JP2004287608A - 蓋開成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋体の開成に連動して本体筐体上面に配置されるキーボード等の入力操作用諸装置を本体筐体ごと傾斜させる蓋開成装置を提供する。
【解決手段】ノート型パソコン15は本体筐体16とキーボード17が一体に構成され非使用時には蓋体19で覆われている。使用時に蓋体19をヒンジ18を中心にして回動させ例えば90°から150°くらいまでの範囲で開成する。このときヒンジ18と一体の駆動ギア23が回動し、これに噛合する従動ギア24が連動して支持軸25を中心に回動し、従動ギア24に一体の突出部材26が回動して本体筐体16底面の収納孔27内から外部に突出し、その突端部が載置台21に当接して本体筐体16の奥側端部を持ち上げ支持し、キーボード17が本体筐体16ごとユーザの方向に後端部が持ち上がった状態となり、キーボード17に傾斜が形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筐体を載置台に載置して筐体から蓋体を開成したとき蓋体が連結されている筐体の端部側を非連結端部側よりも高くなるように全体を傾斜させる蓋開成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノート型のバーソナルコンピュータ、電子手帳等の小型卓上機器では、キーボードの操作性を向上させるために、キーボードを手前よりも奥側を高くしてオぺレータ側に傾斜させる機構を持つものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)
図4(a) は、特許文献1で改善すべき先行技術として示されたキーボード傾斜機構を示す図であり、同図(b) は特許文献1で改善されたとするキーボード傾斜機構を示す図である。同図(a),(b) はいずれもパーソナルコンピュータ等の卓上載置型の携帯用電子機器を例にとって示されている。
【0003】
同図(a) に示すキーボード傾斜方法は、蓋体1がヒンジ2を支点にして開成する動作と連動して回動するフック3をキーボードユニット4の底面に当接させて、キーボードユニット4の後部側を本体筐体5から持ち上げてキーボードユニット4をオぺレータ側に傾斜させている。
【0004】
しかし、これでは面積の大きなキーボードユニット4を、その奥側端部を片持ち状態で持ち上げているため、実際にユーザがキーボードのキーを押下操作すると、キーボードユニット4の中央部で歪みを生じ、操作するキーの場所によってはキーストロークが変わったり、キーの押下力や押し戻り力に違いが生じて、操作時に連和感を感じてしまうという問題がある。
【0005】
また、キーボードユニット4が撓むと、異音が発生したり、キーボードユニット4内部の基板にストレスがかかり、基板や配線の損傷を招いたり、はんだ付け部分の接触不良を招く虞があるという問題がある。
同図(b) は、上記の問題を解決すべく構成されたものであり、本体筐体6とキーボードユニット7との間には、複数の支持バー8と連結部材9から成る蛇腹体10が、蓋体11閉成時には平らに広がった状態で配設されている。蓋体11をヒンジ12を支点にして開成すると、蛇腹体10が手前より奥に行くほど高く立ち上がり、複数の支持バー8がキーボードユニット7の底部を支えるようになっている。これによって、キーボードユニット7の撓み問題を解消している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−273077号公報(段落[0004]、[0005]、[0013]〜[0016]。図1(a),(b) 、図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図4(a),(b) いずれの構成も、改善前、改善後であるなしに拘らず、キーボードユニットと本体筐体が別体構成で手前端部のみで相互に連結されている構成であることにおいては何ら変わるところがない。
【0008】
一般にパーソナルコンピュータ等の電子機器は、本体筐体内にCPU等の演算素子やメモリ等から成る制御回路基板が配置されており、この制御回路基板とキーボードユニットとは電気的に接続されている必要がある。
しかし、上記のようにキーボードユニットと本体筐体が別体構成であると、これらを電気的に接続するために、フレキシブルケーブル等の可撓性の接続部材が必要であり、これでは、部品点数、組み立て工数の増加等によって製造コストの上昇が避けられない。
【0009】
また機器のコストダウンのためには部品点数を少なくするのが最も効果的である。そのためには諸部品をできるだけ一体構成に形成することが好ましい。そのためにはCPUやメモリ等を搭載する制御回路基板にキーボード等の入力用諸装置を一体的に組み付ける必要がある。しかし、上記2つの先行例のように、キーボードユニットを本体筐体から別体構成として傾斜させる構成では、本体筐体側の制御回路基板とキーボードユニット側の入力用諸装置を一体構成にするという形態を採ることができない。
【0010】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、蓋体の開成に連動して本体筐体上面に配置されるキーボード等の入力操作用諸装置を本体筐体ごと傾斜させる蓋開成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明に関わる蓋開成装置の構成について説明する。
本発明の蓋開成装置は、筐体と、該筐体の端部近傍で支持手段により上記筐体に対して回動可能に支持された蓋体と、該蓋体を回動して上記筐体に対し開成する動作に伴い、上記蓋体に係合して上記筐体の底面から外部に突出する突出部材と、を有して構成される。
【0012】
上記突出部材は、例えば請求項2記載のように、上記蓋体の開成に連動して回動する回動部材と一体に形成され、該回動部材の回動に応じて回動して上記筐体の底面に突出するように構成される。この場合、上記回動部材は、例えば請求項3記載のように、上記蓋の開成に連動する位置と該蓋の開成に連動しない位置へ移動手段により移動が可能であるように構成してもよい。
【0013】
また、上記突出部材は、例えば請求項4記載のように、その突出端部が上記回動部材の回動中心を中心とする所定角度の円弧を形成する扇形を成すように構成される。この場合、上記所定角度は、例えば請求項5記載のように、上記蓋体の90°から150°までの開成に対応して上記突出端部が上記筐体を載置する載置台に当接する範囲の円弧を形成する角度であることが好ましい。
【0014】
また、上記突出部材は、例えば請求項6記載のように、上記蓋体の開成に連動して直線的に移動して上記筐体の底面から外部に突出するように構成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a) は、第1の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器の構成を模式的に示す側面図であり、同図(b) は、その側面を切り欠いて内部の主要部の構成とその動作状態を示す図である。本例の電子機器は、例えば載置台に載置して使用可能なノート型パソコン等である。
【0016】
同図(a) に示すノート型パソコン15は、本体筐体16とキーボード17が一体に構成されている。装置本体の非使用時には、キーボード17は、同図(a) に示すようにヒンジ18を支点にして開閉する蓋体19によって覆われている。
そして、使用時には、同図(b) に示すように、蓋体19をヒンジ18を中心にして本体筐体16に対し回動させて、キーボード17を開放する。回動する蓋体19の開口角は、その内面のディスプレー22が各ユーザの好みに応じた見やすい角度で傾けられるように、たとえば90°から最大150°くらいまでの範囲で後方(図の右方)に回動させて開口させることができる。
【0017】
このノート型パソコン15が、使用時に机やテーブル等の載置台21上に載置されて、同図(b) に示すように、蓋体19が回動されて上記の開口角で開成されると、同図(a) のヒンジ18と一体に構成されている駆動ギア23が時計回り方向に回動し、この駆動ギア23に噛合している回動部材としての従動ギア24が支持軸25を中心に、駆動ギアの回動に連動して反時計回り方向に回動する。
【0018】
上記の従動ギア24には、棒状体の突出部材26が一体に取り付けられている。突出部材26は、蓋体19が同図(a) に示すように閉成されているときは本体筐体16底面の収納孔27内に、ほぼ水平に配置されており、蓋体19が同図(b) に示すように開成されると、従動ギア24が反時計回り方向に回動することにより自らも反時計回り方向に回動して収納孔27内から、すなわち本体筐体16の底面から、外部に突出する。
【0019】
これにより、突出部材26の突端部が載置台21に当接して突出部材26の本体筐体16の底面から外部に突出した長さ分だけ本体筐体16の奥側端部が持ち上げられ、キーボード17が本体筐体16ごと後端部が持ち上がった状態となり、キーボード17にユーザ方向への傾斜が形成される。
【0020】
このように、キーボード17が本体筐体16と一体に構成されたままユーザの方向に傾斜が付けられるので、傾斜機構のためにキーボード17をユニット化して本体筐体16から切り離す必要がなく、したがって、フレキシブルケーブル等の可撓性の接続部材も必要でなく、また、キーボード17と本体筐体16とが一体構成であるのでキーボード17と本体筐体16側の制御回路基板とを一体構成として部品点数を減らすことができる。
【0021】
尚、特には図示しないが、例えば従動ギア24に操作レバーを設け、従動ギア24を、支持軸25の長さ方向に摺動可能に構成し、従動ギア24と駆動ギア23との噛合と解除を自在に構成すれば、ユーザの好みにより、蓋体19を開成してもキーボード17に傾斜をつけないようにすることもできる。
【0022】
また、突出体の長さが異なる従動ギアを複数個用意して、従動ギアに設けた操作レバーを操作することにより、従動ギアを支持軸上を摺動可能に構成し、ユーザの好みに応じて適切な長さの突出体を選択することができるようにすれば、ユーザの好みの傾斜角度を設定することができる。
【0023】
また、従動ギアが1個の場合は、従動ギアと駆動ギアとの噛合と解除は、支持軸そのものを軸と直角方向へ移動自在に構成することによっても可能である。
図2は、第2の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器(例えばノート型パソコン)の構成を模式的に示す側面図である。尚、同図は、図1(a),(b) と同一の構成部分には図1(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0024】
図2に示すように、このノート型パソコン30における蓋開成装置では、従動ギア24と一体構成の突出部材31は、図1(b) に示した突出部材26のように棒状体ではなく、従動ギア24の回動中心を中心とする半径R、角度αの円弧縁31aを形成する扇形に形成されている。
【0025】
上記の角度αは、蓋体19裏面のディスプレー22の一般的な開成角度たとえば90°〜150°の範囲において、駆動ギア23に駆動されて従動ギア24が回動しても、突出部材31の円弧縁31aの周面が載置台21に当接している角度に設定しておけば、一般的な開成角度の範囲で、本体筐体16ごとキーボード17の傾斜角を常に一定に維持することができる。
【0026】
この場合も、従動ギア24を支持軸の長さ方向に摺動可能に構成し、又は支持軸そのものを軸と直角方向へ移動自在に構成し、又は半径Rの異なる突出部材を有する複数個の従動ギアを支持軸上に摺動可能に取り付けても良いことは勿論である。
【0027】
図3(a),(b),(c) は、第3の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器の構成と動作状態を模式的に示す側面図である。尚、同図(a),(b),(c) には、本例の電子機器を、図1及び図2とは全体的に異なる形状で示しているが、本例における主要部の違いを分かりやすく説明するために図1及び図2の構成と同一機能の構成部分には、図1及び図2と同一の番号を付与して示している。
【0028】
図3(a) に示すように、本例の電子機器35は、蓋体19の回動によって回動する駆動ギア23に駆動される従動ギア36は、突出部材37と一体構成ではなく、駆動ギア23と突出部材37上部のラックとに噛合する単体のアイドルギアとして構成されている。
【0029】
同図(b) に示すように、蓋体19を開成するための回動が開始されると、駆動ギア23及び従動ギア36はそれぞれ図の矢印a及びbで示すように回動し、この従動ギア36の回動に応じて、突出部材37は矢印cで示すように下方に駆動されて、その下部が本体筐体16の底面の収納孔27から外部に突出を開始する。そして、同図(c) に示すように、蓋体19が使用状態に合う状態まで開成されたとき、突出部材37の下部も十分に下方に突出し、本体筐体16の後部を載置台21から持ち上げる。
【0030】
これにより、本体筐体16と一体な不図示の操作用諸装置が形成されている本体筐体上面が、ユーザから操作しやすい状態に適宜な傾斜を形成する。
尚、上述したような蓋開成装置を内蔵可能な電子機器は、ノート型パソコンと限ることなく、たとえば電子手帳、ラベルプリンタ等の電子機器のように、手に持って使うだけでなく机やテーブルの上に置いて使用する場合もあるような電子機器であって、上面に操作部を持ち、この操作部を覆う蓋部を備えたものであれば、どのような種類の電子機器にも適用できることはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓋体を開成するとキーボードが本体筐体と一体に構成されたままオペレータの方向に傾斜するので、傾斜機構のためにキーボードをユニット化して本体筐体と別体に構成する必要がなく、したがって、フレキシブルケーブル等の可撓性の接続部材が不要なことに加えて、組み立て工数が減少するので製造コストが低減する。
【0032】
また、蓋体付きの電子機器において蓋体を開成すると本体筐体上面に配設された操作用諸装置が傾斜する構成でありながら、本体筐体上面の操作用諸装置と本体筐体内部の基板とを一体構成とすることができ、これにより部品点数を減らすことができて、この面からも製造コストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は第1の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器の構成を模式的に示す側面図、(b) はその側面を切り欠いて内部の主要部の構成とその動作状態を示す図である。
【図2】第2の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器の構成を模式的に示す側面図である。
【図3】(a),(b),(c) は第3の実施の形態における蓋開成装置を備えた電子機器の構成と動作状態を模式的に示す側面図である。
【図4】(a) は従来の改善すべき先行技術として示されたキーボード傾斜機構を示す図、(b) は従来の改善されたとするキーボード傾斜機構を示す図である。
【符号の説明】
1 蓋体
2 ヒンジ
3 フック
4、7 キーボードユニット
5、6 本体筐体
8 支持バー
9 連結部材
10 蛇腹体
11 蓋体
12 ヒンジ
15 ノート型パソコン
16 本体筐体
17 キーボード
18 ヒンジ
19 蓋体
21 載置台
22 ディスプレー
23 駆動ギア
24 従動ギア
25 支持軸
26 突出部材
27 収納孔
30 ノート型パソコン
31 突出部材
31a 円弧縁
35 電子機器
36 従動ギア
37 突出部材

Claims (6)

  1. 筐体と、
    該筐体の端部近傍で支持手段により前記筐体に対して回動可能に支持された蓋体と、
    該蓋体を回動して前記筐体に対し開成する動作に伴い、前記蓋体に係合して前記筐体の底面から外部に突出する突出部材と、を有することを特徴とする蓋開成装置。
  2. 前記突出部材は、前記蓋体の開成に連動して回動する回動部材と一体に形成され、該回動部材の回動に応じて回動して前記筐体の底面に突出することを特徴とする請求項1記載の蓋開成装置。
  3. 前記回動部材を、前記蓋の開成に連動する位置と該蓋の開成に連動しない位置へ移動させる移動手段を有することを特徴とする請求項2記載の蓋開成装置。
  4. 前記突出部材は、その突出端部が前記回動部材の回動中心を中心とする所定角度の円弧を形成する扇形を成していることを特徴とする請求項1記載の蓋開成装置。
  5. 前記所定角度は、前記蓋体の90°から150°までの開成に対応して前記突出端部が前記筐体を載置する載置台に当接する範囲の円弧を形成する角度であることを特徴とする請求項4記載の蓋開成装置。
  6. 前記突出部材は、前記蓋体の開成に連動して直線的に移動して前記筐体の底面から外部に突出することを特徴とする請求項1記載の蓋開成装置。
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