JP2538318B2 - アスファルト層の簡易施工方法 - Google Patents

アスファルト層の簡易施工方法

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JP2538318B2 JP63179922A JP17992288A JP2538318B2 JP 2538318 B2 JP2538318 B2 JP 2538318B2 JP 63179922 A JP63179922 A JP 63179922A JP 17992288 A JP17992288 A JP 17992288A JP 2538318 B2 JP2538318 B2 JP 2538318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は「アスファルト層の簡易施工方法」に関する
ものである。
さらに詳しくは、本発明は道路工事などの土木作業に
おいて行なうような施工厚さの厚いアスファルト層を形
成させる際に適用する方法ではなく、主に耐酸,耐アル
カリなどの防蝕の目的で建物の床,機器の表面などに比
較的施工厚さの薄い施工面を形成させる際に特に有効な
「アスファルト層の簡易施工方法」であり,主要材料を
混合することなく複数回に分けて散布する「アスファル
ト層の簡易施工方法」に関するものである。
[従来技術] 従来から使用されていたアスファルト層の施工方法と
しては (1)アスファルト 予め余熱乾燥した硅石などの骨材 耐酸,耐アルカリ,硬度調整剤などのアスファルト添
加剤 などが所定の比率で混合された混合物を容器中に投入し (2)専用の加温機を用いて各成分が均質に分散するよ
うに撹拌,加温熔融後 (3)基礎,床などの被施工面に流出させ (4)ロールなどで加圧して略平面となし (5)一定時間放冷後固化 させて被覆する方法が主流であった。
また,小規模のアスファルト層の施工作業において
は,平滑な面になるように加圧加工する場合,ハンデイ
ーな焼きゴテなどを用いる場合もある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,上記のような施工方法では以下のよう
な問題がある。
すなわち,上記のように骨材などを含有したアスファ
ルト混合物を撹拌,熔融する場合,骨材などの含有量に
もよるが,混合物の粘度が非常に高いため撹拌作業が困
難な場合があった。
撹拌作業をスムーズに行うためには機械混合する場合
に出力の大きなモーターを備えた攪拌機を必要とし,ま
た,手作業で撹拌する場合には複数の作業者が協力して
行う必要があった。
また,上記のような撹拌作業終了後,基礎,床などの
被施工面に流出させる場合にも混合物の粘度が高いため
容器から流出させにくく,その後の加圧作業においても
困難を伴う。
さらに,被施工面に流出されたアスファルト混合物の
厚さ,即ち,施工後のアスファルト層の厚さを調整しよ
うとしても調整がしにくい。
特に厚さを薄くしようとするとロール等による加圧作
業を長時間かけて行う必要がある。
加圧作業を長時間かけて行ったとしても形成されたア
スファルト層はアスファルトと骨剤などとが均一になっ
ていない場合があり,基礎,床などの被施工面への付着
性に劣っているため,強度的に問題となる。
施工面に流出されたアスファルト混合物の厚さが厚い
場合には経時的にヒビ割れなどが生じることもある。
ヒビ割れなどが生じると例えそれが小さなヒビ割れで
あっても薬剤などが徐々に浸透していくので用途によっ
ては重大な問題をひき起こす場合がある。
[発明の目的] 本発明は、従来法のこのような欠点を除去して、従来
法にはない特性をもった施工方法を提供することを目的
としている。
本発明者は鋭意検討した結果,本発明を完成させた。
[発明の構成] すなわち,本発明は 「(a)骨材を含有しないアスファルト混合物を熔融後 (b)基材上に散布し,該アスファルトの固化前,また
は固化後 (c)骨剤を該アスファルト層の上部に散布し (d)骨剤散布面をガスバーナーまたは電熱ヒーターを
用いて加温する ことを特徴とするアスファルト層の簡易施工方法」であ
る。
以下に本発明の「アスファルト層の簡易施工方法」を
詳細に述べることにする。
本発明のポイントは「被施工面上に散布されて固形化
した後のアスファルト,または固形化前ではあるが粘度
が高くなった状態のアスファルトの上に骨剤を散布した
後,加熱ヒーターなどで加熱してアスファルトを熔融さ
せて骨剤などをアスファルト中に自重で沈下埋設させる
か,または,熔融されたアスファルトが乱流を起こして
散布された骨剤を巻き込む現象を利用している」ところ
にある。
本発明で述べる骨材を含有しないアスファルト混合物
とは主成分であるアスファルトの他に乳化剤,水性エマ
ルジョンなどの固形物以外の添加剤などを含有している
もの,またはアスファルト単独のいずれをも含むものと
する。
本発明で述べる基材というのは被施工面として工事の
対象となる可能性のある全てのものを含むものとする。
さらに,本発明で述べる骨剤というのはアスファルト
分に溶解せず常温で固形であり,通常混合されて用いら
れるものを全て含むものとする。
さらに,本発明で述べる加温という操作を行う目的は
以下の通りである。
すなわち,被施工面に散布され,固化後または熔融し
てはいるが固化直前の比較的温度が低下して粘度が高く
なった状態のアスファルト混合物を熔融させること,ま
たは昇温して粘度を低下させることを含むものとする。
以下に本発明の「アスファルト層の簡易施工方法」を
実際に行う場合の状況を図面を用いて説明する。
第1図は「本発明のアスファルト層の簡易施工方法」
を実施する場合の第1段階であり,骨材を含有しないア
スファルトのみを熔融後,基礎,床などの被施工面へ散
布した状態を示す横断面図である。
第2図は第1図の被施工面上へ散布されたアスファル
トの上に骨剤を散布した直後の状態を示す第2段階の横
断面図である。
第3図は第2図の被施工面上に散布されたアスファル
トの上に骨剤を散布した後加熱ヒーターなどで加熱して
アスファルトを軟化させて骨剤などをアスファルト中に
自重で沈下埋設させるかまたはアスファルトが乱流を起
こして散布された骨剤を巻き込む現象により埋設された
状態を示す最終段階の横断面図である。
第1図において,1−1は対象となる具体的な被施工面
である床または機器などの表面上に散布されたアスファ
ルト,2−2は床または機器などの表面である。
第2図において,3−3が硅石などの骨剤であり,アス
ファルト1−1が未だ硬化しないうちは自然にアスファ
ルトの内部に自重で一部が沈降する場合もあり得る。
第3図において,3-−3-が加温された結果熔融したア
スファルト1−1中に沈下埋設された骨剤である。
本発明の「アスファルト層の簡易施工方法」において
対象となる被施工面の材料はコンクリート,レンガ,石
材および金属などがあるが,その他のものでも使用し得
る。
また,工場,特に,化学工場などで取り扱う物質が腐
蝕性の物質である場合,機器を設置する床だけではなく
空間に配置された作業場の踏み板,階段の踏み板,また
は機器自身の表面などにも適用し得る。
被施工面の状態は特に限定される訳ではなく平らで
も,また,細かい凹凸があっても,さらに,カーブして
いても構わない。
凹凸を有する被施工面としては階段の踏み板などが代
表的なものである。
骨材を含有しないアスファルトのみを熔融するのは従
来から用いられている方法と特に変わったやり方を採用
する必要はない。
基礎,床などの被施工面へ散布する際の散布面の厚さ
は1〜10mm程度,好ましくは,3〜5mm程度である。
被施工面へ散布されるアスファルトの散布面の厚さが
1mm未満の場合には骨剤などが露出することがあり,好
ましくない。
逆に被施工面へ散布されるアスファルトの散布面の厚
さが10mmを越える場合には本発明の特徴が生かされるこ
とがないので好ましくない。
熔融したアスファルトを散布する方法は特に限定され
ない。
スプレー方式でも良いし,また,被施工面の面積が狭
い場合にはハケ塗り方式で行なっても構わない。
また,散布される骨剤は硅石,一般に使用されている
川砂,海砂,礫など,または細かく粉砕された砂利など
制限されない。
散布される骨剤は上記のものを複数種類混合して用い
ても良い。
散布される骨剤のサイズは0.1〜10mm,好ましく,0.5〜
2.5mmである。
散布される骨剤のサイズが0.1mm未満の場合は添加す
る効果が小さく,逆に10mmを越える場合には例え,最密
充填状態になっても骨剤同志の隙間があき過ぎるので好
ましくない。
散布される骨剤とアスファルト量の混合比率は散布さ
れる被施工面の種類または用途によって,また,アスフ
ァルト散布面の厚さとの関係で決められるものである
が,アスファルトの散布量に対して10〜90%,好ましく
は,30〜80%である。
アスファルトの散布量に対して10%未満だと骨剤を添
加する効果が発揮されないので好ましくない。
骨剤を添加した場合の効果というのは硬化したアスフ
ァルト層の見掛けの硬度が向上し耐摩耗性を向上させる
効果と,被施工面が床,階段の踏み板などの場合には作
業者がスリップする危険性を軽減させる効果である。
逆に,アスファルトの散布量に対して90%を越える場
合には骨剤がアスファルトによって完全に被覆されない
場合があるので好ましくない。
骨剤はアスファルトが散布された直後,即ち,未だア
スファルトが硬化していない状態の時に散布しても良い
が,骨剤の散布が均一になされなければ表面の状態を均
一に仕上げることができない。
したがって,アスファルトが一旦硬化した後に行った
方が好ましい。
アスファルトが一旦硬化した後に散布するのであれば
骨剤をたとえ不均一に散布しても後で表面のならし作業
を行えば均一に仕上げることが可能である。
この時の状態が第2図である。
本発明の特徴はこの第2図に示された状態のものに対
してガスバーナー,熱風ヒーターなどを用いて加熱して
一旦硬化したアスファルトを再度熔融させ,その際,硬
化したアスファルトの上に散布された骨剤をアスファル
ト中に埋設させるところにある。
アスファルト中へ骨剤が埋設されるメカニズムは骨剤
の自重による沈下とアスファルトが熔融され熱によって
起きる渦流または対流またはそれらの相乗作用によるた
めである。
アスファルトの表面から骨剤が見えなくなれば加熱作
業を終了する。
この時の状態が第3図である。
このまま一定時間放置すればアスファルトは硬化して
骨剤の表面が露出していない滑らかな表面を形成する。
この後アスファルトの表面をローラーなどで加圧して
仕上げても良いし,たとえ加圧しなくても実用的には問
題ない平面度合いが得られる。
以上の方法により被施工面の種類にかかわらず,ま
た,薄いアスファルト被覆層にもかかわらず密着度が向
上する。
[発明の効果] 本発明の「アスファルト層の簡易施工方法」を実施し
た場合,以下のような効果が発揮される。
従来の方法より施工厚さを薄くすることができる。
施工時間が短縮される。
施工労力が軽減される。
施工金額が安価になる。
被施工面が従来法によって施工された場合と比較して
滑らかである。
被施工面とアスファルト層との密着度が向上する。
大型の工事用機器が不要である。
形成されたアスファルト層の表面には亀裂などが形成
されにくいので被施工面に対する防蝕効果が優れてい
る。
各種の材料の使用量の調製が可能であるので経済的で
ある。
骨剤とアスファルトとの混合比率を適宜調製すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の「アスファルト層の簡易施工方法」を
実施する場合の第1段階の横断面図,第2図は第1図の
被施工面上へ骨剤を散布した直後の状態を示す第2段階
の横断面図,第3図は第2図の被施工面上へ骨剤を散布
した後加熱ヒーターなどで加熱してアスファルトを軟化
させて骨剤などをアスファルト中に埋設させた状態を示
す最終段階の横断面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)骨材を含有しないアスファルト混合
    物を溶融後 (b)基材上に散布し、該アスファルトの固化前、また
    は固化後 (c)骨材を該アスファルト層の上部に散布し (d)骨材散布面をガスバーナーまたは電熱ヒーターを
    用いて加温する ことを特徴とするアスファルト層の簡易施工方法。
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JPS6059205A (ja) * 1983-09-09 1985-04-05 日瀝化学工業株式会社 歴青質薄層舗装体の施工方法
JPH0726362B2 (ja) * 1985-04-08 1995-03-22 日瀝化学工業株式会社 歴青質舗装体の施工方法

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