JP2537249Y2 - 野球用グラブの手口パット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、野球用グラブの甲部保
護材に関するものであり、手口部のフィット性と快適な
使用感を有する手口パットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、野球用やソフトボール用グラ
ブ、またはミットに用いられていた甲部保護材は、ボア
やムートンといった獣毛、あるいはフェイク・ファーと
いったアクリル系化学繊維を起毛させたものを手口部の
形状に合わせて裁断し、ベロ部に縫着したものが一般的
であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】しかし、従来の甲部
保護材は上述のような柔らかい繊維であったため、使用
者がグラブに手を入れた際、人差し指の付け根付近から
小指の付け根付近にかけての甲部に軽く触れる程度で、
手口部のフィット感はほとんど感じられず、使用者の甲
部が手口部で遊んでしまい、グラブの操作性が悪かっ
た。また、前記甲部保護材は獣毛等の柔らかい繊維から
なるので、汗や水に非常に弱く、長期間の使用により毛
がへたってしまい、甲部保護材としての用を為さないば
かりか、汗や汚れに起因する悪臭を発生し、極めて不快
なものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の手口パットは、
野球用グラブの手口部に止着される甲部保護材であっ
て、通気性を有し、肌ざわりが良く、更に抗菌防臭加工
を施したメッシュ生地と、適度な弾力性と速乾性を有す
る合成スポンジとを積層し、熱圧縮成形法により立体成
形したものである。

【０００５】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は、本考案の手口パット３をベロ部４に縫着した野
球用のグラブ１を示したものである。本実施例におい
て、野球用のグラブを挙げたが、グラブに限定されるも
のではなくキャッチャーミットやファーストミットはも
ちろん、野球用以外のグラブに応用することも可能であ
る。本考案に用いられるグラブ等は特別なものではな
く、従来より公知のものである。

【０００６】図２、図３には、それぞれ本考案の手口パ
ット３の全体図、及び手口パット３のＸ−Ｘ線端面図を
示したものである。図２に示すように、手口パット３
は、親指部パット３ａ、甲部パット３ｂ、及び小指部パ
ット３ｃからなるパット部と、使用者の手の甲部のカー
ブに沿い易くするために設けられた溝５、及びグラブ１
のベロ部４に縫着するための縫い代６から構成されてい
る。本実施例では、溝５を２本設けたが２本以上の溝５
を設けることも可能である。

【０００７】図３に示すように、本考案の手口パット３
は、メッシュ生地７とスポンジ８とを積層し、熱圧縮成
形法により立体的に一体成形したものである。該メッシ
ュ生地は、抗菌防臭加工を施したメッシュ生地７であっ
て、肌ざわりを良くするため起毛処理を施したものが好
適である。素材としては、耐久性に優れ、速乾性を有す
るナイロン繊維が好適であるが、それに限定されるもの
ではない。また、スポンジ８は適度な弾性と速乾性を有
する合成スポンジが用いられる。素材としては、熱圧縮
成形法により付形可能な連胞タイプの発泡ウレタンが好
適であるが、それに限定されるものではない。

【０００８】

【考案の効果】以上のような構成であるため、本願考案
の手口パットを装着したグラブを使用すると、手口パッ
トが親指付け根付近から小指付近までの甲部全体にフィ
ットし、グラブの操作性が著しく向上するとともに、親
指付け根部にかかる捕球衝撃を緩和する効果を奏する。
また、手口パットの表地に用いられている抗菌防臭メッ
シュ生地と、速乾性に優れた合成スポンジとの作用が相
まって、長期間の使用においても、パットのへたりが無
く、甲部保護部材としての働きを失わないばかりか、汗
や汚れによる悪臭の発生を防止する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の手口パットを装着した野球用グラブの
展開図である。

【図２】本考案の手口パットの斜視図である。

【図３】本考案の手口パットのＸ−Ｘ線端面図である。

【符号の説明】

１ グラブ ２ 手口部 ３ 手口パット ４ ベロ部 ５ 溝 ６ 縫い代 ７ メッシュ生地 ８ スポンジ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 野球用グラブ等の手口部に止着される甲
   部保護材であって、抗菌防臭加工を施したメッシュ生地
   と、合成スポンジとを積層し、立体成形したことを特徴
   とする野球用グラブの手口パット。