置において、前記電子写真感光体の表面にシロキサン
結合を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜を
設けたことを特徴とする。
め、本発明の電子写真装置は、電子写真感光体を有し、
帯電、像露光、現像、転写、及びクリーニングの各工程
を含むプロセスによって複写画像を得るための電子写真
装置において、前記電子写真感光体の表面にシロキサン
結合を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜を
設けたことを特徴とする。
【0007】前記構成においては、化学吸着膜が単分子
膜であることが好ましい。
膜であることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感
光体は、その表面にフッ化アルキル基を含有する化学吸
着膜がシロキサン結合を介して化学結合して形成されて
いるので、防汚性にすぐれている。すなわち、前記化学
吸着膜の表層にはフッ化アルキル基が存在するから、防
汚性に優れたものとなり、帯電していない部分にはトナ
ーがつかず、クリーニング時にも容易に紙のタルクやト
ナーを除くことが可能になる。また、前記化学吸着膜の
基部は、シロキサン結合を介して化学結合して形成され
ているので、耐久性に優れた膜とすることができ、表面
を繰り返しクリーニングしても前記化学吸着膜は電子写
真感光体表面から容易に剥離しない。さらに、本発明の
化学吸着膜は、ナノメータないしオングストローム単位
の極薄い膜であるので、電子写真感光体表面の機械的強
度などの特性を損ねることが無い。
光体は、その表面にフッ化アルキル基を含有する化学吸
着膜がシロキサン結合を介して化学結合して形成されて
いるので、防汚性にすぐれている。すなわち、前記化学
吸着膜の表層にはフッ化アルキル基が存在するから、防
汚性に優れたものとなり、帯電していない部分にはトナ
ーがつかず、クリーニング時にも容易に紙のタルクやト
ナーを除くことが可能になる。また、前記化学吸着膜の
基部は、シロキサン結合を介して化学結合して形成され
ているので、耐久性に優れた膜とすることができ、表面
を繰り返しクリーニングしても前記化学吸着膜は電子写
真感光体表面から容易に剥離しない。さらに、本発明の
化学吸着膜は、ナノメータないしオングストローム単位
の極薄い膜であるので、電子写真感光体表面の機械的強
度などの特性を損ねることが無い。
【0009】また、化学吸着膜が単分子膜であるという
本発明の好ましい構成によれば、均一な厚さの薄い膜と
することができるので、電子写真感光体の寸法精度に影
響を与えない。
本発明の好ましい構成によれば、均一な厚さの薄い膜と
することができるので、電子写真感光体の寸法精度に影
響を与えない。
【0010】
【実施例】以下実施例を用いてより具体的に本発明を説
明する。本発明の電子写真装置は図1に示すように、電
子写真感光体1の表面にシロキサン結合2を介して、フ
ッ化アルキル基を含有する単分子膜3が形成された電子
写真感光体を用いる。
明する。本発明の電子写真装置は図1に示すように、電
子写真感光体1の表面にシロキサン結合2を介して、フ
ッ化アルキル基を含有する単分子膜3が形成された電子
写真感光体を用いる。
【0011】電子写真感光体材料はとしてたとえば、無
機電子写真感光体の例として、アモルファスシリコン、
アモルファスSeとAs2 Se3の混合体、CdS等が
あげられる。
機電子写真感光体の例として、アモルファスシリコン、
アモルファスSeとAs2 Se3の混合体、CdS等が
あげられる。
【0012】また、有機電子写真感光体の例として、キ
ャリヤー発生層(CGL)にはPVK、ペリレン顔料、
インジゴ、ビスアゾ顔料、クロロダイアンブルー、スク
リリウム塩などがあげられ、キャリヤー輸送層(CT
L)にはトリフェニルアミン2量体、ピラゾリン誘導
体、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、インドリン誘導体があげられ
る。これらの有機電子写真感光体は、主に樹脂に分散し
た状態で用いられる。
ャリヤー発生層(CGL)にはPVK、ペリレン顔料、
インジゴ、ビスアゾ顔料、クロロダイアンブルー、スク
リリウム塩などがあげられ、キャリヤー輸送層(CT
L)にはトリフェニルアミン2量体、ピラゾリン誘導
体、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、インドリン誘導体があげられ
る。これらの有機電子写真感光体は、主に樹脂に分散し
た状態で用いられる。
【0013】本発明の電子写真装置に用いる電子写真感
光体表面に設けられる化学吸着膜はフッ化アルキル基を
有するクロロシラン系界面活性剤から構成されている。
フッ化アルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤と
しては、例えばCF3(CF2 )7 (CH2 )2 SiC
l3 ,CF3 CF2 O(CH2 )15SiCl3,CF3
(CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15SiC
l3 ,F(CF2 )4 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )9 SiCl3 ,F(CF2 )8 CH2 )2
Si(CH3 )2 (CH2 )9 SiCl3 ,CF3 CO
O(CH2 )15SiCl3 ,CF3 (CF2 )5 (CH
2 )2 SiCl3 ,等のようなトリクロロシラン系界面
活性剤を始め、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2
SiCln(CH3 )3-n ,CF3 (CF2 )7 (CH
2 )2 SiCln (C2 H5 )3-n,CF3 CH2 O
(CH2 )15SiCln (CH3 )3-n ,CF3 CH2
O(CH2 )15SiCln (C2 H5 )3-n ,CF
3 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15SiCl
n (CH3 )3-n ,F(CF2 )4 (CH2 )2 Si
(CH3 )2 (CH2 )9 SiCln (C
2 H5 )3-n ,F(CF2 )8 CH2 )2 Si(C
H3 )2 (CH2 )9 SiCln (CH3 )3-n ,CF
3 COO(CH2)15SiCln (CH3 )3-n ,CF
3 (CF2 )5 (CH2 )2 SiCln (CH3 )3-n
(但し式中のnは何れも1又は2)等のような低級アル
キル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロシラ
ン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも特にトリ
クロロシラン系界面活性剤の親水性基と結合したクロロ
シリル結合以外のクロロシリル結合が、隣合うクロロシ
ラン基とシロキサン結合で分子間結合を形成するため、
より強固な化学吸着膜となり好ましい。また、CF
3(CF2 )n CH2 CH2 SiCl3 (但し式中のn
は整数であり、3〜25程度が最も扱いやすい)が、溶
剤溶解性、化学吸着性と防汚性等の機能性との釣合が取
れているため好ましい。さらにまた、フッ化アルキル鎖
部分にビニル基やアセチニル基を組み込んでおけば、化
学吸着膜形成後5メガラド程度の電子線照射で架橋でき
るのでさらに化学吸着膜自体の硬度を向上させることも
可能である。本発明に使用できるクロロシラン系界面活
性剤は、上述に例示したように直鎖状だけではなく、フ
ッ化アルキル基又は炭化水素基が分岐した形状でも、又
は末端の珪素にフッ化アルキル基もしくは炭化水素基が
置換した形状(即ちR、R1 、R2 、R3 をフッ化アル
キル基又は炭化水素基として一般式R2 SiCl2 、R
3 SiCl、R1 R2 SiCl2 もしくはR1 R2 R3
SiCl等)であってもよいが、吸着密度を高めるため
には一般には直鎖状が好ましい。さらに、例えば、Si
Cl4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(Si
Cl2 O)n −SiCl3 (但し式中nは自然数)、S
iClm (CH3 )4-m 、SiClm (C2 H5 )4-m
(但し式中mは1〜3の整数)、HSiCll (C
H3 )3-l 、HSiCll (C2 H5 )3-l (但し式中
lは1又は2)等のようなクロル基を複数含むシリル化
合物を化学吸着させた後、水と反応すると、表面のクロ
ロシリル結合が親水性のシラノール結合に変わり、電子
写真感光体表面が親水性となる。なお、このクロル基を
複数個含むシリル化合物の中でも、とくにテトラクロロ
シラン(SiCl4 )では4つの塩素が脱塩酸反応によ
り−OH基に変わり、結果として−OH基が増えること
になるので、より高密度にシラノール結合を付与できる
ことになる。したがって、この上に例えばフッ化アルキ
ル基を含むクロロシラン系界面活性剤を化学吸着でき、
このようにして得た化学吸着膜はより高密度化されるた
め、防汚性の機能がより高められる。
光体表面に設けられる化学吸着膜はフッ化アルキル基を
有するクロロシラン系界面活性剤から構成されている。
フッ化アルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤と
しては、例えばCF3(CF2 )7 (CH2 )2 SiC
l3 ,CF3 CF2 O(CH2 )15SiCl3,CF3
(CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15SiC
l3 ,F(CF2 )4 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )9 SiCl3 ,F(CF2 )8 CH2 )2
Si(CH3 )2 (CH2 )9 SiCl3 ,CF3 CO
O(CH2 )15SiCl3 ,CF3 (CF2 )5 (CH
2 )2 SiCl3 ,等のようなトリクロロシラン系界面
活性剤を始め、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2
SiCln(CH3 )3-n ,CF3 (CF2 )7 (CH
2 )2 SiCln (C2 H5 )3-n,CF3 CH2 O
(CH2 )15SiCln (CH3 )3-n ,CF3 CH2
O(CH2 )15SiCln (C2 H5 )3-n ,CF
3 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15SiCl
n (CH3 )3-n ,F(CF2 )4 (CH2 )2 Si
(CH3 )2 (CH2 )9 SiCln (C
2 H5 )3-n ,F(CF2 )8 CH2 )2 Si(C
H3 )2 (CH2 )9 SiCln (CH3 )3-n ,CF
3 COO(CH2)15SiCln (CH3 )3-n ,CF
3 (CF2 )5 (CH2 )2 SiCln (CH3 )3-n
(但し式中のnは何れも1又は2)等のような低級アル
キル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロシラ
ン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも特にトリ
クロロシラン系界面活性剤の親水性基と結合したクロロ
シリル結合以外のクロロシリル結合が、隣合うクロロシ
ラン基とシロキサン結合で分子間結合を形成するため、
より強固な化学吸着膜となり好ましい。また、CF
3(CF2 )n CH2 CH2 SiCl3 (但し式中のn
は整数であり、3〜25程度が最も扱いやすい)が、溶
剤溶解性、化学吸着性と防汚性等の機能性との釣合が取
れているため好ましい。さらにまた、フッ化アルキル鎖
部分にビニル基やアセチニル基を組み込んでおけば、化
学吸着膜形成後5メガラド程度の電子線照射で架橋でき
るのでさらに化学吸着膜自体の硬度を向上させることも
可能である。本発明に使用できるクロロシラン系界面活
性剤は、上述に例示したように直鎖状だけではなく、フ
ッ化アルキル基又は炭化水素基が分岐した形状でも、又
は末端の珪素にフッ化アルキル基もしくは炭化水素基が
置換した形状(即ちR、R1 、R2 、R3 をフッ化アル
キル基又は炭化水素基として一般式R2 SiCl2 、R
3 SiCl、R1 R2 SiCl2 もしくはR1 R2 R3
SiCl等)であってもよいが、吸着密度を高めるため
には一般には直鎖状が好ましい。さらに、例えば、Si
Cl4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(Si
Cl2 O)n −SiCl3 (但し式中nは自然数)、S
iClm (CH3 )4-m 、SiClm (C2 H5 )4-m
(但し式中mは1〜3の整数)、HSiCll (C
H3 )3-l 、HSiCll (C2 H5 )3-l (但し式中
lは1又は2)等のようなクロル基を複数含むシリル化
合物を化学吸着させた後、水と反応すると、表面のクロ
ロシリル結合が親水性のシラノール結合に変わり、電子
写真感光体表面が親水性となる。なお、このクロル基を
複数個含むシリル化合物の中でも、とくにテトラクロロ
シラン(SiCl4 )では4つの塩素が脱塩酸反応によ
り−OH基に変わり、結果として−OH基が増えること
になるので、より高密度にシラノール結合を付与できる
ことになる。したがって、この上に例えばフッ化アルキ
ル基を含むクロロシラン系界面活性剤を化学吸着でき、
このようにして得た化学吸着膜はより高密度化されるた
め、防汚性の機能がより高められる。
【0014】本発明の電子写真装置に用いられる電子写
真感光体の表面にシロキサン結合を介してフッ化アルキ
ル基を含有する化学吸着膜を形成する方法は、電子写真
感光体を非水系の有機溶媒に浸漬して、この表面にクロ
ロシラン系界面活性剤を化学吸着させ、シロキサン結合
を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜を形成
する工程を含む。
真感光体の表面にシロキサン結合を介してフッ化アルキ
ル基を含有する化学吸着膜を形成する方法は、電子写真
感光体を非水系の有機溶媒に浸漬して、この表面にクロ
ロシラン系界面活性剤を化学吸着させ、シロキサン結合
を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜を形成
する工程を含む。
【0015】本発明の電子写真感光体の表面にシロキサ
ン結合を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜
を形成する方法に用いる非水系溶媒は、クロロシラン系
界面活性剤と反応する活性水素を持たない有機溶媒であ
ればよい。その例として例えば1,1−ジクロロ,1−
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2,2,2−トリ
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ,1,
1,2,2,3−ヘプタフルオロプロパン、トリフッ化
アルキルアミン、パーフルオロフランおよびそのフッ化
アルキル誘導体等のフッ素系溶媒、例えばヘキサン、オ
クタン、ヘキサデカン、シクロヘキサン等の炭化水素系
溶媒、例えばジブチルエーテル、ジベンジルエーテル等
のエーテル系溶媒、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸アミル等エステル系溶媒の何れか
が好ましい。
ン結合を介してフッ化アルキル基を含有する化学吸着膜
を形成する方法に用いる非水系溶媒は、クロロシラン系
界面活性剤と反応する活性水素を持たない有機溶媒であ
ればよい。その例として例えば1,1−ジクロロ,1−
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2,2,2−トリ
フルオロエタン、1,1−ジクロロ,2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ,1,
1,2,2,3−ヘプタフルオロプロパン、トリフッ化
アルキルアミン、パーフルオロフランおよびそのフッ化
アルキル誘導体等のフッ素系溶媒、例えばヘキサン、オ
クタン、ヘキサデカン、シクロヘキサン等の炭化水素系
溶媒、例えばジブチルエーテル、ジベンジルエーテル等
のエーテル系溶媒、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸アミル等エステル系溶媒の何れか
が好ましい。
【0016】また、本発明の電子写真感光体に用いられ
る電子写真感光体表面に形成される化学吸着膜は、単分
子化学吸着膜一層だけでも充分に機能が発揮される。単
分子化学吸着膜を一層だけ形成するには、クロロシラン
系界面活性剤又はクロロシリル基を複数個含む物質を化
学吸着した後、水分に接触させないで非水系の溶剤で洗
浄するだけでよく、特別な工程を要しなく簡便に行え
る。また、化学吸着膜は単分子膜が累積していても良い
こと勿論である。このように、化学吸着膜が単分子膜を
形成すると、付与された機能性を示す基が配向し、密度
も向上するためより高機能を発揮できる。
る電子写真感光体表面に形成される化学吸着膜は、単分
子化学吸着膜一層だけでも充分に機能が発揮される。単
分子化学吸着膜を一層だけ形成するには、クロロシラン
系界面活性剤又はクロロシリル基を複数個含む物質を化
学吸着した後、水分に接触させないで非水系の溶剤で洗
浄するだけでよく、特別な工程を要しなく簡便に行え
る。また、化学吸着膜は単分子膜が累積していても良い
こと勿論である。このように、化学吸着膜が単分子膜を
形成すると、付与された機能性を示す基が配向し、密度
も向上するためより高機能を発揮できる。
【0017】次に具体的実施例を用いて本発明を説明す
る。 実施例1 直径80mmφ、長さ360mmのアルミニウムシリン
ダー支持体上に、ナイロン樹脂の5wt%メタノール溶
液を浸漬法で塗布して2μm厚の下引き層を設けた。次
に下引き層の上に電子写真感光体層としてアモルファス
シリコンをスパッタリング法により0.3μm形成し
た。この状態でドラムを大気中にさらすと、表面のシリ
コンは非常に活性なため、空気中の酸素や水分と反応
し、−OH基が表面に自然形成される。つづいてヘプタ
デカフルオロデシルトリクロロシランの10-2mol /l
シクロヘキサン溶液に室温、窒素雰囲気下で120分間
浸漬し、引き続いて未反応のヘプタデカフルオロデシル
トリクロロシランをシクロヘキサンで洗浄して、しかる
後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキサン結
合を介した化学吸着単分子膜を電子写真感光体表面に形
成した。
る。 実施例1 直径80mmφ、長さ360mmのアルミニウムシリン
ダー支持体上に、ナイロン樹脂の5wt%メタノール溶
液を浸漬法で塗布して2μm厚の下引き層を設けた。次
に下引き層の上に電子写真感光体層としてアモルファス
シリコンをスパッタリング法により0.3μm形成し
た。この状態でドラムを大気中にさらすと、表面のシリ
コンは非常に活性なため、空気中の酸素や水分と反応
し、−OH基が表面に自然形成される。つづいてヘプタ
デカフルオロデシルトリクロロシランの10-2mol /l
シクロヘキサン溶液に室温、窒素雰囲気下で120分間
浸漬し、引き続いて未反応のヘプタデカフルオロデシル
トリクロロシランをシクロヘキサンで洗浄して、しかる
後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキサン結
合を介した化学吸着単分子膜を電子写真感光体表面に形
成した。
【0018】実施例2 直径80mmφ、長さ360mmのアルミニウムシリン
ダー支持体上に、ナイロン樹脂の5%メタノール溶液を
浸漬法で塗布して2μm厚の下引き層を設けた。次にピ
ラゾリン誘導体12重量部、ビスフェノールA型ポリカ
ーボネート樹脂10重量部をMEK(メチルエチルケト
ン)とジクロロメタンとの1:1の混合溶媒88重量部
に溶解した。この液を上記下引き層上に浸漬塗布して、
100℃、1時間熱風乾燥して19μm厚の電荷輸送層
を形成した。
ダー支持体上に、ナイロン樹脂の5%メタノール溶液を
浸漬法で塗布して2μm厚の下引き層を設けた。次にピ
ラゾリン誘導体12重量部、ビスフェノールA型ポリカ
ーボネート樹脂10重量部をMEK(メチルエチルケト
ン)とジクロロメタンとの1:1の混合溶媒88重量部
に溶解した。この液を上記下引き層上に浸漬塗布して、
100℃、1時間熱風乾燥して19μm厚の電荷輸送層
を形成した。
【0019】次に、ペリレン顔料10重量部をビスフェ
ノールZ型ポリカーボネートのモノクロルベンゼン/ジ
クロルメタン=1:1の混合溶媒に溶解した溶液100
部(重量濃度2%)中に添加し、この溶液をボールミル
で24時間分散した。この分散液を前記電荷発生層上に
塗布し、100℃で20分間乾燥して2μmの電荷発生
層を形成した。
ノールZ型ポリカーボネートのモノクロルベンゼン/ジ
クロルメタン=1:1の混合溶媒に溶解した溶液100
部(重量濃度2%)中に添加し、この溶液をボールミル
で24時間分散した。この分散液を前記電荷発生層上に
塗布し、100℃で20分間乾燥して2μmの電荷発生
層を形成した。
【0020】この電子写真感光体をUVドライ・ストリ
ッパー中で10分間、酸素プラズマ処理して(酸素流
量:1L/min)表面を酸化処理した後、まず1wt
%のテトラクロロシラン溶液[溶媒:トリ(nーノナフ
ルオロブチル)アミン]に窒素雰囲気下で室温で60分
間浸漬し、引き続いて未反応のテトラクロロシランをト
リ(nーノナフルオロブチル)アミンで洗浄して、しか
る後純水で洗浄し、乾燥した試料を用いて、フッ化アル
キル基を含むクロロシラン系界面活性剤としてヘプタデ
カフルオロデシルトリクロロシランを用い、濃度10-2
mol /lのトリ(n−ノナフルオロブチル)アミン溶液
に窒素雰囲気下室温で120分間浸漬し、引き続いて未
反応のヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランをト
リ(n−ノナフルオロブチル)アミン溶媒で洗浄して、
しかる後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキ
サン結合を介した化学吸着単分子膜を電子写真感光体表
面に形成した。
ッパー中で10分間、酸素プラズマ処理して(酸素流
量:1L/min)表面を酸化処理した後、まず1wt
%のテトラクロロシラン溶液[溶媒:トリ(nーノナフ
ルオロブチル)アミン]に窒素雰囲気下で室温で60分
間浸漬し、引き続いて未反応のテトラクロロシランをト
リ(nーノナフルオロブチル)アミンで洗浄して、しか
る後純水で洗浄し、乾燥した試料を用いて、フッ化アル
キル基を含むクロロシラン系界面活性剤としてヘプタデ
カフルオロデシルトリクロロシランを用い、濃度10-2
mol /lのトリ(n−ノナフルオロブチル)アミン溶液
に窒素雰囲気下室温で120分間浸漬し、引き続いて未
反応のヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランをト
リ(n−ノナフルオロブチル)アミン溶媒で洗浄して、
しかる後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキ
サン結合を介した化学吸着単分子膜を電子写真感光体表
面に形成した。
【0021】実施例3 実施例1において感光層の保護層としてウレタン樹脂と
シリコン樹脂とシリカ微粒子の混合物層(30:70:
30重量比)を形成し、同様の実験をした。
シリコン樹脂とシリカ微粒子の混合物層(30:70:
30重量比)を形成し、同様の実験をした。
【0022】比較例1 実施例1において、化学吸着膜を形成する工程を省略
し、他の処理を同一とした。
し、他の処理を同一とした。
【0023】比較例2 実施例2において、化学吸着膜を形成する工程を省略し
た。実施例1〜3および比較例1〜2の電子写真感光体
を市販の電子写真装置に装着して、25℃、55%RH
で−コロナ帯電、画像露光、トナーによる現像、転写お
よびクリーニングを1万回繰り返し、画像出しをおこな
った。1万回後に得られた画像の品質を評価結果は表1
に示す。
た。実施例1〜3および比較例1〜2の電子写真感光体
を市販の電子写真装置に装着して、25℃、55%RH
で−コロナ帯電、画像露光、トナーによる現像、転写お
よびクリーニングを1万回繰り返し、画像出しをおこな
った。1万回後に得られた画像の品質を評価結果は表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表から明らかなように、比較例の電子写真
感光体を用いた電子写真装置では、繰り返し連続使用す
ると画像品質が著しく低下したが、本発明の電子写真感
光体を用いた電子写真装置では、繰り返し連続使用して
も画像品質の低下がみられなかった。
感光体を用いた電子写真装置では、繰り返し連続使用す
ると画像品質が著しく低下したが、本発明の電子写真感
光体を用いた電子写真装置では、繰り返し連続使用して
も画像品質の低下がみられなかった。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の電子写真装置によ
れば、電子写真感光体の表面を、フッ化アルキル基を含
む単分子膜をシロキサン結合によって基材表面と共有結
合させることにより、防汚性、耐久性のすぐれた電子写
真感光体とすることができる。また、電子写真感光体の
表面にシロキサン結合を介してフッ化アルキル基を含有
する化学吸着膜が設けられたものを用いるので、従来の
ものに比べて、防汚性が著しく優れている。その結果、
連続し使用しても高品質の画像が得られる。このように
本発明は工業的価値の大なるものである。
れば、電子写真感光体の表面を、フッ化アルキル基を含
む単分子膜をシロキサン結合によって基材表面と共有結
合させることにより、防汚性、耐久性のすぐれた電子写
真感光体とすることができる。また、電子写真感光体の
表面にシロキサン結合を介してフッ化アルキル基を含有
する化学吸着膜が設けられたものを用いるので、従来の
ものに比べて、防汚性が著しく優れている。その結果、
連続し使用しても高品質の画像が得られる。このように
本発明は工業的価値の大なるものである。
【図1】本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感
光体の表面を分子レベルまで拡大した断面概念図であ
る。
光体の表面を分子レベルまで拡大した断面概念図であ
る。
1 電子写真感光体 2 シロキサン結合 3 化学吸着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−205950(JP,A) 特開 昭57−35863(JP,A) 特開 昭57−82842(JP,A) 特開 昭64−35448(JP,A) 特開 平3−7913(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 電子写真感光体を有し、帯電、像露光、
現像、転写、及びクリーニングの各工程を含むプロセス
によって複写画像を得るための電子写真装置において、
前記電子写真感光体の表面にシロキサン結合を介してフ
ッ化アルキル基を含有する化学吸着膜を設けたことを特
徴とする電子写真装置。 - 【請求項2】 化学吸着膜が単分子膜である請求項1に
記載の電子写真装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18079291A JP2539112B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 電子写真装置 |
EP92111791A EP0524506B1 (en) | 1991-07-22 | 1992-07-10 | Electrophotographic apparatus |
DE69231531T DE69231531T2 (de) | 1991-07-22 | 1992-07-10 | Elektrophotographisches Gerät |
US07/914,534 US5293209A (en) | 1991-07-22 | 1992-07-17 | Electrophotographic apparatus containing a chemical adsorption film coating |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18079291A JP2539112B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 電子写真装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0527472A JPH0527472A (ja) | 1993-02-05 |
JP2539112B2 true JP2539112B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=16089416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18079291A Expired - Fee Related JP2539112B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 電子写真装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539112B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6375146B2 (ja) * | 2014-05-28 | 2018-08-15 | 住友理工株式会社 | 電子写真用部材 |
JP6390449B2 (ja) * | 2015-01-26 | 2018-09-19 | コニカミノルタ株式会社 | 固形潤滑剤、固形潤滑剤塗布装置、および、画像形成装置 |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP18079291A patent/JP2539112B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0527472A (ja) | 1993-02-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |