JP5106844B2 - 太陽光パネルを備えた屋根 - Google Patents

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Description

この発明は太陽光パネルを備えた屋根に関し、特にたとえば、瓦と太陽光パネルとの合い葺きである、太陽光パネルを備えた屋根に関する。
従来、一般住宅等の屋根に太陽光パネルを設ける場合には、瓦葺きの上に架台等を設け、その架台等の上に太陽光パネルを取り付けていた。しかし、これでは太陽光パネルが屋根から突出し、外観が見苦しい。特に、軒先側の金属屋根の上に被せるように和瓦を載せることによって軒先部を繊細に見せる一文字葺きに、太陽光パネルを搭載すると、一文字葺きの日本建築的な美観が損なわれてしまう。
このような問題を軽減するため、太陽光パネルを屋根に一体的に組み込むための技術が特許文献1に開示される。特許文献1の技術では、太陽光パネル設置部分の母屋上面の高さを、瓦などが設置される一般屋根部の母屋上面の高さよりも低くすることによって、屋根の基礎下地に段差を設けている。そして、太陽光パネル設置部分の基礎下地に金属板等の板葺きを設置し、その上に太陽光パネルを設けることによって、太陽光パネルが一般屋根部から突出しない構造としている。
特開平10−169129号公報[E04D 13/18]
しかし、特許文献1の技術では、屋根の基礎下地に段差を設けるため、一般的な屋根の基礎下地と異なる構造となる。したがって、他の一般的な屋根と兼用できない部材が多く、新規に部材の設定をする必要があるので、コストが高くなる。また、太陽光パネルの裏面が換気されにくい構造となっているため、特に夏場などには、太陽光パネルが高温になり、太陽光パネルのエネルギ変換効率が低下するという問題が生じる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、太陽光パネルを備えた屋根を提供することである。
この発明の他の目的は、太陽光パネルを備えながらも日本建築的な美感を表現できる、太陽光パネルを備えた屋根を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、コストを抑制できる、太陽光パネルを備えた屋根を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、温度上昇による太陽光パネルのエネルギ変換効率の低下を防止できる、太陽光パネルを備えた屋根を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、勾配を有する基本屋根下地、基本屋根下地上の棟側に所定高さを有するように設けられる瓦屋根下地、瓦屋根下地上に設けられる瓦、基本屋根下地上の軒側に設けられるかつ防水性を有する太陽光パネル下地、太陽光パネル下地上に設けられる太陽光パネル、および太陽光パネル下地と太陽光パネルとの間に第1空気通路を形成する空気通路形成手段を備え、瓦屋根下地は、その上面が太陽光パネルの上面と同一面となるように設けられる、太陽光パネルを備えた屋根である。
請求項1の発明では、太陽光パネルを備えた屋根(10)は、従来の工法によって面一に形成される勾配を有する基本屋根下地(24)を含む。基本屋根下地の棟側には、たとえば桟(28,30)や板材(32)などによって、所定高さを有するように形成される瓦屋根下地(26)が設けられる。この瓦屋根下地の上には、瓦(16)が葺かれる。また、基本屋根下地の軒側には、防水性を有する太陽光パネル下地(48)、たとえばカラーベストなどのスレート葺き材が設けられる。この太陽光パネル下地の上には、太陽光パネル(14)が設けられる。この際には、空気通路形成手段(50)によって、太陽光パネル下地と太陽光パネルとの間には、第1空気通路(58)が形成される。また、瓦屋根下地の所定高さは、瓦屋根下地の上面と太陽光パネルとの上面が同一面となるように設定される。
請求項1の発明によれば、所定高さを有する瓦屋根下地の上に瓦を設けたので、棟側の瓦と軒側の太陽光パネルとに段差が生じる。これによって、軒側の金属屋根に被るように和瓦を配置する一文字葺きの美観、つまり日本建築的な美観を、棟側の瓦と軒側の太陽光パネルとで表現できる。また、瓦屋根下地の上面と太陽光パネルの上面とを同一面としたので、太陽光パネルと瓦とを隙間無く連続するように施工することが可能となる。したがって、軒側の金属屋根に被るように和瓦を乗せる一文字葺き本来の一体感のある美観をより表現できる。
また、従来の工法によって面一に形成される基本屋根下地を基礎としているため、新規の納まりでも従来の工業化製品の部材を使用でき、新規に部材を設定することと比較してコストを抑えることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、瓦屋根下地は、外部と勾配方向に連通する第2空気通路を備える。
請求項2の発明では、瓦屋根下地(26)に、外部と勾配方向に連通する第2空気通路(34)を設ける。このように、軒側に太陽光パネル(14)を設け、その棟側に第2空気通路を有する瓦屋根下地を設けることで、太陽光パネルの裏面の熱せられた空気は、太陽光パネルと太陽光パネル下地(48)との間の第1空気通路を通って棟側に向かって上昇し、瓦屋根下地の第2空気通路を通って外部に排出される。
請求項2の発明によれば、太陽光パネルの裏面の熱せられた空気が効率よく換気されるので、太陽光パネルの温度上昇を抑えることができ、温度上昇による太陽光パネルのエネルギ変換効率の低下を防止できる。
請求項3の発明は、請求項の発明に従属し、瓦屋根下地は、基本屋根下地上に勾配方向に設けられる勾配桟、基本屋根下地上に水平方向に設けられる水平桟、勾配桟と水平桟とによって支持される板材、および第2空気通路を勾配方向に外部と連通するために水平桟に形成される切り欠きを備える。
請求項3の発明では、瓦屋根下地(26)は、勾配桟(28)、水平桟(30)、および勾配桟と水平桟とによって支持される板材(32)などによって形成される。また、瓦屋根下地は、基本屋根下地(24)と板材との間に形成される第2空気通路(34)を有する。水平桟には、切り欠け(36)が設けられており、この切り欠けを介して、第2空気通路は勾配方向に外部と連通する。したがって、請求項2の発明と同様に、太陽光パネルの裏面の熱せられた空気は、その裏面の第1空気通路を通って棟側に向かって流れ、瓦屋根下地の第2空気通路を通って外部に排出されるので、太陽光パネルの温度上昇を抑えることができ、温度上昇による太陽光パネルのエネルギ変換効率の低下を防止できる。
この発明によれば、瓦と太陽光パネルとによって日本建築的な美観を表現できる。また、従来と同様に形成される面一の基本屋根下地を基礎としているため、新規の納まりでも新規の部材を設定する必要が無く、従来の工業化製品を使用できるので、コストを抑制できる。さらに、瓦屋根下地に第2空気通路を形成すれば、太陽光パネルの裏面の熱せられた空気を効率よく換気できるので、太陽光パネルの温度上昇を抑えることができ、温度上昇による太陽光パネルのエネルギ変換効率の低下を防止できる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例の太陽光パネルを備えた屋根10(以下、単に「屋根10」という。)は、たとえば、数奇屋風一文字葺き住宅12(以下、単に「住宅12」という。)の南に面する屋根に適用される。一般的に、一文字葺きとは、和瓦と軒先側の金属屋根、たとえば銅板とで構成される合い葺きのことをいうが、この実施例では、金属屋根の代わりに太陽光パネル14を設ける。つまり、棟側の和瓦16と軒側の太陽光パネル14との合い葺きによって、一文字葺きの日本建築的な美観を表現する。なお、この実施例では、図示は省略するが、住宅12の東、西および北に面する屋根には、屋根10を適用しない。よって、その全面に和瓦16が従来通りに葺かれ、後述する瓦屋根下地26は設けられない。
図1に示すように、屋根10は、太陽光パネル部18および瓦部20を含む。太陽光パネル部18は、屋根10の軒側および妻側に並ぶように設けられる太陽光パネル14等によって構成される。太陽光パネル14は、複数の太陽電池セルを備え、強化ガラスや封止材などによって方形状にパッケージ化されたものである。また、その周囲には、金属や樹脂などによって形成されるフレーム56(図2参照)が方形枠状に取り付けられている。フレーム56の端部には、「コ」字状の断面形状を有する受部が形成されており、この受部に嵌め込むように後述する太陽光パネル固定金具50の接続部が接続される。このような太陽光パネル14には、公知の太陽光パネルを用いることができる。たとえば、三洋電機株式会社製のHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)太陽電池(型番:HIP−200B2)を用いることができる。
また、瓦部20は、屋根10の棟側に葺かれる和瓦16等によって構成される。和瓦16には、従来の和瓦を用いることができる。
なお、所定の大きさの太陽光パネル14では、屋根10の軒先側および妻側を適切に葺くこと、すなわち軒先側および妻側の全面を隙間無く覆うことができない場合がある。このような場合には、たとえば、軒先側の水平方向の端部や妻側の勾配方向の端部に、ダミーモジュール22を設けるとよい。ダミーモジュール22は、発電には利用されないが、外観が太陽光パネル14と類似しており、所望の形状への加工が容易なものである。ダミーモジュール22としては、たとえば、アルミニウム板の表面に太陽光パネル14のセルパターンを印刷したフィルムを貼り付けたもの等を使用するとよい。
また、図2〜図5に示すように、屋根10は、屋根10の基礎となる基本屋根下地24を含み、この基本屋根下地24の上に、上述の太陽光パネル部18および瓦部20が形成される。また、基本屋根下地24と瓦部20との間には、瓦屋根下地26が設けられる。
基本屋根下地24は、従来の工法によって勾配を有するように面一に形成される野地板であって、様々な屋根葺き材に対応できる施工方法である。
瓦屋根下地26は、上述したように、基本屋根下地24と瓦部20との間、つまり和瓦16が敷設される範囲全体に亘って、基本屋根下地24の上に設けられる。瓦屋根下地26は、基本屋根下地24の上に勾配方向に設けられる勾配桟28、基本屋根下地24の上に水平方向に設けられる水平桟30、および勾配桟28と水平桟30とによって支持される板材32などを含む。また、瓦屋根下地26は、基本屋根下地24と板材32との間に形成される第2空気通路34を有する。
勾配桟28は、たとえば高さ50mm×幅45mmの木桟であって、瓦屋根下地26の水平方向の両端部、およびその水平方向の両端部を等分するような位置に、所定間隔毎(たとえば、455mm毎)に勾配方向に延びて設けられる。
水平桟30は、たとえば高さ50mm×幅45mmの木桟であって、瓦屋根下地26の勾配方向の両端部に水平方向に延びて設けられる。ただし、瓦屋根下地26の勾配方向の長さが長い場合には、瓦屋根下地26の強度を確保するため、その勾配方向の両端部を等分するような位置に、適宜水平桟30を設けてもよい。また、水平桟30のそれぞれには、図4に示すように、水平方向に所定の間隔を隔てて、たとえば断面が矩形の切り欠き36が形成される。この切り欠き36は、勾配桟28と重ならない位置、たとえば各勾配桟28の間に位置するように設けるとよい。この切り欠き36によって、第2空気通路34は、瓦屋根下地26の軒側端部から棟側端部に亘って勾配方向に連通し、外部と連通する。
板材32は、たとえば厚さ12mmの木製の合板であって、和瓦16が敷設される全域に亘って設けられる。この板材32は、その上面が、太陽光パネル14を基本屋根下地24の上に設置したときに、太陽光パネル14の上面と略同一面となるように設けられる。言い換えると、瓦屋根下地26の高さ(この実施例では62mm)は、太陽光パネル14の上面の高さ位置などを考慮して設定され、瓦屋根下地26の上面と太陽光パネル14の上面とは略同一面とされる。
このような瓦屋根下地26の上に、瓦部20が設けられる、つまり和瓦16が葺かれる。具体的には、瓦屋根下地26の表面には、ルーフィング38が敷かれ、瓦屋根下地26の側面には、水切材40や捨水切材42などが適宜取り付けられる。そして、瓦屋根下地26の上面には、たとえば樹脂製の瓦桟44や鼻桟46などが取り付けられ、その瓦桟44などの上に和瓦16が設けられる。なお、瓦屋根下地26の勾配方向の端部を形成する水平桟30には、切り欠け36が形成されるので、その水平桟30の切り欠け36に合わせて、ルーフィング38や捨水切材42などにも適宜切り欠け、或いは通気孔が形成される。瓦屋根下地26の軒側端部に設けられる捨水切材42(図6参照)は、上壁部42a、側壁部42bおよび下壁部42cを備える。上壁部42aの一方端と下壁部42cとには、突起部42d,42eが形成され、この突起部42d,42eによって、瓦屋根下地26内部への雨水等の侵入が防がれる。また、側壁部42bには、水平桟30の切り欠け36に対応する位置に通気孔42fが形成され、この通気孔42fや切り欠け36を介して、第2空気通路34に空気が流入する。
また、上述したように、基本屋根下地24の瓦屋根下地26が設けられる範囲を除く範囲には、太陽光パネル14が並ぶように設けられて、太陽光パネル部18が形成される。具体的には、太陽光パネル部18が形成される範囲の基本屋根下地24の上面には、ルーフィング38を介して、防水性を有する太陽光パネル下地48、たとえばカラーベストなどのスレート葺き材が葺かれる。そして、その太陽光パネル下地48の上に太陽光パネル14が取り付けられる。太陽光パネル14を取り付ける際には、太陽光パネル下地48の上面に取り付けられる太陽光パネル固定金具50や基本屋根下地24の軒先に取り付けられる浮き止め金具52などの固定部材が用いられる。
太陽光パネル固定金具50は、たとえば厚さ13mmの板状の基板および太陽光パネル14のフレーム56の受部と連結される連結部を備え、この基板によってフレーム56を支持し、連結部によってフレーム56を固定する。この太陽光パネル固定金具50によって、太陽光パネル14のフレーム56は、太陽光パネル下地48から所定間隔(この実施例では、13mm)浮かせた状態で固定される。つまり、太陽光パネル14と太陽光パネル下地48との間に第1空気通路58が形成される。したがって、太陽光パネル固定金具50が、第1空気通路58を形成する空気通路形成手段として機能する。
また、浮き止め金具52は、略直角に屈曲した押さえ金具であって、その一方端が釘やねじ等によって軒先に固定されると、他端は上方に向かって突出する。その上方に突出した他端と太陽光パネル14のフレーム56とが、ねじ等によって接続されて、太陽光パネル14は太陽光パネル下地48から浮き止めされる。なお、このようにして設置された太陽光パネル14の上面の高さは、基本屋根下地を基準として、65mmである。これは、瓦屋根下地26の高さ(62mm)とほぼ同じである。
また、図2に示すように、瓦部20の棟部には、棟部換気部材54が設けられる。棟部換気部材54には公知の部材を用いてよく、棟部換気部材54は、屋根裏の空気を換気すると共に、瓦屋根下地26の内部の空気も換気する。
このように、屋根10の軒側に太陽光パネル14を設け、その棟側に外部と連通する第2空気通路34を有する瓦屋根下地26を設けることで、軒側に設置される太陽光パネル14の裏面の熱せられた空気は、棟側に向かって上昇するように第1空気通路58を流れ、瓦屋根下地26の第2空気通路34を通って、棟部の棟部換気部材54を介して外部に排出される。これによって、太陽光パネル14の裏面は効率よく換気されるので、太陽光パネル14の温度上昇を抑えることができ、温度上昇による太陽光パネル14のエネルギ変換効率の低下を防止できる。したがって、太陽光パネル14による自家発電量を増加でき、夏場の電力供給不足に対しても貢献することができる。また、同様に、瓦部20の温度上昇も抑えることができるので、屋根裏空間の温度上昇を抑制することもできる。
また、従来の工法によって面一に敷設される基本屋根下地24を基礎としたので、新規の納まりでも従来の工業化製品の部材を使用できる。したがって、新規に部材を設定することと比較して、コストを抑えることができる。
さらに、基本屋根下地24と瓦部20との間に所定高さを有する瓦屋根下地26を設けることによって、和瓦16と太陽光パネル14とに段差を設けることができる。この段差を有することによって、金属屋根の上に被るように和瓦を葺き、軒先部を繊細に見せるという一文字葺きの美観を、和瓦16と金属屋根の代わりに設けた太陽光パネル14によって表現できる。したがって、太陽光パネル14を備えながらも、日本建築的な美観を継承した建築物や日本的な町並みに対して配慮した建築物を提供できる。また、太陽光パネル14による自家発電によって地球環境にも貢献できる。
なお、上述の実施例では、和瓦16に従来の和瓦を使用できるように、また、太陽光パネル14のメンテナンス等が行い易いように、太陽光パネル部18と瓦部20との縁を切った納まりとした。つまり、太陽光パネル部18と瓦部20との間に隙間を設け、実際には和瓦16が太陽光パネル14に被らない納まりとしたが、これに限定されない。他の実施例として、たとえば、図7および図8に示すように、太陽光パネル14を瓦屋根下地26に隣接するように設けて、実際に和瓦16が太陽光パネル14に被る納まりにすることもできる。この場合には、瓦屋根下地26の上面と太陽光パネル14の上面とを同一面としているため、和瓦16の軒側端部や妻側(ケラバ側)端部の下に、太陽光パネル14がぴったりとはまり込むような状態になる。つまり、瓦屋根下地26の上面と太陽光パネル14の上面とを同一面とすることによって、太陽光パネル14と和瓦16とを隙間無く連続するように施工できるようになり、より一体感のあるすぐれた意匠を表現できる。したがって、図7および図8に示す実施例によれば、和瓦16と金属屋根の代わりに設けた太陽光パネル14によって、本来の一文字葺きの美観をより表現できる。ただし、この場合、瓦屋根下地26のケラバ側端部に葺く和瓦16(ケラバ瓦)には、従来のケラバ瓦よりもその端部16a(図8参照)の上下方向の寸法が短い、一文字葺き用のケラバ瓦を使用する必要がある。
また、上述の各実施例では、瓦屋根下地26の上面と太陽光パネル14の上面とが同一面となるように、瓦屋根下地26や太陽光パネル14を敷設したが、これに限定されない。たとえば、瓦屋根下地26の上面を太陽光パネル14の上面よりも高くすることもできる。この場合には、瓦屋根下地26の第2空気通路34の断面積が大きくなるため、たとえば切り欠き36を大きくすれば、換気機能がより強化され、太陽光パネル14の裏面の熱せられた空気がより排出され易くなる。
また、上述の各実施例では、水平桟30に矩形の切り欠き36を設けたが、これに限定されず、切り欠き36の形状などは適宜変更され得る。また、勾配桟28の設置間隔を狭くする等して、瓦屋根下地26の強度が確保されるような場合には、水平桟30を設けないようにしてもよい。
さらに、上述の各実施例では、屋根10を住宅12の南に面する屋根に適用したが、これに限定されず、屋根10は、一般住宅を含む様々な建築物の屋根に適用され得る。もちろん、南以外の他の方角に面する屋根に適用することもできる。
また、上述の各実施例では、屋根10の軒先側および妻側を並ぶように太陽光パネル14を設置したが、これに限定されない。たとえば、屋根10の軒先側だけに太陽光パネル14を設けることもできる。
この発明の一実施例の太陽光パネルを備えた屋根を適用した、数奇屋風一文字葺き住宅を南側から見た外観を概略的に示す図解図である。 図1の太陽光パネルを備えた屋根を示す勾配方向の断面図である。 図2の一部を拡大した拡大断面図である。 図3のIV−IV線における断面を示す断面図である。 図3のV−V線における断面を示す断面図である。 この発明の太陽光パネルを備えた屋根に用いる捨水切材の一例を示す断面図である。 この発明の他の実施例の太陽光パネルを備えた屋根の一部を示す勾配方向の断面図である。 図7のVIII−VIII線における断面を示す断面図である。
符号の説明
10 …太陽光パネルを備えた屋根
12 …住宅
14 …太陽光パネル
16 …和瓦
18 …太陽光パネル部
20 …瓦部
22 …ダミーモジュール
24 …基本屋根下地
26 …瓦屋根下地
30 …水平桟
34 …第2空気通路
36 …切り欠き
42 …捨水切材
48 …太陽光パネル下地
50 …太陽光パネル固定金具
52 …浮き止め金具
58 …第1空気通路

Claims (3)

  1. 勾配を有する基本屋根下地、
    前記基本屋根下地上の棟側に所定高さを有するように設けられる瓦屋根下地、
    前記瓦屋根下地上に設けられる瓦、
    前記基本屋根下地上の軒側に設けられるかつ防水性を有する太陽光パネル下地、
    前記太陽光パネル下地上に設けられる太陽光パネル、および
    前記太陽光パネル下地と前記太陽光パネルとの間に第1空気通路を形成する空気通路形成手段を備え、
    前記瓦屋根下地は、その上面が前記太陽光パネルの上面と同一面となるように設けられる、太陽光パネルを備えた屋根。
  2. 前記瓦屋根下地は、外部と勾配方向に連通する第2空気通路を備える、請求項1記載の太陽光パネルを備えた屋根。
  3. 前記瓦屋根下地は、
    前記基本屋根下地上に勾配方向に設けられる勾配桟、
    前記基本屋根下地上に水平方向に設けられる水平桟、
    前記勾配桟と前記水平桟とによって支持される板材、および
    前記第2空気通路を勾配方向に外部と連通するために前記水平桟に形成される切り欠きを備える、請求項記載の太陽光パネルを備えた屋根。
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