JP2537186C - - Google Patents

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JP2537186C
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ザ リポソーム カンパニー インコーポレーテツド
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【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、リポソームに関するものであり、特に、ユニラメラリポソームの迅
速な製造および限定されたサイズ分布を有するリポソームを製造のための押出技
術に関するものである。 2.先行技術の説明 当該分野において公知のように、リポソームは、水性核体をとり囲む脂質二重
層膜を有する閉鎖した小胞体(ベシクル)である。一般に、以下の3つのタイプ
のリポソーム、すなわち1)それぞれのベシクルが、タマネギの皮の配置のよう
に一つの膜の内側に他の膜が収納された複数の同心的二重層膜を有するマルチラ
メラベシクル類(MLV類)、2)ベシクル1つあたりわずかに1つの二重層膜を有
しかつ約50nm以下の範囲にある直径を有するスモールユニラメラベシクル類(SU
V類)および3)これもまたベシクル1つあたりわずかに1つの二重層膜を有す
るものであるが、約50nm以上の、そして代表的には100nmおよびそれ以上の値で
ある直径を有するラージユニラメラベシクル類が(LUV類)が生成されている。 これらの調製および生成リポソームの種々の用途を包含する、これらの3つの
タイプのリポソームに関する評論は、リポソームス、マルク ジェイ、オストロ
編、マーセル デッカー インコーポレーテッド、ニューヨーク、1983年[Lipo
somes,Marc J.Ostro,ed.,Marcel Dekk er,Inc.,New York,1983]のテキストにおいてみることができ、これの関連する
部分は、本明細書中に参考に組入れられる。スゾカ,ジュニアら、アン レブ
バイオフィズ バイオエング:467(1980年)[Szoka.Jr.,et al.,Ann.Rev.B
iophys.Bioeng.,:467(1980)]もまた参照すべきであり、これの関連部分も
また、本明細書中に参考に組入れられる。 発展してきた他のタイプのリポソームには、安定なプルリラメラベシクル類[
stable plurilamellar vesicles](SPLV類)、単相ベシクル類[monophasic ve
sicles]MPV類)およびステロイドリポソーム類[steroidal liposomes]である
。これらのベシクル類およびこれらの調製方法の説明は、同時係属されそして一
般譲渡された、そそれぞれ1983年3月24日、1983年8月8日および1984年4月12
日に出願の米国特許出願一連番号第476,496号、第521,176号および第599,691号
にみることができ、そしてこれらの関連部分は、本明細書中に参考に組入れられ
る。 リポソームの初期の使用の1つは、種々の物質、例えば、薬剤、化粧品、診断
学的試剤、生物学的活性化合物などのような物質の担体としてである。リポソー
ムはまた自然発生生物学的膜システムの科学的モデルとして広範に用いられてい
る。 これらの使用のそれぞれに関連して、限定された平均直径およびこの平均につ
いて限定されたサイズ分布を有 するリポソームの有効な集団を有することが重要である。より特別には、ある選
択された平均直径について実質的に単一モードの[unimodal]分布を有するリポ
ソームの有効な集団を有することが重要である。 工業的適用および、特に薬理学的適用に関して、このような集団はリポソーム
に内包された薬剤ないし同様なものの効果と安全性を高めるために必要とされる
。さらに、リポソームの厳密に限定された集団の利用性は、合衆国食品および薬
剤投与取締機関[the United States Food and Drug Administration regulator
y agency]のような取締機関からリポソーム含有調製物に関する認可を得ること
を著しく容易とする。科学的研究を包含するその他のリポソームの適用に関して
、リポソームの適用に特徴ずけられた集団の容易な利用性は、より標準化された
製品および反復性のある実験を導くものとなろう。 本発明は、リポソームの製造に関する改良された方法に関するものである。特
に本発明は、1)ラージおよびスモールの双方のタイプのユニラメラリポソーム
を製造するための改良された方法、および2)限定されたサイズ分布を有するリ
ポソームを製造するための改良された方法に関するものである。 本発明より以前は、ラージユニラメラリポソーム類(LUV類)は、一般に以下
の3つの方法のうちひとつによって製造された。すなわち種々の溶剤を用いての
1)逆相蒸発[reverse−phase evaporation]法、2)洗浄 剤希釈[detergent dilution]法および3)注入[infusion]法である。リポソ
ームス、上記、第1章第37〜44頁を参照のこと。 逆相蒸発技術においては、水性緩衝液が、「転化ミセル[inverted micelle]
」、すなわち、リン脂質単一層によって囲繞されることにより有機溶媒中に安定
化された水の液滴を製造するために、リン脂質と有機溶媒の混合物中へ導入され
る。溶媒の蒸発は、該ミセルに合体して所望のリポソームを形成することをなさ
せる。例えばスゾカ,ジュニアら、プロク.ナトル.アカド.サイ.ユーエスエ
75:4194(1978年)[Szoka,Jr.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75:4194]
およびパパハジョプーロスら[Papahajopoulos et al.]の米国特許第4,235,871
号を参照のこと。 洗浄剤希釈アプローチにおいては、脂質、洗浄剤および水性溶液が共に混合さ
れそして所望するベシクルを形成するために音波処理される。次に、洗浄剤を除
去するために、ゲル濾過などのような分離技法が用いられてそしてこれにより完
成されたリポソームを製造する。 注入法においては、脂質は、溶剤、例えばペンタンあるいはジエチルエーテル
に溶解され、そしてこの脂質−溶剤溶液は、溶剤に蒸発を起こさせる条件下で水
溶液中へ注入し、そしてこれにより所望のリポソームを製造する。例えばディー
マー,アナルス ニューヨーク アカデミー オブ サイエンス 308:250〜258
(1978年) [Deamer,Annals New York Academy of Sciences, 308:250−258(1978)]を
参照のこと。 LUV類を製造するために用いられているその他の技術は、連合[fusion]技術
を包含しており、これにおいてSUV類の集団は、LUVを形成するために個々のSUV
にお互いにが連合することをなさせるように処理される。例えば、ピー.デメト
リオス パパハジョプーロスに対する米国特許第4,078,052号は、SUVを渦巻形シ
リンダー中に連合するためにカルシウムイオンが用いられ、そして該シリンダー
が次の所望のLUVを形成するためにEDTAなどのようなカルシウムキレート化剤で
処理される技術を述べている。ゆっくりとした解凍を伴なう、SUV類の急速冷凍
がまた連合によってLUVを製造するために用いられている。例えばユー.ピック
アーチブス オブ バイオケミストリー アンド バイオフィジックス212:
186(1981年)[U.Pick,Archives of Biochemistry and Biophysics,212:186(
1981)]を参照のこと。 SUV類の製造に関しては、LUV類の場合と同様に、種々の技術が過去に用いられ
ている。リポソームス、上記、第1章第33頁、第36頁を参照のこと。最も初期の
技術は、プローブ型または浴型音波処理装置を用いた水溶液中の脂質の懸濁液の
清澄への音波処理を含むものであった。他の技術は、溶剤としてエタノールを用
いる以外はLUV類を製造するために用いられたラインに沿った注入法(エス.バ
ツズリとイー.コーン.バイオチミカ エ ト バイオフィジカ アクタ298:1015(1973年)[S.Batzri and E.Korn,Bioc
himica et Biophysica Acta,298:1015(1973)])、および20,000psiの圧力で
操作されたフレンチプレス[French press]の通してのMLV類の多重通過を用い
る技術(例えば、ハミルトン,ジュニアら、ジャーナル オブ リピド リサー
21:981(1980年)[Hamilton Jr.,et al.,Journal of Lipid Research, 21
:981(1980)]およびバレンホルズら,エフイービーエス レット99:210(19
79年)[Barenholz,et al.,FEBS Lett.,99:210(1979)]を参照のこと。)を包
含するものであった。 リポソームを製造するための基本的技法のほかに、種々の補助的技術がリポソ
ームの特性を改良するために、リポソームの調製後処理に関して発展してきてい
る。特に、以下により詳しく述べるように、上記に述べたLUV技法の多くが、例
えば一連のポリカーボネートフィルターなどを用いる濾過による仕上げられたリ
ポソームのサイズ規制を要求するものであった。リポソームス、上記、第1章第
37〜39頁、第45頁およびスゾカら、バイオチミカ エト バイオフィジカ アク
,601:559(1980年)を参照のこと。一連のポリカーボネートフィルターは、ML
V類をサイズ規制するために用いられている。エフ.オルソンら、バイオチミカ
エト バイオフィジカ アクタ557:9(1979年)[F.Olson,et al.Biochimic
a et Biophysica Acta557:9(1979)]およびボスワ ースら、ジャーナル オブ ファーマシューティカルサイエンシズ71:806(19
82年)[Bosworth,et al.,Journal of Pharamaceutica1 Sciences,71:806(198
2)]を参照のこと。 前述の技術のそれぞれが、リポソームを製造するために用いられ得るが、これ
らの技術のいずれも全く満足するものではなかった。例えば、一般に用いられた
LUV技術のそれぞれは、リポソームを形成する成分を脂質可溶化剤、すなわち、
有機溶媒または洗浄剤のいずれかと組合せることを含むものであった。当業界に
おいて公知であるように、溶剤および洗浄剤は、リポソーム中に内包することが
望まれる、例えば酵素のような、多くの物質に不利な影響を与え得るものであり
、そしてそれゆえにこれらの技術はこれらの物質と共には用いることができない
。また、薬剤担体システムの生成などのようなものへの適用においては、これら
の潜在的毒性物質の存在の可能性は望ましくないものである。 さらに、これらの技術は用いられた溶剤あるいは洗浄剤を完全に除去すること
が不可能である長々しい透析をしばしば要求するものであった。例えばアレンら
バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ601:328(1980年)[Allen,e
t al.,Biochimica et Biophysica Acta, 601:328(1980)]を参照のこと。さ
らに、種々の処方が、脂質種に依存して要求される。例えば、ある種の脂質(例
えばコレステロール、ホスファチジルエタノ ールアミン(PE)およびホスファチジルセリン(PS))のエーテルあるいはエタ
ノールにおける限定された溶解性は、これらの溶剤を用いる技術の修正を必要と
する。あるいはまた、オクチルグルコシドなどのような非イオン性界面活性剤を
用いる洗浄剤透祈法は、これらが数日間の透祈を含み得るゆえに適用することに
飽き飽きする。はっきりいって、完成したリポソームから脂質可溶化剤を分離す
る必要性は、これらの方法の有用性を著しく低減するものである。 これらの同様のラインに沿って、LUV技術の先行技術は一般に、種々のサイズ
のリポソームならびにリポソームの凝集をもたらし、それゆえに、一連のフィル
ターを用いての仕上げられたリポソームのサイズ規制の付加的段階が要求される
。また、これは全部のプロセスをより時間を消費しそしてより込み入ったものと
する。 連合技術は同様の欠点を含むものでてある。例えば、カルシウムイオン/カル
シウムキレート化剤技法は、溶剤および洗浄剤技法のように、仕上げられたリポ
ソームを実際形成する物質以外の物質(この場合、キレート化剤と添加されたカ
ルシウムイオン)の使用およびその後の除去を含むものである。溶剤および洗浄
剤での場合と同様に、これらの物質は、汚染の可能性源となり、該技術の有用性
を限定し、そして該技術をより込み入ったものとする。また、この技術は、リポ
ソームの組成にいくらかのホスファチジルセリンを含むことを必要とする。 凍結−解凍技法に関しては、この技術は、この技術により製造されたリポソー
ムの比捕獲能[specific trapping cpacity]が、約20mg/mlを超えるリン脂質濃
度で急激に降下するという不利益に悩まされている。 SUV技術は同様の間題を有している。例えば高エネルギー音波処理は、リン脂
質の酸化および分解を引起こし、そして、リポソームの内部空間中に捕獲される
ことが望まれる溶質分子を損傷し得るものである。また、音波処理プロープを用
いて行なわれた場合には、高エネルギー音波処理は、プローブ浸食を引起こし得
、そして放射性物質と組合せて溶型音波処理で行なわれた場合には、潜在的に危
険なエアロゾルを産生し得るものとなる。低エネルギー音波処理は、遅く、リン
脂質分子に破壊的にあり得、そして大量のリポソームを調製するために用いるこ
とができない。さらに該音波処理アプローチは低い捕獲効率[trapping effecie
ncy]をまねくものとなる。 注入型SUV法は、LUV注入法と同様な問題に悩まされている。高圧フレンチプレ
ス技術は、該技術を反復可能とすることにおける困難性、SUVに転化しなかったM
LVを除去するための調製後の濾過の必要性、使用される高圧に耐え得る高価で煩
わしい装備の必要性、およびリポソームの製造の間に発生する装置の成分の崩壊
による生成物汚染を含む、これ固有の問題群を有している。たとえば、ボスワー
スら,ジャーナル オブ ファーマシュー ティカル サイエンシズ71:806(1982年)[Bosworth,et al.,Journal of Pha
ramaceutical Sciences71:806(1982)]を参照のこと。また、この技術は低
い捕獲効率を有するスモールなリポソームのみを製造し得るものである。 本発明のサイズ分布の見地に話を転じると、種々の製法が、リポソームのサイ
ズおよび分布を制御する手段を見出そうとする試みにおいて過去に研究されてい
る。これらの製法のいずれもが一方の手段あるいは他方における標準に達せず失
敗に終わっている。例えばチン−シェン ハン,バイオケミストリー:344(
1969年)[Ching−hsien Huang,Biochemistry:344(1969)]は、緩衝液中
の脂質懸濁液を2 1/2時間音波処理し、分散されていない脂質を除去するために
得られた生成物を105,000×gで遠心分離し、十分に洗浄された0.1ミクロンサー
トリウムフィルター[Sartorius filter]を通して上澄液を濾過し、濾過物を予
め脂質懸濁液で飽和されそして緩衝液で洗浄され平衡化されたセファロース4B[
Sepharose 4B]カラムにおいて分子ふるいクロマトグラフィーにかけ、そしてカ
ラムから溶出される第2分画を採集することを含むスモールユニラメラベシクル
類(SUV類)の均質な集団を製造するための多段階技術を述べている。この製法
は、限定されたサイズ分布のリポソームの集団を製造するものではあるが、明ら
かに複雑で使用に時間を消費し、SUV類のみしか製造せず、そし て長時間の音波処理またはセファロース4Bカラムへの曝露のいずれかの間におけ
るリポソームまたはその成分の化学変化の危険性をもつものであった。 ハンの技術における問題のいくつかを克服するための試みにおいて、バレンホ
ルツら、バイオケミストリー16:2806(1977年)[Barenholz,et al.,Biochemi
stry, 16:2806(1977)]は、分子ふるいクロマトグラフィーに代えて高速遠心
分離を用いる技術を発展させた。この技術によると、緩衝液中の脂質分散液は、
30分間音波処理され、ラージマルチラメラリポソームおよび音波処理プローブ粒
子を除去するために100,000×gで15〜30分間遠心分離し、そして100,000×gの
遠心分離からの上澄液が、用いられた脂質、緩衝液および温度に依存する1〜4
時間の範囲の時間の間159,000×gで再遠心分離される。 この後者の遠心分離は、3つのゾーンを生じさせ、そのいちばん上部のゾーン
が、リポソームの望まれる均質な集団を含んでおり、隣接する第2のゾーンの一
部を取り出すことなく注意深く除去されるべきである。この技術は、セファロー
ス4Bカラムの使用を消去するものではあるが、これはまだ長時間で複雑であり、
まだSUV類のみしか製造できず、そしてまだ音波処理により生起する問題を有し
ている。これらと同じ筋道に沿って、ワッツら、バイオケミストリー17:1792
(1978年)[Watts,et al.,Biochemistry17:1792(1978)]は、音波処理 の後、4℃で10分間、105,000×gで遠心分離することによってジミリストイル
ホスファチジルコリンイ(DMPC)からSUV類の均質な集団を調製することを報告
している。 SUV類の均質な集団を得るための努力のほかに、よりラージなリポソーム、す
なわち約50nmより大きな直径を有するリポソームの均質な集団を得るために数多
くの試みがなされている。これらの努力の大多数は、漸減される孔径の一連のポ
リカーボネートフィルターの使用を含むものであった。 例えば、オルソンら、バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ557:9
(1979年)[Olson,et al.,Biochimica et Biophysica Acta, 557:9(1979)]
は1.0、0.8、0.6、0.4および0.2ミクロンの孔径を有するポリカーボネートフィ
ルターを通してのラージマルチラメラリポソームの連続的押出しを述べている。
ブレンゼルら、バイオチカ エト バイオフィジカ アクタ596:129(1980年
)[Brendzel,et al.,Biochimica et Biophysica Acta, 596:129(1980)]も
参照のこと。オルソンの研究所はまた、逆相蒸発により調製されたラージユニラ
メラリポソームのサイズ規制への彼らの技術の適用も報告している。バイオミチ
カ エト バイオフィジカアクタ601:559(1980年)[Biochimica et Biophys
ica Acta601:559(1980)]も参照のこと。この場合においては、0.4、0.2、0
.1および0.08ミクロンの孔径を 有するフィルターが用いられている。 文献に報告されたようなオルソンの研究は、ラージリポソームの単一モードの
集団を製造するものと思われるが(例えば1979年論文の第1e図および第3d図、な
らびに1980年論文の第1D図、第2D図および第3D図を参照のこと。)、下記例10に
おいて詳細に述べるように、サイズ分布を測定するための技術として準弾性光散
乱[guasi−elastic light scattering]が用いられた場合、オルソンの技術に
よって調製されたリポソームは単一モードの分布を有していないという結果とな
ることが驚くべきことに見い出された。リポソームの大規模な工業的製造に関し
て、準弾性光散乱は現在において、サイズ分布を定義する唯一の公知のリアルタ
イムな物理的方法であり、それゆえ工業的適用に関して、オルソンの製法は、単
一モードであるリポソームの集団を有効に製造するとはいい難いものである。 オルソンの連続的なポリカーボネートフィルターのアプローチの他に、比較的
大きなリポソームの均質な集団を得ることを希望して、その他の技術が試みられ
ている。例えばシュレリーら、ケミストリー アンド フィジックス オブ リ
ピズ12:75(1973年)[Schulley et al.Chemistry and Physics of Lipids,
12:75(1973)]は、ラージマルチラメラホスファチジルコリンリポソームをサ
イズ規正するために、8.0、1.2、0.80、0.65および0.45ミクロンの孔径を有する
ミリポアフィルタ ー[Millipore filter]の使用を述べている。 ローデンら、バイオケミストリー18:4173(1979年)[Rhoden et al.,Bioch
emistry18:4173(1979)]は、コール酸ナトリウム溶液中にてホスファチジル
コリンおよびコレステロールを安定化させ、そして次に中空糸透析によってその
洗浄剤を除去することで34〜128nmの間の直径を有するリポソームの製造を報告
している。このリポソームのサイズは、リン脂質/コレステロール比ならびに透
析物のpHおよびイオン強度を調整することにより変えられた。より広い分布がよ
り大きなリポソームに関して生じることが観察された。 ボスワースら,ジャーナル オブ ファーマシューティカル サイエンシズ
71:806(1982年)[Bosworth,et al.,Journal of Pharamacetical Sciences,7
1:806(1982)]は、連続的ポリカーボネートフィルターサイズ規正技術と同様
なタイプのフィルターでの透析を組合せた。リポソームは機械的攪拌またはバレ
ンホルツら,エフイービーエス レット99:210(1979年)[Barenholz,et al
.,FEBS Lett.,99:210(1979)]のフレンチプレス技術によって調製された。機
械的攪拌によって製造されたものは、0.2〜1.0ミクロンの孔径を有するフィルタ
ーを用いて、リポソームを最も小さなフィルターで2度通過させて、そしてある
場合には、フィルターのそれぞれを2度通過させて、サイズ規正された。透析に
関しては、0.05〜3ミクロンの孔径を有するフィルタ ーが用いられた。 エノクら、プロク.ナトル.アカド.サイ.ユーエスエイ 76:145(1979年)
[Enoch,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76:145(1979)]は、音波処理され
たベシタルの洗浄剤およびその後のセファロース4Bカラムにおけるゲル濾過によ
って100nmの直径を有するリポソームの調製を述べている。ハミルトンら、ジャ
ーナル オブ リピド リサーチ21:981(1980年)(Hamilton,et al.,Journ
al of Lipid Research,21:981(1980)]は、超遠心分離および2%または4%
アガロースのカラムにおけるゲルクロマトグラフィーと組合せてフレンチプレス
を用いて種々のサイズのリポソーム集団の調製を述べている。レーブスら、ジェ
イ.セル.フィジオル.73:49(1969年)[Reeves et al.,J.Cell.Physiol.
73:49(1969)]はlog正規分布を有する巨大リポソーム(モード=1,200nm)の
集団の調製を報告しているが、1,000nmより小さなベシクルはかろうじて測定さ
れ、そして500nmより小さなものにいたっては全く測定されなかった。 前述の製法のいくつかの再評価が、スゾカら、アン.レブ.バイオフィズ.バ
イオエングル.:467,493〜494(1980年)[Szoka,et al.,Ann.Rev.Biophys
.Bioengr., :467,493−494(1980)]において見ることができる。リポソー
ムス、マルク ジェイ.オストロ編、マーセル デッカー インコーポレーテッ
ド、ニューヨ ーク、1983年、第1章[Liposomes,Marc J.Ostro,ed.,Marcel Dekker.Inc.,New
York,1983,Chapterl]も参照のこと。 発明の概要 当分野の前記の状態において、SUVおよびLUVタイプの双方のユニラメラリポソ
ームの調製に関する改良された方法の実質的でかつ継続された必要性があること
は明白である。 さらに、少なくとも早くも1969年以来、限定されたサイズ分布を有するリポソ
ームの集団を製造するための継続された努力があることもまた明白である。これ
らの努力の多くは、約50nmより大きな平均直径を有する集団を得ようとするもの
であった。該集団に関する要望それ自体と共に、広い種類の製造条件に関して望
まれる、該タイプの集団を再現性よく生産する技術を使用することを一般的に適
用できかつ簡車にする並行的な要望があった。 従って、ユニラメラリポソーム製造に関する改良された技術を提供することが
本発明の目的の1つである。より詳しくは、容易に手に入れることができかつ比
較的安価な装備で行なうことができ、最小限数の段階を有し、単位時間当りリポ
ソームの高い産出量を有し、そしてリポソームを形成する物質を音波処理するあ
るいは、溶剤、洗浄剤もしくはその他の無関係な物質と組合せることを必要とし
ないユニラメラリポソームの製造に関する 単純で、再現性のよい技術を提供することが、本発明の目的の1つである。 溶剤、洗浄剤もしくはその他の無関係な物質の使用を必要としないユニラメラ
およびマルチラメラの双方のタイプのリポソームを製造する技術を提供すること
が、本発明の別の目的である。 限定されたサイズ分布を有するリポソームの集団を提供することが本発明のさ
らに別の目的である。このような集団を得るための簡単な方法を提供することが
本発明のまた別の目的である。 上述のおよびその他の目的を達成するために、本発明は、本発明のいくつかの
見地によると、予め形成されたリポソームの、臨界的上限以下、特に約100nm以
下の孔径を有するフィルターを通しての中間圧での反復された押出しを含む実質
的にユニラメラなリポソームの集団を製造する方法を提供するものである。 このように、本発明は、ユニラメラリポソームを製造する公知のシステムより
以上に、以下の利点、すなわち、1)広範囲の脂質よりユニラメラリポソームを
形成する能力、2)高捕獲効率を容易に達成するように高脂質濃度(例えば300
μmol/mlのオーダー)を使用する能力、3)高い押出流速およびフィルターを通
してのリポソームの自動または半自動再循環の使用による、ユニラメラベシクル
、特にラージユニラメラベシクルの再現性のよいかつ非常に迅速な製造を提供す
る能力、4)フィ ルターの閉塞問題を最小限化しての単一孔径フィルターの使用による所望された
サイズのリポソームを製造する能力、5)有機溶媒および洗浄剤の使用をなくす
能力、および6)総じてかなり温和なプロセスを提供する能力を含むいくつかの
利点を与えるものである。 いくつかの場合においては、マルチラメラリポソームの集団を実質的にユニラ
メラなリポソームの集団に完全に転化するよりも、完全にユニラメラの程度まで
達することなく該集団のラメラ度[lamellarity]を単に部分的に減じることが
望まれる。約100nmの孔径を有するフィルターが、本発明のこの見地によりなお
使用されるが、フィルターを通過する回数は減じられる。 本発明の他の見地のいくつかによると、本発明は、脂質の粉末またはペレット
を水性緩衝液と単に組合せ、そして次に脂質/緩衝液混合物をフィルターを通し
て繰返し通過させるために脂質/緩衝液混合物に十分な圧力を適用することによ
り、直接脂質の粉末またはペレットよりリポソームを製造する方法を提供するも
のである。フィルターが約100nmより小さな孔径を有するものであると、実質的
にユニラメラなリポソームが製造される。フィルターが約100nmより有意に大き
な、例えば200nmのオーダーにある孔径を有するものであると、マルチラメラリ
ポソームが製造される。重要なことは、いずれの場合においても、リポソームは
完全に溶剤を含まないものであり、それゆえ、MLV類を製造するために過去にお
いて 使用されてきたような、クロロホルムすら、本発明のこれらの見地によるリポソ
ームの製造には必要とされなし。 本発明のさらに別の見地によると、本発明は50nmより大きなおおよその平均直
径の本質的に単一モードの分布を有するリポソームの集団を提供するものである
。 本発明のまたさらに別の見地によると、本発明は、リポソームの集団のサイズ
分布が本質的に単一モード性となるまで一定孔径の1のフィルターを通してリポ
ソームを繰返して通過させることによるリポソームの集団の均質性を増加する方
法を提供するものである。 本発明に係る前述のおよびその他の目的ならびに利点の達成は、本発明の好ま
しい実施態様説明によって以下に十分に述べられるものである。
【図面の簡単な説明】 第1A図および第2A図は本発明の実施に適する装置の概略図である。第1A図にお
いて、リポソーム懸濁液は、手動によりフィルターを通して再循環され、一方第
1B図においては、再循環は部分的に自動化されている。 第2図は、100nm(丸印)および200nm(角印)の孔径を有するポリカーポネー
トフィルターを通しての押出しの数の関数としての卵ホスファチジルコリン(EP
C)マルチラメラベシクルから起こる31P NMR信号強度(5mM MnCl2存在下)を
示すものである。誤差線は、標準偏差(100nmフィルターを通しての10回押出し
での点に関 してn=6、30回押出しでの点に関してn=3)を示すものである。その他のす
べての実験に基づく点は、2つの別々の実験から得られた平均である。すべての
場合において脂質濃度は30〜60μmol/mlである。 第3図は、脂質成分を変えたマルチラメラベシクルのポリカーボネートフィル
ターを通しての反復押出により調製されたベシクルのフリーズフラクチャー[fr
eeze fractrue]顕微鏡写真図である;(a)100nmフィルターを通して押出され
た大豆ホスファチジルコリン(PC)のMLV、(b)100nmフィルターを通して押出
された大豆PC−大豆ホスファチジルセリン(PS)(1:1)のMLV、(c)100nmフ
ィルターを通して押出された大豆ホスファチジルエタノールアミン(PE)−大豆
PS(1:1)のMLV、(d)200nmフィルターを通して押出された大豆PCのMLV。(d
)の部分における矢印は、内方のラメラを見せる押割断[cross fracture]を示
すものである。すべての顕微鏡写真図は、同様の拡大を有するものであり、また
影つけの方向は、それぞれの部分の右下端における矢じりによって示されている
。それぞれの場合において、押出法は、40〜70μmol/mlリン脂質を含有する脂質
系において10回繰返された。 第4図は、100nm孔径を有するポリカーボネートフィルターを通しての10回の
押出しの後に得られた大豆PCベシクルのサイズ分布を示すものである。ベシクル
直径は、フリーズフラクチャー顕微鏡写真図よりバン ベネ チエら、(1980年)、ジェイ.ミクロス.,118:401〜408[van Venetie et al.,
(1980)J.Micros.,118:401−408]の技法を用いて計測された。黒色および間
色の柱線はそれぞれ、凍結解凍サイクルを受けたおよび受けなかったベシクルを
表すものである。 第5図は、ラージマルチラメラベシクルにおけるおよび本発明の押出技法によ
り調製されたラージユニラメラベシクル(LUVET)における水和化ジパルミトイ
ルホスファチジルコリン(DPPC)の熱量挙動を示すものである。MLVは、NaCl緩
衝液の存在下50℃で試験管の底部において乾燥脂質フィルムを渦動することによ
って形成され、一方LEVETは、50℃で100nm孔径のポリカーボネートフィルターを
通しての該MLV(50mg 脂質/ml)の反復的な押出し(10回)により形成された。
2.0°K/分の操作速度が用いられた。 第6図は、本発明に従い、凍結解凍を用いて(白丸)および用いないで(黒丸
)調製されたリポソームに関する脂質濃度の関数としての捕獲効率を示すもので
ある。14C−イヌリンが捕獲標識として用いられた。 第7図は、50nm(白丸)および30nm(黒丸)孔径を有するポリカーボネートフ
ィルターを通しての押出しの回数の関数としての卵ホスファチジルコリン(EPC
)マルチラメラベシクルから起こる31P NMR信号強度(5mM MnCl2存在下)を示
すものである。すべての場合において脂質濃度は100mg/mlであった。 第8図および第9図は、それぞれ、50nmおよび30nmフィルターを通して製造さ
れた第7図のベシクルのフリーズフラクチャー顕微鏡写真図を示すものである。
それぞれの場合において、図面の上方の部分(第8A図および第9A図)は、2つ積
重ねたポリカーボネートフィルターを通しての1回押出し(×1)後に調製され
たものであり、また下方の部分(第8B図および第9B図)は、10回押出し(×1D)
後のものであった。 第10図は、卵ホスファチジルコリン(EPC)−コレステロール(1:1)LUVET中
に捕獲された125I−チラミル−イヌリン(125ITI)のラット循環(丸印)および
尿中のその後の排泄(角印)からのクリアランスを示すものである。LUVETは、
本発明に従って調製されそして150〜175gの雌性ウィスター[Wister]ラットの
尾静脈中へ100μlHBS中0.5μmolのリン脂質の投与値で注射された。 尿は代謝ケージ[metabolic cage]に集められた。血液は、回収されそして動物
は、指示時間で屠殺されそして血液中の125ITIの全量はラット100g当り4.9mgの
血液を仮定して算定された。結果は、注射された125ITI全量のパーセンテージ±
標準偏差(n=4)として表わされる。 第11図は第10図のLUVETの長期間組織分布を示すものである。記号は、肝臓(
丸印)、胴体(三角印)、および脾臓(四角印)に相応する。結果は、生体内[
in vivo]の125ITIの全量(排泄された量を注射された125ITI の全量より引いたもの)のパーセンテージ±標準偏差(n=4)として表わされ
た。 好ましい実施態様の詳細な説明 上記に述べたように、本発明は、1)実質的にユニラメラなリポソームの集団
、および2)実質的に単一モードの分布を有するリポソームの集団(以下、本発
明の「ユニラメラ」および「単一モード」の見地とそれぞれ呼称する。)を製造
する押出技法を提供するものである。さらに、本発明は、溶剤、洗浄剤あるいは
その他の無関係な物質を使用することなく製造されること(以下、本発明の「無
溶剤性」の見地と呼称する。)をリポソームに許容するものである。 実質的にユニラメラなリポソームは、予め形成されたリポソームを、約100nm
より小さいかあるいは等しい大きさの孔径を有するフィルターを通しての中間圧
での複数回押出にかけることにより製造される。 予め形成されたリポソームは、種々の組成を有することができ、またリポソー
ムを調製することに関して現在公知のあるいはこれに続いて発展する技術のいず
れによっても調製されることができる。 例えば、予め形成されたリポソームは、MLVを調製する公知の技法、すなわち
、選択された1ないしそれ以上の脂質をクロロホルムに溶解し次にクロロホルム
を蒸発させることで適当な容器の内壁上に該選択された1ないしそれ以上の脂質
を析出させ、内包されるべき水溶液を 該容器に添加し、脂質を水和することを水溶液になさせ、そして、所望のリポソ
ームを製造するために、得られた脂質懸濁液を旋回あるいは渦動することにより
形成されることができる。この技法は、リポソームの製造に関して当分野におい
て公知な最も穏和な条件ならびに最も単純な装備および手順を用いるものである
。またこの技法は上記に論議された、音波処理あるいは洗浄剤、溶剤(クロロホ
ルム以外)またはその他の無関係な物質の使用での問題を特になくすものである
。 あるいはまた、本発明の無溶剤の見地に従い、フィルターを通して繰返し押出
されるべきリポソームは、単に脂資質粉末あるいはペレットを緩衝液といっしょ
に混合され、そして次に、直接、この混合物をフィルターを通して押出すること
により調製され得る。フィルターが約100nmよりも小さな孔径を有していると、
この製法は、ユニラメラリポソームを製造し、一方実質的に100nmよりも大きな
孔径であると、マルチラメラベシクルが製造される。いずれの場合においてもこ
の製法は、クロロホルムを含むすべての溶剤の使用をなくすものである。 実質的に単一モードの分布を有するリポソームの集団の製造に関して、該集団
を形成するリポソームは、種々の組成を有することができ、また現在公知のある
いは以後発達するマルチラメラ、ユニラメラもしくはその他のタイプのリポソー
ム、あるいはより一般的に脂質含有粒子の形態であり得る。例えば脂質含有粒子
は、同時係属 されそして一般譲渡されたそれぞれ1983年3月24日、1983年8月8日、1984年3
月20日および1984年4月12日に出願された米国特許出願一連番号第476,496号、
第521,176号、第591,576号および第599,691号に開示されている(その関連部分
は関連により本明細書中に組入れられる。)タイプのステロイドリポソーム、安
定なプルリラメラリポソーム(SPLV)、単相ベシクル(MPV)あるいは脂質マト
リックスキャリアー(LMC)の形態であり得る。 該集団の平均直径は、リポソームが用いられるべき態様に依存する。例えば、
当業者によって認識されているように、診断学的適用に関しては、100nm〜500nm
の範囲の平均直径が通常好ましく、一方、薬剤の貯蔵に関しては、より大きな直
径、例えば500nm〜1000nmの範囲が好ましく、そして細胞内取込みが望まれる適
用に関しては、より小さな直径、例えば50nm〜100nmの範囲が好ましい。その他
の適用に関しても同様の範囲が当分野において認識されている。例えば、上記
ポソームス、を参照のこと。 リポソームの集団の平均直径は、フリーズフラクチャーおよび準弾性光散乱を
含む、当分野で公知の種々の技術によって計測されることができる。上記に述べ
また以下にさらに詳述するように、準弾性光散乱は、本発明の単一モードの見地
の関連においては好ましく、そしてこれらの見地に関連して本明細書中に報告さ
れるリポソー ム直径の値は、この技術を用いて計測されたものである リポソームの実質的に単一モードの集団は、予め形成されたリポソームを、該
集団のサイズ分布が実際に単一モード性となるまで一定孔径のフィルターを通し
て繰返し通過させることにより調製される。一定孔径のフィルターを通しての繰
返し通過は、リポソームの最初のサイズ分布の双峰性の(双モードの)特徴、な
らびにより高いモードの特徴を、結果的に消失することを起こすものであること
が驚くべきことに見い出された。しかしながら、役立つ方法に関しては、1つの
孔径を使用しかつそれを繰返し使用することが肝要である。 予め形成されたリポソームは、リポソームの調製に関して現在公知のあるいは
これに続いて発展する技術のいずれによっても調製されることができる。例えば
、予め形成されたリポソームは、上述した、マルチラメラリポソーム(MLV)の
調製のための、周知の技術により形成されることができる。 あるいはまた、例えば逆相蒸発、注入法、および洗浄剤希釈などのような、ラ
ージユニラメラリポソーム(LUV)を調製するために用いられた技術が、予め形
成されたリポソームを製造するために用いられる。リポソームを製造するための
これらのおよびその他の方法の評論は、上記リポソームス、中に見ることができ
、その関連部分は、参考として本明細書中に組み込まれる。さらに また、予め形成されたリポソームは、上記の米国特許出願一連番号第476,496号
、第521,176号、および第599,691号中に述べられた製法に従い製造されることが
できる。また、リポソームそれ自身を使用するよりほかに、上記の米国特許出願
一連番号第591,576号に記載されるもののような他の脂質含有粒子が、本発明の
実施において用いられ得る。このような場合、得られる単一モードの集団は、該
して、リポソームの集団というよりもどちらかと言えば用いられた最初の脂質含
有粒子の集団と同様な特性を有する集団である。 予め形成されたリポソームを製造する技術の選択においては、単一モードの集
団を作るために選択された孔径よりも、有意に小さな直径を有するリポソームの
実質的な数を生みだすことのないものを選択することが重要である。さもなけれ
ば、単一モードの集団中へ微小なリポソームを混ぜるためにフィルターを通して
の非常に高い回数の通過が行なわれることになる。リポソームの集団に関するサ
イズ分布が比較的容易に測定できるゆえに、この要望を満足する技法を選択する
ことは当業者において適切になされるものである。 出発原料として予め形成されたリポソームを用いる他に、もし所望されるなら
ば、リポソームの実質的に単一モードの集団は、上記した無溶剤アプローチを用
いて調製されることができる。すなわち、リポソームの該集団は、脂質粉末ある
いはペレットおよび緩衝液から直接 に、これらの成分をいっしょに混合しそして次に該混合物を直接選択された孔径
を有するフィルターを通して所望の単一モード性を達成するのに十分な回数通過
させることにより、調製されることができる。 ユニラメラリポソームあるいはリポソームの単一モードの分布を生起するため
に用いられるフィルターは、好ましくは直線的通過流路[straight through cha
nnel]を有するタイプのものである。ヌクレポア インコーポレーテッド、プレ
ザントン、カルフォルニア州[Nuclepore,Inc.,Pleasanton,CA]により製造され
たこのタイプのポリカーボネートフィルターは、本発明の実施において首尾よく
作用することが見出された。代表的な製法において、このフィルターは目詰まり
によりリポソーム懸濁液の最初の2ないし3回の通過の後に交換しなければなら
ない。目詰まりは通常、脂質の組成、純度および濃度などのような変数、ならび
に用いられた圧力および流速に依存する。 本発明によるユニラメラリポソームの調製において最も臨界的なパラメーター
は、フィルターの流路のサイズである。例えばフィルターの孔径が有意に約100n
mより大きい、例えば仮に孔径が約200nmであるとすると、MLVをどんなに多くの
回数フィルターを通過させても、マルチラメラリポソームからユニラメラリポソ
ームを製造することはできないということが見出された(下記実施例2を参照の
こと。)。従って、約100nmに等しいかまた はそれより小さな孔径を有するフィルターのみが、本発明のこの見地に関して用
いられ得るものである。 以下の例6において例示するように、製造されたユニラメラリポソームのサイ
ズは用いられたフィルターの孔径に依存し、通常平均直径は孔径よりも小さなも
のとなる。もし所望されるならば、リポソームの平均直径は、その捕獲容量[tr
apped volume](リン脂質1μmol当りのμl)と同様に、上記に述べた凍結解
凍法を用いて容易に増加させることができるものである(下記実施例4をまた参
照のこと。)。重要なことは、この方法は、溶剤、洗浄剤またはその他の無関係
な物質の使用を含まないものであるので、リポソームサイズにおける増加は、汚
染および変質の問題を導くことなく行なわれる。ベシクルのサイズおよび捕獲容
量はまた、脂質組成などのような系の他のパラメーターを変化させることにより
操作することができる。 所望されるユニラメラリポソームを製造するのに必要とされるフィルターを通
しての通過の回数は、フィルター特性(孔径、組成および幾何)およびリポソー
ムが形成される物質に依存する。下記の例2によって例示されるように、二つ積
重ねられた100nmの孔径を有するフィルタを通しての5回またはそれ以上の通過
は、ユニラメラリポソームを得るために代表的に要求されるものである。より少
ない通過はより小さな孔径に必要とされるであろう。例えば30nmおよび50nmフィ
ルターでは、2〜4 回の通過が、実質的にユニラメラなリポソームの集団を製造するために通常十分
なものである(下記例6を参照のこと。)。また、単に該集団のラメラ度を減じ
ることが目的であれば、実質的にユニラメラ性を達するよりもかなり少ない通過
が必要とされる。どのような特別の系に関する通過の適当な回数も、いつ所望の
程度のラメラ度が達成されたかを決定するために単に仕上げられたリポソームを
サンプリングすることによって当業者により容易に決定され得る。 本発明の単一モードの見地に関して、フィルターの孔径は、最終的な集団の平
均直径の第1決定要因である。通常、約15〜50%の範囲内で、平均直径は孔径に
ほぼ等しいものである。しかしながら、約100nmより小さな孔径に関しては、該
集団の平均直径は、用いられた特定の孔径にかかわりなく、準弾性光散乱により
測定して約75nmで安定する傾向にある。上記に述べたように、約100nmより小さ
な孔径に関しては、仕上げられたリポソームは、最初の集団のラメラ性にかかわ
りなく実質的にユニラメラであることが見出される。100nmより大きな孔径に関
しては、マルチラメラリポソームはマルチラメラをとどめまたユニラメラリポソ
ームはユニラメラをとどめる。 実質的に単一モードの集団を製造するために必要とされるフィルターを通して
の通過回数は、フィルター特性(孔径、組成および幾何)およびリポソームが形
成され る物質に依存する。ある場合においては、二つ積重ねられたポリカーボネートフ
ィルターを通しての3〜5回の通過は、単一モードの分布を製造するのに十分な
ものである。一般的な割合として、二つ積重ねられたポリカーボネートフィルタ
ーを通しての25回の通過は、ほとんどのリポソーム調製物において所望される単
一モードの分布を製造するものである。どのような特別な系に関する通過の適当
な回数も、何時実質的な単一モード性が達成されたかを決定するために単に仕上
げられたリポソームをサンプリングすることによって当業者によって容易に決定
され得る。 リポソームの単一モードの、ユニラメラ、あるいは単一モードでかつユニラメ
ラの集団を製造するためのリポソームのフィルターを通しての通過は、減圧下に
行なわれる。種々の程度の圧力が製造されるべきリポソームのタイプおよび組成
、用いられた装備の特定の特性、およびリポソームが製造されるべき速度に依存
して用いられ得る。 最大圧は通常フィルターを保持するために用いられた支持体の孔径によって限
定される。約30ミクロンの孔径を有するフィルター支持体に関しては、約100〜7
00psiの間の圧力が首尾よく働くものであることが見出された。これらの圧力は
、完全なリポソームを製造し、高い流速(二つ積重ねられた孔径100nmを有する
ポリカーボネートフィルターに関して20〜60ml/分の値)を与え、 そして均質なサイズ分布、例えば100nmフィルターに関して直径60〜100nmのリポ
ソームを製造するものである。30ミクロンよりも小さな孔径を有するフィルター
支持体に関しては、より高い圧力が使用され得る。 フィルターを通しての通過の回数に関して、ある特別の系に適当な圧力は、仕
上げられたリポソームが実質的に完全なものであるか、または所望される単一モ
ードの分布および/またはユニラメラ性を有しているかどうかを決定するために
仕上げられたリポソームを調べることによって当業者により容易に決定されるこ
とができる。 100〜700psiの範囲の圧力はまた、顕著なフィルターの目詰まりを起こすこと
なく、1ml当りリン脂質約300μmolの値の脂質濃度を有する溶液の押出しを許容
するものであるために好ましいものである。ポリカーボネートフィルターを用い
る先行技術のサイズ規正技法は、100psiよりも小さな圧力を使用したものであり
、そしてそれゆえ、60μmol/mlを脂質濃度に限定された。高い脂質濃度の使用は
、本発明に関して30%のオーダーの捕獲効率となる。20ml/分およびそれ以上の
オーダーの迅速な押出速度は、300〜500psiの範囲の圧力が用いられた場合この
ような高い脂質濃度に関してなお達成されるものである。 20〜60ml/分程度の流速は、本発明によって達し得る最大流速を表わすもので
はなく、単に押出された物質の都合よい採取に堅実な速度を表わすに過ぎない。
最大流 速は、脂質の濃度、試料の遍歴(すなわち、1度ないしそれ以上の回数押出しさ
れたか否か)、用いられる圧力、および脂質それ自体の状態に過敏である。例え
ば「ゲル状態」の脂質は押出しすることができない。このような脂質(例えば、
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC))は、押出プロセスを進行する前
に、これらのゲル−液晶転移温度(DPPCでは41℃)以上に加熱する必要がある。 増加された圧力で、押出しは非常に迅速となし得る。例えば50mg/ml卵ホスフ
ァチジルコリン(EPC)の5ml分散液は500psiで100nm孔径のフィルター通して2
秒以内で押出しされ、これは少なくとも150ml/分の流速に一致するものである。
この速度は、より高い圧力または温度によってさらに増加されるであろう。 本発明の実施に好ましい装置が第1A図および第1B図に示される。第1A図に示す
ように、フィルター6を通して押出しされるべきリポソーム懸濁液4は、注入口
8より圧力室2中へ導入される。この注入口はまた解放バルブを備えている。圧
力室2は、例えばボルト14等により連結される上部材10および下部材12から形成
される。これらの部材とフィルター6間のシールは、Oリング16により与えられ
る。好ましくは、この室は、該室からの懸濁液の押出しが目視的に観察できるよ
うに透明なプラスチックでつくられていることが望ましい。フィルターは、室2
内でフィルター支持体18により支持されている。実 施において、フィルター6を形成するものとして二つ積重ねたポリカーボネート
フィルターを使用することが都合のよいことであることが見出された。 圧力が、圧力源、例えば高圧窒素タンク(図示せず)などに接続された導管20
により室2へ供給される。導管20は室2内での圧力を調整するためのバルブおよ
びレギュレーター22を含むものである。フィルター6から押出された物質は、導
管24により室2より除去されそして受容器26中に集められる。容器26へ集められ
た後、押出された物質は、リポソームの最初の集団の単一モード性および/また
はユニラメラ性を実質的に増加させるのに十分な回数、リポソームの最初の集団
がフィルター6を通過するまで、注入口8より室2へくり返しもどされる。 第1B図は、押出物の循環が部分的に自動化されている第1A図の装置の変更を示
すものである。この図において示される装置は以下のようにして使用される。 最初に、フィルター6が、螺切りされたリテーナー栓5、フィルター支持体ハ
ウジング9およびOリング16をアルミニウムハウジング7より取り除くことによ
り装置内に取付けられる。フィルターは次に、フィルター支持体上に載せられ、
そして外側のアルミニウムハウジング13内に入れられた内側のプレキシガラス[
plexiglas](商標名)製ハウジング11に対してOリング16が圧縮されるまで栓
5を締めることで部分を再度組立てる。もし所望ならば、多孔性の廃水盤(図示
せず)をフィルター の下に載くこともできる。 試料が次に、装填/再循環/排出バルブ15を装填/排出管17が入口19に一直線
上に整列するまでまわすことにより、そして圧力/通気バルブ23を通気孔25が出
口21に一直線上に整列するまでまわすことにより、受室3中に装填される。試料
は次に装填/排出管17を通って受室中へ導入され得る。最も都合よくは、これは
装填/排出管17に、短い長さの可撓性の管と皮下注射器を接続することによりな
され得る。 いったん受室3中へ試料が完全に装填されれば、移動バルブ27を押し下げるこ
とにより試料は圧力室2へ移される。さてこれで試料は、フィルター6を通して
の押出しの準備がととのっている。押出しを行なうために、圧力/通気バルブ23
は、ガス入口31が圧力口33と一直線上に整列するまでまわされ、そして装填/再
循環/排出バルブ15は、該バルブ15内に形成された再循環口37が一方の端部にお
いて入口19とまた他方の端部においてバイパス口29と一直線上に整列する位置に
まわされる。ガス入口31は、その装置をバルブを備えかつレギュレーターを備え
た外部の高圧ガス源、例えばバルブを備えかつレギュレーターを備えた高圧窒素
タンク(図示せず)に接続することなく螺切りされた開口35に接続される。 圧力が次に圧力室2へ適用され、試料が、フィルター6、バイパス口29、再循
環口および入口19を通ってこの室から受室3へと通過することが起こる。これは
、フィ ルターを通しての試料の1回の押出しをなすものである。圧力室2から受室3へ
の流れは、プレキシガラスハウジング11を通して目視的に確認することができ、
そして適用される圧力量は、穏和な流速を達するために調整され得る。 いったん試料の全てが受室3に移されたならば、外部の圧力源上のバルブは閉
じられ、また圧力/通気バルブ23は、最初に通気口25が出口21と一直線上に整列
するように、そして次に圧力口33と一直線上に整列するようにまわされ、これに
よって受室3および圧力室2の双方の通気がなされる。さて試料は、移動バルブ
を単に押し下げることにより、圧力室2へ再導入され得る。圧力室2中の試料に
て、押出しプロセスは、上記に最初の押出しに関して述べた手順に従い繰返され
る。試料が受室にある際および両方の室が通気された際に、所望ならば、上記に
述べたような手順に従って新しいフィルターを取付けることができる。 受室−圧力室−受室サイクルが所望された回数繰返されたならば、試料は、最
初にガス入口31を出口21に、また装填/排出管17を入口19に一直線上に整列させ
、次に圧力を外部の圧力源から系にかけることによって、装填/排出管17を通っ
て該装置より排出される。実施においては、排出の終わりにおける高いガス流を
なくすために、外圧は、すべての試料が室3よりも出てしまう前に止められる。
装填/排出管17を用いるほかにも、アルミ ニウムハウジング7から螺切りされたリテーナー栓5、フィルター支持体ハウジ
ング9およびOリング16を取りはずし、そして次にサンプルが圧力室中にさらに
装置の底部の外に流れるように移動バルブ27を押し下げることにより、試料はま
た除去されることができる。 所望ならば、第1B図に示される装置あるいは同等と装置は、完全に自動化され
たプロセスをおこなうために、周知の自動流体取扱装置および制御装置を備える
ことも可能である。また、試料の温度を用いられた脂質のゲル−液晶転移温度以
上に保ち得るように、用いられるどの装置の圧力室も、ウォータージャケットあ
るいは同様の器具を用いて加熱されることができる。 ある態様に限定することを意味することなく、本発明は以下の実施例によりさ
らに詳細に述べられる。以下に表わされる種々の実施例に共通する物質と方法は
次の通りである。 物質と方法 脂質 卵ホスファチジルコリン(EPC)および大豆ホスファチジルコリン(SPC)は標
準的製法(シングルトンら、ジャーナル オブ アメリカン オイル ケミカル
ソサエティ42:53(1965年)[Singleton,et al.,Journal of American Oil
Chemical Sciety42:53(1965)])を用いて単離された。相応する種類のホス
ファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルセ リン(PS)はEPCおよびSPCから調製され、卵ホスファチジルエタノールアミン(
EPE)、大豆ホスファチジルエタノールアミン(SPE)、卵ホスファチジルセリン
(EPS)および大豆ホスファチジルセリン(SPS)が調製された(コンフューリス
,ピー.とザァール,アール.エフ.エイ(1977年)バイオチミカ エト バイ
オフィジカ アクタ448:36〜42[Comfurius,P.and Zwaal,R.F.A.(1977)Bioc
him.Biophys.Acta448:36-42])を参照のこと。])。大豆源からの脂質は、S
PC中の高いリノール酸含有量によって、EPCから誘導されたものと比べてかなり
より不飽和なものであった。(ティルコック,シー.ピー.エス.とキューリス
,ピー.アール.(1981年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ64
1:189〜201[Tilcock,C.P.S.and Cullis,P.R.(1981)Biochim.Biophys.Acta6
41:189-201])を参照のこと。)。すべての脂質は、薄層クロマトグラフィー(
TLC)により測定される純度99%以上であった。酸性リン脂質(PS)は、ホープ
,エム.ジェイ.とキューリス,ピー.アール.(1980年)バイオケム.バイオ
フィズ.レス.コミュン92846〜852[Hope,M.J.and Cullis,P.R.(1980)Bioc
hem.Biophys.Res.Commun.92:846−825]中に述べられるようなナトリウム塩の形
態へ転化された。コレステロール(シグマ,セントウイス[Sigma,St.Louis」)
はさらに精製することなく用いられた。 捕獲容量の測定 捕獲容量の[trapped volume]を測定するためれに、22Naまたは14C−イヌリ
ン(エヌイーエヌ,カナダ(NEW,Canada])1μCiの存在下に行なう以外は、下
記実施例1に述べる製法の従ってマルチラメラベシクルが調製された。ユニラメ
ラリポソームは次に、また実施例1の製法に従い、マルチラメラリポソームによ
り調製された。 1つの部分標本(アリコット[Aliqout])(100μl)が、次に1mlディスポ
ーサブルシリンジ中に充填されたセファデックスG−50[Sephadex G-50]カラ
ム上に装填され、そしてベシクルは、500×gで3分間のカラムの遠心分離によ
り溶離された。ピック ユー.(1981年)アーチ.バイオケム.バイオフィズ
212:186〜194[Pick,U.(1981)Arch.Biochem.Biophys212:186−194]を参照
のこと。22Naの場合、これはすべての捕獲されなかった物質の除去に十分なもの
があった。しかしながら、すべての捕獲されなかったイヌリンを除去するために
、この手順がもう一度繰返されるかあるいはウルトラゲル[Ultragel]カラム(
LKB−ACA34)を通しての単回通過が用いられた。溶離された物質の部分標本が、
ボッチャー,シー.ジェイ.エフ.,バン ゲント,シー.エム.とプリエス,シ
ー.(1961年)アナル.シム.アクタ,24:203〜204[Bottcher,C.J.F.,Van Gen
t,C.M.and Pries,C.(1961)Anal.Chim.Acta.24:203−204]の方法に従って脂質
リンに関して検定され、捕獲さ れた22Naは、ベックマン8000ガンマカウンター[Beckman 8000 gamma counter]
を用いて測定されそして捕獲された14C−イヌリンはフィリップスPW-4700液体チ
ンチレーションカウンター[Phillips PW−4700 liquid scintillation counter
]を用いて評価された。捕獲容量はそしてリン脂質1μmol当りの捕獲容量のμ
lとして算出された。31 P核磁気共鳴 31P NMRは、ベシクル調製物がユニラメラである程度の示度を与えるために用
いられた。特に、外部媒体に面するリン脂質からの31P NMR信号を、検知以上に
広げるのに十分な値(5mM)で、Mn2+がベシクル分散液(3ml、直径15mmのNMR管
中の30〜60μmol/mlリン脂質)に添加された。ベシクルがラージでかつユニラメ
ラである場合、信号の約50%がMn2+の添加後も残っているべきである、ベシクル
のMn2+に対する非透過性は、信号強度の時間経過に伴ない、調査されたPC系に関
するものが数日の期間にわたって安定であることが見出されたことにより示され
た。スペクトルは、81MHzで操作してブルーカーWP200NMRスペクトロメーター[B
ruker WP 200 NMR spectrometer]を用いて得られた。1000回の過渡に相応する
累積遊離誘導デュケイ[accumulated free induction decay]が、15μsec90°
無線周波数、ゲートプロトンディカップリングおよび20KHz掃引幅を用いて集め
られた。50Hzスペクトル線広がりに相応する指数乗法がフー リエ変換の前に適用された。信号強度は、参考のために、抽出し、トリフェニル
ホスフィット(NMR管における微小なセントラルキャピラリー中)でのスペクト
ルを計ることによって測定された。 ベシクルサイズ分布の測定 例1〜7および例8の一部に関するベシクルサイズ分布が、フリーズフラクチ
ャーによって測定された。ベシクル調製物は、グリセロール(25重量%)と混合
されそしてフレオン雪泥[slush]中で凍結された。試料はバルザーズ ビエイ
エフ 400D[Balzer BAF 400D]装置を用いて割断し複製し、そしてレプリカの
顕微鏡写真がフィリップス400[Phillips 400]電子顕微鏡を用いて得られた。
ベシクルサイズ分布は、バン ベネティエら、(1980年)ジェイ.ミクロス.,11
8:401〜408[van Venetie et al.,(1980)J.Micros.,118:401−408]の手法に
従い50%シャドウイングされた割断ベシクルの直径を計測することにより測定さ
れた。 例8の一部および例9〜10に関するベシクルサイズ分布は、動的光散乱あるい
は光子相関分光学としても知られる準弾性光錯乱によって測定された。 当分野において公知であるように、この技法は、懸濁ベシクルの試料を通して
、例えばヘリウム−ネオンレーザーによって作られた光などの干渉光を通過させ
、そしてベシクルにより散乱された光の強度における時間依存変動を測定するこ
とを含むものである。このエータから 自己相関関数が算出される。理論的に示され得るように、この自己相関関数は、
試料中のベシクルの散乱係数に直接関係のあるものであり、またベシクルの流体
力学的半径である。従って、異なるベシクルサイズ分布は異なる自己相関関数を
生むものであろう。 実際には、唯一の粒径分布は、自己相関関数から直接的に得られない。むしろ
、分布はベシクルに関して推定され、そして決定は次に、計測データより算出さ
れた自己相関関数がどのようにうまく、試料中のベシクルが事実上分布を推定し
たとする場合に生み出される自己相関関数と一致するかに従って行なわれる。 特に、ベシクルの散乱計数の強度計測された分布が、単一モードのガウス分布
であると推定される場合、2次多項式、すなわち最大t2までのtのべきにおける
多項式が正確に自己相関関数の自然対数に適合する。ディー.イー.コッペル、
ジャーナル オブ ケミカル フィジックス57:4814(1972年)[D.E.Koppel,
Journal of Chemical Physics, 57:4814(1972)]を参照のこと。 従って2次多項式、すなわち2次式が、実際に特定の試料に関する自己相関関数
の自然対数に適合する程度は、試料中のベシクルの散乱係数が単一モードのガウ
ス分布を有する程度の正確な尺度である。当分野において用いられているように
、この手法は、しばしば自己相関関数のキュミュラント分析と呼ばれる。 当分野において公知であるように、1)自己相関関数 の自然対数を決めること、2)2次多項式を自然対数に適合すること、および3
)この多項式のこの対数への適合性の良好さを決めることは簡単な事である。従
ってガウス分析アプローチは、現在ベシクルの集団を特徴ずけそして比較するの
に最も実践的な方法であり、そしてそれゆえ、本発明の単一モードの見地に関連
して本明細書中に用いられるアプローチである。 特に、これらの見地によると、リポソームの集団は、その自己相関関数の対数
が2次多項式に極めて一致する場合、実質的に「単一モード性」であると考えら
れる。以下に表わされる例において、自己相関か数は、ニコンプ モデル 200
レーザー パーティクル サイザー[Nicomp Model 200 Laser Particle Size
r(ニコンプ インストゥルメンツ インコーポレーテッド,サンタ バーバラ
,カリフォルニア州[Nicomp Instruments,Inc.,Santa Barbara,California])
を用いて得られた。この装置は、曲線を合わすための最小2乗の標準的方法を用
い、自己相関関数と2次多項式により予想された値との間の偏差から誘導された
χ2としての適合性の良好性を報告するものである。0〜2の範囲のχ2値は推定
単一モードガウス分布によるデータの良好な適合性を示すものであり、一方、χ
2の高い値は、貧しい適合性を示すものである。 良好な適合性に関して、分布の標準偏差の評価は、該多項式の2次項の計数の
二乗根から誘導され得る。良好 の適合性を有する分布に関して、この評価は実施例において報告され、一方貧し
い適合性に関しては、評価の値は算出され得るが、このような値は実際に標準偏
差の評価として与えることができないので評価は報告されない。 その他の化学品 イヌリン、過ヨウ素酸、m−亜ヒ酸ナトリウム、チラミン、G−25セファデッ
クス[G−25 Sephadex]、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナト
リウムおよびコレステロールは、シグマ[Sigma]から得られた。ウルトロゲル
Ac34[Ultrogel Ac34]はファラマシア[Pharmacia]から得られ、キャリァー
フリーNa125I(100mCi/ml)はアメルサム[AmerSham]により供給されそしてア
イオドゲン[iodegen]はペールス[Pierce]から得られた。その他の化学品の
すべては分析級のものであった。 例1 ユニラメラメリポソームの調製 この例1は、本発明の押出し法を用いるラージユニラメラベシクルの調製を例
示するものである。言及の安易化のために、この技法に従い調製されたリポソー
ムは、以下、頭字語「LUVET」、すなわち押出し技法によるラージユニラメラベ
シクル[arge nilamellar esicles by xtrusion echniques]と
呼称される。 ラージマルチラメラベシクル(MLV)は、以下のよう な周知のプロセスによって調製された。最初に、クロロホルム中に溶解された脂
質が、乾燥されそして試験管の内側上のフィルムとして析出された。MLVは次に
、単に150mM NaCl、20mM HEPES、pH7.5の水性緩衝液を試験管へ添加し、渦動
混合により脂質を水和することにより形成された。 得られたMLV分散液(2〜10ml)は、次に100nm孔径を有する2つ積重ねられた
標準5mmポリカーボネートフィルター(ヌクレポア,インコーポレーテッド,プ
レサントン,カルフォルニア州,カタログ番号110605[Nuclepore,Inc.,Pleasan
ton,California,Catalog#110605]を備えた、第1A図に示した装置の圧力室中へ
移された。窒素圧が高圧(0〜4000psi)レギュレーターを備えた標準ガスシリ
ンダーを介して該室へかけられた。ベシクルは流速20〜60ml/分となる100〜700p
siの圧力を用いてフィルターを通して押出され、そして集められて再注入された
押出し手法の5ないしそれ以上の回数の繰返しは、フリーズフラクチャーにより
計測して約70nmの直径を有するラージユニラメラリポソームの製造をもたらすも
のであった。再循環を含む全押出プロセスは、15分ないしそれ以下かかるもので
あった。 以下の例は、前記製法により製造されたリポソームにおけるサイズ、ユニラメ
ラ性、捕獲容量、捕獲効率および種々のリポソーム組成の影響を詳細に述べるも
のである。また、捕獲容量における凍結解凍法の影響およびフ ィルター孔径の臨界がまた例示される。 例2 フィルター孔径の臨界 この例2は、ユニラメラリポソームの製造におけるフィルター孔径の臨界、特
に約100nmより小さいかまた等しい孔径を有するフィルターを用いての臨界を示
すものである。 EPC MLVが例1に述べた製法に従って調製され、そして次に100および200nmの
孔径を有するポリカーボネートフィルターを通して繰返し通過させた。得られた
リポソームのユニラメラ性は、上述の31P NMR技法を用いて測定された。結果は
第2図に示される。 この図に示すように、200nmフィルターを通過したベシクルに関しては、該フ
ィルターを5回通過後に信号強度は約65%に下降し、そしてその後ほぼ一定を維
持する。一方、100nmフィルターのものに関しては、5回ないしそれ以上の通過
の後に信号は約50%に下降した。 約50%への信号強度における下降は、リポソームが実質的にユニラメラなもの
であることを示し、一方わずか65%への効果は実質的なマルチラメラ性を示し、
これらの結果は、100nmフィルターは望まれるユニラメラリポソームの製造にお
いて成功し、一方200nmフィルターは、フィルターを通しての通過の回数にかか
わりなくマルチラメラリポソームの顕著な量を製造することを続けるものである
。 この結論は、第3図に示したフリーズフラクチャー顕微鏡写真図によって確か
なものとされる。この図に示されるように、SPC,SPC−SPS(1:1)およびSPE−SP
S(1:1)から100nmフィルターを用いて形成されたベシクル(それぞれ第3(a
)図、第3(b)図および第3(c)図)は、内方のラメラの欠在を示すもので
ある、有為な数の横割断(cross−fracture)を示さないもの(0.1%未満)を示
すものであった。反対に、横割断は、200nmフィルターを通して製造されたSPCベ
シクルに関して容易に観察できるものであった(第3(d)図)。 これらの結果は、本発明において、ユニラメラ性は、100nmあるいはそれ以下
のオーダーの孔径を有するフィルターの使用に依存するものであることを明らか
に確立するものである。 例3 LUVET直径、捕獲容量およびユニラメラ性 この例3は、100nmフィルターを使用した場合に本発明の製法は、種々の脂質
成分に関するLUVの比較的均質な集団の製造という再現性のある結果に終わるこ
とを示すものである。ベシクル直径および捕獲容量は、上述に述べた方法により
測定された。結果は下記の第4図および第1表に示される。 第4図における間色の柱線は、例1に従い調製されたMLVを2つの(積重ね)1
00nm孔径フィルターを通して10 回通過させることによって調製されたSPC LUVETに関して計測されたベシクル直
径を示すものである。第1表は、これに関するおよび他の脂質組成に関する計測
された平均直径および平均捕獲容量を概要形態において示すものである。 比較のために、EPC LUVが、ユニラメラベシクルを製造するのに一般的に受入
られている2つの製法(オクチルグリコシド洗浄剤透析および逆相蒸発)によっ
て調製され、そしてこのように製造されたLUVが次に2つの(積重ね)100nm孔径
フィルターを通して10回抽出された。ミンス,エル.ティー.,ザンピイ,ジー.,
ノザキ,ワイ.,タンフォード,シー.およびレイノルズ,ジェイ.エイ.(1981
年),バイオケミスリー,20:833〜840[Mimms,L.T.,Zampighi,G.,Nozaki,Y.,Ta
nford,C.and Reynolds,J.A.(1981),Biochemistrs20:833−840]およびスゾ
カ,エフ.とパパハジョプーロス,ディー.(1980)アン レブ バイオエング
:467〜508[Szoka,F.and Papahadjopoulos,D.(1980)Ann.Rev.Bioeng.,
:467−508]を参照のこと。これらの比較対照の結果もまた第1表に示される。
(オクチルグリコシド製法がEPC/コレステロール(1:0.25)よりなるベシクルを
形成するために用いられた場合、マルチラメラベシクルが形成され、一方、本発
明の製法および同様の脂質成分では、実質的にユニラメラなベシクルが形成され
たことを本発明の一般性に関して注目することは興味深いこ とである。 第4図に示されるベシクル直径分布は、1)リン脂質分子当りの領域、例えば
0.6nm2(シェーレン,エイチ.,ルードルフ,エス.,フィンケルステイン,エム.,
コールマン,ピーおよびウェイシュマン,ジー.(1978年)バイオチミカ エト
バイオフィジカ アクタ542:137〜153[Schieren,H.,Rudolph,S.,Finkelste
in,M.,Coleman,P.and Weissman,G.(1978)Biochim.Biophys.Acta, 542:137−1
53]を参照のこと。)、2)二重層厚、例えば4nm(ブロウロック,エイ.イー
.(1982年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ650:167〜207[Bl
aurock,,A.E.(1982)Biochim.Biophys.Acta, 650:167〜207]を参照のこと。
)、および3)ベシクルがユニラメラであることを仮定することによって、捕獲
容量に関する内側単一層リン脂質の量に関する算出値を決定するために用いられ
得るものである。これらの算出値は、存在するユニラメラベシクルの割合を決定
するために、次に実験的に観察された捕獲容量および内側単一層リン脂質の量と
比較されることができる。 第4図中に示される(間色)ベシクルサイズ分布に関するこのアプローチに続
き、このようなベシクル集団(ユニラメラである場合)は、最初の信号強度の約
43%の「内側単一層」信号強度(Mnp2+の添加後)を有しているであろうことお
よび捕獲容量が約1.6μl/molであろうことが決定された。これは、行なわれた
仮定の数を 考慮して、特に、リン脂質1μモル当りの捕獲容量のμlとして表わされる捕獲
容量に極めて大きな影響を与えることのできるリン脂質1モル当りの範囲の評価
における困難性を考慮して、隔離されたリン脂質の計測値(48%)および捕獲容
量の計測値(1.2±0.2μl/mol)に正当に従うものである。 1.6μl/molの算出捕獲容量値を第1表に示す実験的データと比較して、SPCお
よびEPCより構成されるLUVETが期待されたものより小さな捕獲容量を示すこと、
一方、ホスファチジルセリンなどのような帯電リン脂質種が存在していると、理
論的捕獲容量が達成されることが示される。 EPCおよびSPC LUVETに関して観察される低い捕獲容量に関する2つの可能性
のある理由は、集団中に存在する顕著な数のマルチラメラベシクルがあること、
あるいはまたフリーズフラクチャー顕微鏡写真図から推定されたものよりスモー
ルベシクルの存在するより大きな割合があることである。フリーズフラクチャー
の結果は、割断されたマルチラメラ系のわずか5%が横割断を示すものであると
いうことを仮定したとしても、マルチラメラベシクルの数は非常に少ない(2%
未満)ものであることを提唱するものである(アール.ジー.ミラー,ネイチャ
ー,287:166(1980)[R.G.Miller,Nature,287:166(1980)]を参照のこと。)
。一方、スモールベシクルの数の低い見積もりも同様である。 さらに、第1表に示されるように、オクチルグリコシド洗浄剤透析および逆相
蒸発法により、その後100nm孔径を有するフィルタを通して10回押出しされて、
製造されたEPC LUVに関して計測された捕獲容量は、EPC LUVETに関して得られ
た捕獲容量に匹敵するものである。 これらの観察を総合すると、本発明の押出技法によって製造されたベシクルの
大きな利点は、ある場合においては、計測捕獲容量が算出値よりも小さなもので
はあるけれど、ユニラメラであることである。 100nmの孔径を有するフィルターを用いた場合に本発明の製法が、SUVに対抗す
るものとしてLUVを製造することを確証するために、熱量的研究が16:0/16:0 PC
(ジパルミトイルホスファチジルコリン…DPPC)からなるMLVおよびLUVETに導入
された。 飽和リン脂質、例えばDPPCからなるSUVは、それらの高度に屈曲した膜により
ゲル−液晶転移温度(Tc)における低減および遷移の広がりを示すことで知られ
ている。この高度の屈曲は、膜の炭化水素領域における増加された無秩序をまね
くものであるゆえに、一般的に相当好ましくないものである(シュー,ジェイ.
アール.,バナリー,ユー.,ミューラー,エル.およびチャン,エス.アイ(19
82年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ687:219〜225[Schuc,J.
R.,Banerjee,U.,Muller,L.and Chan,S.I.(1982)Biochim.Biophys.Acta, 687:
219−225]を参照のこと。)。 本発明により製造されたLUVETが高度に屈曲した膜から生じる問題をなくすの
に十分に大きなものであるか否かを確かめるために、Tc値が例1の製法に従って
調製されたMLVおよびLUVETに関して熱量的に計測された。結果は第5図に示され
る。 この図に示されるように、MLVおよびLUVETは非常に似かよったTc値を示す。こ
れらの値は、文献中に報告されたものと一致するものである。ラドブローク,ビ
ー.ディー.とチャップマン,ディー.(1969年)ケム.フィズ.リピズ :3
04〜367[Ladbrooke,B.D.and Chapman,D.(1969)Chem.Phys.Lipids:304−3
67]を参照のこと。これらは、マルチラメラ系の融点より約4℃低く起きる広げ
られたゲルー液晶転移を示す音波処理DPPCベシクルについて観察される挙動に直
接対比するものである。バン ディック,ピー.ダブリュ.エム.,デ クルーイ
フ,ビー.,アルトス,ピー.エイ.エム.エム.,ヴァータレーイ,エイ.ジェイ
およびデ ギエール,ジェイ(1978年)バイオチミカ エト バイオフィジカ
アクタ506:183〜191[van Dijck,P.W.M.,de Kruijff,B.,Aarts,P.A.M.M.,Verk
leij,A.J.and de Gier,J.(1978)Biochim.Biophys.Acta506:183−191]を参
照のこと。従って、100nm孔径を有するフィルターを用いて本発明の製法により
調製されたユニラメラリポソームはSUVよりむしろ、当然にLUVとして調製される
。 本発明の押出しプロセスにより製造されたリポソーム の構造的完全さを試験するために、150mMに代わり1MのNaCl濃度を有する緩衝液
を用いて、例1の製法に従ってLUVETが調製された。調製の後、リポソームはリ
ポソームの膜を横切って大きな浸透圧差を生じさせる蒸溜水中へ置かれた。リポ
ソーム漏洩に関する指示薬としてアレナゾIII[arenazo III]を用いて、本質的
に何の漏洩もこのような苛酷な試験条件下において見られなかった。 例4 捕獲容量を増加するための凍結解凍サイクルの使用 この例4は、本発明により製造されたユニラメラリポソームの捕獲容量の増加
するための凍結解凍法の使用を例示するものである。 例1の製法に従い調製されたSPCおよびEPC LUVETは、新しい100nm孔径フィル
ターを通しての押出しを伴なう2回の凍結解凍サイクル(液体窒素を用いる)に
かけられた。詳細には、LUVETがプラスチック瓶に入れられ、そしてこの瓶が液
体窒素中に約1分間置かれた。凍結されたLUVETは次に室温にて水中で約5分間
解凍された。解凍された溶液は、凍結−解凍−押出しプロセスが2回繰返された
後、新しい100nmフィルターを通して3回押出された。 このプロセスに関する概要の結果は、第1表中に与えられる。凍結解凍SPC L
UVETのサイズ分布の詳細は、第4図中に与えられる(黒い柱線)。 第4図に示されるように、SPC LUVETの平均直径は、 約20nmほど増加した。このベシクル分布に関する算出捕獲容量は、2.2±0.1μl
/molの計測値と極めて一致する2.3μl/molである(第1表)。 より高い捕獲容量でさえ、100nm孔径フィルターを通しての押出しによって調
製されたLUVETの凍結−解凍、その後の200nm孔径フィルターを通しての押出し(
3〜4回)が10μl/μモル リン脂質のオーダーの捕獲容量となる大豆PC系を
用いて達成された。 例5 LUVET捕獲効率 LUV調製物の1つの重要なパラメーターは、これらの捕獲効率である。これは
捕獲されるべき作用物質が多くの薬剤の場合のように高価であるかあるいは低い
溶解性を有している場合ならば、特にそうである。 本発明に関連して、全てのプロセスは、LUVETを調製するために用いられる溶
液の脂質濃度を単に増加させることによって、製造されたベシクルの比較的低い
捕獲容量にもかかわらず、30%のオーダーの捕獲効率を有するように形成され得
るものである。 この効果は、LUVET内に捕獲された水性容量のパーセンテージが例1の製法に
従って調製されたLUVET(黒丸)および例4の凍結−解凍法を用いて調製されたL
UVET(白丸)に関する脂質濃度に対してプロットされている第6図において示さ
れている。 300μmol/mlの脂質濃度でのLUVETの調製は、この図に 示されているように30%のオーダーの捕獲効率への上昇を与えて、容易に達成さ
れる。凍結−解凍サイクルが、200μmol/mlより低い脂質濃度で、脂質μmol当り
の捕獲容量における顕著な上昇をわずかに与えるものであることに注目すること
は興味のあることである。同様の観察が、ピック,ユー.(1981年)アーク.バ
イオケム.バイオフィズ.,212:186〜194[Pick,U.(1981)Arch.Biochem.Biophy
s.,212:186〜194]により報告されている。 例6 100nmより小さな孔径を有するフィルターの使用 この例6には、製造されるリポソームのサイズにおけるおよび実質的にユニラ
メラ性を達するために必要とされるフィルターを通しての通過の回数における10
0nmより小さな孔径を有するフィルターの使用の効果を示すものである。 MLVが卵PCを100mg/mlの濃度で用いてまた150mM NaClおよび20mMヘペスの緩衝
液(pH7.5)を用いて例1の製法に従って調製された。この分散液は、第1A図の
装置を用いて、50nmまたは30nmの孔径を有する2つ積重ねたポリカーボネートフ
ィルターを通して10回通過させられた。押出器具を通しての1回通過の後および
10回通過の後に部分標本がとられ、上述したようなフリーズフラクチャー顕微鏡
写真を作成するために用いられた。試料(1ml当り25mgのリン脂質、4ml)がまた
通過の種々の回数の後にとられ、上述したようなMn2+を用いる31P NMR により分析された。結果は第7〜9図に示される。 第7図に示すように、50nmフィルターを通して一度押出されたベシクルはMn2+
の添加において31P NMR信号の37パーセントを失ない、一方30nmフィルターを通
して一度押出されたベシクルは47.5パーセントを失なった。これは、50nmフィル
ターを通過したベシクルは、30nmフィルターを通して通過したものよりも大きい
および/またはマルチラメラなものであることを示すものであり、この結果は第
8図および第9図に示されるフリーズフラクチャー顕微鏡写真図によって確かな
ものとされる。これらの図の上の部分(第8A図および第9A図)を比較することは
、50nmフィルターを通して一度通過されたリポソームが、30nmフィルターを通し
て一度通過されたものより大きくまた不ぞろいのものであることを表わすもので
ある。 10回通過の後、50nmおよび30nmフィルターに関して、31P NMR信号強度はそれ
ぞれ53および56パーセントまで下降した。これは、双方のフィルターが本質的に
同じサイズのリポソームを製造していたことを示すものである。これは双方の集
団が44±14nmの平均直径、すなわちSUVの直径特性を有することを示しているフ
リーズフラクチャー顕微鏡写真図の分析により確かなものとされた。第8B図およ
び第9B図によって示されるように、それぞれの場合において、製造された集団は
均質なものであった。 第7図の曲線を第2図における100nmフィルターの曲線と比較することは、31P
NMR信号は、より小さな孔径を有するフィルターに関してより早く水平なもの
となりがちであることを表わすものである。従って、押出装置を通しての少ない
通過が、より小さな孔径のフィルターに関して実質的にユニラメラなリポソーム
の集団を達するために要求される。 例7 ユニラメラリポソームの生体内分布 この例7は、本発明に従って調製されたリポソームの、内包された[entrappe
d]物質の生体内分布[in vivo]供給への使用を例示するものである。特に、
上述の実施例1に従い調製された125I−チラミニル−イヌリン(125ITI)含有LU
VETの投与およびその後の生体内分布をラットモデル系に関し例示するものであ
る。 チラミニル−イヌリンは次のようにして調製された。イヌリン(1.0g)が蒸溜
水90.0ml中に溶解され、そして4℃に冷却され、0.1M過ヨウ素酸10ml(新鮮)が
添加され、さらに該溶液は暗室中で4℃で15分間培養された。過ヨウ素酸塩消費
は、イヌリン1モル当り約2酸化を示す亜ヒ酸塩法によって検定された(ダイア
ー,ジェイ.,メソッズ オブ バイオケミカル アナライシス,ピー.グリック
(編)第3巻、第III頁、インターサイエンス(1956年)中[Dyer,J.,Methods o
f Biochemical Analysis,P.Glick(Ed.),Vol.3,p.III,Interscience(1 956)]を参照のこと。)。反応はBa(OH)2での中和によって終了され、過ヨウ
素酸塩およびヨウ素酸塩は遠心分離により除去された。上澄液にNaH2PO44.3gお
よびチラミン0.55gが添加され、そしてpHが1.0M HClを用いて7.5へと調製され
た。続いて、NaBH3CN(0.25g)が添加され、そして溶液は室温にて4時間撹拌さ
れた。残存するアルデヒド基は、NaBH40.2gの注意深い添加により還元され、そ
して溶液は、27℃でさらに1時間攪拌された。部分標本(25ml)が、減圧下に脱
気され、予めH2Oで平衡化された1.5×80cmのセファデックスG−25カラムに4℃
でかけられた。流速は10ml/時間に調整され、画分4mlが集められた。この画分は
、279nmでの吸光度を観察することによりチラミンに関して検定されまた、アン
トロン試薬技法(ロー,ジェイ.エイチ.(1955)ジェイ.バイオ.ケム.21
2:335〜343[Roe,J.H.(1955)J.Bio.Chem.,212:335−343]を参照のこと。)を
用いて糖に関して検定された。糖含有画分は、空白容積[void volume]中に溶
離し、そして0.6の一定なチラミン:イヌリンモル比を有するものであった。該
付加物はセファデックスG−25カラムにおける再クロマトグラフィーにより測定
して、遊離チラミンおよびその他の塩から完全に分離されていた。ピーク画分は
イヌリンに基づき80%の収率を与えて凍結乾燥された。 チラミニル−イヌリン付加物は以下のようにしてヨウ素化された。チラミニル
−イヌリン付加物2.5mgは0.2ml のヘペス(20mM)、NaCl(145mM)pH7.4(ヘペス緩衝化食塩水;HBS)中に溶解さ
れ、そしてアイオドゲン40μgが予めCHCl3 300μlから祈出された、1.5ml栓
付瓶中へ入れられた。次にキャリアーフリーNa125I(4mCi、100mCi/ml)が添加
されそして反応が室温で45分間なされた。溶液が次に10μlの0.1M Na2S2O5、0
.05M KIを含む容器に移され、そして次にHBSで平衡化されたG−25カラム(1
×20cm)へかけられた。画分(0.5ml)が集められ、そして空白容積(2.5ml)中
に溶離する125I含有画分は、プールされた。得られた−チラミニル−イヌリン(
125ITI)溶液は、1μCi/μl 125Iをきまりきって含み、その0.01%未満は遊
離ヨウ化物の形態(0.01%未満は、1.2%H2O2および0.4%KIに形成した場合に抽
出可能である。)でありそして99%以上の物質はセファデックスG−25を用いる
再クロマトグラフィーにおける空白容積中の1つのピークとして溶離されるもの
であった。すべての研究において、該物質は製造の2週間以内に用いられた。 125Iを装填したリポソームは、上記に述べたような製法を用いて調製された。
詳細には、卵ホスファチジルコリン(EPC)30μmolおよびコレステロール30μmo
lがCHCl3から乾燥された。得られた脂質フィルムは125ITI 1mCiを含むHBS 1ml
中に渦動混合により分散された。このようにして製造されたマルチラメラ系は次
にN2圧力(200〜400psi)下に2つ積重ねられたポリカーボネートヌ クレポアフィルター(100nm孔径)を通して10回押出された。LUVETの部分標本(
0.1ml)は予めHBSで平衡化されたウルトロゲルAc34カラム(1ml)にかけられた
。脂質含有画分は、プールされ、そして再クロマトグラフィーは、125ITIの97%
より多くがベシクル中に「捕獲」されていることを示した。得られたリポソーム
調製物は、脂質リン酸エステル分析および捕獲された125ITIから算出して0.9μ
l/μmolリン脂質の捕獲容量を有していた(フィスケ,シー.エイチ.とサバ
ロウ,ワイ.(1925)ジェイ.バイオル.ケム.66:375〜379[Fiske,C.H.and
Subbarrow,Y.(1925)J.Biol.Chem.66:375−379]を参照のこと。)。これら
のベシクルの平均半径は、70nmであった。125ITIを含有するLUVETはHBS200μl
中における0.5μmolリン脂質への希釈され、4℃で保存されそして製造の2日以
内に使用された。 このLUVETが、実験前および実験期間中無制限に食料摂取させた雌性ウィスタ
ー[Wiester]ラットに、エーテルを用いて動物にかるく麻酔をし、そして次に
尾静脈を介してLUVET(0.5μmolリン脂質)中に内包された約0.5μCiの125ITIを
含有する200μlHBSを注射することによって投与された。ラットは尿および糞便
が集められる代謝カゴ中に回復された。注射後の種々の時間において、ラットは
エーテルで麻酔をかけられ、そして大静脈からの瀉血により屠殺された。血液は
、200mM EDTA 200μlを含むシリンジ中に集められそして回収率は、4. 9mg血液/100gラットを推定して約85%であった。心臓、肝臓、肝、脾臓および腎
臓は除去されそして膀胱中に残っている尿が集められた。胴体は次に70℃で9mM
NaOH 200ml中に一晩溶解された。胴体溶解物の部分標本および組織の試料が
次に125Iの存在に関して検定された。 第10図はLUVETの循環からのクリアランスおよびその後の尿中のイヌリンの出
現を例示するものである。この図に示されるように、循環における内包された物
質は注射されたレベルの約40%に最初に急速に減少され、そしてその後は、非常
に長い半減期(約3時間)を有して衰えていく。さらに、注射された投与量のわ
ずか30%は、3日後においてすらも尿中に最終的に見出される。この後者の結果
は、125ITIを内包したLUVETの組織吸収および維持を明らかに示すものである。 現実の組織分布が第11図に示され、ここにおいて、生体内125ITIの約50%が肺
によって蓄積され、約10%が脾臓によって、そして残りが胴体中に見いだされる
ことが示されている。3%未満の125ITIが注射後の任意の時間において、心臓、
肺および腎臓中に見出された(データは示さず。)。 観察された組織分布は、他の方法によって製造されたリポソームで以前に観察
されたものと同様であり(例えば、アブラ,アール.エム.とハント,シー.エ
イ.(1981年)バイオチミカ エト バイオフィジカ アクタ666,493〜503[
Abra,R.M.and Hunt,C.A.(1981)Bi ochem.Biophys.Acta,666,493−503]を参照のこと。)、それゆえに、本発明の
リポソームは生体内動に関して先行技術のリポソームと同等のものであることが
示される。 例8 リポソームの無溶剤製造 この例8は、溶剤およびその他の無関係な物質を使用することなく、脂質粉末
あるいはペレットおよび緩衝液からの直接的なリポソーム製造を例示するもので
ある。 上述のようにして調製されたEPC 100mgが試験管中へ匙で入れられ、ヘペス緩
衝液1.0mlが加えられ、そしてこの混合物が20℃で10分間培養された。この混合
物は2分間簡単に渦動混合され、次に5分間の待時間をとり、その後2分間渦動
混合され、得られた溶液は、100nmの孔径を有する2つ積重ねたポリカーボネー
トフィルターを備えた第1A図に示す装置の圧力室に入れられた。この溶液は、20
℃の温度で、該フィルターを通して10回押出しされた。使用圧力は200〜300psi
のオーダーにあり、そして得られる流速は約30ml/分のオーダーにあった。 得られた製品のフリーズフラクチャー顕微鏡写真図が上述した手順に従い作製
された。製品は、フリーズフラクチャーにより計測して約70nmの平均直径を有す
る実質的にユニラメラなリポソームの均質な集団であることが見出された。所望
ならば、この平均直径は例4の凍結解凍法を用いて増加されることが可能である
。 上述の製法が、100nmフィルターに代えて200nmフィルターを用いて繰返された
。この場合、100psiのオーダーにある圧力が用いられ、約30ml/分の流速が再度
得られた。リポソームの均質な集団が再度得られたが、この場合集団の実質的な
部分は、ユニラメラというよりむしろマルチラメラであった。この集団の平均直
径はニコンプ モデル 200 レーザー パーティクル サイザー[Nicomp Mode
l 200 Laser Particle Sizer](ニコンプ インストゥルメンツ インコーポレ
ーテッド,サンタ バーバラ,カルフォルニア州[Nicomp Instrument Inc.,San
ta Barbara,California])を用いた準弾性光分散により計測されて約168nmであ
った。 例9 リポソームの実質的に単一モードの集団の調製 この例9は、実質的に単一モードの分布を有するリポソームの集団の調製を例
示するものである。 ラージマルチラメラベシクル(MLV)が次のような周知のプロセスにより調製
された。最初に、上述したように調製されたEPCがクロロホルム中に溶解され乾
燥されて、試験管の内側上にフィルムとして析出された。MLVは次に、150mM Na
Cl、20mMヘペス、pH7.5の水性緩衝液を試験管に単に添加し、そして渦動混合に
より脂質を水和することによって形成された。 得られたMLV分散液は、次に、200nmの孔径を有する2つ積重ねた標準25mmポリ
カーボネートフィルター(ヌク レポア,インコーポレーテッド,プレサントン、カリフォルニア州 カタログ番
号110606[Nuclepore,Inc.,Pleasanton,California,Catalog#110606])を備え
た、第1A図に示される装置の圧力室中へ移された。この分散液は、該フィルター
を通して20℃の温度で25回押出しされた。使用圧力は、100psiのオーダーにあり
、そしてえられる流速は30ml/分のオーダーにあった。このサイズ規制法は、約1
5分未満に完了し、そして得られたリポソームはフィルターを通してのこれらの
多くの通過にもかかわらず、実質的に完全なものであることが見いだされた。 25回通過の終了時での集団のサイズ分布は、上述した準弾性光散乱を用いて観
察された。結果は、下記第2表に示される。 この表に示されるように、該集団は、2次多項式によって良好な適合性が達成
されることを示す1.42のχ2値を有しており、それゆえ、ベシクルの拡散係数は
単一モードのガウス分布を有していた。この集団に関して算出された平均直径は
168nnm、すなわち押出しに用いられた200nmの孔径より約15%の小さなものであ
り、そしてこの平均についての標準偏差はかなりせまい55nmであった。 例10 一連のポリカーボネートフィルターを用いたリポソームの調製 この例10は、実質的に単一モードのサイズ分布を有す るリポソームの集団を得るために一定孔径のフィルターを用いることの重要性を
漸減する孔径の一連のフィルターに対比させて示すものである。 同じ孔径を有するフィルターを通して25回押出しされる代りに、次の孔径、す
なわち1000nm、800nm、600nm、400nmおよび200nmの孔径を有する一連のフィルタ
ー(ヌクレポア,インコーポレーテッド,プレサントン、カリフォルニア州 カ
タログ番号110610,110609,110608,110607および110606[Nuclepore,Inc.,Pleasa
nton,California,Catalog Nos.110610,110609,110608,110607 and 110606])を
通して1度押出しする以外は、例9におけるものと同様にしてMLVが調製された
。この場合、それぞれのフィルターサイズのただ単一のフィルターを備えた、第
1A図の装置が、例9におけるものと同様に用いられた。圧力、流速およびプロセ
ス温度は例9におけるものと同じであった。 準弾性光散乱により測定された、この方法において調製されたリポソームのサ
イズ分布は、第2表に示される。この場合、2次多項式がデーターに適合しない
ものであったことを意味する368という巨大なχ2が算出され、そしてそれゆえリ
ポソームの拡散係数は単一モードのガウス分布を有していないものである。 この結果を例9の結果と比較することで、一定孔径のフィルターを通してのリ
ポソームの複数回通過は、同様のタイプのリポソームの漸減する孔径の一連のフ
ィルタ ーを通しての通過により製造されたものとは著しく異なるサイズ分布を驚くべき
ことに産出するものであることが容易に確証される。 本発明の特定の実施態様を述べまた例示してきたが、本発明の精神および範疇
から逸脱することなく変更がなされ得ることが理解されるべきである。例えば、
本発明は、実施例中に例示されたもの以外の種々の膜形成物質および内包可能な
溶質を用いて実施されることが可能である。同様に、本明細書中に例示した以外
の種々の装置が本発明を実施するために用いることができる。特に、その段階の
それぞれが容易に制御可能であるゆえ、本発明の方法は特に完全に自動化された
方法への移植に適するものであり、そしてこのような移植は本発明の範疇内に特
に包含されるものである。これらの同様な筋道に沿って、他のタイプの器具が、
自己相関関数を得るために用いられることができ、そしてその他の数値的アプロ
ーチが、自己相関関数がガウス分布より生成されるタイプのものであるか否かを
決定するために用いられ得る。添加された請求の範囲内に定義された本発明の範
疇は、これらのおよびその他の変更態様を包含することを意図するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径を有するフィルタ
    ーを通して圧力下にマルチラメラリポソームを繰返し通過させることよりなるリ
    ポソームの集団のラメラ度の低減方法。 2.マルチラメラリポソームの集団が2回より多くフィルターを通過させられる
    ものである請求の範囲第1項に記載の方法。 3.フィルターが直線的通過流路を有するものである請求の範囲第1項に記載の
    方法。 4.フィルターがポリカーボネートフィルターである請求の範囲第3項に記載の
    方法。 5.100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径を有するフィルタ
    ーを通して圧力下にマルチラメラリポソームを繰返し通過させることによってラ
    メラ度の低減されたリポソームの集団。 6.a)マルチラメラリポソームを調製し、そして b)該リポソームを100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径
    を有するフィルターを通して圧力下に繰返し通過させる、 工程からなる実質的にユニラメラなリポソームの集団の調製方法。 7.マルチラメラリポソームが2回より多くフィルターを通過させられるもので
    ある請求の範囲第6項に記載の方法。 8.フィルターが直線的通過流路を有するものである請求の範囲第6 項に記載の方法。 9.フィルターがポリカーボネートフィルターである請求の範囲第8項に記載の
    方法。 10.捕獲容量を増加させるためにリポソームを凍結解凍サイクルにかける付加
    的工程を含むものである請求の範囲第6項に記載の方法。 11.a)マルチラメラリポソームを調製し、そして b)該リポソームを100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径
    を有するフィルターを通して圧力下に繰返し通過させる、工程からなる方法によ
    り調製された実質的にユニラメラなリポソームの集団。 12.a)脂質粉末またはペレットと水性緩衝液の混合物を調製し、そして b)該混合物を100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径を有
    する1つのフィルターを通して圧力下に繰返し通過させる、工程よりなる溶剤、
    洗浄剤またはその他の無関係な物質を使用することのないリポソームの調製方法
    。 13.フィルターが直線的通過流路を有するものである請求の範囲第12項に記
    載の方法。 14.フィルターがポリカーボネートフィルターである請求の範囲第13項に記
    載の方法。 15.捕獲容量を増加させるためにリポソームを凍結解凍サイクルにかける付加
    的工程を含むものである請求の範囲第12項に記載の方法。 16.フィルターが約100nmより小さいかまたは等しいある1つ の孔径を有し、混合物は、このフィルターを2回より多く通過させられ、そして
    得られるリポソームが実質的にユニラメラなものである請求の範囲第12項に記
    載の方法。 17.a)脂質粉末またはペレットと水性緩衝液の混合物を調製し、そして b)該混合物を100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径を有
    するフィルターを通して圧力下に繰返し通過させる、工程よりなる溶剤、洗浄剤
    またはその他の無関係な物質を使用することのないリポソームの調製方法により
    調製されたリポソーム。 18.100nmに等しいまたはそれより小さなある1つの孔径を有するフィル
    ターを通して圧力下にマルチラメラリポソームを繰り返し通過させることよりな
    50〜100nmの大きさの平均直径の実質的に単一モードの分布を有するリ
    ポソームの集団。 19.干渉光を該リポソーム集団試料に照射した際、このリポソーム集団試料に
    より散乱された光の強度の時間依存変動の自己相関関数の自然対数が、2次多項
    式に、厳密にあてはまるものである請求の範囲第18項に記載の集団。 20.すべてのものが同一の100nmに等しいまたはそれより小さな孔径を有
    する1つまたは複数のフィルターを通して、平均値について実質的に単一モード
    のリポソームの直径の分布を生じるのに十分な通過の回数マルチラメラリポソー
    ムを繰返し通過させることよりなるリポソームの集団の均質性を増加させる方法

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