JP2537388Y2 - Sohc型内燃機関 - Google Patents

Sohc型内燃機関

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JP2537388Y2
JP2537388Y2 JP1990053831U JP5383190U JP2537388Y2 JP 2537388 Y2 JP2537388 Y2 JP 2537388Y2 JP 1990053831 U JP1990053831 U JP 1990053831U JP 5383190 U JP5383190 U JP 5383190U JP 2537388 Y2 JP2537388 Y2 JP 2537388Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 本考案は、単一のカムシャフトと、そのカムシャフト
の一側に在って該シャフトの長手方向に並列する一対の
吸気弁と、それら吸気弁によってそれぞれ開閉されて燃
焼室に並列開口する一対の吸気弁口と、同カムシャフト
の他側に在って該シャフトの長手方向に並列する一対の
排気弁と、それら排気弁によってそれぞれ開閉されて燃
焼室に並列開口する一対の排気弁口とがシリンダヘッド
に設けられ、一対の吸気弁および一対の排気弁と、単一
のカムシャフトとの間には吸気側動弁手段および排気側
動弁手段がそれぞれ介設され、燃焼室の天井面略中央部
に電極部を臨ませてシリンダヘッドに装着される点火プ
ラグが、カムシャフトを避けるように傾斜して両排気弁
間に配置されてなるSOHC型内燃機関に関する。
(2)従来の技術 従来、かかるSOHC型内燃機関は、たとえば特開昭61−
138823号公報等により既に知られている。
(3)考案が解決しようとする課題 上記従来のものでは、両排気弁口の中心間距離と両吸
気弁口の中心間距離とが略同じであるから、たとえ排気
弁口を吸気弁口よりも小径に形成したところで、両排気
弁口間を十分に離間させることはできず、そのため、そ
の両排気弁口とシリンダヘッド側面の排気開口端とを結
ぶ一対の排気ポートを、その相互間に位置する点火プラ
グより迂回させるべく、該排気弁口直後より、相互に離
反する側に少なからず彎曲形成させる必要がある。しか
るに、そのような排気ポート構造によると、一対の排気
弁口から排気された排ガス流が、それらの排気ポートの
集合部に於いて比較的大きな交差角度を以て相互に衝突
し、その相互の排ガス干渉により排気圧が増大し、機関
の出力向上に悪影響を及ぼしたり、燃焼性の悪化および
燃費の悪化を招いたりするおそれがある。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
一対の排気ポートからの排ガスの相互干渉を排除して、
円滑な排ガス排出を可能とし、機関出力向上、燃焼性向
上および燃費の低減に寄与することができるようにした
SOHC型内燃機関を提供することを目的とする。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案によれば、両排気
弁口は、それらの中心間の間隔が両吸気弁口の中心間の
間隔よりも大きく、しかもそれら排気弁口の径が吸気弁
口の径よりも小さくなるようにシリンダヘッドに形成さ
れ、その両排気弁口とシリンダヘッドの側面に開口した
排気開口端とを結んでシリンダヘッドに設けられる一対
の排気ポートは、相互に近接する側に膨らんで彎曲形成
される。
(2)作用 上記構成によれば、両排気弁口の中心間の間隔を両吸
気弁口の中心間の間隔よりも大きくしたことと、それら
排気弁口が吸気弁口よりも小径であることとが相俟っ
て、両排気弁口間を両吸気弁口間よりも十分に離間させ
ることができるから、点火プラグが両排気弁間に在って
カムシャフトを避けるように傾斜していても、その電極
部を燃焼室天井面の略中央部に無理なく臨ませることが
可能となる。またその両排気弁口相互を十分に離間させ
得たことで、それら弁口に連なる一対の排気ポートを、
排気弁間の傾斜点火プラグより無理なく逃がしながら、
両排気弁口直後から相互に近接する側に膨らむように彎
曲形成することが可能となるから、その両排気ポートを
流れて来た排ガス流を、両排気ポートの集合部で滑らか
に集合させることができ、排ガス相互の干渉を極力回避
することができる。
(3)実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説明す
る。
第1図は内燃機関の要部縦断面図であって第2図のI
−I線断面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3
図は第2図のIII−III線断面図、第4図は第1図のIV−
IV線矢視図、第5図は第1図のV−V線拡大断面図であ
る。
先ず第1図〜第3図において、SOHC型多気筒内燃機関
における機関本体の主要部はシリンダブロック1と該シ
リンダブロック1の上面に結合されるシリンダヘッド2
とから構成され、シリンダブロック1に設けられたシリ
ンダ3には、上面に窪み4aを有するピストン4が摺動可
能に嵌合され、該ピストン4の上面およびシリンダヘッ
ド2間に燃焼室5が形成される。
第4図を併せて参照して、シリンダヘッド2には、燃
焼室5の天井面に開口するようにして、一対の吸気弁口
61,62および一対の排気弁口71,72が設けられる。而し
て両吸気弁口61,62の中心間の間隔すなわち両吸気弁V
I1,VI2間の間隔LIは、両排気弁口71,72の中心間の間
隔すなわち両排気弁VE1,VE2間の間隔LEよりも小さく
(LI<LE)設定されており、両吸気弁口61,62の開口面
積は両排気弁口71,72の開口面積よりも大きく設定され
る。また、両吸気弁口61,62に個別に連なってシリンダ
ヘッド2に設けられる一対の吸気ポート81,82はシリン
ダヘッド2の一側面に開口する単一の吸気開口端8に共
通に連なり、両排気弁口71,72に個別に連なってシリン
ダヘッド2に設けられる一対の排気ポート91,92はシリ
ンダヘッド2の他側面に開口する単一の排気開口端9に
共通に連なる。
しかも両排気ポート91,92は、シリンダ3の軸線に直
交する平面内で相互に近接する側に膨らんで彎曲形成さ
れるものであり、そのようにすることにより、両排気ポ
ート91,92を排気弁口71,72から比較的離れた位置で滑
らかに集合させて排気開口端9に連ならせることがで
き、両排気ポート91,92の集合部では、両排気ポート
91,92を流通して来た排ガス流を、それらの流線をほぼ
平行にして集合させることが可能となる。
前記両吸気弁口61,62を個別に開閉可能な一対の吸気
弁VI1,VI2は、シリンダヘッド2に配設された一対のガ
イド筒10にそれぞれ摺動可能に嵌合されており、各ガイ
ド筒10から突出した各吸気弁VI1,VI2の上端部にそれぞ
れ固定されたリテーナ11とシリンダヘッド2との間には
各吸気弁VI1,VI2を囲繞するコイル状の弁ばね12,12が
介設され、それらの弁ばね12,12により各吸気弁VI1,V
I2は上方すなわち閉弁方向に付勢される。また両排気弁
口71,72を個別に開閉可能な一対の排気弁VE1,VE2は、
シリンダヘッド2に配設された一対のガイド筒13にそれ
ぞれ摺動可能に嵌合されており、各ガイド筒13から突出
した各排気弁VE1,VE2の上端部にそれぞれ固定されたリ
テーナ14とシリンダヘッド2との間には各排気弁VE1,V
E2を囲繞するコイル状の弁ばね15,15が介設され、それ
らの弁ばね15,15により各排気弁VE1,VE2は上方すなわ
ち閉弁方向に付勢される。
上記両吸気弁VI1,VI2と、図示しないクランク軸に1/
2の減速比で連動、連結される単一のカムシャフト16と
の間にはカムシャフト16の回転運動を吸気弁VI1,VI2
開閉運動に変換するための吸気側動弁手段MIが介設さ
れ、また両排気弁VE1,VE2と前記カムシャフト16との間
にはカムシャフト16の回転運動を排気弁VE1,VE2の開閉
運動に変換するための排気側動弁手段MEが介設される。
而して吸気側動弁手段MIは、第1吸気側ロッカアーム2
4、第2吸気側ロッカアーム25および第3吸気側ロッカ
アーム26と、それらのロッカアーム24〜26を共通に支承
する吸気側ロッカシャフト27とを備え、排気側動弁手段
MEは一対の排気側ロッカアーム29,30と、それらのロッ
カアーム29,30を共通に支承する排気側ロッカシャフト2
8とを備える。
第5図を併せて参照して、カムシャフト16は、シリン
ダヘッド2と該シリンダヘッド2に結合されるホルダ20
とで、シリンダ3の軸線と直交する水平な軸線を有しな
がら燃焼室5の上方位置で回転自在に支承される。この
カムシャフト16には、主として機関の高速運転に対応し
た形状に形成される第1カム21と、主として機関の低速
運転に対応した形状に形成されながら第1カム22の両側
に隣接する第2カム22,22とが一体的に設けられ、さら
に第2カム22,22の両側に排気側カム23,23が一体的に設
けられる。第1カム21は、機関の高速運転域で両吸気弁
VI1,VI2を開閉作動せしめるための形状を有するもので
あり、ベース円部21aと、該ベース円部21aから半径方向
外方に張出す高位部21bとを有する。第2カム22,22は、
両吸気弁VI1,VI2を機関の低速運転域で開閉作動せしめ
るための形状を有するものであり、ベース円部22aと、
カムシャフト16の半径方向外方への張出量を第1カム21
の高位部21bよりも小としかつその高位部21bよりも狭い
中心角範囲にわたってベース円部22aから張出した高位
部22bをそれぞれ有する。また両排気側カム23,23は、機
関の運転状態にかかわらず両排気弁VE1,VE2を開閉作動
せしめるための形状を有する。
一方、前記カムシャフト16の吸気弁VI1,VI2側斜め上
方でホルダ20には、該カムシャフト16と平行な軸線を有
する吸気側ロッカシャフト27が固定的に支持される。こ
の吸気側ロッカシャフト27には、一方の吸気弁VI1に連
動、連結される第1吸気側ロッカアーム24の中間部と、
他方の吸気弁VI2に連動、連結される第2吸気側ロッカ
アーム25の中間部と、第1および第2吸気側ロッカアー
ム24,25間に隣接配置される第3吸気側ロッカアーム26
の中間部とが相対揺動可能に支承される。またカムシャ
フト16の排気弁VE1,VE2側斜め上方でホルダ20には、吸
気側ロッカシャフト27と平行にして排気側ロッカシャフ
ト28が固定的に支持されており、この排気側ロッカシャ
フト28には、各排気弁VE1,VE2に個別に連動、連結され
た一対の排気側ロッカアーム29,30の中間部が揺動可能
に支承される。しかも排気側ロッカアーム29,30は、カ
ムシャフト16に対応する部分では第1および第2吸気側
ロッカアーム24,25の両外方に配置されている。
第1吸気側ロッカアーム24の一端部には、カムシャフ
ト16に設けられた一方の第2カム22に摺接するカムスリ
ッパ31が設けられ、第2吸気側ロッカアーム25の一端部
には、カムシャフト16に設けられた他方の第2カム22に
摺接するカムスリッパ32が設けられ、第3吸気側ロッカ
アーム26にはカムシャフト16に設けられた第1カム21に
摺接するカムスリッパ33が設けられる。また両排気側ロ
ッカアーム29,30の一端部には、カムシャフト16に設け
られた排気側カム23,23に摺接するカムスリッパ34がそ
れぞれ設けられる。
第1および第2吸気側ロッカアーム24,25の他端部に
は、各吸気弁VI1,VI2の上端に当接するタペットねじ35
がそれぞれ進退自在に螺合されており、第1および第2
吸気側ロッカアーム24,25の揺動作動に応じて各吸気弁V
I1,VI2が開閉作動することになる。また両排気側ロッ
カアーム29,30の他端部には、各排気弁VE1,VE2の上端
に当接するタペットねじ36がそれぞれ進退自在に螺合さ
れており、両排気側ロッカアーム29,30の揺動作動に応
じて各排気弁VE1,VE2が開閉作動することになる。
各ホルダ20,20…の上端間には支持板37架設されてお
り、この支持板37には、第3吸気側ロッカアーム26を第
1カム21に向けて弾発付勢するロストモーション機構38
が設けられる。
該ロストモーション機構38は、支持板37に固定的に嵌
合される有底円筒状のガイド部材39、ガイド部材39に摺
動可能に嵌合されるとともに第3吸気側ロッカアーム26
側の端部には第3吸気側ロッカアーム26に当接する当接
部40aが先細り状に形成されるピストン40と、ピストン4
0に係合すべくガイド部材39の開口端寄り内面に着脱可
能に固着されるストッパ41と、ピストン40を第3吸気側
ロッカアーム26に当接する方向に弾発付勢すべくピスト
ン40およびガイド部材39間に介装される第1および第2
ばね42,43とを備える。
支持板37には、第3吸気側ロッカアーム26に対応する
位置で下方に向けて開放した有底円筒部37aが設けられ
ており、ガイド部材39は、その開口端を上方位置としな
がら該有底円筒部37aに嵌合される。ピストン40および
ガイド部材39間にはばね室44が画成され、このばね室44
内に収納されたリテーナ45とピストン40との間にばね定
数を比較的小さくした第1ばね42が縮設され、またリテ
ーナ45とガイド部材39の閉塞端との間にばね定数を比較
的大きくした第2ばね43が縮設される。
ピストン40の閉塞端内面には有底の小径穴40bが同軸
に穿設されており、ばね定数の比較的小さい第1ばね42
は該小径穴40bに収容され、これにより第1ばね42の倒
れが防止される。またピストン40の当接部40aには、ピ
ストン40の摺動作動時に該ピストン40およびガイド部材
39間が加、減圧されることを防止するために、ばね室44
を外部に連通するエア抜き孔46が当接部40aの外側面に
開口する十字状に穿設される。
さらに支持板37上には、有底円筒部37aの基端部に隣
接してカムシャフト16と平行な油溝47が設けられてお
り、有底円筒部37aの基端部およびガイド部材39には、
油溝47を流れる油をばね室44内に導く油路48が設けられ
る。而して油溝47に図示しない潤滑油供給源から供給し
た潤滑油を流通させることにより、ピストン40およびガ
イド部材39間に潤滑油を給油することが可能となる。
第1〜第3吸気側ロッカアーム24〜26には、それら24
〜26の連結および連結解除を機関の運転状態に応じて切
換可能な連結切換機構50が設けられる。
この連結切換機構50は、第1吸気側ロッカアーム24お
よび第3吸気側ロッカアーム26を連結可能な連結ピスト
ン51と、第3吸気側ロッカアーム26および第2吸気側ロ
ッカアーム25を連結可能な連結ピン52と、連結ピストン
51および連結ピン52の移動を規制する規制部材53と、連
結ピストン51、連結ピン52および規制部材53を連結解除
側に付勢する戻しばね54とを備える。
第1吸気側ロッカアーム24には、第3吸気側ロッカア
ーム26側に開放した有底の第1ガイド穴55が吸気側ロッ
カシャフト27と平行に穿設されており、この第1ガイド
穴55に連結ピストン51が摺動可能に嵌合され、連結ピス
トン51の一端と第1ガイド穴55の閉塞端との間に油圧室
56が画成される。また第1吸気側ロッカアーム24には油
圧室56に連通する連通路57が穿設され、吸気側ロッカシ
ャフト27内には、図示しない油圧供給源に接続される油
圧供給路58が設けられる。而して該油圧供給路58は第1
吸気側ロッカアーム24の揺動状態にかかわらず前記連通
路57すなわち油圧室56に常時連通する。
第3吸気側ロッカアーム26には、第1ガイド穴55に対
応するガイド孔59が吸気側ロッカシャフト27と平行にし
て両側面間にわたって穿設されており、前記連結ピスト
ン51の他端に一端が当接される連結ピン52がガイド孔59
に摺動可能に嵌合される。
第2吸気側ロッカアーム25には、前記ガイド孔59に対
応する有底の第2ガイド穴60が第3吸気側ロッカアーム
26側に開放して吸気側ロッカシャフト27と平行に穿設さ
れており、連結ピン52の他端に当接する有底円筒状の規
制部材53が第2ガイド穴60に摺動可能に嵌合される。こ
の規制部材53は、その開口端を第2ガイド穴60の閉塞端
側に向けて配置されるものであり、その開口端部で半径
方向外方に張出した鍔部53aが第2ガイド穴60の内面に
摺接する。戻しばね54は、第2ガイド穴60の閉塞端およ
び規制部材53の閉塞端間に縮設されており、この戻しば
ね54のばね力により相互に当接した連結ピストン51、連
結ピン52および規制部材53が油圧室56側に付勢される。
しかも第2ガイド穴60の閉塞端には、空気および油抜き
用の連通孔61が穿設される。
再び第1図〜第4図において、シリンダヘッド2に
は、燃焼室5の天井面略中央部に電極部64aを臨ませた
点火プラグ64が装着されており、この点火プラグ64は、
燃焼室5の上方で吸気弁VI1,VI2と排気弁VE1,VE2との
間に位置する単一のカムシャフト16を避けるように傾斜
して両排気弁VE1,VE2間に配置される。点火プラグ64を
挿入するためのプラグ挿入筒部65がシリンダヘッド2に
設けられる。而して一対の排気側ロッカアーム29,30
は、相互に隣接して配置される第1〜第3吸気側ロッカ
アーム24〜26の両側で、カムシャフト16の排気側カム2
3,23に摺接するように配設されている。これにより両排
気側ロッカアーム29,30相互間に比較的広いスペースを
確保することが可能であり、また両排気弁VE1,VE2相互
の間隔は、それらの排気弁VE1,VE2で開閉すべき排気弁
口71,72相互の間隔LEが比較的大きく設定されているこ
とから比較的広いものである。このため、点火プラグ64
すなわちプラグ挿入筒部65は、両排気弁VE1,VE2の弁軸
相互間に軸線を配置するようにしてシリンダヘッド2に
配設される。
次にこの実施例の作用について説明すると、機関の低
速運転域では連結切換機構50における油圧室56の油圧は
解放されている。したがって連結ピストン52、連結ピン
52および規制部材53は戻しばね54のばね力により油圧室
56側に最大限移動した連結解除状態にある。この状態で
は、連結ピストン51および連結ピン52の当接面は第1吸
気側ロッカアーム24および第3吸気側ロッカアーム26間
に対応する位置にあり、連結ピン52および規制部材53の
当接面は第3吸気側ロッカアーム26および第2吸気側ロ
ッカアーム25間に対応する位置にある。したがって各ロ
ッカアーム24〜26は相互に相対角変位可能な状態にあ
る。
かかる連結解除状態にあっては、カムシャフト16の回
転作動により第1吸気側ロッカアーム24が第2カム22と
の摺接に応じて揺動するとともに第2吸気側ロッカアー
ム25が第2カム22との摺接に応じて揺動し、両吸気弁V
I1,VI2は第2カム22,22の形状に応じたタイミングおよ
びリフト量で開閉作動することになる。この際、第3吸
気側ロッカアーム26は第1カム21との摺接に応じて揺動
するが、その揺動動作は第1および第2吸気側ロッカア
ーム24,26に何らの影響も及ぼさない。また排気弁VE1
VE2は排気側カム23,23の形状に応じたタイミングおよび
リフト量で開閉作動する。
機関の高速運転域では連結切換機構50の油圧室56に高
油圧が供給され、連結切換機構50において連結ピストン
51、連結ピン52および規制部材53は戻しばね54のばね力
に抗して連結位置側へと移動し、連結ピストン51がガイ
ド孔59に嵌合するとともに連結ピン52が第2ガイド穴60
に嵌合し、各ロッカアーム24〜26が連結される。このと
き第1カム21に摺接している第3吸気側ロッカアーム26
の揺動量が最も大きいので、第1および第2吸気側ロッ
カアーム24,25は第3吸気側ロッカアーム26とともに揺
動し、両吸気弁VI1,VI2は第1カム21の形状に応じたタ
イミングおよびリフト量で開閉作動せしめられる。
しかもこの高速運転域で両排気側ロッカアーム29,30
は、低速運転域と同様に排気側カム23,23の形状に応じ
たタイミングおよびリフト量で両排気弁VE1,VE2を開閉
作動せしめる。
このようにして機関の高速運転域と低速運転域とで吸
気弁VI1,VI2の開閉作動態様を変更することにより、機
関の運転状態に適応した動弁特性にして機関出力の向上
を図ることができる。
また複数の吸気側ロッカアーム24〜26は連結切換機構
50を設けたことにより隣接配置せざるを得ないので、両
排気弁VE1,VE2間、ならびに両排気側ロッカアーム29,3
0間にプラグ挿入筒部65を配設するのに充分なスペース
を確保することができる。
かかる内燃機関において、両排気弁口71,72と排気開
口端9とを結ぶ一対の排気ポート91,92は相互に近接す
る側に膨らんで彎曲形成されており、排気弁口71,72
ら両排気ポート91,92を流れて来た排ガス流は、両排気
ポート91,92の集合部で滑らかに集合することになる。
したがって両排ガス流の相互干渉が極力回避され、排気
圧を低下させることが可能となり、機関出力向上に寄与
することができるとともに、燃焼性向上および燃費の低
減に寄与することができる。
以上の実施例では、カムシャフト16と一対の吸気弁V
I1,VI2との間に、連結切換機構50を備える3つの吸気
側ロッカアーム24〜26を有した吸気側動弁手段MIを介設
し、カムシャフト16と一対の排気弁VE1,VE2との間に一
対の排気側ロッカアーム29,30を備える排気側動弁手段M
Eを介設するようにしたが、本考案は、上記動弁手段
MI,MEの構成には限定されないものであり、各吸気側ロ
ッカアームおよび排気側ロッカアームを単一のロッカシ
ャフトで共通に支承するようにした動弁手段を備えるSO
HC型内燃機関にも適用可能である。
C.考案の効果 以上のように本考案によれば、両排気弁口の中心間の
間隔を両吸気弁口の中心間の間隔よりも大きくしたこと
と、それら排気弁口が吸気弁口よりも小径であることと
が相俟って、両排気弁口間を両吸気弁口間よりも十分に
離間させることができるので、点火プラグが両排気弁間
に在ってカムシャフトを避けるように傾斜していても、
その電極部を燃焼室天井面の略中央部に無理なく臨ませ
ることができ、燃焼効率の向上に寄与することができ
る。また前記のように両排気弁口相互を十分に離間させ
得たことで、それら弁口に連なる一対の排気ポートを、
排気弁間の傾斜点火プラグより無理なく逃がしながら、
両排気弁口直後から相互に近接する側に膨らむように彎
曲させることができるため、その両排気ポートを流れて
来た排ガス流を、両排気ポートの集合部で滑らかに集合
させることができ、従って排ガス相互の干渉を極力回避
して機関出力の向上、燃焼性の向上および燃費の低減に
寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すもので、第1図は内燃機
関の要部縦断面図であって第2図のI−I線断面図、第
2図は第1図のII−II線断面図、第3図は第2図のIII
−III線断面図、第4図は第1図のIV−IV線矢視図、第
5図は第1図のV−V線拡大断面図である。 2…シリンダヘッド、61,62…吸気弁口、71,72…排気
弁口、9…排気開口端、91,92…排気ポート、5…燃焼
室、16…カムシャフト、64…点火プラグ、ME…排気側動
弁手段、MI…吸気側動弁手段、VE1,VE2…排気弁、
VI1,VI2…吸気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 13/00 301 F02P 13/00 301A (56)参考文献 特開 平1−142243(JP,A) 特開 昭61−255247(JP,A) 実開 昭56−4636(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一のカムシャフト(16)と、そのカムシ
    ャフト(16)の一側に在って該シャフト(16)の長手方
    向に並列する一対の吸気弁(VI1,VI2)と、それら吸気
    弁(VI1,VI2)によってそれぞれ開閉されて燃焼室
    (5)に並列開口する一対の吸気弁口(61,62)と、同
    カムシャフト(16)の他側に在って該シャフト(16)の
    長手方向に並列する一対の排気弁(VE1,VE2)と、それ
    ら排気弁(VE1,VE2)によってそれぞれ開閉されて燃焼
    室(5)に並列開口する一対の排気弁口(71,72)とが
    シリンダヘッド(2)に設けられ、一対の吸気弁
    (VI1,VI2)および一対の排気弁(VE1,VE2)と、単一
    のカムシャフト(16)との間には吸気側動弁手段(MI
    および排気側動弁手段(ME)がそれぞれ介設され、燃焼
    室(5)の天井面略中央部に電極部(64a)を臨ませて
    シリンダヘッド(2)に装着される点火プラグ(64)
    が、カムシャフト(16)を避けるように傾斜して両排気
    弁(VE1,VE2)間に配置されてなる、SOHC型内燃機関に
    おいて、 両排気弁口(71,72)は、それらの中心間の間隔(LE
    が両吸気弁口(61,62)の中心間の間隔(LI)よりも大
    きく、しかもそれら排気弁口(71,72)の径が両吸気弁
    口(61,62)の径よりも小さくなるようにシリンダヘッ
    ド(2)に形成され、 その両排気弁口(71,72)とシリンダヘッド(2)の側
    面に開口した排気開口端(9)とを結んでシリンダヘッ
    ド(2)に設けられる一対の排気ポート(91,92)は、
    相互に近接する側に膨らんで彎曲形成されることを特徴
    とするSOHC型内燃機関。
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