JP2538479B2 - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JP2538479B2
JP2538479B2 JP4108698A JP10869892A JP2538479B2 JP 2538479 B2 JP2538479 B2 JP 2538479B2 JP 4108698 A JP4108698 A JP 4108698A JP 10869892 A JP10869892 A JP 10869892A JP 2538479 B2 JP2538479 B2 JP 2538479B2
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祐三 中村
正幸 経免
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Nissha Printing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の耐損傷性、耐薬
品性などに優れた転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐損傷性、耐薬品性などに優
れた基材表面を転写後に得られる転写箔としては、離型
性シート1の離型面上に、電離放射線硬化性樹脂からな
る表面保護層2が設けられ、その上に模様層5、接着剤
層6などが設けられているものがある(図2参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表面保護層
は、次に設けられた模様層、接着剤層などの層との密着
性が電離放射線照射による硬化後に弱かった。
【0004】したがって、本発明は、表面保護層と接着
剤層などの層との間の密着性に優れた転写箔を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の転写箔は、離型性シートの離型面上に、
電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層が設けられ、
その上にポリウレタン樹脂とポリウレタン相溶アクリル
樹脂とイソシアネートとからなる第一中間層が設けら
れ、さらにアクリル系樹脂からなる第二中間層が設けら
れ、その上に少なくとも接着剤層が設けられるように構
成した。
【0006】また、上記構成において、第二中間層と接
着剤層との間に模様層を設けることもできる。
【0007】以下に、本発明の転写箔を図を用いてさら
に詳しく説明する。図1は本発明の転写箔の一実施例を
示す断面図、図2は従来の転写箔を示す断面図である。
1は離型性シート、2は表面保護層、3は第一中間層、
4は第二中間層、5は模様層、6は接着剤層をそれぞれ
示す。
【0008】離型性シート1としては、ポリブチレンテ
レフタレートフィルム・アクリロニトリルブタジエンス
チレンフィルム・アクリルフィルム・ポリエチレンテレ
フタレートフィルムやポリプロピレンフィルム・ポリエ
チレンフィルム・ナイロンフィルム・セロハンフィルム
などの、離型性を有するフィルムやフィルム面に離型処
理が施されたものが使用される。
【0009】離型性シート1の離型面上に、表面保護層
2が設けられる。表面保護層2は、転写後に最上層とな
り、転写前あるいは転写後に電離放射線を照射すること
により硬化して転写後の基材表面の耐損傷性、耐薬品性
などを向上させる層である。表面保護層2としては、電
離放射線硬化性樹脂、すなわち反応型プレポリマー、多
官性オリゴマーあるいはそれらの混合物のうちいずれか
に反応型希釈剤を混合し、必要により光重合開始剤を添
加したものが用いられる。反応型プレポリマーには、重
合性二重結合を有するプレポリマーおよびエポキシ基を
有するプレポリマーがあり、多官性オリゴマーには、重
合性二重結合を有するオリゴマーおよびエポキシ基を有
するオリゴマーがある。重合性二重結合を有するプレポ
リマーまたはオリゴマーとしては、(1)不飽和ジカル
ボン酸またはその無水物と多価アルコールのポリ縮合物
からなる不飽和ポリエステル組成物、(2)比較的低分
子量のアルキドまたはポリエステルの残余OH基にアク
リル酸を縮合したアルキドアクリレートまたはポリエス
テルアクリレート、(3)ポリオールとジイソシアネー
トとを反応させた末端イソシアネートウレタンプレポリ
マーにヒドロキシル基をもつアクリレートを反応させる
ことにより得られるウレタンアクリレート、(4)シリ
コンオリゴマーにアクリロイル基を導入したシリコンア
クリレート、(5)ポリブタジエンオリゴマーの末端に
アクリロイル基を導入したジエン系アクリレート、
(6)メラミンオリゴマーにアクリロイル基を導入した
メラミンアクリレート、(7)低分子量のビニル共重合
体の側鎖の官能基を利用してアクリロイル基を導入した
もの、(8)前記(1)〜(7)のアクリルオリゴマー
をイソシアネート化合物、エポキシ化合物、油脂類など
で変成した組成物などがある。また、エポキシ基を有す
るプレポリマーまたはオリゴマーとしては、(1)エポ
キシ樹脂にアクリル酸をエステル付加させて得られるエ
ポキシアクリレート、(2)光によって分解してルイス
酸を発生する化合物を光開始剤としてエポキシ化合物を
開環重合させる組成物、などがある。また、反応型希釈
剤としては、たとえばビニルピロリドン、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレートなどを使用する
ことができる。また、光重合開始剤は必要により添加す
る。すなわち、紫外線照射を施す場合には添加し、電子
線照射を施す場合には添加しない。使用し得る光重合開
始剤としては、たとえばベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベン
ゾエート、クロロチオキサントン、2・2−ジエトキシ
アセトフェノン、2−メチルチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、1−フェニル−1・2−プロ
パンジオン−2−(0−エトキシカルボニル)、1−フ
ェニル−1・2−プロパンジオン−2−(0−ベンゾイ
ル)オキシムなどがある。基体シート1上に表面保護層
2を形成するには、上記の混合物からなるインキをロー
ルコート方法、グラビアコート法などにより塗布する。
また、表面保護層2への電離放射線の照射は、表面保護
層2中に光重合開始剤が添加されている場合は紫外線照
射を施し、光重合開始剤が添加されていない場合は電子
線照射を施す。各種照射の時間は特に限定されていない
が、3〜10秒で表面保護層2を十分に硬化させることが
できる。
【0010】表面保護層2上に第一中間層3が設けられ
る。第一中間層3は、ポリウレタン樹脂とポリウレタン
相溶アクリル樹脂とイソシアネートの混合物であり、電
離放射線などの照射を施すことなしに硬化する。第一中
間層3の形成方法としては、グラビアコート法により上
記の混合物インキを塗布する。第一中間層3中のポリウ
レタン樹脂およびイソシアネートによって表面保護層2
と第一中間層3との密着が得られる一方、第一中間層3
中のポリウレタン相溶アクリル樹脂によって第二中間層
4と第一中間層3との密着が得られる。
【0011】第一中間層3上に第二中間層4が設けられ
る。第二中間層4はアクリル系樹脂のみからなる層であ
り、次に設けられる接着剤層6や模様層5などの層との
密着性がよい層である。第二中間層4の形成方法として
は、グラビアコート法などがある。
【0012】第二中間層4上には、少なくとも接着剤層
6が設けられる。接着剤層6としては、成形品の樹脂の
種類により適宜、設計変更する必要があるが、たとえ
ば、成形品の樹脂がポリスチレン・アクリロニトリルス
チレン樹脂・アクリロニトリルブタジエンスチレン共重
合樹脂・メタクリル酸メチル樹脂・ノリル・ポリカーボ
ネートなどの場合は、アクリル樹脂・スチレン樹脂・ポ
リアミドなどを使用すればよい。また、成形品の樹脂が
ポリエチレン・ポリプロピレンなどの場合は、塩素化ポ
リオレフィン・塩素化エチレン酢酸ビニル共重合樹脂・
環化ゴム・クマロンインデン樹脂などが使用可能であ
る。また、その他の各種成形品の樹脂の材質に対応し
て、飽和ポリエステル樹脂、硝化綿なども使用すること
ができる。接着層4の形成方法としては、グラビアコー
ト法などがある。
【0013】また、第二中間層4と接着剤層6との間に
模様層5を設けることもできる。模様層5としては、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体・ポリアミド・ポリエステ
ル・ポリアクリル・ポリウレタン・ポリビニルアセター
ル・ポリエステルウレタン・塩化ゴムなどの熱可塑性樹
脂を樹脂バインダーとして用い、適切な色の染顔料を着
色材として含有するものを使用する。模様層5の形成方
法としては、グラビア印刷法・スクリーン印刷法などの
通常の印刷法がある。また、模様層5が接着性を有して
いてもよい。
【0014】また、金属や金属酸化物からなる蒸着層が
第二中間層4と接着剤層6との間に一層設けられていて
もよい。蒸着層に用いられる金属としては、ニッケル・
クロム・スズ・インジウム・アルミニムなどがあり、真
空蒸着法・スパッタリング法・イオンプレーティング法
などにより形成される。
【0015】
【実施例】ポリエチレンテレフタレートフィルムを離型
性シート1とし、その上に次の組成よりなる表面保護層
2をグラビアコート法により形成する。 エポキシアクリレート 80部 ヒドロキシエチルアクリレート 10部 テトラヒドロフルフリルアクリレート 10部 ベンゾインエチルエーテル 3部 この上にポリウレタン樹脂とポリウレタン相溶アクリル
樹脂とイソシアネートからなる第一中間層3がグラビア
コート法により設けられる。その上にアクリル系樹脂か
らなる第二中間層4がグラビアコート法により設けられ
る。さらに、その上に、ポリエステル樹脂中に顔料を着
色材として含有させた模様層5をグラビア印刷法により
部分的に形成するその上に、スチレン樹脂よりなる接着
剤層6をグラビアコート法により形成する。
【0016】上記転写箔を用いてプラスチック成型品に
転写を行ない、その後80w/cmの高圧水銀灯で2秒間紫
外線照射を施した結果、表面の耐損傷性、耐薬品性など
に優れ、かつ表面保護層2と模様層5および接着剤層6
との間の密着性に優れた転写層を基材上に形成できた。
【0017】
【発明の効果】本発明の転写箔は、離型性シートの離型
面上に、電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層が設
けられ、その上にポリウレタン樹脂とポリウレタン相溶
アクリル樹脂とイソシアネートとからなる第一中間層が
設けられ、さらにアクリル系樹脂からなる第二中間層が
設けられ、その上に少なくとも接着剤層が設けられてい
るように構成した。
【0018】この層構成において、表面保護層と第一中
間層とは、第一中間層中のポリウレタン樹脂およびイソ
シアネートにより密着性がよい。また、第一中間層と第
二中間層とは、第一中間層中のポリウレタン相溶アクリ
ル樹脂により密着性がよい。さらに、第二中間層と接着
剤層や模様層などの次に設けられる層とは、第二中間層
のアクリル系樹脂により密着性がよい。
【0019】したがって、この転写箔は、表面の耐損傷
性、耐薬品性などに優れ、かつ表面保護層と接着剤層な
どの層との間の密着性に優れた転写層を基材上に形成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写箔の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】従来の転写箔を示す断面図である。
【符号の説明】
1 離型性シート 2 表面保護層 3 第一中間層 4 第二中間層 5 模様層 6 接着剤層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性シートの離型面上に、電離放射線
    硬化性樹脂からなる表面保護層が設けられ、その上にポ
    リウレタン樹脂とポリウレタン相溶アクリル樹脂とイソ
    シアネートとからなる第一中間層が設けられ、さらにア
    クリル系樹脂からなる第二中間層が設けられ、その上に
    少なくとも接着剤層が設けられていることを特徴とする
    転写箔。
  2. 【請求項2】 第二中間層と接着剤層との間に模様層が
    設けられている請求項1記載の転写箔。
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