JP2789882B2 - 薄膜熱物性値測定方法 - Google Patents
薄膜熱物性値測定方法Info
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- JP2789882B2 JP2789882B2 JP24635191A JP24635191A JP2789882B2 JP 2789882 B2 JP2789882 B2 JP 2789882B2 JP 24635191 A JP24635191 A JP 24635191A JP 24635191 A JP24635191 A JP 24635191A JP 2789882 B2 JP2789882 B2 JP 2789882B2
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- Japan
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- thin
- thin film
- wire
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- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に形成された薄
膜材料の熱物性値(熱伝導率,熱拡散率,熱容量)を測
定する方法に関するものである。
膜材料の熱物性値(熱伝導率,熱拡散率,熱容量)を測
定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜材料の熱伝導率や熱拡散率などの測
定方法としては、従来、光交流法(八田ら,固体物理2
1(5)1986)、ヒートパルス法(L.J.ボルト
ナー,ジャーナル・アプライド・フィジックス61
(9)1987.)などが知られている。光交流法は短
冊状試料の一部分を光照射により交流的に加熱し、加熱
部分から離れた点での温度応答の観測より薄膜試料の熱
拡散率を測定する方法である。ヒートパルス法は短冊試
料上に加熱源および温度センサをある距離をもって形成
し、試料をパルス的に加熱したときの温度観測点におけ
る温度応答より試料の熱伝導率を測定する方法である。
定方法としては、従来、光交流法(八田ら,固体物理2
1(5)1986)、ヒートパルス法(L.J.ボルト
ナー,ジャーナル・アプライド・フィジックス61
(9)1987.)などが知られている。光交流法は短
冊状試料の一部分を光照射により交流的に加熱し、加熱
部分から離れた点での温度応答の観測より薄膜試料の熱
拡散率を測定する方法である。ヒートパルス法は短冊試
料上に加熱源および温度センサをある距離をもって形成
し、試料をパルス的に加熱したときの温度観測点におけ
る温度応答より試料の熱伝導率を測定する方法である。
【0003】上記測定法を基板上に形成した薄膜の測定
に適用する場合には、試料断面内での温度は均一と考え
ることにより基板と薄膜の複合的な熱伝導率,熱拡散率
を測定し、基板の熱伝導の効果をそれから差し引くこと
により薄膜の熱伝導率,熱拡散率を求める。光交流法の
場合には薄膜,基板の熱拡散率をそれぞれaf,as 、薄
膜,基板の厚さをtf ,tsとすると、測定より得られ
る見かけの熱拡散率aは近似的に次式のように表され
る。
に適用する場合には、試料断面内での温度は均一と考え
ることにより基板と薄膜の複合的な熱伝導率,熱拡散率
を測定し、基板の熱伝導の効果をそれから差し引くこと
により薄膜の熱伝導率,熱拡散率を求める。光交流法の
場合には薄膜,基板の熱拡散率をそれぞれaf,as 、薄
膜,基板の厚さをtf ,tsとすると、測定より得られ
る見かけの熱拡散率aは近似的に次式のように表され
る。
【0004】
【数1】
【0005】上記に示したような薄膜材料の熱物性値測
定に従来用いられてきた方法はすべて薄膜自体が自立で
きる膜の測定に適したものであり、基板上に形成された
薄膜の熱伝導率や熱拡散率を測定する場合には、基板の
熱伝導率あるいは熱拡散率が薄膜に比べて大きい場合に
は測定精度が極めて悪化すること、測定精度を上げるた
めには基板の厚さを極力薄くする必要があることなどの
問題があり、特に熱伝導率,熱拡散率の小さな絶縁体薄
膜の測定は非常に困難である。
定に従来用いられてきた方法はすべて薄膜自体が自立で
きる膜の測定に適したものであり、基板上に形成された
薄膜の熱伝導率や熱拡散率を測定する場合には、基板の
熱伝導率あるいは熱拡散率が薄膜に比べて大きい場合に
は測定精度が極めて悪化すること、測定精度を上げるた
めには基板の厚さを極力薄くする必要があることなどの
問題があり、特に熱伝導率,熱拡散率の小さな絶縁体薄
膜の測定は非常に困難である。
【0006】これに対し、薄膜の熱物性値のより精密な
測定方法として、薄膜上に発熱源及び温度センサとして
機能する細線を形成し、細線をパルス発生器によりステ
ップ関数的に通電加熱したときの細線の温度の時間変化
を細線の抵抗変化として観察することにより薄膜の熱物
性値を測定する方法が提案されている(特願平03−0
33815号明細書参照)。この方法では、細線の温度
上昇ΔTの時間変化を表す次の理論式と測定結果をフィ
ッティングすることにより薄膜の熱物性値を測定する。
測定方法として、薄膜上に発熱源及び温度センサとして
機能する細線を形成し、細線をパルス発生器によりステ
ップ関数的に通電加熱したときの細線の温度の時間変化
を細線の抵抗変化として観察することにより薄膜の熱物
性値を測定する方法が提案されている(特願平03−0
33815号明細書参照)。この方法では、細線の温度
上昇ΔTの時間変化を表す次の理論式と測定結果をフィ
ッティングすることにより薄膜の熱物性値を測定する。
【0007】
【数2】
【0008】なお数2において、λ,aは薄膜の熱伝導
率及び熱拡散率、2d,2hは細線の幅と長さ、qは細
線の単位長さあたりの発熱量をそれぞれ表している。
率及び熱拡散率、2d,2hは細線の幅と長さ、qは細
線の単位長さあたりの発熱量をそれぞれ表している。
【0009】しかしながら、数2が成立するのは発熱源
である金属細線の熱容量が無視できる場合に限られるた
め、細線が熱容量を有する場合には、測定結果と数2と
のフィッティングから求められた熱物性値は誤差が大き
いという問題があった。また、細線が熱容量を有する場
合は測定結果を処理すべき解析的な理論式がないため、
数2によらず熱物性値を求めるには、大型計算器を用い
た熱伝導方程式にもとづく数値計算を行わなければなら
ないという問題があった。金属細線の熱容量を無視でき
る程度に小さくするには金属細線の膜厚を100オング
ストロームより薄くする必要があるが、電気伝導性が良
く、膜質の良い100オングストローム以下の薄膜を形
成することは、通常の成長法(蒸着やスパッタ)では困
難である。
である金属細線の熱容量が無視できる場合に限られるた
め、細線が熱容量を有する場合には、測定結果と数2と
のフィッティングから求められた熱物性値は誤差が大き
いという問題があった。また、細線が熱容量を有する場
合は測定結果を処理すべき解析的な理論式がないため、
数2によらず熱物性値を求めるには、大型計算器を用い
た熱伝導方程式にもとづく数値計算を行わなければなら
ないという問題があった。金属細線の熱容量を無視でき
る程度に小さくするには金属細線の膜厚を100オング
ストロームより薄くする必要があるが、電気伝導性が良
く、膜質の良い100オングストローム以下の薄膜を形
成することは、通常の成長法(蒸着やスパッタ)では困
難である。
【0010】本発明の目的は、金属細線が有限の熱容量
を有する場合にも薄膜の熱物性値測定を可能にする方法
を提供することにある。
を有する場合にも薄膜の熱物性値測定を可能にする方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、薄膜上に発熱源及び温度センサとして機
能する細線を形成し、この細線をステップ関数的に通電
加熱したときの細線の温度の時間変化を細線の抵抗変化
として観察することにより前記薄膜の熱物性値を測定す
る方法において、前記細線の延長方向に直交する方向の
細線幅を、前記薄膜の延長方向に直交する方向の薄膜幅
と同じ幅で形成した試料を用いて測定することを特徴と
する。
め、本発明は、薄膜上に発熱源及び温度センサとして機
能する細線を形成し、この細線をステップ関数的に通電
加熱したときの細線の温度の時間変化を細線の抵抗変化
として観察することにより前記薄膜の熱物性値を測定す
る方法において、前記細線の延長方向に直交する方向の
細線幅を、前記薄膜の延長方向に直交する方向の薄膜幅
と同じ幅で形成した試料を用いて測定することを特徴と
する。
【0012】
【作用】図1に示した試料を、図2のような装置構成に
おいてステップ関数的に加熱し、薄膜の熱物性値を測定
する場合、細線1の温度上昇量ΔTは、細線1で発生し
た熱が基板に到達するまでの時間内において、次式で表
すことができる。
おいてステップ関数的に加熱し、薄膜の熱物性値を測定
する場合、細線1の温度上昇量ΔTは、細線1で発生し
た熱が基板に到達するまでの時間内において、次式で表
すことができる。
【0013】
【数3】
【0014】数3において、Q′は細線の単位長さ,単
位幅あたりの発熱量を、λ,αは薄膜の熱伝導率,熱拡
散率を、ρf ,cf は薄膜の密度,比熱を、ρ,c,d
は細線の密度,比熱,膜厚をそれぞれ表している。
位幅あたりの発熱量を、λ,αは薄膜の熱伝導率,熱拡
散率を、ρf ,cf は薄膜の密度,比熱を、ρ,c,d
は細線の密度,比熱,膜厚をそれぞれ表している。
【0015】数3に示したように、細線の延長方向に直
交する方向の細線幅を、薄膜の延長方向に直交する方向
の薄膜幅と同じ幅で形成した試料を用いることにより、
細線1が有限の熱容量を有する場合にも細線の温度上昇
量ΔTを理論的に求めることが可能となり、薄膜の熱物
性値を簡易にかつ正確に測定することができる。
交する方向の細線幅を、薄膜の延長方向に直交する方向
の薄膜幅と同じ幅で形成した試料を用いることにより、
細線1が有限の熱容量を有する場合にも細線の温度上昇
量ΔTを理論的に求めることが可能となり、薄膜の熱物
性値を簡易にかつ正確に測定することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0017】図1は、本発明に係る薄膜熱物性値測定方
法に用いる測定試料の断面図、図2は、本発明に係る薄
膜熱物性値測定方法を実施する測定装置の概略構成図、
図3は、本発明に係る薄膜熱物性値測定方法による細線
の温度変化の測定結果を示すグラフ、図4は、図2の細
線を拡大した平面図である。
法に用いる測定試料の断面図、図2は、本発明に係る薄
膜熱物性値測定方法を実施する測定装置の概略構成図、
図3は、本発明に係る薄膜熱物性値測定方法による細線
の温度変化の測定結果を示すグラフ、図4は、図2の細
線を拡大した平面図である。
【0018】基板11上の薄膜10上に金属膜を形成し
た後、リソグラフィ等の方法により、図1及び図4に示
すように、細線1と薄膜10を、細線1の延長方向に直
交する方向の細線幅12が薄膜10の延長方向に直交す
る方向の薄膜幅と同じ幅となるように形成する。細線1
を加熱するための電圧2はパルス発生器3によりステッ
プ関数的に発生され、プローブ4により電圧供給用兼電
圧測定用パッド5を介して細線1に供給される。細線部
における電圧降下はパッド5にプローブ4を接触させる
ことで、電圧測定装置7により測定される。電圧降下を
計算機8に取り込んで細線の抵抗変化を算出し、さらに
細線抵抗の温度係数より細線温度上昇を求める。
た後、リソグラフィ等の方法により、図1及び図4に示
すように、細線1と薄膜10を、細線1の延長方向に直
交する方向の細線幅12が薄膜10の延長方向に直交す
る方向の薄膜幅と同じ幅となるように形成する。細線1
を加熱するための電圧2はパルス発生器3によりステッ
プ関数的に発生され、プローブ4により電圧供給用兼電
圧測定用パッド5を介して細線1に供給される。細線部
における電圧降下はパッド5にプローブ4を接触させる
ことで、電圧測定装置7により測定される。電圧降下を
計算機8に取り込んで細線の抵抗変化を算出し、さらに
細線抵抗の温度係数より細線温度上昇を求める。
【0019】測定には、シリコン基板上にSi3 N4 を
500nm、Alを100nm順次スパッタ法により積
層し、リソグラフィを用いたパタンニングにより両薄膜
の延長方向に直交する方向の線幅を等しくした試料を用
いた。なお、細線1及びパッド5のスケールは、細線1
が幅2μm、長さ200μmであり、パッド5が幅20
0μm、長さ200μmである。細線1の発熱量が1m
当たり400Wとなる条件で細線1に電圧を印加し、細
線の温度変化を測定した。測定結果を図3に示す。加熱
開始から50nsまでの測定結果に数3をフィッティン
グさせることにより求められたSi3 N4 の熱伝導率は
1.6W/m・K、熱容量は2×106J/m3 ・Kで
あった。
500nm、Alを100nm順次スパッタ法により積
層し、リソグラフィを用いたパタンニングにより両薄膜
の延長方向に直交する方向の線幅を等しくした試料を用
いた。なお、細線1及びパッド5のスケールは、細線1
が幅2μm、長さ200μmであり、パッド5が幅20
0μm、長さ200μmである。細線1の発熱量が1m
当たり400Wとなる条件で細線1に電圧を印加し、細
線の温度変化を測定した。測定結果を図3に示す。加熱
開始から50nsまでの測定結果に数3をフィッティン
グさせることにより求められたSi3 N4 の熱伝導率は
1.6W/m・K、熱容量は2×106J/m3 ・Kで
あった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、細線の延長方向に
直交する方向の細線幅と薄膜の延長方向に直交する方向
の薄膜幅が等しい試料を用いることにより、細線が熱容
量を有している場合にも正確に薄膜の熱物性値を測定す
ることが可能となる。また、細線の延長方向に直交する
方向の細線幅と薄膜の延長方向に直交する方向の薄膜幅
が等しい試料を用いることにより、細線の温度変化を解
析式によって表すことができるので、大型計算機を用い
た数値計算は不要となる。
直交する方向の細線幅と薄膜の延長方向に直交する方向
の薄膜幅が等しい試料を用いることにより、細線が熱容
量を有している場合にも正確に薄膜の熱物性値を測定す
ることが可能となる。また、細線の延長方向に直交する
方向の細線幅と薄膜の延長方向に直交する方向の薄膜幅
が等しい試料を用いることにより、細線の温度変化を解
析式によって表すことができるので、大型計算機を用い
た数値計算は不要となる。
【図1】本発明に係る薄膜熱物性値測定方法に用いる測
定試料の断面図である。
定試料の断面図である。
【図2】本発明に係る薄膜熱物性値測定方法を実施する
測定装置の概略構成図である。
測定装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係る薄膜熱物性値測定方法による細線
の温度変化の測定結果を示すグラフである。
の温度変化の測定結果を示すグラフである。
【図4】
図2の細線を拡大した平面図である。
1 細線 2 電圧 3 パルス発生器 7 電圧測定装置 10 薄膜 11 基板12 細線幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 25/18 G01N 27/18
Claims (1)
- 【請求項1】薄膜上に発熱源及び温度センサとして機能
する細線を形成し、この細線をステップ関数的に通電加
熱したときの細線の温度の時間変化を細線の抵抗変化と
して観察することにより前記薄膜の熱物性値を測定する
方法において、前記細線の延長方向に直交する方向の細線幅を、前記薄
膜の延長方向に直交する方向の薄膜幅と 同じ幅で形成し
た試料を用いて測定することを特徴とする薄膜熱物性値
測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24635191A JP2789882B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 薄膜熱物性値測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24635191A JP2789882B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 薄膜熱物性値測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0587752A JPH0587752A (ja) | 1993-04-06 |
JP2789882B2 true JP2789882B2 (ja) | 1998-08-27 |
Family
ID=17147269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24635191A Expired - Lifetime JP2789882B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 薄膜熱物性値測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2789882B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4688311A (en) * | 1986-03-03 | 1987-08-25 | Modine Manufacturing Company | Method of making a heat exchanger |
JP5858478B2 (ja) | 2012-09-04 | 2016-02-10 | シャープ株式会社 | パラレルフロー型熱交換器及びそれを搭載した空気調和機 |
-
1991
- 1991-09-26 JP JP24635191A patent/JP2789882B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0587752A (ja) | 1993-04-06 |
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