JP2537884Y2 - 液体噴出器の押下げヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、ポンプ式液体噴出器の押下げヘッドに係る。
尚本案で液体噴出器とは、液体をそのまま噴出するもの
のほか、霧化或いは泡化して噴出する噴出器も含む。

「従来の技術」 容器体内に垂設された吸込み弁付きシリンダ内に筒状
ピストンを嵌合させ、かつ該筒状ピストンから起立する
ステム上端にノズル付き押下げヘッドを嵌合させて、該
押下げヘッドを上下動させることで、容器体内液体がシ
リンダ内へ吸込みされ、かつ押下げヘッドのノズルから
噴出されるよう設けた液体噴出器が知られているが、そ
の筒状ピストンとステムと押下げヘッドとからなる作動
子は、シリンダに内装されたスプリングにより上方へ付
勢させるから、その噴出器付き容器包装の際に嵩ばるこ
ととなる。よって上記作動子を下限まで押下げた状態で
包装するため、シリンダ上端部に雌ねじ筒を固定すると
共に、押下げヘッドの頂壁下面から垂下させたステム嵌
合筒の下部を小外径化して該小外径部を雄ねじ筒とな
し、該雄ねじ筒を上記雌ねじ筒に螺合させて包装するこ
とが行われている。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来液体噴出器の押下げヘッド20は、第４図と第
５図が示すようにステム嵌合筒23下部を小外径とし、該
小外径部分を雄ねじ筒24としてシリンダ上端部に嵌着さ
せた雌ねじ筒に螺合させるが、その締付けが輸送時の震
動等で弛まないよう、雄ねじ筒上方のステム嵌合筒部分
を大外径としてその下端面で下向き段部を形成し、その
締付け時にその下端面が雌ねじ筒上面へ圧接してその摩
擦係合により上記弛みが生じないよう設けている。

しかしそのように形成すると、その押下げヘッド20を
合成樹脂材で射出成形する際、ステム嵌合筒の大外径部
分23aが肉厚となるために、射出成形用金型内での溶融
樹脂材料冷却に要する時間が長くなり、従って成形サイ
クルが低下する欠点があり、又押下げヘッドの雄ねじ筒
締付けを適度の力で行わないと、その締付けが強すぎる
場合は消費者がその螺脱を行い難く、又締付けが弛い場
合は輸送時の震動により螺脱して困るものであった。

本案は合成樹脂製押下げヘッドの成形サイクルを向上
できると共に、そのステム嵌合筒下部の雄ねじ筒締付け
の際に強く締付けても、その押下げヘッドの螺脱が困難
とならない適度の締付け状態が得られるよう設けたもの
である。

「課題を解決するための手段」 頂壁下面から垂下するステム嵌合筒23の下部を雄ねじ
筒24とした液体噴出器の合成樹脂製押下げヘッド20にお
いて、上記雄ねじ筒24上方の筒部分を雄ねじ筒の谷径と
ほぼ同外径とし、かつ該筒部分外周面へ、ほぼ等間隔に
複数の縦リブ25を付設した。

「実施例」 まず第３図により液体噴出器について簡単に説明する
と、１は容器体内へ垂設されるシリンダで、その底部に
吸込み弁２を有し、かつ下端から吸上げパイプ３を垂設
する。シリンダ上端部には容器体口頚部の上端面へパッ
キング４を介して係合させる外向きフランジ５を付設
し、かつ該フランジ内周部からは嵌合筒６を起立する。

上記シリンダ１内へは作動子10下部を嵌合させてい
る。該作動子はシリンダ内へ嵌合させた筒状ピストン11
からステム12を起立し、該シテム上端にノズル22付きの
押下げヘッド20を嵌着させたものである。ステム上端に
は吐出弁14を設ける。又、該作動子はスプリング15によ
り上方へ付勢してあり、図示例ではその付勢に抗して作
動子10を押下げ、押下げヘッドの頂壁21から垂設したス
テム嵌合筒23の下部で形成した雄ねじ筒24を、シリンダ
上端から起立する嵌合筒６に嵌着させた雌ねじ筒７に螺
合させている。尚８はステム12内へ挿入させて起立させ
た案内杆である。

上記液体噴出器において本案では、その押下げヘッド
20の頂壁21下面から垂下するステム嵌合筒23の雄ねじ筒
上方筒部分を、雄ねじ筒24の谷径とほぼ同外径とし、か
つ該筒部分外周面へ、ほぼ等間隔に複数の縦リブ25を付
設した。該縦リブ先端円の直径は雄ねじ筒の山径よりも
大とするがよい。その縦リブ数は図示のように８箇程度
設ければよい。

「考案の効果」 本案は上記構成とするもので、押下げヘッド20のステ
ム嵌合筒23下部が形成する雄ねじ筒24上方の筒部分を、
雄ねじ筒の谷径とほぼ同外径とし、かつ該筒部分の外周
面へ、ほぼ等間隔に複数の縦リブ25を付設したから、従
来のように、上記雄ねじ筒24上方の筒部分が肉厚となっ
て、そのため合成樹脂材による射出成形時において、そ
の肉厚部分を形成する溶融合成樹脂材料の固化冷却に時
間を要することがなく、その筒部分を肉薄とすることで
その冷却を早めることが出来るから、その成形サイクル
を向上させることが出来る。又押下げヘッド20を液体噴
出器の雌ねじ筒７に締付けたとき、その雌ねじ筒上端面
へは上記各縦リブ25の下端面だけが圧接することとな
り、従ってその押下げヘッドを締め過ぎた場合でもその
縦リブの弾性変形によってその締付け力が緩和されるこ
ととなり、消費者がその押下げヘッドを螺脱する際に、
その螺脱が困難となることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本案押下げヘッドを示すもので、第１
図はその斜視図、第２図はその底面図、第３図はその押
下げヘッドを液体噴出器に取付けた状態を示す半断面
図、第４図と第５図は従来例を示すもので、第４図はそ
の斜視図、第５図はその底面図である。 20……押下げヘッド、23……ステム嵌合筒 24……雄ねじ筒、25……縦リブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】頂壁下面から垂下するステム嵌合筒23の下
   部を雄ねじ筒24とした液体噴出器の合成樹脂製押下げヘ
   ッド20において、上記雄ねじ筒24上方の筒部分を雄ねじ
   筒の谷径とほぼ同外径とし、かつ該筒部分外周面へ、ほ
   ぼ等間隔に複数の縦リブ25を付設したことを特徴とする
   液体噴出器の押下げヘッド。