JP2539107Y2 - スライド収納式車載用ディスプレイ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、スライド収納式車載用
ディスプレイ装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、スライド収納式車載用ディスプレ
イ装置として、液晶テレビ等のディスプレイを機器本体
に引き出し自在に収納したディスプレイ装置が知られて
いる。その主なタイプとしては、図１０に示す引きおろ
し型、図１１に示すポップアップ型、図１２に示す引き
上げ型がある。引きおろし型（図１０）は、機器本体Ａ
から引き出したディスプレイ本体Ｂを下方に傾き自在と
したものである。ポップアップ型（図１１）は、ディス
プレイ本体Ｂをスライドトレイ部材Ｃに起伏自在とした
ものである。引き上げ型（図１２）は、機器本体Ａから
引き出したディスプレイ本体Ｂを上方に傾き自在とした
ものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記引きおろし型は、
図１３および図１４に示すように、車載オーディオ機器
Ｄの上側または下側にセットするにしても、シフトレバ
ーＥに当たる（上側セット）、シフトレバーが邪魔して
見えない（下側セット）、オーディオ機器の操作ができ
ない（上側セット）、そして視認性がディスプレイ本体
角度の可変のみである等の不具合がある。一方、ポップ
アップ型は、図１５および図１６に示すように、前記引
きおろし型の不具合のほかに、デイスプレイ本体Ｂが前
に出すぎる、トレイ部材Ｃへの異物による収納不具合、
機構の複雑性によるコストアップなどの不具合がある。
さらにまた、引き上げ型は、図１７および図１８に示す
ように、前記引きおろし型の不具合のほかに、直角以上
に起立させた場合のｌ部寸法がローディングストローク
に加えられるため、機器セットの奥行き寸法が大きくな
り、例えば規格のＤＩＮサイズには入らなくなる。ま
た、ディスプレイ本体のヒンジ部（回動支点部）が、１
８０度位の回動をさせるには、構造上で耐久性に難があ
り（回動位置のストッパーを含め、構造が複雑で、部品
点数も増える）、コストアップになる。また、１８０度
の回動が可能でなければ、引き出し時に、下方に応力が
加わったときに、ヒンジ部の破損などにつながる不具合
がある。ローディングストロークの拡大を解消するため
に、収納を２段式にする手段もあるが、その場合は２段
目のローディング機構部のスペースが必要となり、薄型
化ができなくなってしまう。上記に挙げたいずれもが、
各機器メーカー、各様のセット部へ取り付けられる場合
には、各々の欠点が異なってくるので、車両メーカー側
から引きおろし型と引き上げ型（またはポップアップ
型）の両方に設定できるものが強く望まれている。

【０００４】

【考案の目的】本考案は、上記問題に鑑みてなされたも
のであって、従来の引きおろし型と引き上げ型（または
ポップアップ型）の両方に対応することができ、かつ、
状況に応じてディスプレイ位置を上下させることができ
るスライド収納式車載用ディスプレイ装置を提供するこ
とを主たる目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案によるスライド収
納式車載用ディスプレイ装置は、機器本体に対してスラ
イド可能に設けられた第１の支持部材と、この第１の支
持部材が機器本体の手前側の位置へスライドした状態に
おいて回動可能となる第２の支持部材と、この第２の支
持部材の先端側に軸支され、少なくとも第２の支持部材
の回動方向とは逆方向に回動可能なディスプレイ部材と
を有し、前記第１および第２の支持部材とディスプレイ
部材がほぼ直線状となって機器本体内部へ収納可能とさ
れていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】上記構成の装置においては、ディスプレイ部材
を第２の支持部材の支点で回動することで、向きを変え
ることができる。また、第２の支持部を第１部材の支点
で回すことで、ディスプレイ部材の上下位置を変えるこ
とができる。

【０００７】

【実施例】図１ないし図９は、本考案の一実施例を示す
ものである。ディスプレイ装置の基本構成は、図１、図
２、図３Ａ、図３Ｂに示すように、扁平な箱形の機器本
体１と、この本体１内にスライド可能に設けられたスラ
イドプレート２と、このスライドプレート２の先端側に
軸３により、回動可能に軸支された回転プレート４と、
この回転プレート４の先端側に軸５により、回動可能に
軸支されたディスプレイ部材６とから成り、前記スライ
ドプレート２と回転プレート４とディスプレイ部材６
は、ほぼ直線状になって機器本体１の内部へ収納可能に
組み付けられている。なお、図示の例では、回転プレー
ト４にクリックカム４ａを固定し、クリックピンプレー
ト４ｂをプレート４とスライドプレート２の間に介装
し、回転プレート４を回動位置に保持できる構造として
いる。上記構成により、ディスプレイ部材６の回動支点
となる軸５は、ディスプレイ部材の向きを変える役目を
し、回転プレート４の回動支点となる軸３は、ディスプ
レイ部材６の上下位置を変える役目をしている。

【０００８】図１および図２は、ディスプレイ部材６の
上下位置の変化を示し、また、図４〜図７は、機器本体
１から引き出したディスプレイ部材６を再び本体１に収
納する過程を示している。図８および図９は、ディスプ
レイ装置をオーディオ機器の上側または下側にセットし
た状態を示している。この図面から判るように、上記デ
ィスプレイ装置の構成によれば、装置の設置部周辺およ
び操作者の状態に応じて、ディスプレイ部材を上下好み
の位置に移動でき、かつオーディオ機器やシフトレバー
等の他の操作部を邪魔しない位置にディスプレイ部材を
移動できる。

【０００９】

【考案の効果】本考案によれば、下記の効果を得ること
ができる。 （１）１つのユニットで、ディスプレイを上向き、下向
きの両方に対応させることができる。 （２）使用者の好みで、ディスプレイの上下位置を変え
られる。 （３）装置の奥行き寸法などは従来通りで、規格を満足
する。 （４）ディスプレイ装置を上向き、下向きの両方設定し
なくてもすむので、内部回路開発費等のコスト的にも有
利となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すスライド収納式車載用
ディスプレイ装置の使用状態の斜視図である。

【図２】ディスプレイ部材の位置を変えた状態の斜視図
である。

【図３Ａ】ディスプレイ装置要部の構成を示す拡大側面
図である。

【図３Ｂ】ディスプレイ装置要部の分解図である。

【図４】ディスプレイ装置の使用状態を示す側面図であ
る。

【図５】ディスプレイ装置の収納過程を示す側面図であ
る。

【図６】ディスプレイ装置の収納過程を示す側面図であ
る。

【図７】ディスプレイ装置の収納完了状態を示す側面図
である。

【図８】ディスプレイ装置の設置状態を示す左側面図で
ある。

【図９】ディスプレイ装置の設置状態を示す右側面図で
ある。

【図１０】従来の引きおろし型ディスプレイ装置の使用
状態の側面図である。

【図１１】従来のポップアップ型ディスプレイ装置の使
用状態の側面図である。

【図１２】従来の引き上げ型ディスプレイ装置の使用状
態の側面図である。

【図１３】引きおろし型ディスプレイ装置の設置状態を
示す左側面図である。

【図１４】引きおろし型ディスプレイ装置の設置状態を
示す右側面図である。

【図１５】ポップアップ型ディスプレイ装置の設置状態
を示す左側面図である。

【図１６】ポップアップ型ディスプレイ装置の設置状態
を示す右側面図である。

【図１７】引き上げ型ディスプレイ装置の設置状態を示
す左側面図である。

【図１８】引き上げ型ディスプレイ装置の設置状態を示
す右側面図である。

【符号の説明】

１ 機器本体 ２ スライドプレート ３ 軸 ４ 回転プレート ５ 軸 ６ ディスプレイ装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機器本体に対してスライド可能に設けら
   れた第１の支持部材と、この第１の支持部材が機器本体
   の手前側の位置へスライドした状態において回動可能と
   なる第２の支持部材と、この第２の支持部材の先端側に
   軸支され、少なくとも第２の支持部材の回動方向とは逆
   方向に回動可能なディスプレイ部材とを有し、前記第１
   および第２の支持部材とディスプレイ部材がほぼ直線状
   となって機器本体へ収納可能とされていることを特徴と
   するスライド収納式車載用ディスプレイ装置。