JP2537744B2 - 熱伝導率の測定方法 - Google Patents

熱伝導率の測定方法

Info

Publication number
JP2537744B2
JP2537744B2 JP5028094A JP2809493A JP2537744B2 JP 2537744 B2 JP2537744 B2 JP 2537744B2 JP 5028094 A JP5028094 A JP 5028094A JP 2809493 A JP2809493 A JP 2809493A JP 2537744 B2 JP2537744 B2 JP 2537744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
thermal conductivity
fluid
heating
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5028094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06242034A (ja
Inventor
友繁 堀
健介 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP5028094A priority Critical patent/JP2537744B2/ja
Publication of JPH06242034A publication Critical patent/JPH06242034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2537744B2 publication Critical patent/JP2537744B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体や固体と熱的に接
触する発熱センサーを発熱させ、該発熱センサー温度の
非定常変化と流体や固体の温度変化から流体や固体の熱
伝導率を計測する方法に関するものである。例えば、各
種被加工流体の熱伝導率は該流体の温度や組成により変
化し、かつこの変化により加熱や冷却の制御条件に変動
を来すことから加工工程における重要な管理項目とな
る。また固体の熱伝導率は各種設備や構造物の伝熱特性
を設計・管理・制御する上で重要な物性値である。
【0002】
【従来の技術】従来、非定常細線加熱法により液体の熱
伝導率を計測する例として、以下のものがあげられてい
る。 1.「液体の熱伝導率の高精度測定に関する研究」 長坂雄次、長島昭 日本機械学論文集47巻417号
(昭56−5) 821−829頁 2.「液体の熱伝導率の高精度測定に関する研究」 長坂雄次、長島昭 日本機械学論文集47巻419号
(昭56−7) 1323−1331頁 3.「熱物性ハンドブック」 日本熱物性学会編 1990.5.30 養賢堂発行 568−573頁 液体の熱伝導率の測定は非定常法と定常法に分類され
る。発熱体として金属細線等を利用する非定常細線加熱
法とは、発熱開始直後における発熱体温度の経時的な上
昇変化を利用する方法であり、定常法とは非定常状態を
経過して経時的に該温度が一定に安定し続ける状態にお
ける発熱体周囲の時間に依存しない温度分布を利用する
方法である。流体の熱伝導率測定に際して一般に定常法
は測定に伴う被測定流体の温度上昇による対流伝熱の影
響を受けやすく、高精度測定には適さないのに対し、非
定常法は測定時間が短く、かつ、対流発生を直接検出
し、対流発生以前のデータだけを利用して熱伝導率の正
確な計測が確実に実施できるため液体の熱伝導率の測定
は通常、非定常法で行われている。文献1、2はその代
表事例であって、試料中に鉛直に配置した金属細線を通
電加熱し、この時の加熱細線自体の経時的温度変化と発
熱量から熱伝導率を算出する方法を利用しており、詳細
に報告されている。 文献3は定常法、非定常法ともに
既知の例をあげて説明されている。その他の従来技術と
しては、特開平1−180444号、特開平3−175
42号、特開平3−17543号、特開昭50−590
74号があげられる。特開平1−180444号は非定
常細線加熱法を用いた測定方法において、センサーから
の信号を読み取るブリッジ回路での電気抵抗を要因とす
る測定誤差について検討されたものである。特開平3−
17542号は、非定常細線加熱法を用いて測定する場
合の流体の熱対流を押さえることによって、温度上昇と
電流通電時間の対数との直線関係を得て熱伝導率を計測
する方法である。特開平3−17543号は、非定常細
線加熱法を用いて測定する場合の流体の熱対流を押さえ
るため、細線を被測定物中で鉛直姿勢を維持しながら、
ともに自由落下させて見掛け上、重力を0とし、浮力に
起因する自然対流の発生を防止した上で熱伝導率を計測
する方法である。特開昭50−59074号には、非定
常細線加熱法を用いた測定方法において、熱伝導率既知
の物質を利用して比較することで、測定処理時間を考慮
して測定装置自体に起因する誤差を補正する記載があ
る。これら文献等で利用される熱伝導率の算出基礎式
は、鉛直に配置された線状熱源が、線径=0、長さ=∞
(無限大)、媒質の密度ρ及び比熱Cpが均一かつ一定
という仮定のもとにフーリエの熱伝導方程式 を境界条件 のもとで解かれたものであり、近似解析解として が得られる。この式は非定常細線加熱法を用いて熱伝導
率を求めるための基礎式として広く利用されている。な
お、該式が線状細線の直径がかぎりなく小さく、細線の
直径による測定誤差が無視できるものであるという前提
に基づいて導かれたものであることに注意を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】文献にあげられる熱伝
導率の非定常法による測定方法は、非定常細線加熱法と
いう測定技術を基本として紹介されており、通常、発熱
源となる細線としては直径が数十ミクロン程度以下のも
のを使用していることは従来技術に述べたが、式(1)
によれば該直径の値の大小に関わらず加熱継続時間の長
さの対数値1ntと加熱細線と被測定流体の温度差Δθ
は直線関係となり、同直線の傾きと発熱量Qから熱伝導
率λが算出されるはずである。しかし、実際に測定され
る1nt vs Δθのグラフは多くの場合曲線となっ
て観測される。従来、この傾向はよく知られており、文
献では該曲線からその直線部分を見つけだし、同直線の
傾きを得、式(1)を用いて熱伝導率を算出していた。
しかし、線径100μmの白金線を発熱源として純水中
で計測すると経験的には発熱開始から2〜4秒の間に対
流発生の現象が見られる。対流が発生すると対流伝熱の
影響を受けて正確な熱伝導率の測定は不可能になり、2
〜4秒以前の本来、前記直線関係が想定される領域であ
るにかかわらず、線形性を失う事例が観測された。この
原因としては発熱センサー内部の熱伝導に起因する場合
と、該測定値を計測する測定装置側に起因するものが考
えられる。特に測定時間としては2秒以内の短時間を要
請されることから測定装置の計時システム系の応答遅れ
に起因する計時誤差の存在が無視できないと言える。以
上から、発熱センサーにおいて対流による対流伝熱の影
響を受けないうちに被測定流体の熱伝導率を計測するに
は、発熱センサーの構造や測定装置に起因する、特に計
測時間に関する誤差の補正をして、測定値間の前記直線
関係を発現させる必要がある。従来技術にあげる文献で
はこの問題に対する考察が稀であり、式(1)が常に成
立するという前提にたち、実測結果による前記1n t
vs Δθのグラフが曲線となった場合はこの曲線か
ら直線に近い部分を抜き出して直線と仮定する方法を採
っている。しかし、このようなやり方では人為的判断が
介在するため熱伝導率測定値の正確性に欠けた。特開平
1−180444号及び特開平3−17542号、特開
平3−17543、特開昭50−59074号はいずれ
も非定常法を用いるもので、高精度の熱伝導率測定に関
する出願である。特開平1−180444号では、測定
センサーの電極部やリード線の電気抵抗などに起因する
測定誤差を軽減するものであるが、細線の線径など測定
装置の誤差に関する根本的要因について検討はされてい
ない。特開平3−17542号は、被測定物の対流の影
響を小さくするため被測定物の下部温度を低温にし重力
方向に対して負の温度勾配をもたせ、測定値の直線関係
を長く維持できるようにしたものであるが、負の温度勾
配を実現する具体性に欠けるものであり、かつこの条件
を適宜実現することは機器構成が複雑になるため簡便な
方法とは言えない。特開平3−17543号は、対流の
抑制を目的として被測定物と細線を自由落下させる構成
であるが、落下に伴うセンサー自体の破壊等のため反復
利用に困難性が伴う。特開昭50−59074号は、熱
伝導率既知の物質を比較利用することで、測定処理時間
を補正して測定装置自体に起因する誤差を軽減するもの
であるが、この誤差は5%程度の依然高いものである。
本発明は以上に鑑み、発熱センサーを利用した非定常細
線加熱法による熱伝導率の測定を実施するにあたり、従
来十分検討されていなかった測定精度に影響する測定技
術に由来する誤差要因である時間に関して検討したもの
で、非定常細線加熱法における発熱センサーの発熱開始
時刻の検討精度を向上するため、発熱センサーの構造に
起因する測定誤差を解消する測定環境を設定し、発熱
量、温度差及び任意基準点からの経過時間の各計測技術
に由来する誤差要因を取り除いた計測を行い、数値計算
に基づき各計測値と基礎式との比較によって、任意基準
点と発熱開始時点の偏差を時間の補正項として得ること
により、熱伝導率の測定装置における測定時間に起因す
る誤差を補正し、正確な熱伝導率を測定する方法を提供
することを目的とする。要するに、真の加熱継続時間と
通電開始から計時した実測時間とのずれを意味する補正
時間を高精度に求めて、すなわち、測定時間のゼロ点補
正をして、正確な熱伝導率測定に供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成すべ
く、本発明は、非定常細線加熱法を利用して、測定対象
の流体もしくは固体に、発熱作用を有するとともに自ら
の温度を計測可能な発熱センサーを熱的に接触するよう
配置して、該発熱センサーを発熱せしめ、該発熱センサ
ー自体の温度と前記流体もしくは固体の温度との温度差
と加熱継続時間の対数値との比例的な相関関係から、前
記流体もしくは固体の熱伝導率を求めるにあたり、前記
加熱継続時間の真の値を得るために、熱伝導率既知の標
準試料として氷晶スラリー生成状態の温度均一な純水を
用い、この試料における前記相関関係が理論値の示す相
関関係と一致するように、前記発熱センサー固有の装置
的誤差要因および測定システムに起因するシステム的誤
差要因からなる、通電開始から計時した実測時間の前記
加熱継続時間に対する補正値である補正時間を、数値計
算に基づく数値的手法により求めるようにして、流体も
しくは固体の熱伝導率を測定する構成とした。そして、
補正時間を求めるにあたり計測する温度は流体もしくは
固体の温度と発熱センサーの温度の差とし、熱伝導率が
既知の流体として均一温度(0℃)が容易かつ確実に実
現できる純氷晶と純水の混合物(スラリー)もしくは熱
伝導率の温度依存性が実用上無視できるグリセリンを使
用した。また、熱伝導率の測定方法を実施するにあたっ
て、測定装置の測定処理時間に起因する補正値を代入
し、以下の式によって熱伝導率を求める。 なお、発熱センサーの温度とは、発熱センサーの表面温
度であるが、ごく細い加熱細線を用いる場合は同センサ
ーの平均温度であってもよい。また、流体の温度は別の
センサーで計測してもよいし、本発明に利用する測温作
用も有する発熱センサーを電流操作することによって単
なる測温素子として使用し、流体もしくは固体の温度を
計測してもよい。熱伝導率が既知の流体としては純水な
どがあげられるが、これらはどのような温度制御を行っ
ても流体中に温度分布がない状態とは言えずある程度の
測定誤差に結びつく。測定精度に高度な精度を求めない
場合はこれらの流体を熱伝導率が既知の流体として利用
してもかまわないが、理想的には流体中に温度分布のな
いことが保証できるか、もしくは、熱伝導率が実用上温
度に依存しないと仮定できる流体であることが望まし
い。前者の代表例として過冷却状態の純水から一瞬にし
て形成される微細純氷晶が純水中に均一分散する氷晶ス
ラリーの系、後者としてはグリセリン、がそれぞれあげ
られる。上記純氷晶スラリーの製造法は以下の手順によ
る。純水を極低速で冷却し続けると、純水は0℃以下の
氷点下になっても結晶化せず液体の状態を維持する。過
冷却と称されるこの状態にある水に何等かの刺激が加わ
ると、一定の部分が一瞬にして微細氷晶に相転移し、残
存する0℃の水中に均一分散したシャーベット状の氷晶
スラリーとなる。過冷却状態からの離脱によって形成さ
れた氷晶スラリー中の温度分布はその直後において均一
となり、かつ正確に0℃を示し、理想的な較正用測定環
境が得られる。
【0005】
【作用】発熱作用を有するとともに自らの温度を計測可
能な発熱センサーを、熱伝導率が既知の流体もしくは固
体に熱的に接触するよう配置し、該発熱センサーを発熱
せしめ、発熱センサーと測定対象の流体もしくは固体の
各温度の変化を計測し、実測上の見かけ時間である通電
開始から計時した実測時間と前記温度との相関関係を求
める。そして、以上のようにして求めた相関関係が線形
性を有する相関を示すような補正時間を数値計算に基づ
く数値的手法により求め、測定装置の測定処理に起因す
る補正時間を決定する。こうして決定した補正時間を利
用し、発熱センサーを流体もしくは固体と熱的に接触さ
せ、非定常細線加熱法を利用して流体もしくは固体の熱
伝導率を高精度で求める。
【0006】
【実施例】図1は、本発明方法を実施するための測定装
置の一例を示している。被測定流体fが入った流体槽1
の内側に線状の発熱センサー2が配置してある。発熱セ
ンサー2は、例えば白金などの金属細線で構成される。
センサー2の周囲の流体の温度分布などが均一となるよ
うに、発熱センサー2は鉛直に配置する。発熱センサー
2の両端にはそれぞれ2本づつのリード線3が接続して
ある。これらリード線3は電流源4と電圧計5に接続さ
れ、電流源8と電圧計9は制御装置6で制御される構成
になっている。以上のような測定装置において、発熱セ
ンサー2に電流を供給して発熱せしめ、発熱開始から温
度の上昇変化が生じている非定常状態において流体fの
温度と発熱センサー2自体の温度を計測し、両者の温度
差Δθを求めてその温度差Δθの経時変化から式(1)
を用いて流体の熱伝導率λを求める。なお、発熱センサ
ー2の温度は発熱センサーとして用いた金属細線の抵抗
値の変化から求めることができ、流体fの温度は図示し
ない測温センサーを流体中に設置して求めることができ
る。また、発熱センサー2の利用方法としては、リード
線3を介して適切な電流を流して発熱センサー2を発熱
させながら同時に発熱センサー2の両端の電圧計測値か
ら抵抗値を求め、予め決められた換算式を用いて温度を
算出する発熱体センサーとして用いる他、発熱センサー
2の発熱量が充分に小さく実質的に無視できる程度の微
小電流を供給してその時の電圧値を求めて流体fの温度
を測定するようにして単なる測温センサーとして用いる
こともできる。このように、一本の発熱センサー2によ
って流体fとセンサーの発熱温度の両方を求めて両者の
温度差Δθを計測することも可能である。
【0007】以下、実験例を基にして本発明の実施例を
説明する。 実施例1 先ず、熱伝導率が既知の流体で均一温度に保たれた純水
中に発熱センサーを配置し、発熱センサーを発熱させ
て、発熱センサーと純水との温度差の推移を経時的に計
測し、実測時間の対数値と温度差変化の関係が比例的な
相関を示すような補正時間tを、数値計算に基づく数値
的手法により求めた。ここで、実測時間をt0とすると
真の加熱継続時間はt0+tとなり、(1)式は以下の
ように書き直せる。 式(2)において、例えば加熱細線を直径0.05m
m、長さ100mmの白金線とし、一定発熱量のもと、
熱伝導率が既知である流体を用いれば、補正時間t以外
はすべて実測可能となるので、補正時間tが求められる
ことが分かる。補正時間tは測定システムの電源や電圧
計の処理時間、応答時間その他に起因する時間の遅れで
あり、実測される見かけの時間である実測時間t0を補
正するものである。通電開始直後から発熱センサーと純
水の温度を0.2秒間隔で計測し、t0とΔθを計測し
た。この測定を熱伝導率が既知の流体中でおこない、測
定値が理論値と一致するように補正時間tを式(2)を
用いて解析的に算出した。図2は、0〜25℃の純水中
における実測時間t0と温度差Δθから式(2)を用い
て算出される補正時間tをグラフ化したもので、これら
測定値tは理論値直線の近傍に分布しており、この平均
から補正時間tは85.4±4.7msecであること
が求められた。
【0008】実施例2 直径0.05mm、長さ100mmの発熱センサーを発
熱量5W/mで発熱させ、流体は純水を使用して熱伝導
率を測定した。図3は、式(1)により、補正時間の項
を用いずに算出した熱伝導率と流体温度の関係を示す。
一方、図4は上記補正時間85.4msecを利用し
て、式(2)によって熱伝導率を算出した結果を示す。
このように、図4では測定値と文献値がよく一致した。
また、被測定流体としてグリセリン30%水溶液を用い
て、同様の条件下で測定した結果からも補正時間の利用
によって文献値とよく一致するという結果が得られた
(図5)。更に、同様の方法でグリセリン濃度0%から
100%までについて熱伝導率を流体温度0℃の場合と
20℃の場合にわけて求めた結果が図6と図7である。
印◯は実測値で、印●は文献値であり、両温度の場合と
もよく一致している。
【0009】なお、本発明において、発熱センサーが同
一でも測定システムのハードやソフトのどちらか、もし
くは両方に変更があった場合は補正時間も異なってくる
ので、新たに補正時間の設定操作をやり直さなければな
らない。
【0010】
【発明の効果】1.従来、流体の熱伝導率は、測定シス
テムの測定処理時間に起因する誤差の検討が十分なされ
ていなかったが、本発明により測定システム毎の補正値
を求めることが可能になり、正確な熱伝導率の測定を実
施することが可能となった。 2.本発明では、測定システムの誤差を補正することに
より得られるグラフの線形性が測定開始時から得られ、
人為的判断が介在することがなく、誰が測定しても正確
な測定値を得られる。また該補正のため、測定を対流の
影響を受けない時間内に確実に終了させられ、測定所要
時間の大幅な短縮が可能となった。 3.本発明方法によれば、発熱センサーの線径を0.0
5mm以上に設定したとしても、測定システム自体の測
定処理時間に起因する誤差は補正されているので、残る
問題は発熱センサー自体の物性に起因する誤差のみとな
り、従来の方法から比較すると、その測定結果の精度は
飛躍的に向上する。ちなみに、特開昭50−59074
号などの従来技術では、熱伝導率の測定精度は、文献値
との誤差5%程度にとどまっていたが、本発明では、こ
れを1%以内に向上したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための測定装置の一例を
示す概略概念図
【図2】純水を利用して発熱センサーと流体との温度差
と補正時間の関係を求めた結果を示すグラフ(実施例
1)
【図3】補正時間を算入しないで、純水における流体温
度と熱伝導率の関係を示したグラフ(実施例2)
【図4】補正時間を算入して、純水における流体温度と
熱伝導率の関係を示したグラフ(実施例2)
【図5】補正時間を算入して、グリセリン30%水溶液
における流体温度と熱伝導率の関係を示したグラフ(実
施例2)
【図6】補正時間を算入して、温度0℃、濃度0〜10
0%のグリセリン水溶液において、グリセリン濃度と熱
伝導率の関係を示したグラフ(実施例2)
【図7】補正時間を算入して、温度20℃、濃度0〜1
00%のグリセリン水溶液において、グリセリン濃度と
熱伝導率の関係を示したグラフ(実施例2)
【符号の説明】
2 発熱センサー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非定常細線加熱法を利用して、測定対象
    流体もしくは固体に、発熱作用を有するとともに自ら
    の温度を計測可能な発熱センサーを熱的に接触するよう
    配置して該発熱センサーを発熱せしめ、該発熱センサ
    ー自体の温度と前記流体もしくは固体の温度との温度差
    と加熱継続時間の対数値との比例的な相関関係から、前
    記流体もしくは固体の熱伝導率を求めるにあたり、前記
    加熱継続時間の真の値を得るために、熱伝導率既知の標
    準試料として氷晶スラリー均一生成状態の温度均一な過
    冷却状態離脱直後の純水を用い、この試料における前記
    相関関係が理論値の示す相関関係と一致するように、前
    記発熱センサー固有の装置的誤差要因および測定システ
    ムに起因するシステム的誤差要因からなる、見かけ上の
    通電開始から計時した実測時間の前記加熱継続時間に対
    する補正値である補正時間を、数値計算に基づく数値的
    手法により求めることを特徴とする流体もしくは固体の
    熱伝導率の測定方法。
JP5028094A 1993-02-17 1993-02-17 熱伝導率の測定方法 Expired - Fee Related JP2537744B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5028094A JP2537744B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 熱伝導率の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5028094A JP2537744B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 熱伝導率の測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06242034A JPH06242034A (ja) 1994-09-02
JP2537744B2 true JP2537744B2 (ja) 1996-09-25

Family

ID=12239205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5028094A Expired - Fee Related JP2537744B2 (ja) 1993-02-17 1993-02-17 熱伝導率の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2537744B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005156315A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Univ Waseda 熱伝導率測定装置及び熱伝導率測定システム並びに熱伝導率測定方法
CN104040327A (zh) * 2011-12-23 2014-09-10 西格里碳素欧洲公司 用于测量热导率的方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5329112B2 (ja) * 1973-09-26 1978-08-18

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06242034A (ja) 1994-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3175887B2 (ja) 測定装置
Shepherd Analysis of the lumped τ2 effect in relaxation calorimetry
JPS59208448A (ja) 材料の熱伝導係数と熱容量の測定方法及びその装置
KR870008174A (ko) 유체상태의 계측 방법
JP2537744B2 (ja) 熱伝導率の測定方法
US5035514A (en) Thermal probe for measuring thermal properties of a flowing medium
Jaeger et al. A line source method for measuring the thermal conductivity and diffusivity of cylindrical specimens of rock and other poor conductors
JP2949314B2 (ja) 熱量測定装置及び方法
JP2567441B2 (ja) 熱伝導率の測定方法、測定装置およびサーミスタ
JP2001165739A (ja) 測定装置の動作方法
JPH0638071B2 (ja) 熱伝導率の測定方法及びその装置
JPH0317542A (ja) 熱伝導率測定法
JP2579265B2 (ja) 流体の熱伝導率の測定方法及び流体の状態の測定装置
JP2959895B2 (ja) 温度伝導率の計測方法
SU777585A1 (ru) Способ измерени параметров газовых и жидких сред
KR100356994B1 (ko) 액상 및 기상의 열전도도 측정장치
JP3146357B2 (ja) 短時間微小重力環境を用いた液状物質の熱伝導度精密測定法
JP3547046B2 (ja) 熱伝導率測定用プローブ
Skelskey et al. A relaxation phenomenon observed in fine gold wire
JPH07120422A (ja) 薄膜または厚膜の熱伝導率測定方法
RU2649250C1 (ru) Способ измерения теплоёмкости в квазиадиабатических условиях
JP3539624B2 (ja) 熱伝導率測定方法および測定装置
JP2789882B2 (ja) 薄膜熱物性値測定方法
Kadjo et al. Measurement of thermal conductivity and diffusivity of electrically conducting and highly corrosive liquids from small samples with a new transient hot-wire instrument
RU2017089C1 (ru) Способ определения температуры

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960402

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees