JP2538854Y2 - コンバインの穀粒排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、機体に搭載したグレン
タンク内の底部に、貯留穀粒をグレンタンクの一側に搬
送するスクリュー式搬送装置を設けるとともに、前記グ
レンタンクの外部で前記スクリュー式搬送装置の終端部
からの穀粒を上方に搬送するスクリュー式縦搬送装置を
設け、かつ、前記スクリュー式縦搬送装置の上端部に、
このスクリュー式縦搬送装置からの穀粒を端部の穀粒吐
出口へ横搬送するスクリュー式横搬送装置を連設したコ
ンバインの穀粒排出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンバインの穀粒排出装
置にあっては、例えば実開平２−５５５４５号公報に開
示されたもののように、スクリュー式搬送装置、スクリ
ュー式縦搬送装置及びスクリュー式横搬送装置を機械式
伝動機構を介して連動連結して、原動部がわから伝動さ
れた動力で駆動される構造となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造にあっては、スクリュー式搬送装置、スクリュー
式縦搬送装置及びスクリュー式横搬送装置を一連に駆動
する構造として機械式伝動機構を用いているため、伝動
構造の構成が高価で重量の大きなものになるとともに、
全搬送装置が同時に駆動開始するため、例えばスクリュ
ー式横搬送装置等に穀粒が残留している場合等におい
て、その残留穀粒が搬出しきれていない状態で新たに穀
粒が搬送されてきてスクリュー式横搬送装置で詰まって
しまうという不具合が生じ易いものであった。本考案
は、上記実情に鑑みてなされたものであって、スクリュ
ー式横搬送装置等に穀粒の詰まりが生ずることなく搬送
の駆動開始できるとともに、搬送装置の駆動伝動構造を
安価で軽量に構成できるコンバインの穀粒排出装置の提
供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案にかかるコンバイ
ンの穀粒排出装置は、上記目的を達成するために、冒記
構造のものにおいて、前記スクリュー式搬送装置と前記
スクリュー式縦搬送装置とを駆動する第１油圧モータを
設けるとともに、前記スクリュー式横搬送装置を駆動す
る第２油圧モータを前記第１油圧モータと別に設け、か
つ、駆動開始指令に基づいて先ず前記第２油圧モータを
駆動開始し、その後、所定時間遅れて前記第１油圧モー
タを駆動開始する遅延制御手段を、前記第１油圧モータ
及び第２油圧モータの駆動制御手段に備えてあることを
特徴構成とする。かかる特徴構成による作用・効果は次
の通りである。

【０００５】

【作用】即ち、スクリュー式搬送装置及びスクリュー式
縦搬送装置の駆動と、スクリュー式横搬送装置の駆動と
を、夫々油圧モータで行っているので、駆動系の重量を
軽量にできるとともに、スクリュー式横搬送装置を先に
駆動開始して、その後、所定時間遅れてスクリュー式搬
送装置及びスクリュー式縦搬送装置が駆動開始されるの
で、スクリュー式横搬送装置内の残留穀粒が搬出された
後スクリュー式縦搬送装置から新たな穀粒が搬送されて
くる。

【０００６】

【考案の効果】従って、スクリュー式搬送装置、スクリ
ュー式縦搬送装置及びスクリュー式横搬送装置の駆動を
油圧モータで行うので、軽量かつ安価にできるととも
に、スクリュー式横搬送装置に詰まりの生じ易い残留穀
粒を先に出し終えてからスクリュー式搬送装置及びスク
リュー式縦搬送装置での穀粒搬出駆動がなされるので、
スクリュー式横搬送装置における詰まりの発生を抑制で
きるに至った。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に、コンバインのグレンタンク１を示してい
る。このグレンタンク１は、機体２に搭載されていると
ともに、脱穀処理された穀粒が脱穀装置から供給貯留さ
れる構成にしている。そして、グレンタンク１内の底部
に、貯留穀粒をグレンタンク１の後方側に搬送するスク
リュー式搬送装置３を設けるとともに、グレンタンク１
の後側外部でスクリュー式搬送装置３の終端部からの穀
粒を上方に搬送するスクリュー式縦搬送装置４を設け、
かつ、スクリュー式縦搬送装置４の上端部に、このスク
リュー式縦搬送装置４からの穀粒を端部の穀粒吐出口５
ａへ横搬送するスクリュー式横搬送装置５を連設して構
成している。

【０００８】図２に示すように、スクリュー式搬送装置
３とスクリュー式縦搬送装置４とは、チェーン伝動機構
６及びベベルギア伝動機構７を介して連動連結されてい
るとともに、チェーン伝動機構６には、第１油圧モータ
８を伝動可能に連設している。また、スクリュー式横搬
送装置５のスクリュー軸５ｂに直結した状態で第２油圧
モータ９を連設している。従って、スクリュー式搬送装
置３及びスクリュー式縦搬送装置４は、第１油圧モータ
８で駆動されるとともに、スクリュー式横搬送装置５
は、第２油圧モータ９で駆動される。第１油圧モータ８
及び第２油圧モータ９は、機体２に備えたエンジンで駆
動される油圧ポンプで油圧駆動される。

【０００９】そして、第１油圧モータ８及び第２油圧モ
ータ９は、油路の断続や油路の切換を行う電磁バルブ、
これら電磁バルブを作動制御する電気回路等から成る駆
動制御手段１０に接続されている。この駆動制御手段１
０には、人為操作されるスイッチング手段１６からの駆
動開始指令に基づいて先ず第２油圧モータ９を駆動開始
し、その後、所定時間遅れて第１油圧モータ８を駆動開
始する遅延制御手段１１を備えている。これにより、グ
レンタンク１より穀粒を排出するときには、排出の始動
操作に伴って先ずスクリュー式横搬送装置５が駆動さ
れ、このスクリュー式横搬送装置５の駆動開始より、適
宜設定された時間が経過した時点でスクリュー式搬送装
置３及びスクリュー式縦搬送装置４が駆動開始すること
になる。

【００１０】次にグレンタンク１の位置固定構造につい
て簡単に説明する。図１乃至図３に示すように、グレン
タンク１は、スクリュー式縦搬送装置４の設置位置近く
で上下軸芯Ｐ周りに回動可能に機体２に枢着されてお
り、グレンタンク１と並設した脱穀装置の側部を開放で
きるよう、グレンタンク１を機体２の横側方に揺動させ
た姿勢と、機体２に搭載した収納姿勢とに切換可能に構
成している。そして、収納姿勢にしたグレンタンク１を
位置固定する構造を、前記上下軸芯Ｐより離れたグレン
タンク１の前端部に設けている。つまり、グレンタンク
１の前端部に連設した支持板部材１２に設けた案内ボス
１３で案内されて、機体２のメインフレーム２Ａ上面に
穿設された孔２ａに挿入される固定ピン１４を、支持板
部材１２に上下揺動可能に枢着されたレバー１５に長孔
１５ａを介して取り付けている。尚、レバー１５は、皿
バネ等で摩擦保持されるものである。

【００１１】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの穀粒排出構造を示す一部破断側面
図

【図２】グレンタンクの位置固定構造を示す正面図

【図３】グレンタンクの位置固定構造を示す縦断側面図

【符号の説明】

１ グレンタンク ３ スクリュー式搬送装置 ４ スクリュー式縦搬送装置 ５ スクリュー式横搬送装置 ５ａ 穀粒吐出口 ８ 第１油圧モータ ９ 第２油圧モータ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体に搭載したグレンタンク（１）内の
   底部に、貯留穀粒をグレンタンク（１）の一側に搬送す
   るスクリュー式搬送装置（３）を設けるとともに、前記
   グレンタンク（１）の外部で前記スクリュー式搬送装置
   （３）の終端部からの穀粒を上方に搬送するスクリュー
   式縦搬送装置（４）を設け、かつ、前記スクリュー式縦
   搬送装置（４）の上端部に、このスクリュー式縦搬送装
   置（４）からの穀粒を端部の穀粒吐出口（５ａ）へ横搬
   送するスクリュー式横搬送装置（５）を連設したコンバ
   インの穀粒排出装置であって、前記スクリュー式搬送装
   置（３）と前記スクリュー式縦搬送装置（４）とを駆動
   する第１油圧モータ（８）を設けるとともに、前記スク
   リュー式横搬送装置（５）を駆動する第２油圧モータ
   （９）を前記第１油圧モータ（８）と別に設け、かつ、
   駆動開始指令に基づいて先ず前記第２油圧モータ（９）
   を駆動開始し、その後、所定時間遅れて前記第１油圧モ
   ータ（８）を駆動開始する遅延制御手段を、前記第１油
   圧モータ（８）及び第２油圧モータ（９）の駆動制御手
   段に備えてあるコンバインの穀粒排出装置。