JP2694013B2 - 電子機器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は特に表示部と操作入力部を有する電子機器に
関するものである。

［従来の技術］ この種の電子機器として例えばラップトップ型のワー
ドプロセッサやパーソナルコンピュータ等では、液晶表
示装置等から成る表示部と、操作入力部であるキーボー
ドを機器本体に付設した構造が採用されている。そして
この場合に表示部が機器本体上に傾斜して立てた状態
（以下チルト状態という）と倒した状態（以下クローズ
状態という）に回動可能に設けられた構造が広く採用さ
れている。このような機器の従来の構造例を第３図に示
してある。

第３図において符号１は液晶表示装置等から成る表示
部、２は表示部の筺体、４は操作入力手段のキーボー
ド、５は電子機器本体の筺体、６は電子機器本体の電子
回路を設けたPCB（プリント回路基板）である。

表示部の筺体２は本体の筺体５上で軸３を回動支点と
して矢印c,e方向に回動可能に設けられている。またキ
ーボード４は、本体の筺体５の底面上に突設された複数
のボス７上に固定されて支持されており、操作性を良く
するために手前側が低く奥側が高くなるように傾斜して
支持されている。

このような構造で電子機器の使用時には表示部１の筺
体２がｃ方向に図中１点鎖線で示す位置に回動され、上
述のチルト状態にした上でキーボード４が操作される。
また非使用時には表示部の筺体２をｅ方向に回動させて
実線で示すクローズ状態とし、全体をコンパクトにし、
表示部１とキーボード４を保護することができる。

［発明が解決しようとする課題］ ところが第３図の構造によると、キーボード４が傾斜
しているため、クローズ状態での電子機器全体の高さに
ついてキーボード４の傾斜による高さの分だけ、高さを
余分に必要とする。第３図にはクローズ状態での電子機
器全体の高さをＡ＋αで示してある。Ａはキーボード４
が水平ならば可能な電子機器の高さであり、αはキーボ
ード４の傾斜による高さの増加分である。

このようにキーボードを傾斜させると、電子機器全体
の高さが高くなり、電子機器の薄型化が困難になる。し
かし薄型化のためにキーボードを水平にすると、キーボ
ードの操作性が悪くなる。

そこで、本発明の課題はこの種の電子機器において操
作入力部の操作性を損なわずに電子機器の薄型化が図れ
るようにすることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するため本発明によれば、表示部が
電子機器本体の一端側を軸として該電子機器本体上に傾
斜して立てた状態と倒した閉成状態に回動可能に設けら
れ、該閉成状態の表示部の表示面と前記電子機器本体の
底面との間の該電子機器本体の空間に操作入力部を備え
る電子機器において、 前記操作入力部は前記電子機器本体の他端側を軸とし
ての該電子機器本体の底面に対し傾斜した状態とほぼ水
平な状態との間で回動可能に設けられるとともに、 前記表示部が閉成状態の際には前記操作入力部の回動を
阻止して前記表示部が前記操作入力部上に重なるように
位置し、 前記表示部を前記電子機器本体の一端側を軸として閉
成状態から立てた状態に回動させることにより前記操作
入力部の回動阻止が解除され、該操作入力部は前記電子
機器本体の他端側を軸として回動されて該電子機器本体
の底面に対し傾斜状態とされ、 前記表示部を倒した状態に回動させることにより前記
操作入力部を回動させ前記電子機器本体の底面に対しほ
ぼ水平な状態にする構成を採用した。

［作用］ このような構成によれば、表示部を電子機器本体上に
倒した状態では、操作入力部が電子機器本体の底面に対
してほぼ水平な状態となるので、電子機器本体の高さに
ついて操作入力部の傾斜による高さの増加分を見込まず
に済み、電子機器本体の高さを低くできる。

また、表示部を電子機器本体上に立てた電子機器使用
時には操作入力部は電子機器本体の底面に対して傾斜状
態となるので、操作入力部の操作性は良好である。

また、使用状態で操作入力部のみ傾斜して電子機器本
体は傾斜しないので、電子機器は常に載置面に対して安
定した状態で載置され、操作入力部の操作は支障なく行
なえ、この点でも操作性は良好である。

さらに、使用状態で電子機器本体が傾斜しないため、
全体の高さが高くなることがない。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の詳細を説
明する。

第１図及び第２図は本発明の実施例による電子機器の
本発明に関わる構造を説明するもので、それぞれ先述し
た表示部のクローズ状態とチルト状態における電子機器
の概略的な断面を示している。両面において、従来例の
第３図中と共通もしくは対応する部分には共通の符号が
付してある。以下では本実施例の従来例と共通の部分の
説明は省略し、従来例と異なる点のみを説明する。

第１図及び第２図に示すように本実施例の構造で表示
部１の筺体２は従来例と同様に本体の筺体５上で軸３を
支点として第１図中矢印ｃ方向と第２図中矢印ｅ方向に
回動可能に設けられている。

これに対してキーボード４は従来と異り固定されてお
らず、操作する際の手前側である図中左端部において軸
８を回動支点として本体の筺体５に対し第１図中矢印ｄ
方向と第２図中矢印ｈ方向に回動可能に設けられてい
る。

そしてキーボード４は後述するようにして第１図のク
ローズ状態では本体の筺体５に対して水平に保持され、
第２図のチルト状態では手前側が低く奥側が高くなるよ
うに傾斜して支持されるようになっている。

なおキーボード４の自由側端部の下面と本体の筺体５
の底面の間にはスプリング９が弾装されている。スプリ
ング９は第１図のクローズ状態では圧縮されてキーボー
ド４を上方へ押圧し、第２図のチルト状態では引き延ば
されてキーボード４を下方に引張するようになってい
る。

またキーボード４の自由側端部の上面には断面がＬ字
形のボス11が突設されている。

一方、表示部１の筺体２において従来と異なる点とし
て基端部の内側に断面が台形の押圧部10が突出して形成
されている。押圧部10は第１図のクローズ状態におい
て、キーボード４のボス11に当接し、これを下方へ押圧
するようになっている。

また筺体２の回動支点である軸３には後述のようにチ
ルト状態でキーボード４を支持するフック状のキーボー
ド支持部材（以下支持部材と略す）15が第１図中矢印ａ
方向と第２図中矢印ｆ方向に回動可能に軸受されてい
る。支持部材15は筺体２に嵌合されており、筺体２の回
動により筺体２と一体的に回動するようになっている。

更に従来例と異なる点として本体の筺体５内において
軸３の下方には、後述のようにチルト状態でキーボード
４を支持するためのキーボード支持台（以下支持台と略
す）12が設けられている。支持台12は筺体５の底面上に
突設されたボス14の上端部に取り付けられており、軸13
を回動支点として第１図中矢印ｂ方向と第２図中矢印ｇ
方向に回動可能に設けられている。

次に以上の構造による本実施例の動作につき説明す
る。

第１図に示した非使用時のクローズ状態では、表示部
１の筺体２は本体の筺体５に対して水平に倒した状態に
回動されている。キーボード４は圧縮されたスプリング
９の押圧によりｄ方向に回動しようとするが、ボス11に
当接した押圧部10により押圧され、本体の筺体５に対し
水平な状態に保持されている。

このクローズ状態から使用可能なチルト状態にするに
は表示部１の筺体２を第１図中矢印ｃ方向に回動させ
る。この回動に伴なって押圧部10が回動し、ボス11を少
し押下した後ボス11から離れる。するとキーボード４は
スプリング９の押圧力によりｄ方向に回動する。

一方筺体２のｃ方向への回動に伴なって支持部材15が
ａ方向に回動し、支持台12と係合してこれをｂ方向に回
動させ、更にフック状の支持部材15の先端部がキーボー
ド４の自由側端部（図中右端部）の下側の角部に係合
し、これを少し押し上げ第２図のチルト状態となる。

第２図のチルト状態ではキーボード４は自重と引き延
ばされたスプリング９の引張によりｈ方向に回動しよう
とするが、支持台12上に支持された支持部材15がキーボ
ード４に係合していることにより、回動できず、図示の
ように本体の筺体５に対して手前側が低く奥側が高いよ
うに傾斜した状態で支持される。この状態でキーボード
４を操作して電子機器を使用することができる。尚この
状態では傾斜して立てられた表示部１の表示を操作者が
見ることができることは勿論である。

次に第２図のチルト状態からクローズ状態にするには
表示部１の筺体２を第２図中ｅ方向に回動させる。この
回動に伴なって支持部材15が支持台12をｇ方向に回動さ
せながらｆ方向に回動し、支持部材15とキーボード４の
係合が外れる。するとキーボード４は自重とスプリング
９の引張によりｈ方向に回動し、図示より水平に近い位
置に回動する。尚この回動により圧縮されるスプリング
９の反発力によってキーボード４はこの時点では水平な
状態までは回動しない。

そして更に筺体２がｅ方向へ回動させることにより筺
体２の押圧部10がキーボード４のボス11に当接し、これ
を押下し、これによりキーボード４が水平な状態までｈ
方向に回動させられ、第１図のクローズ状態となる。

このような本実施例によれば、第１図のクローズ状態
ではキーボード４は本体の筺体５に対して水平な状態に
保持されるので、先述した第３図の従来例の場合のよう
にクローズ状態での電子機器全体の高さについてキーボ
ード４のチルト状態での傾斜による高さの増加分αを加
えずに済み、第１図に電子機器の高さをＡで示してある
ように従来例の場合よりαだけ高さを低くできる。即ち
電子機器の薄型化を図れる。

また第２図の使用時のチルト状態では、キーボード４
は傾斜して支持されるので、キーボード４の操作性は良
好である。

尚以上のような構造は電子機器の操作入力部がキーボ
ードである場合に限らず、操作入力部がタッチパネルや
座標入力装置等他のものである場合にも同様に適用でき
る。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表
示部が電子機器本体の一端側を軸として該電子機器本体
上に傾斜して立てた状態と倒した閉成状態に回動可能に
設けられ、該閉成状態の表示部の表示面と前記電子機器
本体の底面との間の該電子機器本体の空間に操作入力部
を備える電子機器において、前記操作入力部は前記電子
機器本体の他端側を軸として該電子機器本体の底面に対
し傾斜した状態とほぼ水平な状態との間で回動可能に設
けられるとともに、前記表示部が閉成状態の際には前記
操作入力部の回動を阻止して前記表示部が前記操作入力
部上に重なるように位置し、前記表示部を前記電子機器
本体の一端側を軸として閉成状態から立てた状態に回動
させることにより前記操作入力部の回動阻止が解除さ
れ、該操作入力部は前記電子機器本体の他端側を軸とし
て回動されて該電子機器本体の底面に対し傾斜状態とさ
れ、前記表示部を倒した状態に回動させることにより前
記操作入力部を回動させ前記電子機器本体の底面に対し
ほぼ水平な状態にする構成を採用したので、電子機器の
高さを低くでき、電子機器の薄型化が図れ、しかも操作
入力部の良好な操作性を保証できる。また、電子機器が
常に載置面に対して安定した状態で載置される点からも
操作入力部の操作性が良好であり、さらに、使用状態で
電子機器全体の高さが高くなることがない等の優れた効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による電子機器のクローズ状態
での概略的な断面図、第２図は同電子機器のチルト状態
での概略的な断面図、第３図は従来の電子機器のクロー
ズ状態での概略的な断面図である。 １……表示部、２……表示部の筺体 3,8……回動支点の軸、４……キーボード ５……本体の筺体、９……スプリング 10……押圧部、11,14……ボス 12……キーボード支持台 15……キーボード支持部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示部が電子機器本体の一端側を軸として
   該電子機器本体上に傾斜して立てた状態と倒した閉成状
   態に回動可能に設けられ、該閉成状態の表示部の表示面
   と前記電子機器本体の底面との間の該電子機器本体の空
   間に操作入力部を備える電子機器において、 前記操作入力部は前記電子機器本体の他端側を軸として
   該電子機器本体の底面に対し傾斜した状態とほぼ水平な
   状態との間で回動可能に設けられるとともに、 前記表示部が閉成状態の際には前記操作入力部の回動を
   阻止して前記表示部が前記操作入力部上に重なるように
   位置し、 前記表示部を前記電子機器本体の一端側を軸として閉成
   状態から立てた状態に回動させることにより前記操作入
   力部の回動阻止が解除され、該操作入力部は前記電子機
   器本体の他端側を軸として回動されて該電子機器本体の
   底面に対し傾斜状態とされ、 前記表示部を倒した状態に回動させることにより前記操
   作入力部を回動させ前記電子機器本体の底面に対しほぼ
   水平な状態にすることを特徴とする電子機器。