JPH0761153A - 受像体 - Google Patents
受像体Info
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- JPH0761153A JPH0761153A JP5230983A JP23098393A JPH0761153A JP H0761153 A JPH0761153 A JP H0761153A JP 5230983 A JP5230983 A JP 5230983A JP 23098393 A JP23098393 A JP 23098393A JP H0761153 A JPH0761153 A JP H0761153A
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- Japan
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- acid
- melting point
- polyester resin
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明の受像体はガラス転移が40℃以上で
あり、かつ融点が150℃以下のポリエステル樹脂を含
む受像層を基材上に設けたものである。特に、アルコー
ル成分の1種として脂環式多価アルコールを用いたポリ
エステル樹脂を含む受像層を基材上に設けたものであ
る。 【効果】 本発明の受像体は、優れた保存性を有し、し
かも市販のワープロ、プリンターを用いて高感度で堅牢
性の高い印字を行うことができる。
あり、かつ融点が150℃以下のポリエステル樹脂を含
む受像層を基材上に設けたものである。特に、アルコー
ル成分の1種として脂環式多価アルコールを用いたポリ
エステル樹脂を含む受像層を基材上に設けたものであ
る。 【効果】 本発明の受像体は、優れた保存性を有し、し
かも市販のワープロ、プリンターを用いて高感度で堅牢
性の高い印字を行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のプリンタやワー
プロ等に用いられる受像体に関し、さらに詳しくは樹脂
系インク用の受像体として用いられる高感度、高堅牢性
の受像体に関する。
プロ等に用いられる受像体に関し、さらに詳しくは樹脂
系インク用の受像体として用いられる高感度、高堅牢性
の受像体に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】入力信号と同時に記録像が得
られる熱記録による出力方式は、装置が比較的簡単で安
価なうえ低騒音であることから、ファクシミリ、プリン
タ、ワープロ等の多くの出力端末に用いられている。こ
れら熱記録による出力方式の1つとして溶融型熱転写記
録がある。この方法はワックスをバインダーとした熱溶
融性インクを受像体上に転写させるものであり、受像体
が比較的限定されず、かつ低エネルギーで転写を行うこ
とができるという利点がある。しかしながらこのインク
は、ワックス自体の凝集力が低いことから転写画像の耐
擦過性など、堅牢性が低いという欠点がある。
られる熱記録による出力方式は、装置が比較的簡単で安
価なうえ低騒音であることから、ファクシミリ、プリン
タ、ワープロ等の多くの出力端末に用いられている。こ
れら熱記録による出力方式の1つとして溶融型熱転写記
録がある。この方法はワックスをバインダーとした熱溶
融性インクを受像体上に転写させるものであり、受像体
が比較的限定されず、かつ低エネルギーで転写を行うこ
とができるという利点がある。しかしながらこのインク
は、ワックス自体の凝集力が低いことから転写画像の耐
擦過性など、堅牢性が低いという欠点がある。
【0003】このような欠点を改善するため、バインダ
ーとして熱可塑性樹脂を用いた樹脂系インクも提案され
ている。この樹脂系インクは通常、ポリエステル樹脂バ
インダー、顔料および添加剤からなる。ここで用いられ
るポリエステル樹脂は、サーマルヘッドの温度で容易に
溶融して転写し得るよう低融点であるのが望ましい。一
方、インクリボンの保存性は、インクリボンの背面処理
によりある程度改善できるものの、融点あるいはガラス
転移点(Tg)の高い方が良好である。このように転写性
と保存性のバランスから樹脂系インクには融点50〜7
0℃のポリエステル樹脂が用いられている。このような
ポリエステル樹脂としては、従来テレフタル酸、イソフ
タル酸、エチレングリコール、ネオペンチグリコールを
共重合したものや、同融点で分子量を大きくし高堅牢性
とするためさらにアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸成
分を配合して共重合を行ったものが使用されている。
ーとして熱可塑性樹脂を用いた樹脂系インクも提案され
ている。この樹脂系インクは通常、ポリエステル樹脂バ
インダー、顔料および添加剤からなる。ここで用いられ
るポリエステル樹脂は、サーマルヘッドの温度で容易に
溶融して転写し得るよう低融点であるのが望ましい。一
方、インクリボンの保存性は、インクリボンの背面処理
によりある程度改善できるものの、融点あるいはガラス
転移点(Tg)の高い方が良好である。このように転写性
と保存性のバランスから樹脂系インクには融点50〜7
0℃のポリエステル樹脂が用いられている。このような
ポリエステル樹脂としては、従来テレフタル酸、イソフ
タル酸、エチレングリコール、ネオペンチグリコールを
共重合したものや、同融点で分子量を大きくし高堅牢性
とするためさらにアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸成
分を配合して共重合を行ったものが使用されている。
【0004】しかしながら、樹脂系インクはワックス系
インクと異なり、受像体の表面に所定の処理を行う必要
がある。このようなインク用の受像体の表面処理として
は、インクのバインダーと相溶性のよい熱可塑性の樹脂
を用いるのが好ましく、インクバインダーと同様ポリエ
ステル樹脂を主成分とした受像層が用いられている。し
かしながら、受像層もインクと同様、感度の点からは融
点が低く、逆に保存性の点からはTgが低いのが好まし
い。保存性や地汚れは重要な商品特性であるが、市販の
ワープロやプリンタを用いても正常な印字と共に十分な
堅牢性の得られる高感度な受像体は得られていない。こ
のため、樹脂系のインク及び受像体は現状では、ラベル
プリンタと呼ばれる比較的印字エネルギーの高いプリン
タ等ごく一部の限定された用途に使用されているに過ぎ
ない。
インクと異なり、受像体の表面に所定の処理を行う必要
がある。このようなインク用の受像体の表面処理として
は、インクのバインダーと相溶性のよい熱可塑性の樹脂
を用いるのが好ましく、インクバインダーと同様ポリエ
ステル樹脂を主成分とした受像層が用いられている。し
かしながら、受像層もインクと同様、感度の点からは融
点が低く、逆に保存性の点からはTgが低いのが好まし
い。保存性や地汚れは重要な商品特性であるが、市販の
ワープロやプリンタを用いても正常な印字と共に十分な
堅牢性の得られる高感度な受像体は得られていない。こ
のため、樹脂系のインク及び受像体は現状では、ラベル
プリンタと呼ばれる比較的印字エネルギーの高いプリン
タ等ごく一部の限定された用途に使用されているに過ぎ
ない。
【0005】本発明の目的は、汎用のプリンタやワープ
ロを用いても充分に印字可能でかつ高堅牢性の得られる
感度の高い受像体を提供することである。
ロを用いても充分に印字可能でかつ高堅牢性の得られる
感度の高い受像体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について種々検討を行った結果、特定のガラス転移点
と融点を有するポリエステル樹脂、例えばシクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環式多価アルコールをアルコー
ル成分としたポリエステル樹脂を受像層として用いるこ
とにより優れた特性を有する受像体が得られることを見
いだした。
題について種々検討を行った結果、特定のガラス転移点
と融点を有するポリエステル樹脂、例えばシクロヘキサ
ンジメタノールなどの脂環式多価アルコールをアルコー
ル成分としたポリエステル樹脂を受像層として用いるこ
とにより優れた特性を有する受像体が得られることを見
いだした。
【0007】本発明はガラス転移点が40℃以上であ
り、かつ融点が150℃以下であるポリエステル樹脂を
含む受像層を基材上に設けてなる受像体を提供するもの
であり、特にアルコール成分の1種として脂環式多価ア
ルコールを用いたポリエステル樹脂を含む受像層を基材
上に設けてなる受像体を提供するものである。
り、かつ融点が150℃以下であるポリエステル樹脂を
含む受像層を基材上に設けてなる受像体を提供するもの
であり、特にアルコール成分の1種として脂環式多価ア
ルコールを用いたポリエステル樹脂を含む受像層を基材
上に設けてなる受像体を提供するものである。
【0008】本発明に用いられるポリエステル樹脂のア
ルコール成分には少なくともその一部として脂環式多価
アルコールが用いられる。このような脂環式多価アルコ
ールとしては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられるが、シク
ロヘキサンジメタノールが特に好ましい。
ルコール成分には少なくともその一部として脂環式多価
アルコールが用いられる。このような脂環式多価アルコ
ールとしては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられるが、シク
ロヘキサンジメタノールが特に好ましい。
【0009】これら脂環式多価アルコールの配合量はア
ルコール成分中5〜60モル%、好ましくは10〜50
モル%である。脂環式多価アルコールの配合量が前記の
配合量より多いと受像層として必要な強度、可撓性など
の皮膜物性が得られず、一方少ないと印字感度、堅牢
性、保存性、対地汚れ性を同時に満足することができな
い。
ルコール成分中5〜60モル%、好ましくは10〜50
モル%である。脂環式多価アルコールの配合量が前記の
配合量より多いと受像層として必要な強度、可撓性など
の皮膜物性が得られず、一方少ないと印字感度、堅牢
性、保存性、対地汚れ性を同時に満足することができな
い。
【0010】本発明の受像体に用いられるポリエステル
樹脂の他のアルコール成分としては、例えば1,4−ブ
タンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノ
ールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAに1
〜10モルのアルキレンオキシド(たとえばエチレンオ
キシド)を付加させた付加体、その他スピログリコー
ル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエス
テル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのグ
リコール類などが挙げられる。
樹脂の他のアルコール成分としては、例えば1,4−ブ
タンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノ
ールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAに1
〜10モルのアルキレンオキシド(たとえばエチレンオ
キシド)を付加させた付加体、その他スピログリコー
ル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエス
テル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのグ
リコール類などが挙げられる。
【0011】また、酸成分としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチル
テレフタレート、フタール酸、無水フタール酸、コハク
酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸、メチルヘキサヒドロフタル
酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマール酸
などのジカルボン酸などがあり、さらに、たとえばマレ
イン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸を一部混合使用してもよい。
酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチル
テレフタレート、フタール酸、無水フタール酸、コハク
酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸、メチルヘキサヒドロフタル
酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマール酸
などのジカルボン酸などがあり、さらに、たとえばマレ
イン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸を一部混合使用してもよい。
【0012】このように酸成分および脂環式多価アルコ
ール以外のアルコール成分は特に限定されるものではな
いが、皮膜として好ましい特性を保有し、また多くの場
合に基材として用いられているPETフィルムと良好な
接着性を保持するため、テレフタル酸とエチレングリコ
ールを各々酸成分、アルコール成分として用いるのが好
ましい。
ール以外のアルコール成分は特に限定されるものではな
いが、皮膜として好ましい特性を保有し、また多くの場
合に基材として用いられているPETフィルムと良好な
接着性を保持するため、テレフタル酸とエチレングリコ
ールを各々酸成分、アルコール成分として用いるのが好
ましい。
【0013】また、融点や可撓性を調整するためには、
酸成分、アルコール成分として脂肪族の多価カルボン
酸:HOOC(CH2)nCOOH、および脂肪族の多価ア
ルコール:HO(CH2)mOH、H(OCH2CH2)pOH
などの化合物を用いるのが好ましい。これらの化合物
は、n、m、pが大きいほど融点が低下あるいは可撓性
を示し、一方n、m、p大きすぎると皮膜強度が得られ
ない。このため、n、m、pは10以下が好ましい。
酸成分、アルコール成分として脂肪族の多価カルボン
酸:HOOC(CH2)nCOOH、および脂肪族の多価ア
ルコール:HO(CH2)mOH、H(OCH2CH2)pOH
などの化合物を用いるのが好ましい。これらの化合物
は、n、m、pが大きいほど融点が低下あるいは可撓性
を示し、一方n、m、p大きすぎると皮膜強度が得られ
ない。このため、n、m、pは10以下が好ましい。
【0014】本発明受像体の受像層に用いられるポリエ
ステル樹脂の分子量は、2,000〜50,000、さら
に好ましくは4,000〜30,000程度である。
ステル樹脂の分子量は、2,000〜50,000、さら
に好ましくは4,000〜30,000程度である。
【0015】このような本発明にて用いられるポリエス
テル樹脂の融点は150℃以下であり、かつTgは40
℃以上である。
テル樹脂の融点は150℃以下であり、かつTgは40
℃以上である。
【0016】本発明受像体の受像層は、前記ポリエステ
ル樹脂を単独で用いてもよいが、さらに2種以上のポリ
エステル樹脂を混合したり、充填剤や可塑剤などを配合
してもよい。
ル樹脂を単独で用いてもよいが、さらに2種以上のポリ
エステル樹脂を混合したり、充填剤や可塑剤などを配合
してもよい。
【0017】本発明に受像体に用いられる基材として
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの各種
プラスチックフィルム、合成紙、コート紙、天然紙など
が挙げられる。これらの基材の上に受像層を設けるには
バーコーティング、キスコーティング、リバースコーテ
ィングなどいずれも公知の方法を採用することができ
る。
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの各種
プラスチックフィルム、合成紙、コート紙、天然紙など
が挙げられる。これらの基材の上に受像層を設けるには
バーコーティング、キスコーティング、リバースコーテ
ィングなどいずれも公知の方法を採用することができ
る。
【0018】本発明者らが、受像体について種々検討を
行った結果によると、その表面の融点は低いほうがイン
クとの熱接着性が高く感度も高い。このため市販のワー
プロやプリンタを用いて印字を行うには、受像体の融点
は一般に150℃以下が望ましい。一方、保存性や未印
字部へのインクの転写(地汚れ)防止の観点からは樹脂の
耐熱性は高い方が望ましいが、この耐熱性は長時間にお
ける特性であって、融点よりもTgの影響が大きいと推
測された。通常の保存状態やサーマルヘッドの蓄熱によ
り生ずる地汚れなどを考慮するとTgは40℃以上であ
ることが必要であると思われる。汎用のポリエステル樹
脂において、これら融点とTgとはその構造や分子量な
どで多少が異なるもののおおよそ連動しており、Tg4
0℃以上でかつ融点150℃以下のポリエステル樹脂は
ない。
行った結果によると、その表面の融点は低いほうがイン
クとの熱接着性が高く感度も高い。このため市販のワー
プロやプリンタを用いて印字を行うには、受像体の融点
は一般に150℃以下が望ましい。一方、保存性や未印
字部へのインクの転写(地汚れ)防止の観点からは樹脂の
耐熱性は高い方が望ましいが、この耐熱性は長時間にお
ける特性であって、融点よりもTgの影響が大きいと推
測された。通常の保存状態やサーマルヘッドの蓄熱によ
り生ずる地汚れなどを考慮するとTgは40℃以上であ
ることが必要であると思われる。汎用のポリエステル樹
脂において、これら融点とTgとはその構造や分子量な
どで多少が異なるもののおおよそ連動しており、Tg4
0℃以上でかつ融点150℃以下のポリエステル樹脂は
ない。
【0019】すなわち、樹脂は一般的に結晶性が高いほ
ど樹脂の融点は高い。また、分子内での運動がしやすい
ほどTgは低く、運動しにくいほどTgは高くなる。テ
レフタル酸のようなベンゼン環を有する芳香族成分が多
いほど高結晶性で融点は高くなるが、同時に剛直な分子
構造のため分子内での運動はしにくく、Tgは高くな
る。
ど樹脂の融点は高い。また、分子内での運動がしやすい
ほどTgは低く、運動しにくいほどTgは高くなる。テ
レフタル酸のようなベンゼン環を有する芳香族成分が多
いほど高結晶性で融点は高くなるが、同時に剛直な分子
構造のため分子内での運動はしにくく、Tgは高くな
る。
【0020】これに対し、アジピン酸やセバシン酸、あ
るいはヘキサンジオールのような脂肪族成分が多いと、
メチレン鎖が寄与して分子内での運動が容易となりTg
は低下し、同時に結晶性が低下して融点も低くなる。し
たがって、これらの成分を用いても融点とTgは同一方
向にシフトし、Tgを上げると同時に融点を下げること
はできない。
るいはヘキサンジオールのような脂肪族成分が多いと、
メチレン鎖が寄与して分子内での運動が容易となりTg
は低下し、同時に結晶性が低下して融点も低くなる。し
たがって、これらの成分を用いても融点とTgは同一方
向にシフトし、Tgを上げると同時に融点を下げること
はできない。
【0021】それに対しイソフタル酸はベンゼン環を有
しTgが高くなるが、非対称性のため結晶性が低下し融
点は低くなる。したがってイソフタル酸をモノマー成分
として導入することにより、ある程度高Tgで低融点の
ポリエステルを得ることができるが充分ではない。汎用
のポリエステルは、PET成分すなわちテレフタル酸と
エチレングリコールを基本成分とし、イソフタル酸、ネ
オペンチルグリコール、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族グ
リコールなどを導入したものであり、本発明で目標とす
る特性は得られない。
しTgが高くなるが、非対称性のため結晶性が低下し融
点は低くなる。したがってイソフタル酸をモノマー成分
として導入することにより、ある程度高Tgで低融点の
ポリエステルを得ることができるが充分ではない。汎用
のポリエステルは、PET成分すなわちテレフタル酸と
エチレングリコールを基本成分とし、イソフタル酸、ネ
オペンチルグリコール、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族グ
リコールなどを導入したものであり、本発明で目標とす
る特性は得られない。
【0022】これに対して、本発明で用いられるポリエ
ステル樹脂は、シクロヘキサンジメタノールが脂環構造
を有し分子内での運動が困難であることからTgは高く
なるが、異性体が存在することから非対称性であり結晶
性は低く融点が低くなるものと推測する。このような現
象はイソフタル酸と軌を一にするものではあるが効果は
格段に大きい。その理由は明らかではないが、シクロヘ
キサン環という異質な成分を導入することにより、より
結晶性が低下しているのではないかと推測される。
ステル樹脂は、シクロヘキサンジメタノールが脂環構造
を有し分子内での運動が困難であることからTgは高く
なるが、異性体が存在することから非対称性であり結晶
性は低く融点が低くなるものと推測する。このような現
象はイソフタル酸と軌を一にするものではあるが効果は
格段に大きい。その理由は明らかではないが、シクロヘ
キサン環という異質な成分を導入することにより、より
結晶性が低下しているのではないかと推測される。
【0023】
【実施例】つぎに本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、以下において部は重量部を意味する。
説明する。なお、以下において部は重量部を意味する。
【0024】[実施例1]テレフタル酸、イソフタル
酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールをモ
ル比50:50:50:50で共重合し、融点約60℃
のポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂に融
点約60℃のパラフィンワックスを5%加え、さらに適
量のカーボンブラックを加え分散したものを、厚さ4.
5μmの片面耐熱滑性処理を施したPETフィルムの未
処理面に、2g/m2塗布しインクリボンを得た。
酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールをモ
ル比50:50:50:50で共重合し、融点約60℃
のポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂に融
点約60℃のパラフィンワックスを5%加え、さらに適
量のカーボンブラックを加え分散したものを、厚さ4.
5μmの片面耐熱滑性処理を施したPETフィルムの未
処理面に、2g/m2塗布しインクリボンを得た。
【0025】一方、テレフタル酸、イソフタル酸、セバ
シン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールをモル比35:35:
30:35:45:20で共重合し、分子量約2万で、
融点、Tgとも約50℃のポリエステル樹脂を得た。こ
の樹脂をトルエン:メチルエチルケトン=1:1の混合
溶剤など適当な溶剤で溶解し、厚さ100μmの白色P
ETに乾燥塗布量が1g/m2となるように塗布、乾燥
し受像体を得た。
シン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールをモル比35:35:
30:35:45:20で共重合し、分子量約2万で、
融点、Tgとも約50℃のポリエステル樹脂を得た。こ
の樹脂をトルエン:メチルエチルケトン=1:1の混合
溶剤など適当な溶剤で溶解し、厚さ100μmの白色P
ETに乾燥塗布量が1g/m2となるように塗布、乾燥
し受像体を得た。
【0026】前記のインクリボンと受像体とを組み合わ
せ、ワープロ(ルポJW−95GP:東芝製)にて印字
を行ったところ、地汚れのない良好な印字が行われた。
また、60℃×90%RH×96Hの保存試験後も正常
な印字が行われた。また、印字したサンプルを用い、以
下のようにして堅牢性試験を行ったところ、印字画像は
ほとんど消えなかった。
せ、ワープロ(ルポJW−95GP:東芝製)にて印字
を行ったところ、地汚れのない良好な印字が行われた。
また、60℃×90%RH×96Hの保存試験後も正常
な印字が行われた。また、印字したサンプルを用い、以
下のようにして堅牢性試験を行ったところ、印字画像は
ほとんど消えなかった。
【0027】堅牢性(耐消しゴム):印字した試料をス
テンレス板に貼り付け、ヘイドン表面性試験機(HEI
DON−14D)を用いプラスチック消しゴム(ラビッ
ト社製電動替えゴム500P:直径5mm円柱形状)を
セットし荷重300g(1.5kg/cm2)速度6m/
分にて100往復の摩擦を行った。
テンレス板に貼り付け、ヘイドン表面性試験機(HEI
DON−14D)を用いプラスチック消しゴム(ラビッ
ト社製電動替えゴム500P:直径5mm円柱形状)を
セットし荷重300g(1.5kg/cm2)速度6m/
分にて100往復の摩擦を行った。
【0028】堅牢性(耐アルコール):上記プラスチッ
ク消しゴムの下にエチルアルコールを浸したネル布を置
き荷重400g(2.0kg/cm2)速度6m/分にて
100往復の摩擦を行った。
ク消しゴムの下にエチルアルコールを浸したネル布を置
き荷重400g(2.0kg/cm2)速度6m/分にて
100往復の摩擦を行った。
【0029】[比較例1]テレフタル酸、イソフタル
酸、セバシン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグ
リコールをモル比40:50:10:50:50で共重
合し、分子量約23,000、融点約160℃、Tg約
50℃のポリエステル樹脂を得た。この樹脂を用いて実
施例と同様に受像体を作成し、試験を行ったところ、感
度不足により印字かすれが発生した。保存性は良好であ
った。また堅牢性試験では、アルコールは良好であった
が、消しゴムで若干印字が消えた。
酸、セバシン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグ
リコールをモル比40:50:10:50:50で共重
合し、分子量約23,000、融点約160℃、Tg約
50℃のポリエステル樹脂を得た。この樹脂を用いて実
施例と同様に受像体を作成し、試験を行ったところ、感
度不足により印字かすれが発生した。保存性は良好であ
った。また堅牢性試験では、アルコールは良好であった
が、消しゴムで若干印字が消えた。
【0030】[比較例2]テレフタル酸、セバシン酸、
エチレングリコール、ネオペンチルグリコールをモル比
70:30:50:50で共重合し、分子量約23,0
00、融点120℃、Tg約7℃のポリエステル樹脂を
得た。この樹脂で実施例と同様に受像体を作成し、同様
の試験を行ったとろこ、印字かすれはなかったが、地汚
れが発生し、また保存試験でブロッキングが発生した。
堅牢性試験は、アルコール、消しゴムとも若干印字が消
えた。
エチレングリコール、ネオペンチルグリコールをモル比
70:30:50:50で共重合し、分子量約23,0
00、融点120℃、Tg約7℃のポリエステル樹脂を
得た。この樹脂で実施例と同様に受像体を作成し、同様
の試験を行ったとろこ、印字かすれはなかったが、地汚
れが発生し、また保存試験でブロッキングが発生した。
堅牢性試験は、アルコール、消しゴムとも若干印字が消
えた。
【0031】 [表1] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 比 較 例 ────── ─────────── 1 1 2 ─────────────────────── ─────────── 酸成分(モル%) テレフタル酸 35 40 70 イソフタル酸 35 50 − セバシン酸 30 10 30 ─────────────────────── ─────────── アルコール成分(モル%) エチレングリコール 35 50 50 ネオペンケルグリコール 45 50 50 シクロヘキサンジメタノール 20 − − ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ポリエステル樹脂 融点(℃) 50 160 120 〃 Tg(℃) 50 50 7 ──────────────────────────────────── 印字かすれ ○ △ ○ 地汚れ ○ ○ × 保存性 ○ ○ × 堅牢性 ○ △ △ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0032】
【発明の効果】本発明の受像体は、優れた保存性を有
し、しかも市販のワープロ、プリンターを用いて高感度
で堅牢性の高い印字を行うことができる。
し、しかも市販のワープロ、プリンターを用いて高感度
で堅牢性の高い印字を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 尚史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 平松 二美生 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 菅原 英男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス転移点が40℃以上であり、かつ
融点が150℃以下であるポリエステル樹脂を含む受像
層を基材上に設けてなる受像体。 - 【請求項2】 ポリエステル樹脂のアルコール成分の1
種として脂環式多価アルコールを用いた請求項1記載の
受像体。 - 【請求項3】 脂環式多価アルコールがシクロヘキサン
ジメタノールである請求項2記載の受像体。 - 【請求項4】 ポリエステル樹脂が酸成分の1種として
テレフタル酸を用い、アルコール成分の1種としてエチ
レングリコールを用いたものである請求項2記載の受像
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5230983A JPH0761153A (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 受像体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5230983A JPH0761153A (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 受像体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0761153A true JPH0761153A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16916395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5230983A Pending JPH0761153A (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 受像体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0761153A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004071783A1 (en) | 2003-02-10 | 2004-08-26 | 3M Innovative Properties Company | Marking film, receptor film and marking film for panes |
KR101403198B1 (ko) * | 2010-11-17 | 2014-06-02 | 엔이씨 카시오 모바일 커뮤니케이션즈 가부시키가이샤 | 안테나 및 그 안테나를 구비한 휴대 단말기 |
-
1993
- 1993-08-23 JP JP5230983A patent/JPH0761153A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004071783A1 (en) | 2003-02-10 | 2004-08-26 | 3M Innovative Properties Company | Marking film, receptor film and marking film for panes |
KR101403198B1 (ko) * | 2010-11-17 | 2014-06-02 | 엔이씨 카시오 모바일 커뮤니케이션즈 가부시키가이샤 | 안테나 및 그 안테나를 구비한 휴대 단말기 |
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