JP2537186B2 - リポソ−ムを製造するための押出技術 - Google Patents

リポソ−ムを製造するための押出技術

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JP2537186B2
JP2537186B2 JP60502838A JP50283885A JP2537186B2 JP 2537186 B2 JP2537186 B2 JP 2537186B2 JP 60502838 A JP60502838 A JP 60502838A JP 50283885 A JP50283885 A JP 50283885A JP 2537186 B2 JP2537186 B2 JP 2537186B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/14Ultrafiltration; Microfiltration
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、リポソームに関するものであり、特に、ユ
ニラメラリポソームの迅速な製造および限定されたサイ
ズ分布を有するリポソームを製造のための押出技術に関
するものである。
2.先行技術の説明 当該分野において公知のように、リポソームは、水性
核体をとり囲む脂質二重層膜を有する閉鎖した小胞体
(ベシクル)である。一般に、以下の3つのタイプのリ
ポソーム、すなわち1)それぞれのベシクルが、タマネ
ギの皮の配置のように一つの膜の内側に他の膜が収納さ
れた複数の同心的二重層膜を有するマルチラメラベシク
ル類(MLV類)、2)ベシクル1つあたりわずかに1つ
の二重層膜を有しかつ約50nm以下の範囲にある直径を有
するスモールユニラメラベシクル類(SUV類)および
3)これもまたベシクル1つあたりわずかに1つの二重
層膜を有するものであるが、約50nm以上の、そして代表
的には100nmおよびそれ以上の値である直径を有するラ
ージユニラメラベシクル類が(LUV類)が生成されてい
る。
これらの調製および生成リポソームの種々の用途を包
含する、これらの3つのタイプのリポソームに関する評
論は、リポソームス、マルク ジェイ、オストロ編、マ
ーセル デッカー インコーポレーテッド、ニューヨー
ク、1983年[Liposomes,Marc J.Ostro,ed.,Marcel Dekk
er,Inc.,New York,1983]のテキストにおいてみること
ができ、これの関連する部分は、本明細書中に参考に組
入れられる。スゾカ,ジュニアら、アン レブ バイオ
フィズ バイオエング:467(1980年)[Szoka.Jr.,
et al.,Ann.Rev.Biophys.Bioeng.:467(1980)]も
また参照すべきであり、これの関連部分もまた、本明細
書中に参考に組入れられる。
発展してきた他のタイプのリポソームには、安定なプ
ルリラメラベシクル類[stable plurilamellar vesicle
s](SPLV類)、単相ベシクル類[monophasic vesicle
s]MPV類)およびステロイドリポソーム類[steroidal
liposomes]である。これらのベシクル類およびこれら
の調製方法の説明は、同時係属されそして一般譲渡され
た、そそれぞれ1983年3月24日、1983年8月8日および
1984年4月12日に出願の米国特許出願一連番号第476,49
6号、第521,176号および第599,691号にみることがで
き、そしてこれらの関連部分は、本明細書中に参考に組
入れられる。
リポソームの初期の使用の1つは、種々の物質、例え
ば、薬剤、化粧品、診断学的試剤、生物学的活性化合物
などのような物質の担体としてである。リポソームはま
た自然発生生物学的膜システムの科学的モデルとして広
範に用いられている。
これらの使用のそれぞれに関連して、限定された平均
直径およびこの平均について限定されたサイズ分布を有
するリポソームの有効な集団を有することが重要であ
る。より特別には、ある選択された平均直径について実
質的に単一モードの[unimodal]分布を有するリポソー
ムの有効な集団を有することが重要である。
工業的適用および、特に薬理学的適用に関して、この
ような集団はリポソームに内包された薬剤ないし同様な
ものの効果と安全性を高めるために必要とされる。さら
に、リポソームの厳密に限定された集団の利用性は、合
衆国食品および薬剤投与取締機関[the United States
Food and Drug Administration regulatory agency]の
ような取締機関からリポソーム含有調製物に関する認可
を得ることを著しく容易とする。科学的研究を包含する
その他のリポソームの適用に関して、リポソームの適用
に特徴ずけられた集団の容易な利用性は、より標準化さ
れた製品および反復性のある実験を導くものとなろう。
本発明は、リポソームの製造に関する改良された方法
に関するものである。特に本発明は、1)ラージおよび
スモールの双方のタイプのユニラメラリポソームを製造
するための改良された方法、および2)限定されたサイ
ズ分布を有するリポソームを製造するための改良された
方法に関するものである。
本発明より以前は、ラージユニラメラリポソーム類
(LUV類)は、一般に以下の3つの方法のうちひとつに
よって製造された。すなわち種々の溶剤を用いての1)
逆相蒸発[reverse−phase evaporation]法、2)洗浄
剤希釈[detergent dilution]法および3)注入[infu
sion]法である。リポソームス、上記、第1章第37〜44
頁を参照のこと。
逆相蒸発技術においては、水性緩衝液が、「転化ミセ
ル[inverted micelle]」、すなわち、リン脂質単一層
によって囲繞されることにより有機溶媒中に安定化され
た水の液滴を製造するために、リン脂質と有機溶媒の混
合物中へ導入される。溶媒の蒸発は、該ミセルに合体し
て所望のリポソームを形成することをなさせる。例えば
スゾカ,ジュニアら、プロク.ナトル.アカド.サイ.
ユーエスエイ 75:4194(1978年)[Szoka,Jr.,et al.P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,75:4194]およびパパハジョプ
ーロスら[Papahajopoulos et al.]の米国特許第4,23
5,871号を参照のこと。
洗浄剤希釈アプローチにおいては、脂質、洗浄剤およ
び水性溶液が共に混合されそして所望するベシクルを形
成するために音波処理される。次に、洗浄剤を除去する
ために、ゲル濾過などのような分離技法が用いられてそ
してこれにより完成されたリポソームを製造する。
注入法においては、脂質は、溶剤、例えばペンタンあ
るいはジエチルエーテルに溶解され、そしてこの脂質−
溶剤溶液は、溶剤に蒸発を起こさせる条件下で水溶液中
へ注入し、そしてこれにより所望のリポソームを製造す
る。例えばディーマー,アナルス ニューヨーク アカ
デミー オブ サイエンス 308:250〜258(1978年)
[Deamer,Annals New York Academy of Sciences, 30
8:250−258(1978)]を参照のこと。
LUV類を製造するために用いられているその他の技術
は、連合[fusion]技術を包含しており、これにおいて
SUV類の集団は、LUVを形成するために個々のSUVにお互
いにが連合することをなさせるように処理される。例え
ば、ピー.デメトリオス パパハジョプーロスに対する
米国特許第4,078,052号は、SUVを渦巻形シリンダー中に
連合するためにカルシウムイオンが用いられ、そして該
シリンダーが次の所望のLUVを形成するためにEDTAなど
のようなカルシウムキレート化剤で処理される技術を述
べている。ゆっくりとした解凍を伴なう、SUV類の急速
冷凍がまた連合によってLUVを製造するために用いられ
ている。例えばユー.ピック,アーチブス オブ バイ
オケミストリー アンド バイオフィジックス212:18
6(1981年)[U.Pick,Archives of Biochemistry and B
iophysics212:186(1981)]を参照のこと。
SUV類の製造に関しては、LUV類の場合と同様に、種々
の技術が過去に用いられている。リポソームス、上記、
第1章第33頁、第36頁を参照のこと。最も初期の技術
は、プローブ型または浴型音波処理装置を用いた水溶液
中の脂質の懸濁液の清澄への音波処理を含むものであっ
た。他の技術は、溶剤としてエタノールを用いる以外は
LUV類を製造するために用いられたラインに沿った注入
法(エス.バツズリとイー.コーン.バイオチミカ エ
ト バイオフィジカ アクタ298:1015(1973年)[S.
Batzri and E.Korn,Biochimica et Biophysica Acta,
298:1015(1973)])、および20,000psiの圧力で操作
されたフレンチプレス[French press]の通してのMLV
類の多重通過を用いる技術(例えば、ハミルトン,ジュ
ニアら、ジャーナル オブ リピド リサーチ21:981
(1980年)[Hamilton Jr.,et al.,Journal of Lipid R
esearch, 21:981(1980)]およびバレンホルズら,
フイービーエス レット99:210(1979年)[Barenhol
z,et al.,FEBS Lett.,99:210(1979)]を参照のこ
と。)を包含するものであった。
リポソームを製造するための基本的技法のほかに、種
々の補助的技術がリポソームの特性を改良するために、
リポソームの調製後処理に関して発展してきている。特
に、以下により詳しく述べるように、上記に述べたLUV
技法の多くが、例えば一連のポリカーボネートフィルタ
ーなどを用いる濾過による仕上げられたリポソームのサ
イズ規制を要求するものであった。リポソームス、上
記、第1章第37〜39頁、第45頁およびスゾカら、バイオ
チミカ エト バイオフィジカ アクタ,601:559(1980
年)を参照のこと。一連のポリカーボネートフィルター
は、MLV類をサイズ規制するために用いられている。エ
フ.オルソンら、バイオチミカ エト バイオフィジカ
アクタ557:9(1979年)[F.Olson,et al.Biochimic
a et Biophysica Acta, 557:9(1979)]およびボスワ
ースら、ジャーナル オブ ファーマシューティカル
サイエンシズ71:806(1982年)[Bosworth,et al.,Jo
urnal of Pharamaceutical Sciences71:806(198
2)]を参照のこと。
前述の技術のそれぞれが、リポソームを製造するため
に用いられ得るが、これらの技術のいずれも全く満足す
るものではなかった。例えば、一般に用いられたLUV技
術のそれぞれは、リポソームを形成する成分を脂質可溶
化剤、すなわち、有機溶媒または洗浄剤のいずれかと組
合せることを含むものであった。当業界において公知で
あるように、溶剤および洗浄剤は、リポソーム中に内包
することが望まれる、例えば酵素のような、多くの物質
に不利な影響を与え得るものであり、そしてそれゆえに
これらの技術はこれらの物質と共には用いることができ
ない。また、薬剤担体システムの生成などのようなもの
への適用においては、これらの潜在的毒性物質の存在の
可能性は望ましくないものである。
さらに、これらの技術は用いられた溶剤あるいは洗浄
剤を完全に除去することが不可能である長々しい透析を
しばしば要求するものであった。例えばアレンら,バイ
オチミカ エト バイオフィジカ アクタ601:328(1
980年)[Allen,et al.,Biochimica et Biophysica Act
a, 601:328(1980)]を参照のこと。さらに、種々の
処方が、脂質種に依存して要求される。例えば、ある種
の脂質(例えばコレステロール、ホスファチジルエタノ
ールアミン(PE)およびホスファチジルセリン(PS))
のエーテルあるいはエタノールにおける限定された溶解
性は、これらの溶剤を用いる技術の修正を必要とする。
あるいはまた、オクチルグルコシドなどのような非イオ
ン性界面活性剤を用いる洗浄剤透析法は、これらが数日
間の透析を含み得るゆえに適用することに飽き飽きす
る。はっきりいって、完成したリポソームから脂質可溶
化剤を分離する必要性は、これらの方法の有用性を著し
く低減するものである。
これらの同様のラインに沿って、LUV技術の先行技術
は一般に、種々のサイズのリポソームならびにリポソー
ムの凝集をもたらし、それゆえに、一連のフィルターを
用いての仕上げられたリポソームのサイズ規制の付加的
段階が要求される。また、これは全部のプロセスをより
時間を消費しそしてより込み入ったものとする。
連合技術は同様の欠点を含むものでてある。例えば、
カルシウムイオン/カルシウムキレート化剤技法は、溶
剤および洗浄剤技法のように、仕上げられたリポソーム
を実際形成する物質以外の物質(この場合、キレート化
剤と添加されたカルシウムイオン)の使用およびその後
の除去を含むものである。溶剤および洗浄剤での場合と
同様に、これらの物質は、汚染の可能性源となり、該技
術の有用性を限定し、そして該技術をより込み入ったも
のとする。また、この技術は、リポソームの組成にいく
らかのホスファチジルセリンを含むことを必要とする。
凍結−解凍技法に関しては、この技術は、この技術に
より製造されたリポソームの比捕獲能[specific trapp
ing cpacity]が、約20mg/mlを超えるリン脂質濃度で急
激に降下するという不利益に悩まされている。
SUV技術は同様の問題を有している。例えば高エネル
ギー音波処理は、リン脂質の酸化および分解を引起こ
し、そして、リポソームの内部空間中に捕獲されること
が望まれる溶質分子を損傷し得るものである。また、音
波処理プロープを用いて行なわれた場合には、高エネル
ギー音波処理は、プローブ浸食を引起こし得、そして放
射性物質と組合せて溶型音波処理で行なわれた場合に
は、潜在的に危険なエアロゾルを産生し得るものとな
る。低エネルギー音波処理は、遅く、リン脂質分子に破
壊的にあり得、そして大量のリポソームを調製するため
に用いることができない。さらに該音波処理アプローチ
は低い捕獲効率[trapping effeciency]をまねくもの
となる。
注入型SUV法は、LUV注入法と同様な問題に悩まされて
いる。高圧フレンチプレス技術は、該技術を反復可能と
することにおける困難性、SUVに転化しなかったMLVを除
去するための調製後の濾過の必要性、使用される高圧に
耐え得る高価で煩わしい装備の必要性、およびリポソー
ムの製造の間に発生する装置の成分の崩壊による生成物
汚染を含む、これ固有の問題群を有している。たとえ
ば、ボスワースら,ジャーナル オブ ファーマシュー
ティカル サイエンシズ71:806(1982年)[Boswort
h,et al.,Journal of Pharamaceutical Sciences71:8
06(1982)]を参照のこと。また、この技術は低い捕獲
効率を有するスモールなリポソームのみを製造し得るも
のである。
本発明のサイズ分布の見地に話を転じると、種々の製
法が、リポソームのサイズおよび分布を制御する手段を
見出そうとする試みにおいて過去に研究されている。こ
れらの製法のいずれもが一方の手段あるいは他方におけ
る標準に達せず失敗に終わっている。例えばチン−シェ
ン ハン,バイオケミストリー:344(1969年)[Ch
ing−hsien Huang,Biochemistry, :344(1969)]
は、緩衝液中の脂質懸濁液を2 1/2時間音波処理し、分
散されていない脂質を除去するために得られた生成物を
105,000×gで遠心分離し、十分に洗浄された0.1ミクロ
ンサートリウムフィルター[Sartorius filter]を通し
て上澄液を濾過し、濾過物を予め脂質懸濁液で飽和され
そして緩衝液で洗浄され平衡化されたセファロース4B
[Sepharose 4B]カラムにおいて分子ふるいクロマトグ
ラフィーにかけ、そしてカラムから溶出される第2分画
を採集することを含むスモールユニラメラベシクル類
(SUV類)の均質な集団を製造するための多段階技術を
述べている。この製法は、限定されたサイズ分布のリポ
ソームの集団を製造するものではあるが、明らかに複雑
で使用に時間を消費し、SUV類のみしか製造せず、そし
て長時間の音波処理またはセファロース4Bカラムへの曝
露のいずれかの間におけるリポソームまたはその成分の
化学変化の危険性をもつものであった。
ハンの技術における問題のいくつかを克服するための
試みにおいて、バレンホルツら、バイオケミストリー
16:2806(1977年)[Barenholz,et al.,Biochemistry,
16:2806(1977)]は、分子ふるいクロマトグラフィ
ーに代えて高速遠心分離を用いる技術を発展させた。こ
の技術によると、緩衝液中の脂質分散液は、30分間音波
処理され、ラージマルチラメラリポソームおよび音波処
理プローブ粒子を除去するために100,000×gで15〜30
分間遠心分離し、そして100,000×gの遠心分離からの
上澄液が、用いられた脂質、緩衝液および温度に依存す
る1〜4時間の範囲の時間の間159,000×gで再遠心分
離される。
この後者の遠心分離は、3つのゾーンを生じさせ、そ
のいちばん上部のゾーンが、リポソームの望まれる均質
な集団を含んでおり、隣接する第2のゾーンの一部を取
り出すことなく注意深く除去されるべきである。この技
術は、セファロース4Bカラムの使用を消去するものでは
あるが、これはまだ長時間で複雑であり、まだSUV類の
みしか製造できず、そしてまだ音波処理により生起する
問題を有している。これらと同じ筋道に沿って、ワッツ
ら、バイオケミストリー17:1792(1978年)[Watts,e
t al.,Biochemistry, 17:1792(1978)]は、音波処理
の後、4℃で10分間、105,000×gで遠心分離すること
によってジミリストイルホスファチジルコリンイ(DMP
C)からSUV類の均質な集団を調製することを報告してい
る。
SUV類の均質な集団を得るための努力のほかに、より
ラージなリポソーム、すなわち約50nmより大きな直径を
有するリポソームの均質な集団を得るために数多くの試
みがなされている。これらの努力の大多数は、漸減され
る孔径の一連のポリカーボネートフィルターの使用を含
むものであった。
例えば、オルソンら、バイオチミカ エト バイオフ
ィジカ アクタ557:9(1979年)[Olson,et al.,Bioc
himica et Biophysica Acta, 557:9(1979)]は1.0、
0.8、0.6、0.4および0.2ミクロンの孔径を有するポリカ
ーボネートフィルターを通してのラージマルチラメラリ
ポソームの連続的押出しを述べている。ブレンゼルら、
バイオチカ エト バイオフィジカ アクタ596:129
(1980年)[Brendzel,et al.,Biochimica et Biophysi
ca Acta, 596:129(1980)]も参照のこと。オルソン
の研究所はまた、逆相蒸発により調製されたラージユニ
ラメラリポソームのサイズ規制への彼らの技術の適用も
報告している。バイオミチカ エト バイオフィジカ
アクタ601:559(1980年)[Biochimica et Biophysic
a Acta, 601:559(1980)]も参照のこと。この場合に
おいては、0.4、0.2、0.1および0.08ミクロンの孔径を
有するフィルターが用いられている。
文献に報告されたようなオルソンの研究は、ラージリ
ポソームの単一モードの集団を製造するものと思われる
が(例えば1979年論文の第1e図および第3d図、ならびに
1980年論文の第1D図、第2D図および第3D図を参照のこ
と。)、下記例10において詳細に述べるように、サイズ
分布を測定するための技術として準弾性光散乱[guasi
−elastic light scattering]が用いられた場合、オル
ソンの技術によって調製されたリポソームは単一モード
の分布を有していないという結果となることが驚くべき
ことに見い出された。リポソームの大規模な工業的製造
に関して、準弾性光散乱は現在において、サイズ分布を
定義する唯一の公知のリアルタイムな物理的方法であ
り、それゆえ工業的適用に関して、オルソンの製法は、
単一モードであるリポソームの集団を有効に製造すると
はいい難いものである。
オルソンの連続的なポリカーボネートフィルターのア
プローチの他に、比較的大きなリポソームの均質な集団
を得ることを希望して、その他の技術が試みられてい
る。例えばシュレリーら、ケミストリー アンド フィ
ジックス オブ リピズ12:75(1973年)[Schulley
et al.Chemistry and Physics of Lipids, 12:75(197
3)]は、ラージマルチラメラホスファチジルコリンリ
ポソームをサイズ規正するために、8.0、1.2、0.80、0.
65および0.45ミクロンの孔径を有するミリポアフィルタ
ー[Millipore filter]の使用を述べている。
ローデンら、バイオケミストリー18:4173(1979
年)[Rhoden et al.,Biochemistry, 18:4173(197
9)]は、コール酸ナトリウム溶液中にてホスファチジ
ルコリンおよびコレステロールを安定化させ、そして次
に中空糸透析によってその洗浄剤を除去することで34〜
128nmの間の直径を有するリポソームの製造を報告して
いる。このリポソームのサイズは、リン脂質/コレステ
ロール比ならびに透析物のpHおよびイオン強度を調整す
ることにより変えられた。より広い分布がより大きなリ
ポソームに関して生じることが観察された。
ボスワースら,ジャーナル オブ ファーマシューテ
ィカル サイエンシズ71:806(1982年)[Bosworth,
et al.,Journal of Pharamaceutical Sciences71:8
06(1982)]は、連続的ポリカーボネートフィルターサ
イズ規正技術と同様なタイプのフィルターでの透析を組
合せた。リポソームは機械的攪拌またはバレンホルツ
ら,エフイービーエス レット99:210(1979年)[Ba
renholz, et al.,FEBS Lett.,99:210(1979)]のフレ
ンチプレス技術によって調製された。機械的攪拌によっ
て製造されたものは、0.2〜1.0ミクロンの孔径を有する
フィルターを用いて、リポソームを最も小さなフィルタ
ーで2度通過させて、そしてある場合には、フィルター
のそれぞれを2度通過させて、サイズ規正された。透析
に関しては、0.05〜3ミクロンの孔径を有するフィルタ
ーが用いられた。
エノクら、プロク.ナトル.アカド.サイ.ユーエス
エイ 76:145(1979年)[Enoch, et al.,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,76:145(1979)]は、音波処理されたベシ
クルの洗浄剤およびその後のセファロース4Bカラムにお
けるゲル濾過によって100nmの直径を有するリポソーム
の調製を述べている。ハミルトンら、ジャーナル オブ
リピド リサーチ21:981(1980年)(Hamilton, et
al.,Journal of Lipid Research21:981(1980)]
は、超遠心分離および2%または4%アガロースのカラ
ムにおけるゲルクロマトグラフィーと組合せてフレンチ
プレスを用いて種々のサイズのリポソーム集団の調製を
述べている。レーブスら、ジェイ.セル.フィジオ
ル.73:49(1969年)[Reeves et al.,J.Cell.Physio
l.73:49(1969)]はlog正規分布を有する巨大リポソ
ーム(モード=1,200nm)の集団の調製を報告している
が、1,000nmより小さなベシクルはかろうじて測定さ
れ、そして500nmより小さなものにいたっては全く測定
されなかった。
前述の製法のいくつかの再評価が、スゾカら、アン.
レブ.バイオフィズ.バイオエングル.:467,493〜
494(1980年)[Szoka, et al.,Ann.Rev.Biophys.Bioen
gr., :467,493−494(1980)]において見ることが
できる。リポソームス、マルク ジェイ.オストロ編、
マーセル デッカー インコーポレーテッド、ニューヨ
ーク、1983年、第1章[Liposomes,Marc J.Ostro,ed.,M
arcel Dekker.Inc.,New York,1983,Chapter1]も参照の
こと。
発明の概要 当分野の前記の状態において、SUVおよびLUVタイプの
双方のユニラメラリポソームの調製に関する改良された
方法の実質的でかつ継続された必要性があることは明白
である。
さらに、少なくとも早くも1969年以来、限定されたサ
イズ分布を有するリポソームの集団を製造するための継
続された努力があることもまた明白である。これらの努
力の多くは、約50nmより大きな平均直径を有する集団を
得ようとするものであった。該集団に関する要望それ自
体と共に、広い種類の製造条件に関して望まれる、該タ
イプの集団を再現性よく生産する技術を使用することを
一般的に適用できかつ簡単にする並行的な要望があっ
た。
従って、ユニラメラリポソーム製造に関する改良され
た技術を提供することが本発明の目的の1つである。よ
り詳しくは、容易に手に入れることができかつ比較的安
価な装備で行なうことができ、最小限数の段階を有し、
単位時間当りリポソームの高い産出量を有し、そしてリ
ポソームを形成する物質を音波処理するあるいは、溶
剤、洗浄剤もしくはその他の無関係な物質と組合せるこ
とを必要としないユニラメラリポソームの製造に関する
単純で、再現性のよい技術を提供することが、本発明の
目的の1つである。
溶剤、洗浄剤もしくはその他の無関係な物質の使用を
必要としないユニラメラおよびマルチラメラの双方のタ
イプのリポソームを製造する技術を提供することが、本
発明の別の目的である。
限定されたサイズ分布を有するリポソームの集団を提
供することが本発明のさらに別の目的である。このよう
な集団を得るための簡単な方法を提供することが本発明
のまた別の目的である。
上述のおよびその他の目的を達成するために、本発明
は、本発明のいくつかの見地によると、予め形成された
リポソームの、臨界的上限以下、特に約100nm以下の孔
径を有するフィルターを通しての中間圧での反復された
押出しを含む実質的にユニラメラなリポソームの集団を
製造する方法を提供するものである。
このように、本発明は、ユニラメラリポソームを製造
する公知のシステムより以上に、以下の利点、すなわ
ち、1)広範囲の脂質よりユニラメラリポソームを形成
する能力、2)高捕獲効率を容易に達成するように高脂
質濃度(例えば300μmol/mlのオーダー)を使用する能
力、3)高い押出流速およびフィルターを通してのリポ
ソームの自動または半自動再循環の使用による、ユニラ
メラベシクル、特にラージユニラメラベシクルの再現性
のよいかつ非常に迅速な製造を提供する能力、4)フィ
ルターの閉塞問題を最小限化しての単一孔径フィルター
の使用による所望されたサイズのリポソームを製造する
能力、5)有機溶媒および洗浄剤の使用をなくす能力、
および6)総じてかなり温和なプロセスを提供する能力
を含むいくつかの利点を与えるものである。
いくつかの場合においては、マルチラメラリポソーム
の集団を実質的にユニラメラなリポソームの集団に完全
に転化するよりも、完全にユニラメラの程度まで達する
ことなく該集団のラメラ度[lamellarity]を単に部分
的に減じることが望まれる。約100nmの孔径を有するフ
ィルターが、本発明のこの見地によりなお使用される
が、フィルターを通過する回数は減じられる。
本発明の他の見地のいくつかによると、本発明は、脂
質の粉末またはペレットを水性緩衝液と単に組合せ、そ
して次に脂質/緩衝液混合物をフィルターを通して繰返
し通過させるために脂質/緩衝液混合物に十分な圧力を
適用することにより、直接脂質の粉末またはペレットよ
りリポソームを製造する方法を提供するものである。フ
ィルターが約100nmより小さな孔径を有するものである
と、実質的にユニラメラなリポソームが製造される。フ
ィルターが約100nmより有意に大きな、例えば200nmのオ
ーダーにある孔径を有するものであると、マルチラメラ
リポソームが製造される。重要なことは、いずれの場合
においても、リポソームは完全に溶剤を含まないもので
あり、それゆえ、MLV類を製造するために過去において
使用されてきたような、クロロホルムすら、本発明のこ
れらの見地によるリポソームの製造には必要とされな
い。
本発明のさらに別の見地によると、本発明は50nmより
大きなおおよその平均直径の本質的に単一モードの分布
を有するリポソームの集団を提供するものである。
本発明のまたさらに別の見地によると、本発明は、リ
ポソームの集団のサイズ分布が本質的に単一モード性と
なるまで一定孔径の1のフィルターを通してリポソーム
を繰返して通過させることによるリポソームの集団の均
質性を増加する方法を提供するものである。
本発明に係る前述のおよびその他の目的ならびに利点
の達成は、本発明の好ましい実施態様説明によって以下
に十分に述べられるものである。
図面の簡単な説明 第1A図および第2A図は本発明の実施に適する装置の概
略図である。第1A図において、リポソーム懸濁液は、手
動によりフィルターを通して再循環され、一方第1B図に
おいては、再循環は部分的に自動化されている。
第2図は、100nm(丸印)および200nm(角印)の孔径
を有するポリカーポネートフィルターを通しての押出し
の数の関数としての卵ホスファチジルコリン(EPC)マ
ルチラメラベシクルから起こる31P NMR信号強度(5mM
MnCl2存在下)を示すものである。誤差線は、標準偏
差(100nmフィルターを通しての10回押出しでの点に関
してn=6、30回押出しでの点に関してn=3)を示す
ものである。その他のすべての実験に基づく点は、2つ
の別々の実験から得られた平均である。すべての場合に
おいて脂質濃度は30〜60μmol/mlである。
第3図は、脂質成分を変えたマルチラメラベシクルの
ポリカーボネートフィルターを通しての反復押出により
調製されたベシクルのフリーズフラクチャー[freeze f
ractrue]顕微鏡写真図である;(a)100nmフィルター
を通して押出された大豆ホスファチジルコリン(PC)の
MLV、(b)100nmフィルターを通して押出された大豆PC
−大豆ホスファチジルセリン(PS)(1:1)のMLV、
(c)100nmフィルターを通して押出された大豆ホスフ
ァチジルエタノールアミン(PE)−大豆PS(1:1)のML
V、(d)200nmフィルターを通して押出された大豆PCの
MLV。(d)の部分における矢印は、内方のラメラを見
せる押割断[cross fracture]を示すものである。すべ
ての顕微鏡写真図は、同様の拡大を有するものであり、
また影つけの方向は、それぞれの部分の右下端における
矢じりによって示されている。それぞれの場合におい
て、押出法は、40〜70μmol/mlリン脂質を含有する脂質
系において10回繰返された。
第4図は、100nm孔径を有するポリカーボネートフィ
ルターを通しての10回の押出しの後に得られた大豆PCベ
シクルのサイズ分布を示すものである。ベシクル直径
は、フリーズフラクチャー顕微鏡写真図よりバン ベネ
チエら、(1980年)、ジェイ.ミクロス.,118:401〜408
[van Venetie et al.,(1980)J.Micros.118:401−4
08]の技法を用いて計測された。黒色および間色の柱線
はそれぞれ、凍結解凍サイクルを受けたおよび受けなか
ったベシクルを表すものである。
第5図は、ラージマルチラメラベシクルにおけるおよ
び本発明の押出技法により調製されたラージユニラメラ
ベシクル(LUVET)における水和化ジパルミトイルホス
ファチジルコリン(DPPC)の熱量挙動を示すものであ
る。MLVは、NaCl緩衝液の存在下50℃で試験管の底部に
おいて乾燥脂質フィルムを渦動することによって形成さ
れ、一方LEVETは、50℃で100nm孔径のポリカーボネート
フィルターを通しての該MLV(50mg 脂質/ml)の反復的
な押出し(10回)により形成された。2.0゜K/分の操作
速度が用いられた。
第6図は、本発明に従い、凍結解凍を用いて(白丸)
および用いないで(黒丸)調製されたリポソームに関す
る脂質濃度の関数としての捕獲効率を示すものである。
14C−イヌリンが捕獲標識として用いられた。
第7図は、50nm(白丸)および30nm(黒丸)孔径を有
するポリカーボネートフィルターを通しての押出しの回
数の関数としての卵ホスファチジルコリン(EPC)マル
チラメラベシクルから起こる31P NMR信号強度(5mM M
nCl2存在下)を示すものである。すべての場合において
脂質濃度は100mg/mlであった。
第8図および第9図は、それぞれ、50nmおよび30nmフ
ィルターを通して製造された第7図のベシクルのフリー
ズフラクチャー顕微鏡写真図を示すものである。それぞ
れの場合において、図面の上方の部分(第8A図および第
9A図)は、2つ積重ねたポリカーボネートフィルターを
通しての1回押出し(×1)後に調製されたものであ
り、また下方の部分(第8B図および第9B図)は、10回押
出し(×1D)後のものであった。
第10図は、卵ホスファチジルコリン(EPC)−コレス
テロール(1:1)LUVET中に捕獲された125I−チラミル−
イヌリン(125ITI)のラット循環(丸印)および尿中の
その後の排泄(角印)からのクリアランスを示すもので
ある。LUVETは、本発明に従って調製されそして150〜17
5gの雌性ウィスター[Wister]ラットの尾静脈中へ100
μHBS中0.5μmolのリン脂質の投与値で注射された。
尿は代謝ケージ[metabolic cage]に集められた。血液
は、回収されそして動物は、指示時間で屠殺されそして
血液中の125ITIの全量はラット100g当り4.9mgの血液を
仮定して算定された。結果は、注射された125ITI全量の
パーセンテージ±標準偏差(n=4)として表わされ
る。
第11図は第10図のLUVETの長期間組織分布を示すもの
である。記号は、肝臓(丸印)、胴体(三角印)、およ
び脾臓(四角印)に相応する。結果は、生体内[in vi
vo]の125ITIの全量(排泄された量を注射された125ITI
の全量より引いたもの)のパーセンテージ±標準偏差
(n=4)として表わされた。
好ましい実施態様の詳細な説明 上記に述べたように、本発明は、1)実質的にユニラ
メラなリポソームの集団、および2)実質的に単一モー
ドの分布を有するリポソームの集団(以下、本発明の
「ユニラメラ」および「単一モード」の見地とそれぞれ
呼称する。)を製造する押出技法を提供するものであ
る。さらに、本発明は、溶剤、洗浄剤あるいはその他の
無関係な物質を使用することなく製造されること(以
下、本発明の「無溶剤性」の見地と呼称する。)をリポ
ソームに許容するものである。
実質的にユニラメラなリポソームは、予め形成された
リポソームを、約100nmより小さいかあるいは等しい大
きさの孔径を有するフィルターを通しての中間圧での複
数回押出にかけることにより製造される。
予め形成されたリポソームは、種々の組成を有するこ
とができ、またリポソームを調製することに関して現在
公知のあるいはこれに続いて発展する技術のいずれによ
っても調製されることができる。
例えば、予め形成されたリポソームは、MLVを調製す
る公知の技法、すなわち、選択された1ないしそれ以上
の脂質をクロロホルムに溶解し次にクロロホルムを蒸発
させることで適当な容器の内壁上に該選択された1ない
しそれ以上の脂質を析出させ、内包されるべき水溶液を
該容器に添加し、脂質を水和することを水溶液になさ
せ、そして、所望のリポソームを製造するために、得ら
れた脂質懸濁液を旋回あるいは渦動することにより形成
されることができる。この技法は、リポソームの製造に
関して当分野において公知な最も穏和な条件ならびに最
も単純な装備および手順を用いるものである。またこの
技法は上記に論議された、音波処理あるいは洗浄剤、溶
剤(クロロホルム以外)またはその他の無関係な物質の
使用での問題を特になくすものである。
あるいはまた、本発明の無溶剤の見地に従い、フィル
ターを通して繰返し押出されるべきリポソームは、単に
脂資質粉末あるいはペレットを緩衝液といっしょに混合
され、そして次に、直接、この混合物をフィルターを通
して押出することにより調製され得る。フィルターが約
100nmよりも小さな孔径を有していると、この製法は、
ユニラメラリポソームを製造し、一方実質的に100nmよ
りも大きな孔径であると、マルチラメラベシクルが製造
される。いずれの場合においてもこの製法は、クロロホ
ルムを含むすべての溶剤の使用をなくすものである。
実質的に単一モードの分布を有するリポソームの集団
の製造に関して、該集団を形成するリポソームは、種々
の組成を有することができ、また現在公知のあるいは以
後発達するマルチラメラ、ユニラメラもしくはその他の
タイプのリポソーム、あるいはより一般的に脂質含有粒
子の形態であり得る。例えば脂質含有粒子は、同時係属
されそして一般譲渡されたそれぞれ1983年3月24日、19
83年8月8日、1984年3月20日および1984年4月12日に
出願された米国特許出願一連番号第476,496号、第521,1
76号、第591,576号および第599,691号に開示されている
(その関連部分は関連により本明細書中に組入れられ
る。)タイプのステロイドリポソーム、安定なプルリラ
メラリポソーム(SPLV)、単相ベシクル(MPV)あるい
は脂質マトリックスキャリアー(LMC)の形態であり得
る。
該集団の平均直径は、リポソームが用いられるべき態
様に依存する。例えば、当業者によって認識されている
ように、診断学的適用に関しては、100nm〜500nmの範囲
の平均直径が通常好ましく、一方、薬剤の貯蔵に関して
は、より大きな直径、例えば500nm〜1000nmの範囲が好
ましく、そして細胞内取込みが望まれる適用に関して
は、より小さな直径、例えば50nm〜100nmの範囲が好ま
しい。その他の適用に関しても同様の範囲が当分野にお
いて認識されている。例えば、上記リポソームス、を参
照のこと。
リポソームの集団の平均直径は、フリーズフラクチャ
ーおよび準弾性光散乱を含む、当分野で公知の種々の技
術によって計測されることができる。上記に述べまた以
下にさらに詳述するように、準弾性光散乱は、本発明の
単一モードの見地の関連においては好ましく、そしてこ
れらの見地に関連して本明細書中に報告されるリポソー
ム直径の値は、この技術を用いて計測されたものであ
る。
リポソームの実質的に単一モードの集団は、予め形成
されたリポソームを、該集団のサイズ分布が実際に単一
モード性となるまで一定孔径のフィルターを通して繰返
し通過させることにより調製される。一定孔径のフィル
ターを通しての繰返し通過は、リポソームの最初のサイ
ズ分布の双峰性の(双モードの)特徴、ならびにより高
いモードの特徴を、結果的に消失することを起こすもの
であることが驚くべきことに見い出された。しかしなが
ら、役立つ方法に関しては、1つの孔径を使用しかつそ
れを繰返し使用することが肝要である。
予め形成されたリポソームは、リポソームの調製に関
して現在公知のあるいはこれに続いて発展する技術のい
ずれによっても調製されることができる。例えば、予め
形成されたリポソームは、上述した、マルチラメラリポ
ソーム(MLV)の調製のための、周知の技術により形成
されることができる。
あるいはまた、例えば逆相蒸発、注入法、および洗浄
剤希釈などのような、ラージユニラメラリポソーム(LU
V)を調製するために用いられた技術が、予め形成され
たリポソームを製造するために用いられる。リポソーム
を製造するためのこれらのおよびその他の方法の評論
は、上記リポソームス、中に見ることができ、その関連
部分は、参考として本明細書中に組み込まれる。さらに
また、予め形成されたリポソームは、上記の米国特許出
願一連番号第476,496号、第521,176号、および第599,69
1号中に述べられた製法に従い製造されることができ
る。また、リポソームそれ自身を使用するよりほかに、
上記の米国特許出願一連番号第591,576号に記載される
もののような他の脂質含有粒子が、本発明の実施におい
て用いられ得る。このような場合、得られる単一モード
の集団は、該して、リポソームの集団というよりもどち
らかと言えば用いられた最初の脂質含有粒子の集団と同
様な特性を有する集団である。
予め形成されたリポソームを製造する技術の選択にお
いては、単一モードの集団を作るために選択された孔径
よりも、有意に小さな直径を有するリポソームの実質的
な数を生みだすことのないものを選択することが重要で
ある。さもなければ、単一モードの集団中へ微小なリポ
ソームを混ぜるためにフィルターを通しての非常に高い
回数の通過が行なわれることになる。リポソームの集団
に関するサイズ分布が比較的容易に測定できるゆえに、
この要望を満足する技法を選択することは当業者におい
て適切になされるものである。
出発原料として予め形成されたリポソームを用いる他
に、もし所望されるならば、リポソームの実質的に単一
モードの集団は、上記した無溶剤アプローチを用いて調
製されることができる。すなわち、リポソームの該集団
は、脂質粉末あるいはペレットおよび緩衝液から直接
に、これらの成分をいっしょに混合しそして次に該混合
物を直接選択された孔径を有するフィルターを通して所
望の単一モード性を達成するのに十分な回数通過させる
ことにより、調製されることができる。
ユニラメラリポソームあるいはリポソームの単一モー
ドの分布を生起するために用いられるフィルターは、好
ましくは直線的通過流路[straight through channel]
を有するタイプのものである。ヌクレポア インコーポ
レーテッド、プレザントン、カルフォルニア州[Nuclep
ore,Inc.,Pleasanton,CA]により製造されたこのタイプ
のポリカーボネートフィルターは、本発明の実施におい
て首尾よく作用することが見出された。代表的な製法に
おいて、このフィルターは目詰まりによりリポソーム懸
濁液の最初の2ないし3回の通過の後に交換しなければ
ならない。目詰まりは通常、脂質の組成、純度および濃
度などのような変数、ならびに用いられた圧力および流
速に依存する。
本発明によるユニラメラリポソームの調製において最
も臨界的なパラメーターは、フィルターの流路のサイズ
である。例えばフィルターの孔径が有意に約100nmより
大きい、例えば仮に孔径が約200nmであるとすると、MLV
をどんなに多くの回数フィルターを通過させても、マル
チラメラリポソームからユニラメラリポソームを製造す
ることはできないということが見出された(下記実施例
2を参照のこと。)。従って、約100nmに等しいかまた
はそれより小さな孔径を有するフィルターのみが、本発
明のこの見地に関して用いられ得るものである。
以下の例6において例示するように、製造されたユニ
ラメラリポソームのサイズは用いられたフィルターの孔
径に依存し、通常平均直径は孔径よりも小さなものとな
る。もし所望されるならば、リポソームの平均直径は、
その捕獲容量[trapped volume](リン脂質1μmol当
りのμ)と同様に、上記に述べた凍結解凍法を用いて
容易に増加させることができるものである(下記実施例
4をまた参照のこと。)。重要なことは、この方法は、
溶剤、洗浄剤またはその他の無関係な物質の使用を含ま
ないものであるので、リポソームサイズにおける増加
は、汚染および変質の問題を導くことなく行なわれる。
ベシクルのサイズおよび捕獲容量はまた、脂質組成など
のような系の他のパラメーターを変化させることにより
操作することができる。
所望されるユニラメラリポソームを製造するのに必要
とされるフィルターを通しての通過の回数は、フィルタ
ー特性(孔径、組成および幾何)およびリポソームが形
成される物質に依存する。下記の例2によって例示され
るように、二つ積重ねられた100nmの孔径を有するフィ
ルタを通しての5回またはそれ以上の通過は、ユニラメ
ラリポソームを得るために代表的に要求されるものであ
る。より少ない通過はより小さな孔径に必要とされるで
あろう。例えば30nmおよび50nmフィルターでは、2〜4
回の通過が、実質的にユニラメラなリポソームの集団を
製造するために通常十分なものである(下記例6を参照
のこと。)。また、単に該集団のラメラ度を減じること
が目的であれば、実質的にユニラメラ性を達するよりも
かなり少ない通過が必要とされる。どのような特別の系
に関する通過の適当な回数も、いつ所望の程度のラメラ
度が達成されたかを決定するために単に仕上げられたリ
ポソームをサンプリングすることによって当業者により
容易に決定され得る。
本発明の単一モードの見地に関して、フィルターの孔
径は、最終的な集団の平均直径の第1決定要因である。
通常、約15〜50%の範囲内で、平均直径は孔径にほぼ等
しいものである。しかしながら、約100nmより小さな孔
径に関しては、該集団の平均直径は、用いられた特定の
孔径にかかわりなく、準弾性光散乱により測定して約75
nmで安定する傾向にある。上記に述べたように、約100n
mより小さな孔径に関しては、仕上げられたリポソーム
は、最初の集団のラメラ性にかかわりなく実質的にユニ
ラメラであることが見出される。100nmより大きな孔径
に関しては、マルチラメラリポソームはマルチラメラを
とどめまたユニラメラリポソームはユニラメラをとどめ
る。
実質的に単一モードの集団を製造するために必要とさ
れるフィルターを通しての通過回数は、フィルター特性
(孔径、組成および幾何)およびリポソームが形成され
る物質に依存する。ある場合においては、二つ積重ねら
れたポリカーボネートフィルターを通しての3〜5回の
通過は、単一モードの分布を製造するのに十分なもので
ある。一般的な割合として、二つ積重ねられたポリカー
ボネートフィルターを通しての25回の通過は、ほとんど
のリポソーム調製物において所望される単一モードの分
布を製造するものである。どのような特別な系に関する
通過の適当な回数も、何時実質的な単一モード性が達成
されたかを決定するために単に仕上げられたリポソーム
をサンプリングすることによって当業者によって容易に
決定され得る。
リポソームの単一モードの、ユニラメラ、あるいは単
一モードでかつユニラメラの集団を製造するためのリポ
ソームのフィルターを通しての通過は、減圧下に行なわ
れる。種々の程度の圧力が製造されるべきリポソームの
タイプおよび組成、用いられた装備の特定の特性、およ
びリポソームが製造されるべき速度に依存して用いられ
得る。
最大圧は通常フィルターを保持するために用いられた
支持体の孔径によって限定される。約30ミクロンの孔径
を有するフィルター支持体に関しては、約100〜700psi
の間の圧力が首尾よく働くものであることが見出され
た。これらの圧力は、完全なリポソームを製造し、高い
流速(二つ積重ねられた孔径100nmを有するポリカーボ
ネートフィルターに関して20〜60ml/分の値)を与え、
そして均質なサイズ分布、例えば100nmフィルターに関
して直径60〜100nmのリポソームを製造するものであ
る。30ミクロンよりも小さな孔径を有するフィルター支
持体に関しては、より高い圧力が使用され得る。
フィルターを通しての通過の回数に関して、ある特別
の系に適当な圧力は、仕上げられたリポソームが実質的
に完全なものであるか、または所望される単一モードの
分布および/またはユニラメラ性を有しているかどうか
を決定するために仕上げられたリポソームを調べること
によって当業者により容易に決定されることができる。
100〜700psiの範囲の圧力はまた、顕著なフィルター
の目詰まりを起こすことなく、1ml当りリン脂質約300μ
molの値の脂質濃度を有する溶液の押出しを許容するも
のであるために好ましいものである。ポリカーボネート
フィルターを用いる先行技術のサイズ規正技法は、100p
siよりも小さな圧力を使用したものであり、そしてそれ
ゆえ、60μmol/mlを脂質濃度に限定された。高い脂質濃
度の使用は、本発明に関して30%のオーダーの捕獲効率
となる。20ml/分およびそれ以上のオーダーの迅速な押
出速度は、300〜500psiの範囲の圧力が用いられた場合
このような高い脂質濃度に関してなお達成されるもので
ある。
20〜60ml/分程度の流速は、本発明によって達し得る
最大流速を表わすものではなく、単に押出された物質の
都合よい採取に堅実な速度を表わすに過ぎない。最大流
速は、脂質の濃度、試料の遍歴(すなわち、1度ないし
それ以上の回数押出しされたか否か)、用いられる圧
力、および脂質それ自体の状態に過敏である。例えば
「ゲル状態」の脂質は押出しすることができない。この
ような脂質(例えば、ジパルミトイルホスファチジルコ
リン(DPPC))は、押出プロセスを進行する前に、これ
らのゲル−液晶転移温度(DPPCでは41℃)以上に加熱す
る必要がある。
増加された圧力で、押出しは非常に迅速となし得る。
例えば50mg/ml卵ホスファチジルコリン(EPC)の5ml分
散液は500psiで100nm孔径のフィルター通して2秒以内
で押出しされ、これは少なくとも150ml/分の流速に一致
するものである。この速度は、より高い圧力または温度
によってさらに増加されるであろう。
本発明の実施に好ましい装置が第1A図および第1B図に
示される。第1A図に示すように、フィルター6を通して
押出しされるべきリポソーム懸濁液4は、注入口8より
圧力室2中へ導入される。この注入口はまた解放バルブ
を備えている。圧力室2は、例えばボルト14等により連
結される上部材10および下部材12から形成される。これ
らの部材とフィルター6間のシールは、Oリング16によ
り与えられる。好ましくは、この室は、該室からの懸濁
液の押出しが目視的に観察できるように透明なプラスチ
ックでつくられていることが望ましい。フィルターは、
室2内でフィルター支持体18により支持されている。実
施において、フィルター6を形成するものとして二つ積
重ねたポリカーボネートフィルターを使用することが都
合のよいことであることが見出された。
圧力が、圧力源、例えば高圧窒素タンク(図示せず)
などに接続された導管20により室2へ供給される。導管
20は室2内での圧力を調整するためのバルブおよびレギ
ュレーター22を含むものである。フィルター6から押出
された物質は、導管24により室2より除去されそして受
容器26中に集められる。容器26へ集められた後、押出さ
れた物質は、リポソームの最初の集団の単一モード性お
よび/またはユニラメラ性を実質的に増加させるのに十
分な回数、リポソームの最初の集団がフィルター6を通
過するまで、注入口8より室2へくり返しもどされる。
第1B図は、押出物の循環が部分的に自動化されている
第1A図の装置の変更を示すものである。この図において
示される装置は以下のようにして使用される。
最初に、フィルター6が、螺切りされたリテーナー栓
5、フィルター支持体ハウジング9およびOリング16を
アルミニウムハウジング7より取り除くことにより装置
内に取付けられる。フィルターは次に、フィルター支持
体上に載せられ、そして外側のアルミニウムハウジング
13内に入れられた内側のプレキシガラス[plexiglas]
(商標名)製ハウジング11に対してOリング16が圧縮さ
れるまで栓5を締めることで部分を再度組立てる。もし
所望ならば、多孔性の廃水盤(図示せず)をフィルター
の下に載くこともできる。
試料が次に、装填/再循環/排出バルブ15を装填/排
出管17が入口19に一直線上に整列するまでまわすことに
より、そして圧力/通気バルブ23を通気孔25が出口21に
一直線上に整列するまでまわすことにより、受室3中に
装填される。試料は次に装填/排出管17を通って受室中
へ導入され得る。最も都合よくは、これは装填/排出管
17に、短い長さの可撓性の管と皮下注射器を接続するこ
とによりなされ得る。
いったん受室3中へ試料が完全に装填されれば、移動
バルブ27を押し下げることにより試料は圧力室2へ移さ
れる。さてこれで試料は、フィルター6を通しての押出
しの準備がととのっている。押出しを行なうために、圧
力/通気バルブ23は、ガス入口31が圧力口33と一直線上
に整列するまでまわされ、そして装填/再循環/排出バ
ルブ15は、該バルブ15内に形成された再循環口37が一方
の端部において入口19とまた他方の端部においてバイパ
ス口29と一直線上に整列する位置にまわされる。ガス入
口31は、その装置をバルブを備えかつレギュレーターを
備えた外部の高圧ガス源、例えばバルブを備えかつレギ
ュレーターを備えた高圧窒素タンク(図示せず)に接続
することなく螺切りされた開口35に接続される。
圧力が次に圧力室2へ適用され、試料が、フィルター
6、バイパス口29、再循環口および入口19を通ってこの
室から受室3へと通過することが起こる。これは、フィ
ルターを通しての試料の1回の押出しをなすものであ
る。圧力室2から受室3への流れは、プレキシガラスハ
ウジング11を通して目視的に確認することができ、そし
て適用される圧力量は、穏和な流速を達するために調整
され得る。
いったん試料の全てが受室3に移されたならば、外部
の圧力源上のバルブは閉じられ、また圧力/通気バルブ
23は、最初に通気口25が出口21と一直線上に整列するよ
うに、そして次に圧力口33と一直線上に整列するように
まわされ、これによって受室3および圧力室2の双方の
通気がなされる。さて試料は、移動バルブを単に押し下
げることにより、圧力室2へ再導入され得る。圧力室2
中の試料にて、押出しプロセスは、上記に最初の押出し
に関して述べた手順に従い繰返される。試料が受室にあ
る際および両方の室が通気された際に、所望ならば、上
記に述べたような手順に従って新しいフィルターを取付
けることができる。
受室−圧力室−受室サイクルが所望された回数繰返さ
れたならば、試料は、最初にガス入口31を出口21に、ま
た装填/排出管17を入口19に一直線上に整列させ、次に
圧力を外部の圧力源から系にかけることによって、装填
/排出管17を通って該装置より排出される。実施におい
ては、排出の終わりにおける高いガス流をなくすため
に、外圧は、すべての試料が室3よりも出てしまう前に
止められる。装填/排出管17を用いるほかにも、アルミ
ニウムハウジング7から螺切りされたリテーナー栓5、
フィルター支持体ハウジング9およびOリング16を取り
はずし、そして次にサンプルが圧力室中にさらに装置の
底部の外に流れるように移動バルブ27を押し下げること
により、試料はまた除去されることができる。
所望ならば、第1B図に示される装置あるいは同等と装
置は、完全に自動化されたプロセスをおこなうために、
周知の自動流体取扱装置および制御装置を備えることも
可能である。また、試料の温度を用いられた脂質のゲル
−液晶転移温度以上に保ち得るように、用いられるどの
装置の圧力室も、ウォータージャケットあるいは同様の
器具を用いて加熱されることができる。
ある態様に限定することを意味することなく、本発明
は以下の実施例によりさらに詳細に述べられる。以下に
表わされる種々の実施例に共通する物質と方法は次の通
りである。
物質と方法 脂質 卵ホスファチジルコリン(EPC)および大豆ホスファ
チジルコリン(SPC)は標準的製法(シングルトンら、
ジャーナル オブ アメリカン オイル ケミカル ソ
サエティ42:53(1965年)[Singleton,et al.,Journa
l of American Oil Chemical Sciety42:53(196
5)])を用いて単離された。相応する種類のホスファ
チジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルセ
リン(PS)はEPCおよびSPCから調製され、卵ホスファチ
ジルエタノールアミン(EPE)、大豆ホスファチジルエ
タノールアミン(SPE)、卵ホスファチジルセリン(EP
S)および大豆ホスファチジルセリン(SPS)が調製され
た(コンフューリス,ピー.とザァール,アール.エ
フ.エイ(1977年)バイオチミカ エト バイオフィジ
カ アクタ448:36〜42[Comfurius,P.and Zwaal,R.F.
A.(1977)Biochim.Biophys.Acta, 448:36−42])を
参照のこと。])。大豆源からの脂質は、SPC中の高い
リノール酸含有量によって、EPCから誘導されたものと
比べてかなりより不飽和なものであった。(ティルコッ
ク,シー.ピー.エス.とキューリス,ピー.アール.
(1981年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アク
641:189〜201[Tilcock,C.P.S.and Cullis,P.R.(1
981)Biochim.Biophys.Acta, 641:189−201])を参照
のこと。)。すべての脂質は、薄層クロマトグラフィー
(TLC)により測定される純度99%以上であった。酸性
リン脂質(PS)は、ホープ,エム.ジェイ.とキューリ
ス,ピー.アール.(1980年)バイオケム.バイオフィ
ズ.レス.コミュン92846〜852[Hope,M.J.and Culli
s,P.R.(1980)Biochem.Biophys.Res.Commun.92:846−8
25]中に述べられるようなナトリウム塩の形態へ転化さ
れた。コレステロール(シグマ,セントウイス[Sigma,
St.Louis」)はさらに精製することなく用いられた。
捕獲容量の測定 捕獲容量の[trapped volume]を測定するためれに、
22Naまたは14C−イヌリン(エヌイーエヌ,カナダ(NE
W,Canada])1μCiの存在下に行なう以外は、下記実施
例1に述べる製法の従ってマルチラメラベシクルが調製
された。ユニラメラリポソームは次に、また実施例1の
製法に従い、マルチラメラリポソームにより調製され
た。
1つの部分標本(アリコット[Aliqout])(100μ
)が、次に1mlディスポーサブルシリンジ中に充填さ
れたセファデックスG−50[Sephadex G−50]カラム上
に装填され、そしてベシクルは、500×gで3分間のカ
ラムの遠心分離により溶離された。ピック ユー.(19
81年)アーチ.バイオケム.バイオフィズ212:186〜1
94[Pick,U.(1981)Arch.Biochem.Biophys212:186−
194]を参照のこと。22Naの場合、これはすべての捕獲
されなかった物質の除去に十分なものがあった。しかし
ながら、すべての捕獲されなかったイヌリンを除去する
ために、この手順がもう一度繰返されるかあるいはウル
トラゲル[Ultragel]カラム(LKB−ACA34)を通しての
単回通過が用いられた。溶離された物質の部分標本が、
ボッチャー,シー.ジェイ.エフ.,バン ゲント,シ
ー.エム.とプリエス,シー.(1961年)アナル.シ
ム.アクタ,24:203〜204[Bottcher,C.J.F.,Van Gent,
C.M.and Pries,C.(1961)Anal.Chim.Acta.24:203−20
4]の方法に従って脂質リンに関して検定され、捕獲さ
れた22Naは、ベックマン8000ガンマカウンター[Beckma
n 8000 gamma counter]を用いて測定されそして捕獲さ
れた14C−イヌリンはフィリップスPW−4700液体チンチ
レーションカウンター[Phillips PW−4700 liquid sci
ntillation counter]を用いて評価された。捕獲容量は
そしてリン脂質1μmol当りの捕獲容量のμとして算
出された。31 P核磁気共鳴 31P NMRは、ベシクル調製物がユニラメラである程度
の示度を与えるために用いられた。特に、外部媒体に面
するリン脂質からの31P NMR信号を、検知以上に広げる
のに十分な値(5mM)で、Mn2+がベシクル分散液(3ml、
直径15mmのNMR管中の30〜60μmol/mlリン脂質)に添加
された。ベシクルがラージでかつユニラメラである場
合、信号の約50%がMn2+の添加後も残っているべきであ
る、ベシクルのMn2+に対する非透過性は、信号強度の時
間経過に伴ない、調査されたPC系に関するものが数日の
期間にわたって安定であることが見出されたことにより
示された。スペクトルは、81MHzで操作してブルーカーW
P200NMRスペクトロメーター[Bruker WP 200 NMR spect
rometer]を用いて得られた。1000回の過渡に相応する
累積遊離誘導デュケイ[accumulated free induction d
ecay]が、15μsec90゜無線周波数、ゲートプロトンデ
ィカップリングおよび20KHz掃引幅を用いて集められ
た。50Hzスペクトル線広がりに相応する指数乗法がフー
リエ変換の前に適用された。信号強度は、参考のため
に、抽出し、トリフェニルホスフィット(NMR管におけ
る微小なセントラルキャピラリー中)でのスペクトルを
計ることによって測定された。
ベシクルサイズ分布の測定 例1〜7および例8の一部に関するベシクルサイズ分
布が、フリーズフラクチャーによって測定された。ベシ
クル調製物は、グリセロール(25重量%)と混合されそ
してフレオン雪泥[slush]中で凍結された。試料はバ
ルザーズ ビエイエフ 400D[Balzer BAF 400D]装置
を用いて割断し複製し、そしてレプリカの顕微鏡写真が
フィリップス400[Phillips 400]電子顕微鏡を用いて
得られた。ベシクルサイズ分布は、バン ベネティエ
ら、(1980年)ジェイ.ミクロス.,118:401〜408[van
Venetie et al.,(1980)J.Micros.118:401−408]の
手法に従い50%シャドウイングされた割断ベシクルの直
径を計測することにより測定された。
例8の一部および例9〜10に関するベシクルサイズ分
布は、動的光散乱あるいは光子相関分光学としても知ら
れる準弾性光錯乱によって測定された。
当分野において公知であるように、この技法は、懸濁
ベシクルの試料を通して、例えばヘリウム−ネオンレー
ザーによって作られた光などの干渉光を通過させ、そし
てベシクルにより散乱された光の強度における時間依存
変動を測定することを含むものである。このエータから
自己相関関数が算出される。理論的に示され得るよう
に、この自己相関関数は、試料中のベシクルの散乱係数
に直接関係のあるものであり、またベシクルの流体力学
的半径である。従って、異なるベシクルサイズ分布は異
なる自己相関関数を生むものであろう。
実際には、唯一の粒径分布は、自己相関関数から直接
的に得られない。むしろ、分布はベシクルに関して推定
され、そして決定は次に、計測データより算出された自
己相関関数がどのようにうまく、試料中のベシクルが事
実上分布を推定したとする場合に生み出される自己相関
関数と一致するかに従って行なわれる。
特に、ベシクルの散乱計数の強度計測された分布が、
単一モードのガウス分布であると推定される場合、2次
多項式、すなわち最大t2までのtのべきにおける多項式
が正確に自己相関関数の自然対数に適合する。ディー.
イー.コッペル、ジャーナル オブ ケミカル フィジ
ックス57:4814(1972年)[D.E.Koppel,Journal of C
hemical Physics, 57:4814(1972)]を参照のこと。
従って2次多項式、すなわち2次式が、実際に特定の試
料に関する自己相関関数の自然対数に適合する程度は、
試料中のベシクルの散乱係数が単一モードのガウス分布
を有する程度の正確な尺度である。当分野において用い
られているように、この手法は、しばしば自己相関関数
のキュミュラント分析と呼ばれる。
当分野において公知であるように、1)自己相関関数
の自然対数を決めること、2)2次多項式を自然対数に
適合すること、および3)この多項式のこの対数への適
合性の良好さを決めることは簡単な事である。従ってガ
ウス分析アプローチは、現在ベシクルの集団を特徴ずけ
そして比較するのに最も実践的な方法であり、そしてそ
れゆえ、本発明の単一モードの見地に関連して本明細書
中に用いられるアプローチである。
特に、これらの見地によると、リポソームの集団は、
その自己相関関数の対数が2次多項式に極めて一致する
場合、実質的に「単一モード性」であると考えられる。
以下に表わされる例において、自己相関か数は、ニコン
プ モデル 200 レーザー パーティクル サイザー
[Nicomp Model 200 Laser Particle Sizer(ニコンプ
インストゥルメンツ インコーポレーテッド,サンタ
バーバラ,カリフォルニア州[Nicomp Instruments,I
nc.,Santa Barbara,California])を用いて得られた。
この装置は、曲線を合わすための最小2乗の標準的方法
を用い、自己相関関数と2次多項式により予想された値
との間の偏差から誘導されたχとしての適合性の良好
性を報告するものである。0〜2の範囲のχ値は推定
単一モードガウス分布によるデータの良好な適合性を示
すものであり、一方、χの高い値は、貧しい適合性を
示すものである。
良好な適合性に関して、分布の標準偏差の評価は、該
多項式の2次項の計数の二乗根から誘導され得る。良好
の適合性を有する分布に関して、この評価は実施例にお
いて報告され、一方貧しい適合性に関しては、評価の値
は算出され得るが、このような値は実際に標準偏差の評
価として与えることができないので評価は報告されな
い。
その他の化学品 イヌリン、過ヨウ素酸、m−亜ヒ酸ナトリウム、チラ
ミン、G−25セファデックス[G−25 Sephadex]、シ
アノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム
およびコレステロールは、シグマ[Sigma]から得られ
た。ウルトロゲル Ac34[Ultrogel Ac34]はファラマ
シア[Pharmacia]から得られ、キャリアーフリーNa125
I(100mCi/ml)はアメルサム[Amersham]により供給さ
れそしてアイオドゲン[iodegen]はペールス[Pierc
e]から得られた。その他の化学品のすべては分析級の
ものであった。
例1 ユニラメラメリポソームの調製 この例1は、本発明の押出し法を用いるラージユニラ
メラベシクルの調製を例示するものである。言及の安易
化のために、この技法に従い調製されたリポソームは、
以下、頭字語「LUVET」、すなわち押出し技法によるラ
ージユニラメラベシクル[arge nilamellar es
icles by xtrusion echniques]と呼称される。
ラージマルチラメラベシクル(MLV)は、以下のよう
な周知のプロセスによって調製された。最初に、クロロ
ホルム中に溶解された脂質が、乾燥されそして試験管の
内側上のフィルムとして析出された。MLVは次に、単に1
50mM NaCl、20mM HEPES、pH7.5の水性緩衝液を試験管
へ添加し、渦動混合により脂質を水和することにより形
成された。
得られたMLV分散液(2〜10ml)は、次に100nm孔径を
有する2つ積重ねられた標準5mmポリカーボネートフィ
ルター(ヌクレポア,インコーポレーテッド,プレサン
トン,カルフォルニア州,カタログ番号110605[Nuclep
ore,Inc.,Pleasanton,California,Catalog#110605]を
備えた、第1A図に示した装置の圧力室中へ移された。窒
素圧が高圧(0〜4000psi)レギュレーターを備えた標
準ガスシリンダーを介して該室へかけられた。ベシクル
は流速20〜60ml/分となる100〜700psiの圧力を用いてフ
ィルターを通して押出され、そして集められて再注入さ
れた押出し手法の5ないしそれ以上の回数の繰返しは、
フリーズフラクチャーにより計測して約70nmの直径を有
するラージユニラメラリポソームの製造をもたらすもの
であった。再循環を含む全押出プロセスは、15分ないし
それ以下かかるものであった。
以下の例は、前記製法により製造されたリポソームに
おけるサイズ、ユニラメラ性、捕獲容量、捕獲効率およ
び種々のリポソーム組成の影響を詳細に述べるものであ
る。また、捕獲容量における凍結解凍法の影響およびフ
ィルター孔径の臨界がまた例示される。
例2 フィルター孔径の臨界 この例2は、ユニラメラリポソームの製造におけるフ
ィルター孔径の臨界、特に約100nmより小さいかまた等
しい孔径を有するフィルターを用いての臨界を示すもの
である。
EPC MLVが例1に述べた製法に従って調製され、そし
て次に100および200nmの孔径を有するポリカーボネート
フィルターを通して繰返し通過させた。得られたリポソ
ームのユニラメラ性は、上述の31P NMR技法を用いて測
定された。結果は第2図に示される。
この図に示すように、200nmフィルターを通過したベ
シクルに関しては、該フィルターを5回通過後に信号強
度は約65%に下降し、そしてその後ほぼ一定を維持す
る。一方、100nmフィルターのものに関しては、5回な
いしそれ以上の通過の後に信号は約50%に下降した。
約50%への信号強度における下降は、リポソームが実
質的にユニラメラなものであることを示し、一方わずか
65%への効果は実質的なマルチラメラ性を示し、これら
の結果は、100nmフィルターは望まれるユニラメラリポ
ソームの製造において成功し、一方200nmフィルター
は、フィルターを通しての通過の回数にかかわりなくマ
ルチラメラリポソームの顕著な量を製造することを続け
るものである。
この結論は、第3図に示したフリーズフラクチャー顕
微鏡写真図によって確かなものとされる。この図に示さ
れるように、SPC,SPC−SPS(1:1)およびSPE−SPS(1:
1)から100nmフィルターを用いて形成されたベシクル
(それぞれ第3(a)図、第3(b)図および第3
(c)図)は、内方のラメラの欠在を示すものである、
有為な数の横割断(cross−fracture)を示さないもの
(0.1%未満)を示すものであった。反対に、横割断
は、200nmフィルターを通して製造されたSPCベシクルに
関して容易に観察できるものであった(第3(d)
図)。
これらの結果は、本発明において、ユニラメラ性は、
100nmあるいはそれ以下のオーダーの孔径を有するフィ
ルターの使用に依存するものであることを明らかに確立
するものである。
例3 LUVET直径、捕獲容量およびユニラメラ性 この例3は、100nmフィルターを使用した場合に本発
明の製法は、種々の脂質成分に関するLUVの比較的均質
な集団の製造という再現性のある結果に終わることを示
すものである。ベシクル直径および捕獲容量は、上述に
述べた方法により測定された。結果は下記の第4図およ
び第1表に示される。
第4図における間色の柱線は、例1に従い調製された
MLVを2つの(積重ね)100nm孔径フィルターを通して10
回通過させることによって調製されたSPC LUVETに関し
て計測されたベシクル直径を示すものである。第1表
は、これに関するおよび他の脂質組成に関する計測され
た平均直径および平均捕獲容量を概要形態において示す
ものである。
比較のために、EPC LUVが、ユニラメラベシクルを製
造するのに一般的に受入られている2つの製法(オクチ
ルグリコシド洗浄剤透析および逆相蒸発)によって調製
され、そしてこのように製造されたLUVが次に2つの
(積重ね)100nm孔径フィルターを通して10回抽出され
た。ミンス,エル.ティー.,ザンピイ,ジー.,ノザキ,
ワイ.,タンフォード,シー.およびレイノルズ,ジェ
イ.エイ.(1981年),バイオケミストリー,20:833〜
840[Mimms,L.T.,Zampighi,G.,Nozaki,Y.,Tanford,C.an
d Reynolds,J.A.(1981),Biochemistrs, 20:833−84
0]およびスゾカ,エフ.とパパハジョプーロス,ディ
ー.(1980)アン レブ バイオエング、:467〜508
[Szoka,F.and Papahadjopoulos,D.(1980)Ann.Rev.Bi
oeng.:467−508]を参照のこと。これらの比較対照
の結果もまた第1表に示される。(オクチルグリコシド
製法がEPC/コレステロール(1:0.25)よりなるベシクル
を形成するために用いられた場合、マルチラメラベシク
ルが形成され、一方、本発明の製法および同様の脂質成
分では、実質的にユニラメラなベシクルが形成されたこ
とを本発明の一般性に関して注目することは興味深いこ
とである。
第4図に示されるベシクル直径分布は、1)リン脂質
分子当りの領域、例えば0.6nm2(シェーレン,エイチ.,
ルードルフ,エス.,フィンケルステイン,エム.,コール
マン,ピーおよびウェイシュマン,ジー.(1978年)
イオチミカ エト バイオフィジカ アクタ542:137
〜153[Schieren,H.,Rudolph,S.,Finkelstein,M.,Colem
an,P.and Weissman,G.(1978)Biochim.Biophys.Acta,
542:137−153]を参照のこと。)、2)二重層厚、例
えば4nm(ブロウロック,エイ.イー.(1982年)バイ
オチミカ エト バイオフィジカ アクタ650:167〜2
07[Blaurock,,A.E.(1982)Biochim.Biophys.Acta, 6
50:167〜207]を参照のこと。)、および3)ベシクル
がユニラメラであることを仮定することによって、捕獲
容量に関する内側単一層リン脂質の量に関する算出値を
決定するために用いられ得るものである。これらの算出
値は、存在するユニラメラベシクルの割合を決定するた
めに、次に実験的に観察された捕獲容量および内側単一
層リン脂質の量と比較されることができる。
第4図中に示される(間色)ベシクルサイズ分布に関
するこのアプローチに続き、このようなベシクル集団
(ユニラメラである場合)は、最初の信号強度の約43%
の「内側単一層」信号強度(Mnp2+の添加後)を有して
いるであろうことおよび捕獲容量が約1.6μ/molであ
ろうことが決定された。これは、行なわれた仮定の数を
考慮して、特に、リン脂質1μモル当りの捕獲容量のμ
として表わされる捕獲容量に極めて大きな影響を与え
ることのできるリン脂質1モル当りの範囲の評価におけ
る困難性を考慮して、隔離されたリン脂質の計測値(48
%)および捕獲容量の計測値(1.2±0.2μ/mol)に正
当に従うものである。
1.6μ/molの算出捕獲容量値を第1表に示す実験的
データと比較して、SPCおよびEPCより構成されるLUVET
が期待されたものより小さな捕獲容量を示すこと、一
方、ホスファチジルセリンなどのような帯電リン脂質種
が存在していると、理論的捕獲容量が達成されることが
示される。
EPCおよびSPC LUVETに関して観察される低い捕獲容
量に関する2つの可能性のある理由は、集団中に存在す
る顕著な数のマルチラメラベシクルがあること、あるい
はまたフリーズフラクチャー顕微鏡写真図から推定され
たものよりスモールベシクルの存在するより大きな割合
があることである。フリーズフラクチャーの結果は、割
断されたマルチラメラ系のわずか5%が横割断を示すも
のであるということを仮定したとしても、マルチラメラ
ベシクルの数は非常に少ない(2%未満)ものであるこ
とを提唱するものである(アール.ジー.ミラー,ネイ
チャー,287:166(1980)[R.G.Miller,Nature,287:166
(1980)]を参照のこと。)。一方、スモールベシクル
の数の低い見積もりも同様である。
さらに、第1表に示されるように、オクチルグリコシ
ド洗浄剤透析および逆相蒸発法により、その後100nm孔
径を有するフィルタを通して10回押出しされて、製造さ
れたEPC LUVに関して計測された捕獲容量は、EPC LUV
ETに関して得られた捕獲容量に匹敵するものである。
これらの観察を総合すると、本発明の押出技法によっ
て製造されたベシクルの大きな利点は、ある場合におい
ては、計測捕獲容量が算出値よりも小さなものではある
けれど、ユニラメラであることである。
100nmの孔径を有するフィルターを用いた場合に本発
明の製法が、SUVに対抗するものとしてLUVを製造するこ
とを確証するために、熱量的研究が16:0/16:0 PC(ジ
パルミトイルホスファチジルコリン…DPPC)からなるML
VおよびLUVETに導入された。
飽和リン脂質、例えばDPPCからなるSUVは、それらの
高度に屈曲した膜によりゲル−液晶転移温度(Tc)にお
ける低減および遷移の広がりを示すことで知られてい
る。この高度の屈曲は、膜の炭化水素領域における増加
された無秩序をまねくものであるゆえに、一般的に相当
好ましくないものである(シュー,ジェイ.アール.,バ
ナリー,ユー.,ミューラー,エル.およびチャン,エ
ス.アイ(1982年)バイオチミカ エト バイオフィジ
カ アクタ687:219〜225[Schuc,J.R.,Banerjee,U.,M
uller,L.and Chan,S.I.(1982)Biochim.Biophys.Acta,
687:219−225]を参照のこと。)。
本発明により製造されたLUVETが高度に屈曲した膜か
ら生じる問題をなくすのに十分に大きなものであるか否
かを確かめるために、Tc値が例1の製法に従って調製さ
れたMLVおよびLUVETに関して熱量的に計測された。結果
は第5図に示される。
この図に示されるように、MLVおよびLUVETは非常に似
かよったTc値を示す。これらの値は、文献中に報告され
たものと一致するものである。ラドブローク,ビー.デ
ィー.とチャップマン,ディー.(1969年)ケム.フィ
ズ.リピズ :304〜367[Ladbrooke,B.D.and Chapma
n,D.(1969)Chem.Phys.Lipids, :304−367]を参照
のこと。これらは、マルチラメラ系の融点より約4℃低
く起きる広げられたゲル−液晶転移を示す音波処理DPPC
ベシクルについて観察される挙動に直接対比するもので
ある。バン ディック,ピー.ダブリュ.エム.,デ ク
ルーイフ,ビー.,アルトス,ピー.エイ.エム.エム.,
ヴァークレーイ,エイ.ジェイおよびデ ギエール,ジ
ェイ(1978年)バイオチミカ エト バイオフィジカ
アクタ506:183〜191[van Dijck,P.W.M.,de Kruijff,
B.,Aarts,P.A.M.M.,Verkleij,A.J.and de Gier,J.(197
8)Biochim.Biophys.Acta, 506:183−191]を参照のこ
と。従って、100nm孔径を有するフィルターを用いて本
発明の製法により調製されたユニラメラリポソームはSU
Vよりむしろ、当然にLUVとして調製される。
本発明の押出しプロセスにより製造されたリポソーム
の構造的完全さを試験するために、150mMに代わり1MのN
aCl濃度を有する緩衝液を用いて、例1の製法に従ってL
UVETが調製された。調製の後、リポソームはリポソーム
の膜を横切って大きな浸透圧差を生じさせる蒸溜水中へ
置かれた。リポソーム漏洩に関する指示薬としてアレナ
ゾIII[arenazo III]を用いて、本質的に何の漏洩もこ
のような苛酷な試験条件下において見られなかった。
例4 捕獲容量を増加するための凍結解凍サイクルの使用 この例4は、本発明により製造されたユニラメラリポ
ソームの捕獲容量の増加するための凍結解凍法の使用を
例示するものである。
例1の製法に従い調製されたSPCおよびEPC LUVET
は、新しい100nm孔径フィルターを通しての押出しを伴
なう2回の凍結解凍サイクル(液体窒素を用いる)にか
けられた。詳細には、LUVETがプラスチック瓶に入れら
れ、そしてこの瓶が液体窒素中に約1分間置かれた。凍
結されたLUVETは次に室温にて水中で約5分間解凍され
た。解凍された溶液は、凍結−解凍−押出しプロセスが
2回繰返された後、新しい100nmフィルターを通して3
回押出された。
このプロセスに関する概要の結果は、第1表中に与え
られる。凍結解凍SPC LUVETのサイズ分布の詳細は、第
4図中に与えられる(黒い柱線)。
第4図に示されるように、SPC LUVETの平均直径は、
約20nmほど増加した。このベシクル分布に関する算出捕
獲容量は、2.2±0.1μ/molの計測値と極めて一致する
2.3μ/molである(第1表)。
より高い捕獲容量でさえ、100nm孔径フィルターを通
しての押出しによって調製されたLUVETの凍結−解凍、
その後の200nm孔径フィルターを通しての押出し(3〜
4回)が10μ/μモル リン脂質のオーダーの捕獲容
量となる大豆PC系を用いて達成された。
例5 LUVET捕獲効率 LUV調製物の1つの重要なパラメーターは、これらの
捕獲効率である。これは捕獲されるべき作用物質が多く
の薬剤の場合のように高価であるかあるいは低い溶解性
を有している場合ならば、特にそうである。
本発明に関連して、全てのプロセスは、LUVETを調製
するために用いられる溶液の脂質濃度を単に増加させる
ことによって、製造されたベシクルの比較的低い捕獲容
量にもかかわらず、30%のオーダーの捕獲効率を有する
ように形成され得るものである。
この効果は、LUVET内に捕獲された水性容量のパーセ
ンテージが例1の製法に従って調製されたLUVET(黒
丸)および例4の凍結−解凍法を用いて調製されたLUVE
T(白丸)に関する脂質濃度に対してプロットされてい
る第6図において示されている。
300μmol/mlの脂質濃度でのLUVETの調製は、この図に
示されているように30%のオーダーの捕獲効率への上昇
を与えて、容易に達成される。凍結−解凍サイクルが、
200μmol/mlより低い脂質濃度で、脂質μmol当りの捕獲
容量における顕著な上昇をわずかに与えるものであるこ
とに注目することは興味のあることである。同様の観察
が、ピック,ユー.(1981年)アーク.バイオケム.バ
イオフィズ.,212:186〜194[Pick,U.(1981)Arch.Bioc
hem.Biophys.,212:186〜194]により報告されている。
例6 100nmより小さな孔径を有するフィルターの使用 この例6には、製造されるリポソームのサイズにおけ
るおよび実質的にユニラメラ性を達するために必要とさ
れるフィルターを通しての通過の回数における100nmよ
り小さな孔径を有するフィルターの使用の効果を示すも
のである。
MLVが卵PCを100mg/mlの濃度で用いてまた150mM NaCl
および20mMヘペスの緩衝液(pH7.5)を用いて例1の製
法に従って調製された。この分散液は、第1A図の装置を
用いて、50nmまたは30nmの孔径を有する2つ積重ねたポ
リカーボネートフィルターを通して10回通過させられ
た。押出器具を通しての1回通過の後および10回通過の
後に部分標本がとられ、上述したようなフリーズフラク
チャー顕微鏡写真を作成するために用いられた。試料
(1ml当り25mgのリン脂質、4ml)がまた通過の種々の回
数の後にとられ、上述したようなMn2+を用いる31P NMR
により分析された。結果は第7〜9図に示される。
第7図に示すように、50nmフィルターを通して一度押
出されたベシクルはMn2+の添加において31P NMR信号の
37パーセントを失ない、一方30nmフィルターを通して一
度押出されたベシクルは47.5パーセントを失なった。こ
れは、50nmフィルターを通過したベシクルは、30nmフィ
ルターを通して通過したものよりも大きいおよび/また
はマルチラメラなものであることを示すものであり、こ
の結果は第8図および第9図に示されるフリーズフラク
チャー顕微鏡写真図によって確かなものとされる。これ
らの図の上の部分(第8A図および第9A図)を比較するこ
とは、50nmフィルターを通して一度通過されたリポソー
ムが、30nmフィルターを通して一度通過されたものより
大きくまた不ぞろいのものであることを表わすものであ
る。
10回通過の後、50nmおよび30nmフィルターに関して、
31P NMR信号強度はそれぞれ53および56パーセントまで
下降した。これは、双方のフィルターが本質的に同じサ
イズのリポソームを製造していたことを示すものであ
る。これは双方の集団が44±14nmの平均直径、すなわち
SUVの直径特性を有することを示しているフリーズフラ
クチャー顕微鏡写真図の分析により確かなものとされ
た。第8B図および第9B図によって示されるように、それ
ぞれの場合において、製造された集団は均質なものであ
った。
第7図の曲線を第2図における100nmフィルターの曲
線と比較することは、31P NMR信号は、より小さな孔径
を有するフィルターに関してより早く水平なものとなり
がちであることを表わすものである。従って、押出装置
を通しての少ない通過が、より小さな孔径のフィルター
に関して実質的にユニラメラなリポソームの集団を達す
るために要求される。
例7 ユニラメラリポソームの生体内分布 この例7は、本発明に従って調製されたリポソーム
の、内包された[entrapped]物質の生体内分布[in v
ivo]供給への使用を例示するものである。特に、上述
の実施例1に従い調製された125I−チラミニル−イヌリ
ン(125ITI)含有LUVETの投与およびその後の生体内分
布をラットモデル系に関し例示するものである。
チラミニル−イヌリンは次のようにして調製された。
イヌリン(1.0g)が蒸溜水90.0ml中に溶解され、そして
4℃に冷却され、0.1M過ヨウ素酸10ml(新鮮)が添加さ
れ、さらに該溶液は暗室中で4℃で15分間培養された。
過ヨウ素酸塩消費は、イヌリン1モル当り約2酸化を示
す亜ヒ酸塩法によって検定された(ダイアー,ジェイ.,
メソッズ オブ バイオケミカル アナライシス,ピ
ー.グリック(編)第3巻、第111頁、インターサイエ
ンス(1956年)中[Dyer,J.,Methods of Biochemical A
nalysis,P.Glick(Ed.),Vol.3,p.111,Interscience(1
956)]を参照のこと。)。反応はBa(OH)での中和
によって終了され、過ヨウ素酸塩およびヨウ素酸塩は遠
心分離により除去された。上澄液にNaH2PO44.3gおよび
チラミン0.55gが添加され、そしてpHが1.0M HClを用い
て7.5へと調製された。続いて、NaBH3CN(0.25g)が添
加され、そして溶液は室温にて4時間撹拌された。残存
するアルデヒド基は、NaBH40.2gの注意深い添加により
還元され、そして溶液は、27℃でさらに1時間攪拌され
た。部分標本(25ml)が、減圧下に脱気され、予めH2O
で平衡化された1.5×80cmのセファデックスG−25カラ
ムに4℃でかけられた。流速は10ml/時間に調整され、
画分4mlが集められた。この画分は、279nmでの吸光度を
観察することによりチラミンに関して検定されまた、ア
ントロン試薬技法(ロー,ジェイ.エイチ.(1955)
ェイ.バイオ.ケム.212:335〜343[Roe,J.H.(195
5)J.Bio.Chem.,212:335−343]を参照のこと。)を用
いて糖に関して検定された。糖含有画分は、空白容積
[void volume]中に溶離し、そして0.6の一定なチラミ
ン:イヌリンモル比を有するものであった。該付加物は
セファデックスG−25カラムにおける再クロマトグラフ
ィーにより測定して、遊離チラミンおよびその他の塩か
ら完全に分離されていた。ピーク画分はイヌリンに基づ
き80%の収率を与えて凍結乾燥された。
チラミニル−イヌリン付加物は以下のようにしてヨウ
素化された。チラミニル−イヌリン付加物2.5mgは0.2ml
のヘペス(20mM)、NaCl(145mM)pH7.4(ヘペス緩衝化
食塩水;HBS)中に溶解され、そしてアイオドゲン40μg
が予めCHCl3 300μから析出された、1.5ml栓付瓶中
へ入れられた。次にキャリアーフリーNa125I(4mCi、10
0mCi/ml)が添加されそして反応が室温で45分間なされ
た。溶液が次に10μの0.1M Na2S2O5、0.05M KIを含
む容器に移され、そして次にHBSで平衡化されたG−25
カラム(1×20cm)へかけられた。画分(0.5ml)が集
められ、そして空白容積(2.5ml)中に溶離する125I含
有画分は、プールされた。得られた−チラミニル−イヌ
リン(125ITI)溶液は、1μCi/μ 125Iをきまりき
って含み、その0.01%未満は遊離ヨウ化物の形態(0.01
%未満は、1.2%H2O2および0.4%KIに形成した場合に抽
出可能である。)でありそして99%以上の物質はセファ
デックスG−25を用いる再クロマトグラフィーにおける
空白容積中の1つのピークとして溶離されるものであっ
た。すべての研究において、該物質は製造の2週間以内
に用いられた。
125Iを装填したリポソームは、上記に述べたような製
法を用いて調製された。詳細には、卵ホスファチジルコ
リン(EPC)30μmolおよびコレステロール30μmolがCHC
l3から乾燥された。得られた脂質フィルムは125ITI 1m
Ciを含むHBS 1ml中に渦動混合により分散された。この
ようにして製造されたマルチラメラ系は次にN2圧力(20
0〜400psi)下に2つ積重ねられたポリカーボネートヌ
クレポアフィルター(100nm孔径)を通して10回押出さ
れた。LUVETの部分標本(0.1ml)は予めHBSで平衡化さ
れたウルトロゲルAc34カラム(1ml)にかけられた。脂
質含有画分は、プールされ、そして再クロマトグラフィ
ーは、125ITIの97%より多くがベシクル中に「捕獲」さ
れていることを示した。得られたリポソーム調製物は、
脂質リン酸エステル分析および捕獲された125ITIから算
出して0.9μ/μmolリン脂質の捕獲容量を有していた
(フィスケ,シー.エイチ.とサバロウ,ワイ.(192
5)ジェイ.バイオル.ケム.66:375〜379[Fiske,C.
H.and Subbarrow,Y.(1925)J.Biol.Chem.66:375−37
9]を参照のこと。)。これらのベシクルの平均半径
は、70nmであった。125ITIを含有するLUVETはHBS200μ
中における0.5μmolリン脂質への希釈され、4℃で保
存されそして製造の2日以内に使用された。
このLUVETが、実験前および実験期間中無制限に食料
摂取させた雌性ウィスター[Wiester]ラットに、エー
テルを用いて動物にかるく麻酔をし、そして次に尾静脈
を介してLUVET(0.5μmolリン脂質)中に内包された約
0.5μCiの125ITIを含有する200μHBSを注射すること
によって投与された。ラットは尿および糞便が集められ
る代謝カゴ中に回復された。注射後の種々の時間におい
て、ラットはエーテルで麻酔をかけられ、そして大静脈
からの瀉血により屠殺された。血液は、200mM EDTA 2
00μを含むシリンジ中に集められそして回収率は、4.
9mg血液/100gラットを推定して約85%であった。心臓、
肝臓、肝、脾臓および腎臓は除去されそして膀胱中に残
っている尿が集められた。胴体は次に70℃で9mM NaOH
200ml中に一晩溶解された。胴体溶解物の部分標本お
よび組織の試料が次に125Iの存在に関して検定された。
第10図はLUVETの循環からのクリアランスおよびその
後の尿中のイヌリンの出現を例示するものである。この
図に示されるように、循環における内包された物質は注
射されたレベルの約40%に最初に急速に減少され、そし
てその後は、非常に長い半減期(約3時間)を有して衰
えていく。さらに、注射された投与量のわずか30%は、
3日後においてすらも尿中に最終的に見出される。この
後者の結果は、125ITIを内包したLUVETの組織吸収およ
び維持を明らかに示すものである。
現実の組織分布が第11図に示され、ここにおいて、生
体内125ITIの約50%が肺によって蓄積され、約10%が脾
臓によって、そして残りが胴体中に見いだされることが
示されている。3%未満の125ITIが注射後の任意の時間
において、心臓、肺および腎臓中に見出された(データ
は示さず。)。
観察された組織分布は、他の方法によって製造された
リポソームで以前に観察されたものと同様であり(例え
ば、アブラ,アール.エム.とハント,シー.エイ.
(1981年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アク
666,493〜503[Abra,R.M.and Hunt,C.A.(1981)Bi
ochem.Biophys.Acta,666,493−503]を参照のこ
と。)、それゆえに、本発明のリポソームは生体内動に
関して先行技術のリポソームと同等のものであることが
示される。
例8 リポソームの無溶剤製造 この例8は、溶剤およびその他の無関係な物質を使用
することなく、脂質粉末あるいはペレットおよび緩衝液
からの直接的なリポソーム製造を例示するものである。
上述のようにして調製されたEPC 100mgが試験管中へ
匙で入れられ、ヘペス緩衝液1.0mlが加えられ、そして
この混合物が20℃で10分間培養された。この混合物は2
分間簡単に渦動混合され、次に5分間の待時間をとり、
その後2分間渦動混合され、得られた溶液は、100nmの
孔径を有する2つ積重ねたポリカーボネートフィルター
を備えた第1A図に示す装置の圧力室に入れられた。この
溶液は、20℃の温度で、該フィルターを通して10回押出
しされた。使用圧力は200〜300psiのオーダーにあり、
そして得られる流速は約30ml/分のオーダーにあった。
得られた製品のフリーズフラクチャー顕微鏡写真図が
上述した手順に従い作製された。製品は、フリーズフラ
クチャーにより計測して約70nmの平均直径を有する実質
的にユニラメラなリポソームの均質な集団であることが
見出された。所望ならば、この平均直径は例4の凍結解
凍法を用いて増加されることが可能である。
上述の製法が、100nmフィルターに代えて200nmフィル
ターを用いて繰返された。この場合、100psiのオーダー
にある圧力が用いられ、約30ml/分の流速が再度得られ
た。リポソームの均質な集団が再度得られたが、この場
合集団の実質的な部分は、ユニラメラというよりむしろ
マルチラメラであった。この集団の平均直径はニコンプ
モデル 200 レーザー パーティクル サイザー[N
icomp Model 200 Laser Particle Sizer](ニコンプ
インストゥルメンツ インコーポレーテッド,サンタ
バーバラ,カルフォルニア州[Nicomp Instrument In
c.,Santa Barbara,California])を用いた準弾性光分
散により計測されて約168nmであった。
例9 リポソームの実質的に単一モードの集団の調製 この例9は、実質的に単一モードの分布を有するリポ
ソームの集団の調製を例示するものである。
ラージマルチラメラベシクル(MLV)が次のような周
知のプロセスにより調製された。最初に、上述したよう
に調製されたEPCがクロロホルム中に溶解され乾燥され
て、試験管の内側上にフィルムとして析出された。MLV
は次に、150mM NaCl、20mMヘペス、pH7.5の水性緩衝液
を試験管に単に添加し、そして渦動混合により脂質を水
和することによって形成された。
得られたMLV分散液は、次に、200nmの孔径を有する2
つ積重ねた標準25mmポリカーボネートフィルター(ヌク
レポア,インコーポレーテッド,プレサントン、カリフ
ォルニア州 カタログ番号110606[Nuclepore,Inc.,Ple
asanton,California,Catalog#110606])を備えた、第
1A図に示される装置の圧力室中へ移された。この分散液
は、該フィルターを通して20℃の温度で25回押出しされ
た。使用圧力は、100psiのオーダーにあり、そしてえら
れる流速は30ml/分のオーダーにあった。このサイズ規
制法は、約15分未満に完了し、そして得られたリポソー
ムはフィルターを通してのこれらの多くの通過にもかか
わらず、実質的に完全なものであることが見いだされ
た。
25回通過の終了時での集団のサイズ分布は、上述した
準弾性光散乱を用いて観察された。結果は、下記第2表
に示される。
この表に示されるように、該集団は、2次多項式によ
って良好な適合性が達成されることを示す1.42のχ
を有しており、それゆえ、ベシクルの拡散係数は単一モ
ードのガウス分布を有していた。この集団に関して算出
された平均直径は168nm、すなわち押出しに用いられた2
00nmの孔径より約15%の小さなものであり、そしてこの
平均についての標準偏差はかなりせまい55nmであった。
例10 一連のポリカーボネートフィルターを用いたリポソーム
の調製 この例10は、実質的に単一モードのサイズ分布を有す
るリポソームの集団を得るために一定孔径のフィルター
を用いることの重要性を漸減する孔径の一連のフィルタ
ーに対比させて示すものである。
同じ孔径を有するフィルターを通して25回押出しされ
る代りに、次の孔径、すなわち1000nm、800nm、600nm、
400nmおよび200nmの孔径を有する一連のフィルター(ヌ
クレポア,インコーポレーテッド,プレサントン、カリ
フォルニア州 カタログ番号110610,110609,110608,110
607および110606[Nuclepore,Inc.,Pleasanton,Califor
nia,Catalog Nos.110610,110609,110608,110607 and 11
0606])を通して1度押出しする以外は、例9における
ものと同様にしてMLVが調製された。この場合、それぞ
れのフィルターサイズのただ単一のフィルターを備え
た、第1A図の装置が、例9におけるものと同様に用いら
れた。圧力、流速およびプロセス温度は例9におけるも
のと同じであった。
準弾性光散乱により測定された、この方法において調
製されたリポソームのサイズ分布は、第2表に示され
る。この場合、2次多項式がデーターに適合しないもの
であったことを意味する368という巨大なχが算出さ
れ、そしてそれゆえリポソームの拡散係数は単一モード
のガウス分布を有していないものである。
この結果を例9の結果と比較することで、一定孔径の
フィルターを通してのリポソームの複数回通過は、同様
のタイプのリポソームの漸減する孔径の一連のフィルタ
ーを通しての通過により製造されたものとは著しく異な
るサイズ分布を驚くべきことに産出するものであること
が容易に確証される。
本発明の特定の実施態様を述べまた例示してきたが、
本発明の精神および範疇から逸脱することなく変更がな
され得ることが理解されるべきである。例えば、本発明
は、実施例中に例示されたもの以外の種々の膜形成物質
および内包可能な溶質を用いて実施されることが可能で
ある。同様に、本明細書中に例示した以外の種々の装置
が本発明を実施するために用いることができる。特に、
その段階のそれぞれが容易に制御可能であるゆえ、本発
明の方法は特に完全に自動化された方法への移植に適す
るものであり、そしてこのような移植は本発明の範疇内
に特に包含されるものである。これらの同様な筋道に沿
って、他のタイプの器具が、自己相関関数を得るために
用いられることができ、そしてその他の数値的アプロー
チが、自己相関関数がガウス分布より生成されるタイプ
のものであるか否かを決定するために用いられ得る。添
加された請求の範囲内に定義された本発明の範疇は、こ
れらのおよびその他の変更態様を包含することを意図す
るものである。
平均直径、χおよび標準偏差に関する値は、ニコン
プ モデル 200 レーザー パーティクル サイザー
(ニコンプ インストゥルメンツ,インコーポレーテッ
ド,サンタバーバラ,カルフォルニア州93111)を用い
て測定された。次の入力パラメーターが用いられた:温
度…20℃;粘度…1.002センチポイズ;屈折率…1.330;
レーザー波長…632.8nm;および角度の1/2の正弦…0.707
0。計測のいずれのセットに関しても、装置は遅延ベー
スラインモードで用いられた。一定孔径の計測(実施例
9)に関しては、9.08×108の総カウント値を生む、6.3
3×106msecのランタイムが用いられ、また1.98デュケイ
を有する自己相関関数を与える、20μsecのチャンネル
幅が用いられた漸減する孔径の計測(実施例10)に関し
ては、8.01×108の総カウント値を与える、6.58×106ms
ecのランタイムが用いられ、また1.85デュケイを有する
自己相関関数を与える、70μsecのチャンネル幅が用い
られた。** x2に関して報告がなされない(本文参照のこと。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホープ、マイケル ジエイ カナダ国 ブリテイツシユ コロンビア ブイ6アール 2ケイ2、バンクーバ ー、ウエスト イレブンス アベニユー 3550 (72)発明者 バリー、マルセル ビー カナダ国 ブリテイツシユ コロンビア ブイ6テイー 1エム8、バンクーバ ー、コルベツト クレセント 5516 (56)参考文献 「細胞工学」2〔10〕(1983)際田 P.1251〜1258 「細胞工学」2〔9〕(1983)菊池、 井上P.1136〜1150、特にP.1148右欄

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100nmに等しいまたはそれより小さなある
    1つの孔径を有するフィルターを通して圧力下にマルチ
    ラメラリポソームを繰返し通過させることよりなるリポ
    ソームの集団のラメラ度の低減方法。
  2. 【請求項2】マルチラメラリポソームの集団が2回より
    多くフィルターを通過させられるものである請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】フィルターが直線的通過流路を有するもの
    である請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】フィルターがポリカーボネートフィルター
    である請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】100nmに等しいまたはそれより小さなある
    1つの孔径を有するフィルターを通して圧力下にリポソ
    ームを繰返し通過させることによってラメラ度を低減さ
    れたリポソームの集団。
  6. 【請求項6】a)マルチラメラリポソームを調製し、そ
    して b)該リポソームを100nmに等しいまたはそれより小さ
    なある1つの孔径を有するフィルターを通して圧力下に
    繰返し通過させる、 工程からなる実質的にユニラメラなリポソームの集団の
    調製方法。
  7. 【請求項7】マルチラメラリポソームが2回より多くフ
    ィルターを通過させられるものである請求の範囲第6項
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】フィルターが直線的通過流路を有するもの
    である請求の範囲第6項に記載の方法。
  9. 【請求項9】フィルターがポリカーボネートフィルター
    である請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】捕獲容量を増加させるためにリポソーム
    を凍結解凍サイクルにかける付加的工程を含むものであ
    る請求の範囲第6項に記載の方法。
  11. 【請求項11】a)マルチラメラリポソームを調製し、
    そして b)該リポソームを100nmに等しいまたはそれより小さ
    なある1つの孔径を有するフィルターを通して圧力下に
    繰返し通過させる、 工程からなる方法により調製された実質的にユニラメラ
    なリポソームの集団。
  12. 【請求項12】a)脂質粉末またはペレットと水性緩衝
    液の混合物を調製し、そして b)該混合物を1つのフィルターを通して圧力下に繰返
    し通過させる、 工程よりなる溶剤、洗浄剤またはその他の無関係な物質
    を使用することのないリポソームの調製方法。
  13. 【請求項13】フィルターが直線的通過流路を有するも
    のである請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 【請求項14】フィルターがポリカーボネートフィルタ
    ーである請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 【請求項15】捕獲容量を増加させるためにリポソーム
    を凍結解凍サイクルにかける付加的工程を含むものであ
    る請求の範囲第12項に記載の方法。
  16. 【請求項16】フィルターが約100nmより小さいかまた
    は等しいある1つの孔径を有し、混合物は、このフィル
    ターを2回より多く通過させられ、そして得られるリポ
    ソームが実質的にユニラメラなものである請求の範囲第
    12項に記載の方法。
  17. 【請求項17】a)脂質粉末またはペレットと水性緩衝
    液の混合物を調製し、そして b)該混合物を1つのフィルターを通して圧力下に繰返
    し通過させる、 工程よりなる溶剤、洗浄剤またはその他の無関係な物質
    を使用することのないリポソームの調製方法により調製
    されたリポソーム。
  18. 【請求項18】50nmより大きな平均直径の実質的に単一
    モードの分布を有するリポソームの集団。
  19. 【請求項19】干渉光を該リポソーム集団試料に照射し
    た際、このリポソーム集団試料により散乱された光の強
    度の時間依存変動の自己相関関数の自然対数が、2次多
    項式に、厳密にあてはまるものである請求の範囲第18項
    に記載の集団。
  20. 【請求項20】すべてのものが同一の孔径を有する1つ
    または複数のフィルターを通して、平均値について実質
    的に単一モードのリポソームの直径の分布を生じるのに
    十分な通過の回数マルチラメラリポソームを繰返し通過
    させることよりなるリポソームの集団の均質性を増加さ
    せる方法。
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