JP2539006Y2 - 脱出用カプセル付き船体 - Google Patents

脱出用カプセル付き船体

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JP2539006Y2
JP2539006Y2 JP1993039710U JP3971093U JP2539006Y2 JP 2539006 Y2 JP2539006 Y2 JP 2539006Y2 JP 1993039710 U JP1993039710 U JP 1993039710U JP 3971093 U JP3971093 U JP 3971093U JP 2539006 Y2 JP2539006 Y2 JP 2539006Y2
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escape capsule
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秀利 和田
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  • Emergency Lowering Means (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、船底に取付けられ、海
難事故及び船の転覆や沈没した時に船体から切り離さ
れ、海面上に浮上して船外に脱出できる脱出用カプセル
付き船体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、船には海難事故に備えて救命艇が
備えられている。しかし、急な衝撃により船が転覆した
り沈没した時救命艇はほとんど役にたたず、又船内に閉
じ込められた人々は99%助からないという問題があっ
た。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記問題を
解決し、船の海難事故及び転覆や沈没した時、船内に閉
じ込められた人々が自力で脱出できる脱出用カプセル付
き船体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
考案の要旨は、船体に凹みを設け、同凹みに船外へ脱出
できる扉付の船体水密マンホールを設け、同凹みに上方
と下方に扉を設けた脱出用カプセルを離脱可能に連結す
ると共に、凹みと脱出用カプセルの間に水密パッキンを
介在させ、船体の凹みに脱出用カプセルを水密状態に保
持し、しかも船体の凹みから脱出用カプセルを離脱させ
る瞬間膨張風船を船体の凹みと脱出用カプセルそれぞれ
に設け、更に脱出用カプセルに船体の凹みから離脱させ
るジャッキを設け、同ジャッキの操作部を脱出用カプセ
ル内部に設けたことを特徴とする脱出用カプセル付き船
体にある。
【0005】
【作用】船内から船体の凹みに設けられた船体水密マン
ホールの扉を開くと、その船体水密マンホールの下には
水密パッキンにより水密状態に船体に取付けられた脱出
用カプセルの扉がある。その脱出用カプセルの扉を開い
て船体と脱出用カプセルの連結を解く。この時、連結が
解かれても脱出用カプセルは海底の水圧で押圧されて外
れず、水密パッキンが外部からの海水の浸入を防ぐ。
【0006】次に、脱出用カプセルの中へ避難して脱出
用カプセルの扉を水密状態に締め、船体から脱出用カプ
セルを離脱させる瞬間膨張風船を脱出用カプセルの内部
から操作することにより、船体の凹みと脱出用カプセル
に設けられた瞬間膨張風船が膨張して船体の凹みから脱
出用カプセルは離脱する。船体から離脱した脱出用カプ
セルは海面上へと浮上していく。脱出用カプセルが海面
上へ浮上したら、脱出用カプセルの上下の扉何れかの扉
を開いて脱出することができる。更に、ジャッキを設け
ているので、瞬間膨張風船だけでは船体から脱出用カプ
セルが離しにくい場合、ジャッキを操作することでカプ
セルを船体から確実に離脱させることができる。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本実施例の脱出用カプセルを船底に取付け
た状態の断面図、図2は本実施例の脱出用カプセルを船
体に取付けた状態の一部切欠断面図、図3は本実施例の
脱出用カプセルが船底から離脱して海面上へと浮上する
状態の説明図、図4は本実施例の脱出用カプセルが船底
から離脱する状態の工程図、図5は他の実施例の脱出用
カプセルを船の側部に取付けた状態の一部切欠断面図で
ある。
【0008】図中、1は船体に取付けられる脱出用カプ
セル、2は船底、3は船外へ脱出できる扉付の船体水密
マンホール、4は脱出用カプセル1の下方に設けられる
カプセル水密扉、5は脱出用カプセル1の上方に設けら
れる脱出用扉、6は船底2に凹みを設けて形成され脱出
用カプセル1が取付けられるカプセル固定部、7は船、
8は海底、9は船体水密マンホール3の扉を閉めるため
のボルト、10はマンホール水密パッキンである。
【0009】図中、11はバラスト置場、12はカプセ
ル固定部6と脱出用カプセル1との取付け部を水密状態
にするためのカプセル固定用ゴムパッキン、13は外部
を見るための丸窓、14は脱出用カプセル1の脱出用扉
5を開閉する脱出用扉ヒンジ、15はカプセル水密扉4
と脱出用扉5を水密状態にする水密パッキン、16は止
水用バルブ、17は脱出用カプセル1が海上へ浮上した
時外から空気を取入れる空気取入パイプ、18は船底2
から脱出用カプセル1を手動で離脱させる離脱用ジャッ
キハンドル、19は脱出用カプセル1の内部に設けられ
る椅子、20はバッテリー置場である。
【0010】図中、21は船底2に脱出用カプセル1を
固定するカプセル固定用フック、22はカプセル水密扉
4と脱出用扉5を水密状態に締める閉鎖ハンドル、23
はカプセル水密扉4を開閉する水密扉ヒンジ、24はカ
プセル固定用フック21を掛ける掛け金、25は脱出用
カプセル1に設けられるコンプレッサー、26はコンプ
レッサー25により膨張する瞬間膨張風船、27は人、
28はカプセル固定部6に設けられるコンプレッサー、
29はコンプレッサー28により膨張する瞬間膨張風船
である。
【0011】本実施例は、図1,2に示すように、船7
の船底2に凹みを入れカプセル固定部6を形成し、、そ
のカプセル固定部6の凹みの中央にボルト9により扉を
開閉する船体水密マンホール3を設ける。カプセル固定
部6と同外形状を有する脱出用カプセル1を形成し、そ
の脱出用カプセル1の上方に開閉自在の脱出用扉5を設
け、下方に開閉自在のカプセル水密扉4を設け、その脱
出用扉5とカプセル水密扉4に閉鎖ハンドル22を設け
る。
【0012】脱出用カプセル1の内部に人27が座るこ
とができる椅子19を設け、その椅子19の下にバッテ
リーを置くためのバッテリー置場20とバラストを置く
ためのバラスト置場11を設ける。脱出用カプセル1の
下部に離脱用ジャッキハンドル18を設け、脱出用カプ
セル1が海面上に浮上した時に外部から空気を取入れる
ための空気取入パイプ17を設け、その空気取入パイプ
17から空気だけを取入れるための止水用バルブ16を
設ける。又、脱出用カプセル1の周辺に丸窓13を設け
る。
【0013】以上のように構成された本実施例の脱出用
カプセル1を逆さまの状態で船底2のカプセル固定部6
に嵌着し、船体水密マンホール3の下方に設けられるカ
プセル固定用フック21を脱出用カプセル1の外部に突
出した掛け金24に掛けて脱出用カプセル1を船底2の
カプセル固定部6に着脱自在に取付ける。カプセル固定
部6に脱出用カプセル1を取付けた時、脱出用カプセル
1の外周に設けられたカプセル固定用ゴムパッキン12
により海水がカプセル固定部6内に入り込むのを防止
し、カプセル固定部6と脱出用カプセル1との取付け部
を水密状態にする。
【0014】船底8に取付けられた脱出用カプセル1
は、図3,4に示すように、船7が海難事故及び転覆や
沈没した時、逃げ遅れて船内に閉じ込められた人々は船
底2に設けられた船体水密マンホール3の扉のボルト9
を外して扉を開き、カプセル固定用フック21をハンマ
ーで外す。この時、カプセル固定用フック21を外して
も脱出用カプセル1は海底の水圧で凹み方向に押圧され
るので、脱出用カプセル1が凹部から外れることはな
い。次に、脱出用カプセル1のカプセル水密扉4を開い
て脱出用カプセル1の中へ避難して最後にカプセル水密
扉4を水密状態に閉鎖ハンドル22を回して締める。カ
プセル水密扉4を完全に水密状態に締め込み酸素発生装
置のスイッチを入れる。
【0015】本実施例の船底2から脱出用カプセルが脱
出する方法として、ドーナッツ型の瞬間膨張風船26を
コンプレッサー25により片半分だけ膨張させると同時
に、船底2のカプセル固定部6に設けられた瞬間膨張風
船29をコンプレッサー28により膨張させて脱出用カ
プセル1を船底2から離脱させる。船7が転覆した場
合、船底2はほとんどの場合上の方になり、船底2に逆
さまに取付けられていた脱出用カプセル1は正常な状態
で浮上する。
【0016】船体7から離脱した脱出用カプセル1の瞬
間膨張風船26の片半分だけ大きく膨張していることに
より、確実な速度と確実な姿勢で海底を浮上していく。
その脱出用カプセル1の中に避難した人27は、脱出用
カプセル1の内部に設けられた椅子19に座ってその椅
子19に設けられたシートベルトを付けて浮上するのを
待つ。
【0017】脱出用カプセル1が海面上に浮上したら片
半分だけ膨張させていた瞬間膨張風船26をドーナッツ
型に完全膨張させる。海面上に脱出用カプセル1が浮上
しているか丸窓13により確認し、空気取入れパイプ1
7の止水用バルブ16を解放すると、最初海水も入るが
下のパイプへ流れて脱出用カプセル1の中には入ってこ
ず空気だけを取入れることができる。本実施例の脱出用
カプセル1を船底2から離脱がうまくいかない場合、離
脱用ジャッキハンドル18を回して脱出用カプセル1の
外部に突出した掛け金24を延ばして手動により離脱さ
せる。
【0018】本実施例の脱出用カプセル1は船7の大き
さや乗員の人数によって数を増やすことができ、脱出用
カプセル1の内部に無線機や食料・トイレ等を設けて漂
流日数が長くなったとしても差支えない設備を整えてお
くことも可能である。本実施例の他の実施例として、図
5に示すように、船7の側面に脱出用カプセル1を取付
けることができ、構造及び脱出用カプセル1の離脱方法
は前記実施例と同様である。
【0019】
【考案の効果】本考案は、船が海難事故に遭遇し、転覆
や沈没して逃げ遅れた人々が船内に閉じ込められたとし
ても船底に脱出用カプセルを設けていることにより、そ
の脱出用カプセル内に避難して脱出用カプセルを船から
切り離して船内から海上へ脱出することができる。特に
本考案では、瞬間膨張風船・ジャッキを設けているの
で、確実に脱出用カプセルを船体から切り離し、脱出で
きやすくしている。本考案はこのように自力によって脱
出できるので、事故の被害を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の脱出用カプセルを船底に取付けた状
態の断面図である。
【図2】本実施例の脱出用カプセルを船体に取付けた状
態の一部切欠断面図である。
【図3】本実施例の脱出用カプセルが船底から離脱して
海面上へと浮上する状態の説明図である。
【図4】本実施例の脱出用カプセルが船底から離脱する
状態の工程図である。
【図5】他の実施例の脱出用カプセルを船の側部に取付
けた状態の一部切欠断面図である。
【符号の説明】
1 脱出用カプセル 2 船底 3 船体水密マンホール 4 カプセル水密扉 5 脱出用扉 6 カプセル固定部 7 船 8 海底 9 ボルト 10 マンホール水密パッキン 11 バラスト置場 12 カプセル固定用ゴムパッキン 13 丸窓 14 脱出用扉ヒンジ 15 水密パッキン 16 止水用バルブ 17 空気取入パイプ 18 離脱用ジャッキハンドル 19 椅子 20 バッテリー置場 21 カプセル固定用フック 22 閉鎖ハンドル 23 水密扉ヒンジ 24 掛け金 25 コンプレッサー 26 瞬間膨張風船 27 人 28 コンプレッサー 29 瞬間膨張風船

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体に凹みを設け、同凹みに船外へ脱出
    できる扉付の船体水密マンホールを設け、同凹みに上方
    と下方に扉を設けた脱出用カプセルを離脱可能に連結す
    ると共に、凹みと脱出用カプセルの間に水密パッキンを
    介在させ、船体の凹みに脱出用カプセルを水密状態に保
    持し、しかも船体の凹みから脱出用カプセルを離脱させ
    る瞬間膨張風船を船体の凹みと脱出用カプセルそれぞれ
    に設け、更に脱出用カプセルに船体の凹みから離脱させ
    るジャッキを設け、同ジャッキの操作部を脱出用カプセ
    ル内部に設けたことを特徴とする脱出用カプセル付き船
    体。
JP1993039710U 1993-06-24 1993-06-24 脱出用カプセル付き船体 Expired - Lifetime JP2539006Y2 (ja)

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JPH076095U JPH076095U (ja) 1995-01-27
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JPH076095U (ja) 1995-01-27

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