JPH0638071B2 - 熱伝導率の測定方法及びその装置 - Google Patents

熱伝導率の測定方法及びその装置

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JPH0638071B2
JPH0638071B2 JP18727989A JP18727989A JPH0638071B2 JP H0638071 B2 JPH0638071 B2 JP H0638071B2 JP 18727989 A JP18727989 A JP 18727989A JP 18727989 A JP18727989 A JP 18727989A JP H0638071 B2 JPH0638071 B2 JP H0638071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、材料の熱伝導率を測定する方法及びその測定
装置に係り、詳しくは、所定温度に保持された熱源に材
料の一方端を接触させた状態でその他方端面での温度変
化を測定し、その測定結果に基づいて当該材料の熱伝導
率を決定するようにした熱伝導率の測定方法及びその装
置に関する。
[従来の技術] 材料を利用するに際し、その材料についての熱特性(比
熱、熱伝導率、温度伝導率等)に関する知識を持つこと
は重要なことである。
特に熱伝導率の測定について注目すると、従来、その測
定法は大きく分けて、定常法と非定常法とに分類され
る。定常法は材料の熱流が定常状態に達したところで測
定を行なう方法である。この方法では、安定した定常状
態に達するまで測定を待たねばならず、必然的に測定に
要する時間が長くなる。また、非定常法は材料のある部
分に温度変化を与え、それが他の部分に及ぶ状況を調べ
てその材料の熱特性を算出する方法である。この非定常
法によれば温度の変化状況から熱特性を算出するので測
定に要する時間は一般に短くて済む。現在、特に高い精
度を要求されないものでは、この非定常法による熱伝導
率測定が広く利用されている。この非定常法として従来
からオングストローム法(周期的加熱法)、レーザフラ
ッシュ法、熱線法(いずれも過渡現象法)等が知られて
いる。
本願発明者等は、熱伝導率が大きく、熱的な異方性が強
く、更に不均質な材料の製造工程中等において当該材料
の熱特性を効率良く測定する必要性が生じた。
例えば、炭素繊維ロービングや炭素繊維クロスのチョッ
プを用いた炭素繊維/炭素複合材料は、束になった炭素
繊維部分とマトリックス部分とからなることから均質で
はなく、しかも成形時のプレスの方向による大きな異方
性を有している。また、この材料の熱伝導率は炭化後の
熱処理温度によって大きく変化し、この種の炭素繊維/
炭素複合材料は熱伝導率がその使用目的に応じて断熱材
料程度から金属材料程度の大きさに至るまで幅広い特性
のものが作られる。
このような熱的性質を有する材料を対象として熱伝導率
を効率的に上記非定常法に従って測定する場合を考察す
ると、例えば、レーザフラッシュ法は、高熱伝導率材料
の測定には適しているが、測定装置が大ががりになるば
かりでなく、小さな材料(8〜10mmφ,1〜3mmt)
しか利用できないので上記複合材料等のような異方性の
大きな材料や不均質な材料の測定には適していない。
また、近年熱線法が改良、簡便化されて広く利用される
ようになったが、この方法は熱伝導率の高い材料の測定
には必ずしも適しているとは言えない。例えば、ある測
定装置ではその測定上限が3〜10(kcal/mh℃)であ
るとされている。また、改良の提案はあるものの(Shot
herm QTM熱伝導率計:京都電子工業(株)技術資料“Ke
mtherm QTMについて”、日本機械学会論文集“非定
常細線加熱比較法による固体の熱伝導率測定法”)一般
には異方性の大きい材料を対象とした場合の測定にも問
題がある。
このように高熱伝導率(50kcal/mh℃程度)で異方性
が大きく不均質な材料を対象とした場合、特に適した簡
便な測定方法がない実情に鑑み、本願発明者等は、材料
の一方端を所定の温度に保持された熱源に接触させた状
態で他方端面での温度変化を測定し、その測定結果に基
づいて熱伝導率を求めるという簡便な方法を検討した。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように材料の一方端を所定の温度に保持された熱
源に接触させた状態で他方端面での温度変化を測定する
方法としては、従来、例えば、特開昭62−14884
5号公報に開示される技術がある。これは、材料の他方
端をも別の熱源に接触させる方法で、本来、定常法に属
する技術であるが、熱源と材料との接触抵抗が問題とな
ることから、測定の対象は偏平で変形可能な材料に限ら
れている。
本願発明者が検討した測定方法においても、測定のばら
つきが大きくなる等上記と同様の熱源と材料との接触抵
抗の問題が生じ、この問題に対して熱源と材料との界面
での伝熱抵抗をできるだけ小さくする方法について検討
を重ねたが満足する結果が得られなかった。
そこで、本発明の課題は、高熱伝導率で異方性が大きく
不均質な材料に適したもので、その界面での伝熱抵抗を
その測定段階で特に考慮せずとも正確な熱伝導率を得る
ことができる測定方法及び測定装置を提供することであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、所定温度に保持された熱源1に材料2の一方
端を接触させた状態でその他方端面での温度変化を測定
し、その測定結果に基づいて当該材料2の熱伝導率を決
定するようにした熱伝導率の測定方法及びその装置を前
提としており、当該測定方法及びその装置において、上
記課題を解決するための技術的手段は、測定方法では、
温度変化の測定結果から温度変化特性を求め、この測定
結果から求められた温度変化特性と、界面の伝熱抵抗及
び熱伝導率を考慮して予め定めた材料の伝熱特性との比
較演算より熱伝導率を求めるようにすることである。ま
た、測定装置では、第1図に示すように、所定温度に保
持された熱源1と、熱源1に材料2の一方端を接触させ
た状態でその他方端面での温度変化を測定する温度変化
測定手段3とを備え、更に、温度変化測定手段3での測
定結果から温度変化特性を求める特性演算手段4と、界
面の伝熱抵抗及び熱伝導率を考慮して予め定めた材料の
伝熱特性を記憶保持する伝熱特性記憶手段5と、上記特
性演算手段4にて求められた温度変化特性と伝熱特性記
憶手段5に記憶保持された伝熱特性との比較演算により
当該材料2の熱伝導率を決定する比較演算手段6とを備
えたものである。
上記界面の伝熱抵抗及び熱伝導率を考慮して定められる
熱伝導特性は、対象となる材料が固定的であれば、その
材料夫々について種々の伝熱抵抗を想定して実験的に定
めたものでもよい。また、この伝熱特性として旧くから
Gurney-Lurie(ガーネ・ルーリー)の線図として知られ
る伝熱特性X−LnYを用いることが可能である。このGu
rney-Lurieの線図を用いることは既存の伝熱特性がその
まま利用できる点で好ましく、また、この線図はあらゆ
る材料に適用可能であることから材料が異なる毎に利用
する伝熱特性を変える必要がない点でも好ましい。
Gurney-Lurieの線図は次のようにして定められている。
初期温度toにある厚さ2Rの広い平板を急激に温度T
なる流体中に没入して加熱または冷却を行なう。固体表
面と流体とは、それらの温度差T−tsに比例した熱量
の授受を行なうと考えると、その境膜伝熱係数をhとす
るとき、初期及び境界条件は次のようになる。
初期条件:θ=O,T=to 境界条件:r=±R,(dQ/dθ)/A =q/A=h(T−ts) θ:時間 r:中心からの距離 A:平板の断面積 この条件で非定常伝熱の微分方程式を解くと、次の四つ
の無次元項の関係として解が得られる。
X=αθ/R=(k/ρcp)(θ/R) Y=(T/t)/(T/to) m=k/(hR) n=r/R α:温度拡散率 k:熱伝導率 h:伝熱係数 このように考えて、平板内各部の温度変化の様子を計算
した結果がGurney-Lurieの線図として与えられている。
この解のうちn=0の場合についてH.C.Hottelが作った
ものが第2図に示すようになる。これは、時間θと熱伝
導率kに関するパラメータXと温度に関するパラメータ
LnY(Ln:対数)とによる伝熱特性X−LnYをmをパラ
メータとして表わしたものである。mは上式から明らか
なように界面の伝熱抵抗1/h に依存するパラメータであ
る。この伝熱特性は、いずれのmについてもX> 0.5で
は直線とみなすことができる。
上記温度変化の測定結果から求めるべき温度変化特性
は、一般に温度と時間との関係を表わしたものとして表
現されるが、特に、上記のようなGurney-Lurieの線図に
て表現された伝熱特性を用いる場合には、それとの比較
の対象とする関係から、温度について予め定めたパラメ
ータYm Ym=(T−tm)/(T−to) T:熱源の温度 Tm:測定温度 to:初期温度 と、時間に関するパラメータθとによる温度変化特性θ
−LnYm(Ln:自然対数)とする。第3図に示すように
時間θ1,θ2,θ3,…に対して温度がt1,t2,
t3,のように変化する場合、この温度変化の測定結果
から得られる当該温度変化特性θ−LnYは、第4図に示
すように各測定点に対応した点P1→P2→P3→P4→P5…か
ら近似される直線状の特性Qとなる。
上記のようにGurney-Lurieの線図にて表現された伝熱特
性X−LnYを用いた場合の測定装置では、その比較演算
手段6は、具体的に、伝熱特性記憶手段5に記憶された
種々の界面伝熱抵抗(パラメータm)についての伝熱特
性X−LnY(第2図に示す各直線)から特性演算手段4
にて求められた温度変化特性θ−LnY(第4図に示す直
線状特性Q)に相当する一つの伝熱特性X−LnYを特定
する特性判定手段と、特性判定手段にて特定された伝熱
特性X−LnYから材料2の熱伝導率を決定する熱伝導率
演算手段とを備えたものとなる。
この熱伝導率演算手段は、熱伝導率kが温度拡散率αと
の間にα=k/ρCpの関係があることから、上記特定
された伝熱特性X−LnYから材料2の温度拡散率α=X
/θを求め、更にこの温度拡散率αから上記関係
(α=k/ρCp)に従って熱伝導率kを決定するもの
となる。従って、熱伝導率kを決定することと温度拡散
率αを求めることとは実質的に同じことになる。
この熱伝導率演算手段では、求められたられた温度拡散
率αから関係式α=k/ρCpに従って熱伝導率kを演
算することになるが、この際、材料2の比熱Cp及び密
度ρは予め実験的に求めたものでも、また、文献値でも
利用することは可能である。更に、熱源1から材料2に
流入する熱量を測定する流入熱量測定手段を備え、その
測定された流入熱量から演算される比熱(熱容量)を熱
伝導率演算手段での熱伝導率演算に用いるものは、測定
対象となる材料2そのものについて実測した比熱にて熱
伝導率演算が行なわれることから精度向上の観点から好
ましい。
また、流入熱量測定手段にて測定された流入熱量から得
られる熱特性、例えば、流入熱量そのもの、熱容量、比
熱等を上記演算された熱伝導率と共に出力する機能を備
えることにより、熱伝導率を含めた更に材料の多面的な
熱特性をとらえることが可能となる。
[作用] 対象となる材料2の一方端を熱源1に接触させ、当該材
料2の他方端面での温度変化を測定し(温度変化測定手
段3)、この温度変化の測定結果から温度変化特性(第
4図のθ−LnY特性Q)を求める(特性演算手段4)。
求められた温度変化特性(第4図特性Q)と、界面の伝
熱抵抗及び熱伝導率を考慮して予め定めた材料の伝熱特
性(第2図のX−LnY特性:伝熱特性記憶手段5に記憶
保持)との比較演算により熱伝導率を求める(比較演算
手段6)。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第5図は本発明に係る熱伝導率の測定装置の基本構成例
を示す図である。
同図において、10は測定対象となる角柱形状の材料、
11は断熱材であり、材料10がその一端面を露出させ
たかたちで断熱材11内にセットされている。また、材
料10の露出面とは逆の面には熱電対等の温度センサ1
5が設けられている。12は金属ブロック、13は金属
ブロック12内に埋設されたヒーターであり、このヒー
タ13によって加熱された金属ブロック12が熱源とな
る。そして、この熱源となる金属ブロック12は断熱材
14にて覆われ、上記材料10と対向した面だけが露出
した構造となっている。また、金属ブロック12内には
上記ヒータ13と共に温度センサ16が埋設されてい
る。上記材料10がセットされる断熱材11は上下動可
能で金属ブロック12,断熱材14に対して圧接保持さ
れる構造となり、当該圧接保持の状態で材料10と金属
ブロック12との間に挟まれるようヒートフラックスセ
ンサ18が金属ブロック12の露出面に固定されてい
る。
更に、21は温度設定器、22は温度調整回路であり、
この温度調整回路22は金属ブロック12内に設けた温
度センサ16からの信号に基づく検出温度が温度設定器
21での設定温度となるようにヒータ13のオン・オフ
制御を行なっている。24は起動信号生成回路であり、
この起動信号生成回路24は、材料10がセットされる
断熱材11表面に設けたスタート接点19と金属ブロッ
ク12の背面に設けたスタート接点20が短絡状態とな
ったときに起動パルスを出力するようになっている。な
お、材料10の露出面と背面との間の距離はRとなって
いる。
測定演算の系についてみると、同第5図において、30
は各種演算及び各部の統轄的な制御を行なうCPU、3
1は各種データ及びプログラム等が記憶されたROM、
32はCPU30での各種演算結果等を記憶するRAM
であり、これらCPU30、ROM31、RAM32は
夫々バス接続されている。上記材料10の背面に設けた
温度センサ15からの検出信号、起動信号生成回路24
からの起動パルス、ヒートフラックスセンサ18からの
検出信号が夫々入力インタフェース回路33を介してC
PU30側に取入れられるようになる一方、CPU30
での各種演算データが出力インタフェース34を介して
プリンタ35に供給されるようになっている。
上記ROM31に、第2図に示すようなGurney-Lurieの
線図で表現される伝熱特性に関するデータが予め格納さ
れており、このROM31が本願発明の構成要件となる
伝熱特性記憶手段を実現している。また、本願発明の他
の構成要件となる特性演算手段、比較演算手段はCPU
30の機能として実現され、更に、温度変化測定手段
は、材料10を熱源となる金属ブロック12に圧接保持
する機械的構造及び温度センサ15からの検出情報に基
づいたCPU30の機能として実現されている。
上記のような構成の測定装置において、材料10の熱伝
導率の測定は次のようになされる。
熱源となる金属ブロック13を温度調整回路22の制御
により所定温度Tに保持した状態で、材料11をセット
した断熱材11を金属ブロック12に圧延保持する。こ
のときスタート接点19,20が短絡状態となって起動
信号生成回路24から起動パルスが出力される。する
と、CPU30はこの起動パルスの出力時点から内部タ
イマの監視を行ない、所定時間毎に温度センサ15から
の検出信号を検出温度データtmとして順次RAM32
に格納してゆく。
この検出温度データtmのサンプリングが所定回数(所
定時間)に達すると、CPU31はその時間データθと
検出温度データtmに基づいて温度変化特性の演算を行
なう。具体的には、温度データに係るパラメータYm Ym=(T−tm)/(T−to) to:起動パルス出力時の検出温度データ を各検出温度データtm毎に求め、更に、その自然対数
値LnYmを求める。そして、(θm,LnYm)の各点から
最小二乗法により第6図に示すような直線 LnY=a・θ+LnY…(1) に近似させたθ−LnYの特性Qを演算する。時間θに対
する温度に係るパラメーLnYの特性、即ち、温度変化特
性θ−LnYが求められると、この温度変化特性θ−LnY
とROM31に格納された伝熱特性X−LnY(第2図参
照)との比較演算により熱伝導率が求められる。
この比較演算は次のようになされる。
まず、第6図に示す温度変化特性Qに相当する伝熱特性
を第2図に示す各直線のいずれかに特定する。
当該温度変化特性Q上の一点、例えば、θを上記近似
した(1) 式に基づいて θ=−LnY/a と算出する。また、他の点、例えば、予め定めたLnY0.
5に対するθ0.5を θ0.5=(LnY0.5−LnY)/a として算出する。
一方、パラメータmをある値miに仮定し、第7図に示
すように当該パラメータmiでの伝熱特性におけるX
を読出す。なお、このXデータは当該伝熱特性と対応
付けて予め演算され、ROM31内に格納されている。
そして、伝熱特性のパラメータXが時間θと比例関係
(X=αθ/R)となって、 X0.5/θ0.5=X/θ が成立つことから、上記算出したθ、θ05と読出した
データを用いてX05データを X0.5/θ0.5=X/θ に従って算出する。ここで、この演算したX0.5データ
と記憶した伝熱特性から導かれる理論値X0.5とを比較
する。この比較の結果、一致がなされない場合は、設定
するパラメータmiを変更して順次同様の演算を繰り返
す。そして、当該X0.5データが理論値に一致したと
き、そのパラメータmiでの伝熱特性が上記温度変化特
性に相当するものとして特定される。
このように伝熱特性が特定されると、そのパラメータm
iがRAM32に格納されると共に、例えば、上記θ0.
5データとX0.5データから α=X0.5R/θ0.5 に従って温度拡散係数αが算出される。
また、CPU30はヒートフラックスセンサ18からの
検出信号を上記処理の間所定タイミングにてサンプリン
グしており、上記温度測定が終了するまでの積分値から
熱容量が算出され、RAM32内に格納されている。そ
して、同RAM32内に予め格納した当該材料10の質
量を用いて上記演算した熱容量から比熱Cpを求め、更
に当該材料10の密度ρデータから α=k/ρCp に従って熱伝導率kを演算する。
なお、上記のように特定されたパラメータmiから当該
測定条件での伝熱抵抗1/h が 1/h =miR/k に従って求められる。
上記のように演算された熱伝導率k及び各種パラメータ
(パラメータmi、伝熱抵抗、温度拡散率、熱容量)、
更にサンプリング温度データ等はCPU30の指令に基
づいてRAM32から読出され、プリンタ35に供給さ
れる。そして、当該測定終了後に、プリンタ35から各
データのプリントアウトがなされる。
上記の測定法に従って各種材料の温度拡散率αを測定し
た実験値を表1に示す。
この表1において、同じ材料について複数のパラメータ
mが与えられているのは、界面に水や油を塗布して伝熱
抵抗を種々変えた条件で測定を行なったものである。そ
の結果は、界面の伝熱抵抗いかんによらずほぼ一致した
温度拡散率αが得られることを示している。
なお、表1において、L.F.法とあるのは同じ材料をレー
ザフラッシュ法により測定した結果であり、また、文献
値は既存のデータから算出したものである。夫々参考値
として記した。
上記のように本実施例によれば、材料を特に小さくする
必要がなく、高熱伝導率で異方性が大きく更に不均質な
材料であっても、熱流方向の平均的な各種データ(熱伝
導率等)を求めることが可能である。
また、特に界面での状態が種々変化してもその測定結果
はほぼ一定となり、測定に際しての材料と熱源の接触面
の状態を細かく管理せずとも正確なデータを得ることが
できるようになる。
更に、上記のような利点と共に次のような利点がある。
熱流の方向は受熱面からもう一つの面へ一方向である
から、測定値として熱流方向への平均熱伝導率が直接求
まる。
この方法は直接法に属し、原理的に装置特性の入り込
むところがない。従って標準材料などによる校正の必要
がない。
材料の断面形状、寸法は測定に影響しない。熱流方向
について断面積され均一であれば、形状は角柱、円柱、
いずれでも差支えなく、異形であってもよい。また、例
えば、引張り試験片のようなものをそのまま測定材料と
して用いることもできる。
測定の所要時間が短い。材料の特性や厚さによって測
定所要時間は変化するが、発明者等の実験例では数秒か
ら数十秒のオーダーで充分測定可能であった。
一つのサンプルの繰り返し測定、あるいは多くのサン
プルの連続測定に適している。材料の前処理など測定準
備のための操作がいらないこと、サンプルの着脱等に特
別な治具を要しないことから、測定前後の操作が簡単で
しかも短時間に繰り返し測定ができる。
上記により特に製造工程での材料管理においても容
易に適用できる。
レーザ・フラッシュ法のように特に高いエネルギーフ
ラックスは必要でない。従って、環境温度に充分近いと
ころで実施でき、温度による影響の大きな材料でも高い
精度の測定が可能である。
なお、上記実施例において、温度変化特性に相当する伝
熱特性を特定する際、第6図、第7図に示すように
θ、θ06の二つの値をもとにして伝熱特性を特定する
ようにしたが、これ以外にも任意の測定点のデータ(2
つ以上)を用いて特定することが可能である。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明によれば、測定結果か
らの温度変化特性と界面の伝熱抵抗及び熱伝導率を考慮
した伝熱特性との比較演算により熱伝導率を求めるよう
にしたため、その界面での伝熱抵抗を測定段階で特に考
慮せずとも正確な熱伝導率を得ることができるようにな
る。また、単に熱源に材料の一方端を接触して測定をお
こなうことから特に材料の大きさに制限がなく、高伝導
率で異方性が大きく不均質な材料であっても特に支障な
く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る測定装置の構成を示すブロック
図、第2図はGurney-Lurieの線図により表現された伝熱
特性の一例を示す図、第3図は温度の変化の状態を示す
図、第4図は温度変化特性の一例を示す図、第5図は本
発明に係る測定装置の基本構成例を示す図、第6図は具
体的な温度変化特性を示す図、第7図は第2図のGurney
-Lurieの線図の要部を拡大して示す図である。 [符号の説明] 1……熱源 2,10……材料 3……温度変化測定手段 4……特性演算手段 5……伝熱特性記憶手段 6……比較演算手段 12……金属ブロック 13……ヒータ 15,16……温度センサ 18……ヒートフラックスセンサ 22……温度調整回路 30……CPU 31……ROM 32……RAM

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定温度に保持された熱源(1) に材料(2)
    の一方端を接触させた状態でその他方端面での温度変化
    を測定し、その測定結果に基づいて当該材料(2) の熱伝
    導率を決定するようにした熱伝導率の測定方法におい
    て、 温度変化の測定結果から温度変化特性を求め、 この測定結果から求められた温度変化特性と、界面の伝
    熱抵抗及び熱伝導率を考慮して予め定めた材料の伝熱特
    性との比較演算により熱伝導率を求めることを特徴とす
    る熱伝導率の測定方法。
  2. 【請求項2】上記温度変化の特性から求める温度変化特
    性を、 温度について予め定めたパラメータYm Ym=(T−tm)/(T−to) T:熱源の温度 Tm:測定温度 to:初期温度 と、時間に関するパラメータθとによる温度変化特性θ
    −LnYm(Ln:対数)とし、 上記界面の伝熱抵抗及び熱伝導率を考慮して予め定めた
    伝熱特性としてGurney-Lurie(ガーネ・ルーリー)の線
    図にて表現される伝熱特性X−LnYを用いたことを特徴
    とする請求項1記載の熱伝導率の測定方法。
  3. 【請求項3】所定温度に保持された熱源(1) と、熱源
    (1) に材料(2) の一方端を接触させた状態でその他方端
    面での温度変化を測定する温度変化測定手段(3) とを備
    え、温度変化測定手段(3) での測定結果に基づいて当該
    材料(2) の熱伝導率を決定するようにした熱伝導率の測
    定装置において、 温度変化測定手段(3) での測定結果から温度変化特性を
    求める特性演算手段(4) と、 界面の伝熱抵抗及び熱伝導率を考慮して予め定めた材料
    の伝熱特性を記憶保持する伝熱特性記憶手段(5) と、 上記特性演算手段(4) にて求められた温度変化特性と伝
    熱特性記憶手段(5) に記憶保持された伝熱特性との比較
    演算より当該材料(2) の熱伝導率を決定する比較演算手
    段(6) とを備えたことを特徴とする熱伝導率の測定装
    置。
  4. 【請求項4】上記特性演算手段(4) にて求めるべき温度
    変化特性を、 Ym=(T−tm)/(T−to) T:熱源の温度 Tm:測定温度 to:初期温度 と、時間に関するパラメータθとによる温度変化特性θ
    −LnYm(Ln:対数)とすると共に、 伝熱特性記憶手段(5) に記憶保持すべき伝熱特性を、 Gurney-Lurie(ガーネ・ルーリー)の線図にて表現され
    る伝熱特性X−LnYとし、 比較演算手段(6) は、 伝熱特性記憶手段(5) に記憶保持された種々の界面伝熱
    抵抗についての伝熱特性X−LnYから特性演算手段(4)
    にて求められた温度変化特性θ−LnYに相当する一つの
    伝熱特性X−LnYを特定する特性判定手段と、 特性判定手段にて特定された伝熱特性X−LnYから材料
    (2) の熱伝導率を決定する熱伝導率演算手段とを備えて
    なることを特徴とする請求項3記載の熱伝導率の測定装
    置。
  5. 【請求項5】熱源(1) から材料(2) に流入する熱量を測
    定する流入熱量測定手段を備え、 測定された流入熱量から演算される比熱を上記熱伝導率
    演算手段での当該演算に用いたことを特徴とする請求項
    4記載の熱伝導率の測定装置。
  6. 【請求項6】上記流入熱量測定手段にて測定された流入
    熱量に基づいて求められる熱特性情報を熱伝導率と共に
    測定結果として出力する機能を備えたことを特徴とする
    請求項5記載の熱伝導率の測定装置。
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