JP2538640B2 - 感熱転写用インク及びインクフィルム - Google Patents

感熱転写用インク及びインクフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱転写用インク及びインクフィルムに関す
るものであり、詳しくは、特定のポリエステル樹脂を含
有する感熱転写用インク及びインクフィルムに関するも
のである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
感熱転写用インクフィルムは紙やプラスチックフィル
ムのような支持体上に少なくとも一層の色材層(インク
層)を塗布したもので、固体状インクを熱溶融して記録
紙上にインクを転写させることにより記録を行うもので
ある。インクフィルムの加熱方法としては、色材層の塗
布面と反対側又は記録紙を介して色材層の塗布面側から
発熱体で加熱する方法、インクフィルムを構成する一層
に抵抗層を設けた通電発熱によって加熱する方法等があ
る。
色材層は着色材として顔料、色素を含む熱溶融性物質
からなる。熱溶融物質としては、カルナバワックス、パ
ラフィンワックス等の熱溶融材が用いられている。ま
た、支持体としては表面平滑性及び寸法安定性に優れた
ポリエチレンエテレフタレートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム等が一般に用いられている。
このような感熱転写用インクフィルムを用いて、普通
紙等に転写像を記録する場合、例えば、サーマルヘッド
を備えた熱転写プリンターが一般に用いられるが、印字
に必要な熱エネルギーをできるだけ低く抑えることが望
まれる。これは、印字に必要な熱エネルギーを従来より
も低く抑えることによって、ヘッドの加熱、放冷サイク
ルタイムが短縮され、印字の高速化が可能になるほか、
ヘッドの熱劣化防止、ラインプリンターについては電源
小型化が可能になるためである。また、ベースフィルム
の耐熱性不足も補うことができる。
しかしながら、感熱転写用インクフィルムの転写感度
を上げるためにインク組成物の融点を低く設計すると、
普通紙上への印字に際してワックスの低融点成分に起因
する地肌汚れが発生し、印字の定着性、堅牢性も低下す
るほか、保存中に環境温度が上昇するといわゆるブロッ
キング現象も発生するため実現は容易ではない。
これらの課題を解決するために種々の熱可塑性高分子
化合物を添加することが試みられており、ポリエチレン
ワックス(特開昭58−101094号公報)、エチレン−アル
キルアクリレート共重合物(特開昭60−120092号公
報)、1,2−ポリブタジエン(特開昭60−127193号公
報)等をインク組成物中に含有せしめて地汚れの無い低
エネルギー印字を行う方法が開示されている。このよう
な方法は、いずれも低融点ワックス主成分に熱可塑性高
分子化合物を添加剤として使用して、ポリマーの編目構
造により塗膜強度を上げ、地肌汚れを防止しようとする
もので、その性能には限界がある。
また感熱転写用のインクの熱溶融物質として、特開昭
62−216790号公報に開示されているような低分子量ポリ
エステルが提案され、転写感度が高く、低エネルギー印
字が可能となったが、このような低分子量ポリエステル
は15℃以下の低温において溶剤に対する溶解度が小さ
く、結晶が析出しやすいため、インク粘度が高くなり塗
工しづらくなるのみならず、樹脂が堅くて脆いためイン
クの塗膜強度が劣るという欠点を有する。
また、感熱転写方式のプリンターは小型軽量で安価な
普及型プリンターとして広く利用されている。特に、メ
インテナンスフリーといった特徴を生かしてパーソナル
ワープロ等の分野ではほぼ100%採用されている。
この様に、熱転写方式の印字システムは普及型プリン
ターとしての数多くの利点を備えているが、今後更に、
熱転写プリンターが普及していく上で消耗剤の値段が高
く一枚あたりの印字コストが割高になることが最大の障
害となることが予想される。このコスト高の原因として
各種機種対応のカセットを供給する必要性から、各カセ
ットが少量多品質とならざるを得ないこと、本来の消耗
材以外の周辺部品であるカセットの値段がリボンに較べ
てかなり高いこと、スリット、コア巻、カセット詰めと
いった一連の後工程の自動化が難しく人件費がかかるこ
と、更には流通コストがかさむこと等が挙げられる。従
って、同じインクリボンを多数回使用することにより低
印字コスト化の実現が望まれる。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検
討の結果、熱溶融性インクの主成分として特定の融点範
囲及び分子量範囲を持ち、かつ特定の結合をもつポリエ
ステル樹脂を熱溶融材として選ぶことにより、高塗膜強
度を有し地汚れのない低エネルギー印字を可能にする転
写感度の高い感熱転写用インクが得られることを見い出
した。即ち、融点(DSC法)が50〜110℃、数平均分子量
が300〜6000であり、ポリマーの主鎖及び/又は側鎖中
に1〜30個のエチレン性不飽和結合を含むポリエステル
樹脂を用いることにより、1)溶剤に対する溶解性が向
上し、低温での結晶析出が抑えられ、インク粘度の上昇
が少ない、このため冬場でもインクの流動性が良好で塗
工しやすい、2)ポリエステル樹脂が柔軟になり、イン
クをフィルム塗工した場合の乾燥収縮を緩和し、できあ
がったインクリボンの塗膜強度を上げる等の効果が得ら
れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、融点(DSC法)が50〜110℃、数平均
分子量が300〜6000であり、ポリマーの主鎖及び/又は
側鎖中に1〜30個のエチレン性不飽和結合を含むポリエ
ステル樹脂、及び接着剤を必須成分として含有すること
を特徴とする感熱転写用インク、及び該インクを支持体
の片面に塗布してなることを特徴とする感熱転写用イン
クフィルムを提供するものである。
本発明のインクは同じインクリボンを多数回使用する
ことにより低印字コスト化を実現する多数回印字用イン
クとして使用できる。感熱転写方式の印字システムはポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のベース
フィルム上に塗布した熱溶融性インクをベースフィルム
の裏側からサーマルヘッドにより加熱し溶融させ被転写
紙に十分浸透或いは接着させ、その後ベースフィルムと
被転写紙を機械的に剥離する事によりインクをベースフ
ィルム側から被転写紙側へ転写させるシステムである。
従来のインクリボンを使用すると剥離時においてインク
が冷却・固化するため加熱溶融したインクの全量が被転
写紙に転写してしまい1回しか使用できない使い捨ての
インクリボンになってしまう。しかし本発明のインクフ
ィルムからなるリボンを使用すると、フィルムと被転写
紙が剥離される時点でもインクは溶融状態を保ってい
る。その結果インクの中間から切断が起き加熱溶融され
たインクの全量ではなく一部が被転写紙に転写し多数回
印字が達成される。
本発明に用いられるポリエステル樹脂は飽和の多価ア
ルコール及び/又はエチレン性不飽和結合を含有する多
価アルコールと、飽和の多価カルボン酸及び/又はエチ
レン性不飽和結合を含有する多価カルボン酸の重縮合に
よって合成され、アルコール側か酸側の少なくとも一方
にはエチレン性不飽和結合を含有するの成分が含まれて
いることが必要である。
エチレン性不飽和結合を含有する成分を重合する事に
よって得られる本発明のポリエステル樹脂中にエチレン
性不飽和結合が確実に存在する事はNMR、IRを測定する
事により確認できる。本発明のポリエステル樹脂はポリ
マーの主鎖及び/又は側鎖中に1〜30個のエチレン性不
飽和結合を含むことが必要であり、エチレン性不飽和結
合の数が30個を越えると融点が下がりすぎ好ましくな
い。また実際には30個より多く導入するのは困難であ
る。
本発明のポリエステル樹脂を構成する飽和多価カルボ
ン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタール酸、アジピン酸、ピリメン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカル
ボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、ジグリコール酸、n−ブチルコハク酸、イソブチル
コハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク
酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデキルコハク酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸及びその低級アルコールエステ
ル及びそれらの酸無水物等を挙げることができる。これ
ら飽和多価カルボン酸は単独又は二種以上混合して使用
することもできる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂を構成するエチ
レン性不飽和結合を含有する多価カルボン酸としては、
例えば、エチレン不飽和結合を含む炭素数4〜24の二塩
基酸(例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、トラウマチン酸、岡村製油製のULB−20、IPU
−22及びその低級アルコールエステル及びその酸無水物
等);一般にダイマー酸と呼ばれている乾性油又は半乾
性油脂肪酸(例えばトール油脂肪酸等の重合によって得
られる重合脂肪酸;ブテニルコハク酸、オクテニルコハ
ク酸、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸及び
その酸無水物;ムコン酸;ポリブタジエンジカルボン
酸;テトラヒドロフタル酸及びその酸無水物等を挙げる
ことができる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂を構成する飽和
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、プロプレングリコール、ブタンジオール、トリエチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、ヘキサメチレングコール、ヘプタメ
チレングリゴール、オクタメチレングリコール、ノナメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、ウンデカ
メチレングリコール、ドデカメチレングリコール、トリ
デカメチレングリコール、テトラデカメチレングリコー
ル、オクタデカメチレングリコール、エイコサメチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ヘキサエチレング
リコール、グリセロール、ペンタエリスルトール、ネオ
ペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール
などが挙げられる。これら飽和多価アルコールは単独又
は二種以上混合して使用することもできる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂を構成するエチ
レン性不飽和結合を含有する多価アルコールとしては、
1,4−ブテンジオール、ポリブタジエンジオール、ダイ
マージオール(ダイマー酸の水添物)、前出のエチレン
性不飽和結合を含有する多価カルボン酸とアルキルグリ
シジルエーテルとの反応生成物{例えば、下記反応式で
示される反応により得られる化合物 (式中、R1はエチレン性不飽和結合を含有するアルキレ
ン基、R2はアルキル基を示す。)}等を挙げることがで
きる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の構成成分の特
に好ましい組み合わせとしては、飽和多価アルコールと
してエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコールの中から、飽
和多価カルボン酸としてコハク酸、アジピン酸、セバチ
ン酸の中から選んだ組み合わせに、エチレン性不飽和結
合含有多塩基酸を更に組み合わせた系を挙げることがで
きる。このような系を更に具体的に詳述すると、以下の
〜に示す組み合わせを挙げることができる。
エチレングリコール(1モル)、セバチン酸(0.9
モル)、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸(0.1モ
ル)の組み合わせ。
ヘキサメチレングリコール(1モル)、セバチン酸
(0.9モル)、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸(0.1
モル)の組み合わせ。
デカメチレングリコール(1モル)、アジピン酸
(0.9モル)、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸(0.1
モル)の組み合わせ。
これらの組み合わせで得られたポリエステル樹脂は融
点が50〜110℃、数平均分子量が300〜6000の時、感熱転
写用インクの熱溶融材として特に有用である。
本発明のポリエステル樹脂は、従来のポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステル樹脂に較べて重合度が低
く、感熱転写用のインクの熱溶融材として適した比較的
低融点で狭い温度範囲で融解するエステルオリゴマーで
ある。本発明のポリエステル樹脂の数平均分子量及び融
点は通常末端基から算出した数平均分子量300〜6000及
びDSC法による融点50〜110℃であるが、好ましくは数平
均分子量500〜4000、融点範囲55〜100℃であり、これら
の合成方法は公知のいずれの方法によってもよい。融点
が50℃未満の場合は感熱転写インクフィルムのブロッキ
ングが起こり、保存時や使用時の安定性に欠ける。又、
融点が110℃を越える場合は熱安定性は良好であるが、
感度が低下するため実用性に欠ける。
ポリエステル樹脂の数平均分子量が300未満の場合
は、融点が50℃未満になる場合が多くブロッキングが起
こりやすい。又、ポリエステル樹脂の数平均分子量が60
00より大きい場合は凝集力が強すぎるため転写しずらく
なり感度が低下することが多い。
本発明のポリエステル樹脂はDSC法による測定で明確
な融点を持ついわゆる結晶性ポリマーであり、特開昭62
−13384号公報に記されている非晶性ポリエステル(明
確な融点を持たない)とは全く性質を異にする。
しかし明確な融点を示す範囲内では芳香族性二重結合
を含む成分を含有しても良い。
ポリエステルは、通常分子鎖末端に−COOH基及び−OH
基を有している。これらの官能基を利用して、縮合反
応、イオン反応、高分子反応等により、変性ポリエステ
ル、ポリエステルを含むブロッキング共重合体やグラフ
ト共重合の形態で本発明の感熱転写用インクの熱溶融材
として用いてもよい。又、分子内の二重結合を利用し
て、変性あるいはポリエステルを含むグラフト共重合体
の形態で本発明の感熱転写用インクの熱溶融材としても
よい。
例えば、ステアリン酸、ステアリルアルコールの様な
脂肪酸や高級アルコールと、ポリエステルの末端等にあ
る−COOH基や−OH基を反応させて変性したり、イソシア
ネート類やアミン類と反応させて変性したり、シリコー
ン化合物、エポキシ類、フェノール類等との反応による
変性も可能である。又、主として結晶性を有する脂肪族
系ポリエステルと更に縮合させてブロックコポリエステ
ルとしたり、分子鎖中の二重結合等を利用して、ポリエ
ステル存在下でスチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン類、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート等
のメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル類等の
ビニル重合性単量体を一種類以上重合することで、ポリ
エステルを含むグラフト共重合体を得ることができる。
更に又、酢酸亜鉛、酸化亜鉛等を添加して末端等のカル
ボン酸とイオン性の架橋を形成することもできる。
本発明に使用するポリエステル樹脂は単独で用いても
よいし、2種以上のポリエステル樹脂同志、又はパラフ
ィン、カルナバワックス等従来から汎用されているワッ
クス類や水添ロジン、エステルガム等のロジン誘導体、
ポリエチレンワックス、エチレン−アルキルアクリレー
ト等と併用して用いてもよい。
本発明の熱転写用インクは上記の如きポリエステル樹
脂の少なくとも一種と、着色剤の少なくとも一種を必須
成分として含有する。ポリエステル樹脂の含有量はイン
ク固形分中40〜80重量%が好ましく、着色剤の含有量は
顔料及び染料の合計量としてインク固形分中10〜30重量
%が好ましい。
本発明に用いられる着色剤としては、カーボンブラッ
ク、オイルブラック、黒鉛等の黒色系染顔料;C.I.Pigme
nt Yellow1,同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸ア
リールアミド系モノアゾ黄顔料(フアストエロー系);
C.I.Pigment Yellow 12、同13、同14等のアセト酢酸ア
リールアミド系ジスアゾ黄顔料;C.I.Solvent Yellow 1
9、同77、同79、C.I.Disperse Yellow 164等の黄顔料;
C.I.Pigment Red 48、同49:1、同53:1、同57:1、同81、
同122、同5等の赤もしくは紅顔料:C.I.Solvent Red 5
2、同58、同8等の赤系染料;C.I.Pigment Blue 15:3等
の銅フタロシアニン及びその誘導体、変性体等の青系洗
顔料など、又有色もしくは無色の昇華性塗料等、従来印
刷インク、その他の着色用途で周知の染顔料が挙げられ
る。
これらの着色剤は、単独でも2種以上混合して用いて
もよい勿論、体質顔料や白色顔料と混合し色調を調整し
てもよい。更に又、熱溶融材成分に対する分散性を改善
するため、着色剤表面を界面活性剤、シランカップリン
グ剤等のカップリング剤、高分子材料で処理したり、高
分子染料や高分子グラフト顔料を用いてもよい。
本発明の感熱転写用インクフィルムは支持体であるベ
ースフィルム又はベースフィルム上の塗膜層と接着して
上記の如きインクを塗布した色材層を少なくとも一層有
するものであり、その他に上塗層又は通電発熱用抵抗層
等を他の構成層として有していてもよい。
本発明の感熱転写用インクフィルムに用いられる支持
体は耐熱強度を有し、寸法安定性及び表面平滑性の高い
支持体が望ましく、具体的には従来から感熱転写用イン
クフィルムのベースフィルムに主として使われているポ
リエチレンテレフタレートの他に、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイ
ミド等の樹脂フィルムで厚さが2〜20μのものが好適に
使用される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明の有効性を示すが、もちろ
ん本発明はこれらに限定されるものではない。例中の部
は重量部である。
尚、以下の実施例において、融点と数平均分子量及び
NMR、IRは次のように測定した。
・融点〔示差走査熱量(DSC)法〕 融点は理学電機(株)製DSC−10A型測定装置を用いて
試料4.5mgを昇温速度5℃/minで測定しその吸熱ピーク
のピークトップの温度を融点とする。
・数平均分子量 ポリエステル樹脂の酸価(AV,JIS K−8006)と水酸基
価(OHV,JIS K−8006)を測定し、次式により数平均分
子量を求めた。
・NMR ポリエステル樹脂をTMS1%含有の重クロロホルムに溶
解し、VARIAN社T−60型NMRスペクトロメーターにてプ
ロトンNMRを測定した。
・IR 日立製作製270−30型赤外分光光度計を用いてKBr法に
てIRを測定した。
実施例1 ヘキサメチレングリコール354g、セバチン酸485g、フ
マル酸70g及びハイドロキノン450mgを1四ツ口フラス
コに仕込み、温度計、撹拌棒、流下式コンデンサー及び
窒素導入管を取り付け、マントルヒータ中で窒素気流下
にて180℃で縮重合を行い、融点61℃、数平均分子量250
0のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂のNMRを測定し、化学シフトδ
=6.8ppmにてエチレン性不飽和結合に由来するプロトン
を確認した(第4図)。又、IRを測定して非共役のオレ
フィンのC=Cの伸縮振動に由来する吸収ピーク1660cm
-1がある事を確認した(第5図)。即ち、このポリエス
テル樹脂はエチレン性不飽和結合を含むことが確認でき
た。
次にこのポリエステル樹脂を用いて下記に示す組成の
混合物をボールミルで12時間混練して感熱転写用インク
を調整した。
ポリエステル樹脂 15部 エチレン/酢酸ビニル樹脂 3部 カルナバワックス 6部 カーボンブラック 6部 トルエン 70部 このインクを6μのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(東レ、ルミラー)の上にワイヤーバーで塗布し、
乾燥塗膜が約3g/m2の色材層を設けて感熱転写用インク
フィルムを作成した。
このように作成した感熱転写用インクフィルムをライ
ン型感熱転写用プリンター(NIP 5234,9.4 ドット/mm,
日本電気(株)製)によって普通紙(BEKK 160秒)の上
に印字を行い、転写像の濃度を測定した。印字エネルギ
ーと転写像濃度の関係を調べる為に、濃度調整レバーを
操作して印加電圧のパルス巾を0.65〜0.85秒変化させ、
転写像濃度をマクベス濃度計(RD 918型)で測定した。
その結果、濃度1.2の転写像を得るのに必要な印加電圧
のパルス巾は0.66秒であった。
印字に際して地汚れは全く認められなかった。また耐
ブロッキング性を調べるために上記の感熱転写用インク
フィルムを5枚重ね500g/cm2の圧力下で一週間保存した
後、フィルムを取り出してブロッキングの有無を観察し
たが、ブロッキングは全く認められなかった。又、この
インクフィルムを手もみしてもインクが脱落せず強い塗
膜強度を示した。
実施例2 ヘキサメチレングリコール236g、セバチン酸384g、ダ
イマー酸(ユニオンキャップ社製、ユニダイム22)56g
を1四ツ口フラスコに仕込み、実施例1と同様の操作
にて180℃で縮重合を行い、融点63℃、数平均分子量174
5のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂を用いる他は実施例1と全く同
じ組成のインクを調製し、インクフィルムを作製し、実
施例1と同様の印字評価を行った。転写後の濃度をマク
ベス濃度計(RD 918型)で測定した結果、濃度1.2の転
写像を得るのに必要な印加電圧のパルス巾は0.66秒であ
った。
また、このインクフィルムを手もみしてもインクが脱
落せず強い塗膜強度を示した。
実施例3 1,6−ヘキサンジオール354g、セバチン酸546g、トデ
セニルコハク酸無水物(三洋化成(株)製)40gを1
四ツ口フラスコに仕込み、実施例1と同様に操作にて18
0℃で縮重合を行い、融点64℃、数平均分子量1784のポ
リエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂を用いる他は実施例1と全く同
じ組成のインクを調製し、インクフィルムを作製し、実
施例1と同様の印字評価を行った。転写後の濃度を測定
した結果、濃度1.2の転写像を得るのに必要な印加電圧
のパルス巾は0.67秒であった。
また、このインクフィルムを手もみしてもインクが脱
落せず強い塗膜強度を示した。
比較例1 パラフィンワックス 60部 カルナバワックス 25部 ガーボンブラック 15部 上記組成物を100℃のアトライターで4時間分散し、
感熱転写用インクを調製した。このインクを膜厚3.5μ
になるように実施例1で使用した6μポリエチレンテレ
フタレートフィルム上にホットメルトコートして、感熱
転写用インクフィルムを作成した。
この感熱転写用インクフィルムについて実施例1と同
じ方法で印字を試みたところ、印加電圧のパルス巾が、
0.65秒の場合には、濃度0.20の転写像しか得られなかっ
た。又、濃度1.2の転写像を得るのに必要な印加電圧の
パルス巾は0.85秒であった。
また、このインクフィルムを手もみするとインクが面
剥離を起こし、塗膜強度が非常に弱かった。
比較例2 ヘキサメチレングリコール354g、セバチン酸606gより
実施例1と同様にして、融点67℃、数平均分子量1900の
ポリエステルを合成した。得られたポリエステル樹脂の
NMRを測定したが化学シフトδ=6.8付近にはピークがな
かった(第6図)。又、IRを測定したが、1660cm-1付近
にピークがなかった(第7図)。即ち、エチレン性不飽
和結合を含まないポリエステルである事をNMR、IRで確
認した。
次にこのポリエステルを用い、その他は実施例1を全
く同じ組成のインクを調製し、インクフィルムを作製
し、実施例1と同様の印字評価を行った。転写後の濃度
を測定した結果、濃度1.2の転写像を得るのに必要な印
加電圧のパルス巾は0.67秒であり高感度を示した。ただ
し、インクフィルムを手もみするとインクの脱落が多い
という欠点を有していた。
試験例1 実施例1,2,3及び比較例2で得られたポリエステル樹
脂のトルエンへの溶解度(ここでの溶解度は、溶解中の
固形分濃度を重量百分率で表したものである)を測定し
た結果を第1図に示す。
第1図から明らかな通り、実施例1,2,3で得られた分
子内にエチレン性不飽和結合を含むポリエステル樹脂は
比較例2で得られた飽和のポリエステル樹脂よりトルエ
ンに対する溶解度が高く、低温に於いても結晶の析出が
少ないことがわかる。
試験例2 実施例1,2及び比較例2で得られたインクの粘度を温
度を変えて測定した結果を第2図に示す。
第2図から明らかなように実施例1,2で得られたイン
クは低温での粘度の上昇が少ない。これは第1図に示す
溶解度のデータによりよく理解される。
実施例4 実施例1で得られたポリエステル樹脂(融点61℃、凝
固点53℃、数平均分子量2500)を用いて、下記に示す組
成の混合物をボールミルで12時間混練して感熱転写用イ
ンクを調整した。
ポリエステル樹脂 15部 エチレン/酢酸ビニル樹脂 3部 カルナバワックス 6部 カーボンブラック 6部 トルエン 70部 このインクを6μのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに乾燥塗膜が約7g/m2になる様に塗工し、市販され
ている熱転写プリンター(NEC製パーソナルワープロ文
豪ミニ7E)で印字評価を行った。評価は黒ベタの連続印
字で行った。リボンの同一部分を複数回使用し、印字回
数に対する印字濃度(マクベスにより測定)の変化を測
定した。その結果を第3図に示す。
第3図から明らかなように、3回目の印字までは光学
濃度(OD)1.0以上を保持し、多数回印字用インクとし
て高い性能を示した。又、インクリボンを手もみしても
インクが脱落せず強い塗膜強度を示した。
比較例3 ポリエステル樹脂の代わりに日本精ロウ社製ワックス
HNP−10(融点75℃、凝固点75℃)を用い、その他の配
合は実施例4と全く同じ組成のインクを調製し、インク
フィルムを作製し、実施例4と同様に印字評価を行っ
た。
結果は第3図に示すが、一回目の印字でほとんで全量
のインクが転写してしまい繰り返し使用が全く不可能で
あった。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の感熱転写用インクフィル
ムによれば、融点(DSC法)が50〜110℃、数平均分子量
が300〜6000であり、ポリマーの主鎖及び/又は側鎖中
に1〜30個のエチレン性不飽和結合を含むポリエステル
樹脂を熱溶融材に適いているので、転写感度が高く、低
エネルギー印字が可能であり、印字の高速化に荻する。
また転写むらがなく、印字の堅牢性が低下することがな
く、50℃未満の低融点成分含量が非常に少ないのでブロ
ッキング発生の心配もない。
又、低温(15℃以下)におけるインク粘度の上昇傾向
が比較的少なく、塗料としての流動性が冬場においても
良好で塗工しやすい塗料となる。又、インクフィルムの
塗膜強度も十分に実用に耐えるものであった。
更に、本発明の感熱転写用インクを用いて製造したイ
ンクフィルムからなるリボンは多数回印字が可能であ
り、低印字コスト化を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験例1の結果を示すグラフ、第2図は試験例
2の結果を示すグラフ、第3図は実施例4及び比較例3
のインクフィルムの印字回数に対する印字濃度の変化を
示すグラフ、第4図は実施例1のポリエステル樹脂のNM
Rスペクトル、第5図は実施例1のポリエステル樹脂のI
Rスペクトル、第6図は比較例2のポリエステル樹脂のN
MRスペクトル、第7図は比較例2のポリエステル樹脂の
IRスペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 淳 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 情報科学研究所内 (72)発明者 河辺 邦康 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 和歌山第2研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−51182(JP,A) 特開 昭62−35884(JP,A) 特開 昭62−13383(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点(DSC法)が50〜110℃、数平均分子量
    が300〜6000であり、ポリマーの主鎖及び/又は側鎖中
    に1〜30個のエチレン性不飽和結合を含むポリエステル
    樹脂、及び着色剤を必須成分として含有することを特徴
    とする感熱転写用インク。
  2. 【請求項2】融点(DSC法)が50〜110℃、数平均分子量
    が300〜6000であり、ポリマーの主鎖及び/又は側鎖中
    に1〜30個のエチレン性不飽和結合を含むポリエステル
    樹脂、及び着色剤を必須成分として含有する感熱転写用
    インクを支持体の片面に塗布してなることを特徴とする
    感熱転写用インクフィルム。
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