JP2536658B2 - 自動車の4輪操舵装置 - Google Patents

自動車の4輪操舵装置

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JP2536658B2
JP2536658B2 JP7955590A JP7955590A JP2536658B2 JP 2536658 B2 JP2536658 B2 JP 2536658B2 JP 7955590 A JP7955590 A JP 7955590A JP 7955590 A JP7955590 A JP 7955590A JP 2536658 B2 JP2536658 B2 JP 2536658B2
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省三 栗田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ステアリングハンドルの操作によって実
施される前輪操舵のみならず後輪を操舵するようにした
自動車の4輪操舵装置に関する。
(従来の技術) 近年、自動車の車体は益々大型化しており、それ故、
その旋回半径もまた増加する傾向にある。このため、ス
テアリングハンドルの操作により前輪のみを操舵するの
ではなく、前輪と共に後輪をも操舵するようにすれば、
旋回半径を小さくして車体の回頭性を向上できるばかり
でなく、操縦安定性をも向上できることになる。
更に、後輪を操舵して、自動車の回頭性や操縦安定性
を高めるためには、後輪は、前輪の操舵に対し、必要に
応じて同位相又は逆位相に操舵されなければならない。
このため、後輪は、両ロッド複動型の駆動シリンダによ
って駆動される。また、この駆動シリンダの作動は、後
輪操舵制御弁により制御されるようになっている。即
ち、後輪操舵制御弁は、例えば電磁方向切換え弁から構
成されて、駆動シリンダと圧液供給源との間を接続する
液圧回路中に介挿されている。そして、効率操舵制御弁
は、コントローラに対し電気的に接続されており、この
コントローラは、前輪操舵角は車速等を考慮して、後輪
操舵制御弁の切換えをなす制御信号を出力するようにな
っている。
(発明が解決しようにする課題) ところで、上述した従来の後輪操舵システムに於いて
は、駆動シリンダが独自の液圧回路により作動される構
造であるため、例えば、この液圧回路が破損等によって
故障したり、また、コントローラが作動不能になったり
すると、後輪の操舵制御が不能になる。また、駆動シリ
ンダの圧液の供給を後輪操舵制御弁のみで制御するだけ
では、前輪操舵に対して駆動シリンダ、即ち、後輪をき
め細かく制御することはできず、所期の目的である自動
車の回頭性及び操縦安定性を良好に実現することが困難
である。
この発明は、上述した事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、前輪操舵に伴い後輪の操
舵を確実に実施することができ、また、前輪のみならず
後輪の操舵制御をもきめ細かく行えて、自動車の回頭性
及び操縦安定性を向上することができる自動車の4輪操
舵装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この発明の自動車の4輪操舵装置は、ステアリングハ
ンドルの操作により駆動されて、前輪操舵角を可変する
前輪パワーステアリングユニットと、ステアリングハン
ドルと前輪パワーステアリングユニットとの間を機械的
に連結する前輪操舵経路に介挿され、ステアリングハン
ドルの操作による前輪操舵に対し、前輪操舵角の位相を
制御する前輪側液圧機構と、前輪パワーステアリングユ
ニットに対し後輪操舵経路を介して機械的に連結され、
前輪パワーステアリングユニットに応動して駆動され
て、後輪操舵角を可変する後輪パワーステアリングユニ
ットと、上記後輪操舵経路に介挿され、この後輪操舵経
路により前輪パワーステアリングユニットから後輪パワ
ーステアリングユニットに伝達される操作量を調整する
調整機構と、後輪操舵経路に介挿され、前輪パワーステ
アリングユニットに応動して実施される後輪操舵に対
し、後輪操舵角の位相を制御する後輪側液圧機構と、前
輪側及び後輪側液圧機構と圧液供給源との間を接続する
液圧回路に介挿され、前輪側及び後輪側液圧機構に対す
る圧液の供給を制御する位相制御弁と、この位相制御弁
の作動を制御するコントローラとを備えて構成されてい
る。
(作用) 上述した4輪操舵装置によれば、前輪パワーステアリ
ングユニットと後輪パワーステアリングユニットとは、
後輪操舵経路を介して機械的に連結されていることか
ら、後輪パワーステアリングユニットは、例え圧液の供
給がなくとも、ステアリングハンドルを操作すること
で、前輪パワーステアリングユニットを介して駆動する
ことができる。即ち、ステアリングハンドルの操作によ
り、後輪もまた操舵可能となっている。
また、後輪操舵経路には、調整機構を設けてあるか
ら、この調整機構により、前輪パワーステアリングユニ
ットから後輪パワーステアリングユニットに伝達される
べき操作量を調整でき、前輪操舵に対する後輪操舵の特
性を任意に設定することができる。このことから、前輪
パワーステアリングユニットと同一構造の後輪パワース
テアリングユニットを使用することができる。
更に、前輪操舵経路及び後輪操舵経路には、前輪側及
び後輪側液圧機構が夫々介挿されているから、これら前
輪側及び後輪側液圧機構への圧液の供給を位相制御弁に
より制御すれば、ステアリングハンドルの操作に加え
て、前輪のみならず後輪の操舵をも更にきめ細かく制御
できることになる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を第1図乃至第5図を参照
して説明する。
第1図を参照すれば、4輪操舵システムが概略的に示
されており、この4輪操舵装置は、前輪パワーステアリ
ングユニット、即ち、前輪パワーステアリングユニット
装置1を備えている。この前輪パワーステアリング装置
1は、駆動シリンダ2を有しており、この駆動シリンダ
2は、両ロッド複動型の液圧シリンダから構成されてい
る。駆動シリンダ2の両ピストンロッド3は、タイロッ
ド4及びナックル(図示しない)を介して前輪5に夫々
連結されている。尚、第1図に於いて、駆動シリンダ2
と前輪5との間の連結は、片側のみしか図示されていな
い。
前輪パワーステアリングユニット装置1は、前輪操舵
制御弁7を含んでおり、駆動シリンダ2は、前輪操舵制
御弁7を介して、圧液供給源8に接続されている。この
圧液供給源8は、自動車のエンジン9によって駆動され
るタンデム型の液圧ポンプユニット8を有しており、こ
の液圧ポンプユニット8の一方のポンプ8aから延びる圧
液供給管路10が前輪操舵制御弁7の1つのポートに接続
されている。ここで、前輪操舵制御弁7は、例えば4ポ
ート3位置の方向切換え弁から構成されており、それ
故、圧液供給管路10に於いては、前輪操舵制御弁7より
も下流側の部位が前輪操舵制御弁7の2つのポートから
延びる分岐供給管路10a,10bに分岐されている。これら
分岐供給管路10a,10bは、駆動シリンダ2の両圧力室に
夫々接続されている。更に、前輪操舵制御弁7の残りの
1つのポートからは、圧液の戻り管路11が延びており、
この戻り管路11は、圧液のリザーバ12に接続されてい
る。また、このリザーバ12からは、液圧ポンプユニット
8に接続される圧液の吸い込み管路13が延びている。
前輪操舵制御弁7は、公知のように自動車のステアリ
ングハンドル14が操作されることによって、その切換え
がなされるようになっており、また、ステアリングハン
ドル14のハンドル軸15と駆動シリンダ2との間には、前
輪操舵制御弁7を介して、前輪操舵経路16により機械的
に接続されている。
この点に関し、第2図及び第3図を参照すれば、前輪
操舵制御弁7を含む前輪操舵経路16の一部が具体的に示
されている。この前輪操舵経路16は、ギアケーシング17
を備えており、このギアケーシング17は、第2図でみ
て、上記ケーシング18と下部ケーシング19とからなって
いる。上部ケーシング18は、その上側部分が拡径した円
筒形状なし、また、その上端はエンドプレート20により
閉塞されている。
そして、上部ケーシング18内には、同心的にして入力
軸21が配置されている。この入力軸21は、中空軸からな
っており、その上端部は、エンドプレート20を液密を存
し且つ回転自在に貫通して、上部ケーシング18の外側に
延びている。即ち、エンドプレート20と入力軸21との間
には、軸受22及びシール23が配置されている。
入力軸21は、一方に於いて、上部ケーシング18から突
出した突出端がステアリングハンドル14側の前輪操舵経
路16の部位に機械的に、例えばセレーション結合されて
おり、他方に於いては、上部ケーシング18内に収容され
ている前輪操舵制御弁7に機械的に接続されている。
ここで、入力軸21と前輪操舵制御弁7とは単に機械的
に連結されているのではなく、前輪操舵経路16中に介挿
した前輪側液圧機構23を介して機械的に連結されてい
る。従って、ここでは、先ず、前輪側液圧機構24につい
て説明する。
前輪側液圧機構24は、上記ケーシング18内に位置する
入力軸21の部位を囲む制御シリンダ25を備えており、こ
の制御シリンダ25は、軸受26を介して上部ケーシング18
に回転自在に支持されている。一方、制御シリンダ25の
外周面と上部ケーシング18の内周面との間には、小径リ
ング26及び大径リング27が順次配置されている。ここ
で、小径リング26は、制御シリンダ25の外周面に固定さ
れており、大径リング27は、上部ケーシング18の内周面
に固定されている。従って、制御シリンダ25は、小径リ
ング26が大径リング27に対し摺接しながら回転自在とな
っている。
制御シリンダ25内には、第3図から明らかなように、
入力軸21を挿通させるための貫通孔28が形成されている
が、更に、制御シリンダ25内には、挿通孔28に連なる一
対の軸方向溝29が形成されている。これら軸方向溝29
は、制御シリンダ25のエンドプレート20側の端面から入
力軸21の軸方向に延びているとともに、入力軸21の直径
方向に離間して位置付けられている。一方、入力軸21に
は、軸方向溝29内に進入する一対の駆動爪30が一体に形
成されている。これら駆動爪30は、プレート形状をな
し、入力軸21の周方向に遊びを存して軸方向溝29内に位
置付けられているとともに、第2図から明らかなように
軸方向溝29に沿って延びている。
更に、制御シリンダ25内には、各軸方向溝29、即ち、
各駆動爪30に対し、その駆動爪30を挟んで対向する2組
のシリンダ孔31が夫々形成されており、各組のシリンダ
孔31は、軸方向溝29の軸方向に離間して配置されてい
る。互いに組をなすシリンダ孔31は、一端が対応する軸
方向溝29に開口しているとともに、その他端は制御シリ
ンダ25の外周面に開口されている。そして、軸方向孔29
の軸方向に隣接して、且つ、組が異なる2つずつシリン
ダ孔31の他端は、制御シリンダ25の外周面に形成した4
個の切欠溝32を介して相互に連通されている。
各シリンダ孔31内には、プランジャ33が夫々嵌合され
ており、各プランジャ33の駆動爪30側の一端は、半球形
をなしている。
そして、前述した大径リング27の周面には、一対の周
溝34a,34bが夫々形成されている。ここで、一方の周溝3
4aは、上部ケーシング18に形成されたポート35aに接続
されており、他方の周溝34bは、同じく上部ケーシング1
8内に形成されたポート35bに接続されている。
更に、小径リング26の外周面にも、大径リング27の周
溝34a,34bと対応して、一対の周溝37a,37bが夫々形成さ
れている。大径リング27には、周溝34aと周溝37aとの間
を連通させる連通孔38が周方向に等間隔を存して形成さ
れているとともに、周溝34bと周溝37bとの間を連通させ
る連通孔39もまた周方向に等間隔を存して形成されてい
る。そして、小径リング26には、前述した制御シリンダ
25の切欠溝32のうち、第3図でみて対角線上に位置する
2個の切欠溝32と周溝37aとの間を夫々連通させる2個
の連通孔40が形成されている。また、小径リング26に
は、更に、残りの対角線上に位置する2個の切欠溝32と
周溝37bとの間を夫々連通させる2個の連通孔41もまた
形成されている。
ここで、前述したポート35a,35bは、第1図に示され
ているように、前述した液圧ポンユニット8の他方のポ
ンプ8bに対し、位相制御弁42及びリリーフ弁43を介して
接続されている。この位相制御弁42は、4ポート位置の
電磁方向切換え弁からなっており、これに対し、リリー
フ弁43は、3ポート2位置の電磁方向切換え弁からなっ
ている。従って、ポンプ8bから延びる圧液供給管路44
は、リリーフ弁43よりも下流側の部位が分岐供給管路44
a,44bに分岐されたのち、位相制御弁42を介して対応す
る35a,35bに夫々接続されている。リリーフ弁43と位相
制御弁42との間の分岐供給管路44bからは、圧液の戻り
管路45が分岐されており、この戻り管路45は、リザーバ
12に接続されている。
第1図に示された状態では、リリーフ弁43は解放位置
にあり、また、位相制御弁42は中立位置にある。
そして、位相制御弁42及びリリーフ弁43の夫々は、コ
ントローラ46に電気的に接続されており、また、コント
ローラ46には、ステアリングハンドル14のハンドル角を
検出するハンドル角センサ47及び自動車の車速を検出す
る車速センサ48からのセンサ信号が夫々供給されるよう
になっている。
再び、第2図を参照して前輪操舵経路16に関する説明
を続けると、前述した制御シリンダ25には、前輪操舵制
御弁7の回転弁体49が一体に形成されている。この回転
弁体49は、制御シリンダ25よりも小径の中空軸からな
り、入力軸21とは反対側に延びている。回転弁体49に対
して、入力軸21の内端は、ニードル軸受50を介して支持
されている。
そして、入力軸21内には、回転弁体49を越えて延びる
上下2段式のトーションバー52が収容されており、この
トーションバー52は、一端が入力軸21の突出端にピンを
介して連結されているとともに、その中央部が回転弁49
の端部に連結ピン53を介して連結されている。従って、
入力軸21がステアリングハンドル14の操作によって回転
されると、回転弁体49もまた回転されることになる。こ
こで、回転弁体49と前述した制御シリンダ25は一体であ
るから、この制御シリンダ25もまた回転弁体49とともに
回転されることは勿論である。
回転弁体49と上部ケーシング18の小径部との間には、
回転弁体49と協働して前輪操舵制御弁7を構成するスリ
ーブ54が配置されている。このスリーブ54は、上部ケー
シング18に対して回転自在に配置されている。
そして、トーションバー52は、回転弁対49から更に下
部ケーシング19を貫通して延びており、そして、下部ケ
ーシング19内には、トーションバー52を囲むようにし
て、ピニオン軸55が配置されている。即ち、ピニオン軸
55は中空軸から構成されており、その一端部、つまり、
第2図からみて、その上端部は上部ケーシング18内に侵
入して、回転弁体49の先端部を囲んでいる。また、ピニ
オン軸55の上端部は、シール56を介して上部ケーシング
18に支持されており、また、下部ケーシング19に対して
は、一対の軸受57を介して支持されている。そして、ピ
ニオン軸55は、その下端部がピン58を介してトーション
バー52に連結されているとともに、その上端部は、ピン
59を介して前輪操舵制御弁7のスリーブ54に連結されて
いる。
ピニオン軸55には、ピニオン60が一体に形成されてお
り、このピニオン60は、ラック61に噛合されている。こ
のラック61は、第2図でみた場合、下部ケーシング19内
に貫通するように、紙面と直交する方向に延びている。
下部ケーシング19内に於いて、ラック61は、ガイド62に
より、その軸方向に摺動自在に案内されており、また、
ガイド62は、プラグ63により、押圧ばね64を介して、ラ
ック61側に押圧付勢されている。ラック61は、前述した
前輪パワーステアリング装置21に於いて、その駆動シリ
ンダ2の一方のピストンロッド3と一体に形成されてい
る。
上述した前輪操舵制御弁7に於いて、その回転弁体49
内及びスリーブ54内の通路系自体は公知であり、また、
前輪操舵制御弁7自体の機能もまた公知であるから、上
記通路系に関する説明は省略する。また、前輪操舵制御
弁7に関連して、前述したトーションバー52をピン53の
上下部分でみた場合、その上側部分の剛性は、下側部分
の剛性よりも十分に大きいものとなっている。
上述した前輪5の操舵システムによれば、ステアリン
グハンドル14が操作されると、このステアリングハンド
ル14の回転は、ハンドル軸15から前輪操舵経路16、即
ち、第2図に示したように入力軸21からトーションバー
52の上側部分を介して、前輪操舵制御弁7の回転弁体49
に伝達され、そして、この回転弁体49からトーションバ
ー52の下側部分を介して、ピニオン軸55、即ち、ピニオ
ン60に伝達される。つまり、ピニオン60は、ステアリン
グハンドル14の操作量、つまり、ハンドル角に応じた回
転角だけ、そして、ステアリングハンドル14の操作方向
に応じた方向に回転されることになる。そして、ピニオ
ン60の回転は、ラック61を介して、駆動シリンダ2に於
けるピストンロッド3の軸方向の変位に変換され、これ
により、両前輪5は、ステアリングハンドル14の操作量
及びその操作方向に応じて操舵されることになる。
上述したようにして、ステアリングハンドル14の操舵
力がピニオン60の伝達される際、前述した如くトーショ
ンバー52の下側部分は、その上側部分に比べて、捩じり
剛性が小さいことから、トーションバー52の下側部分
は、その上側部分に対して捩じれることになる。即ち、
この場合、ピニオン軸55と前輪操舵制御弁7のスリーブ
54とはピン59を介して相互に連結された状態にあるか
ら、前輪操舵制御弁7に於いては、その回転弁対49とス
リーブ54との間に相対的な回転位相差が生じ、その回転
位相差に基づき、公知の如く、前輪操舵制御弁7の切換
作動がなされることになる。この結果、駆動シリンダ2
の一方の圧力室には、ポンプ8aから圧液が供給され、そ
して、駆動シリンダ2のピストンロッド3は、ステアリ
ングハンドル14の操作力のみならず、圧液の圧力によっ
ても、その軸方向に変位され、前輪5の操舵に於けるハ
ンドル14の操作力を軽減することができる。
また、この実施例では、前輪パワーステアリングユニ
ット装置1には、前述した前輪側液圧機構23が内蔵され
ており、そして、この前輪側液圧機構23は、ポンプ8bに
対して位相制御弁43を介して接続されているから、ステ
アリングハンドル14の操作を基準とした前輪5の操舵に
対し、この前輪5に於ける操舵の位相を制御することが
できる。
即ち、先ず、第1図に於いては、リリーフ弁43が図示
の解放位置から作動位置に切り換えられている状態と
し、この状態に於いて、ステアリングハンドル14の操作
により、第3図でみて、入力軸21が反時計方向に回転さ
れるとき、この回転方向でみて、入力軸21に於ける駆動
爪30の前方に位置する2つの切欠溝32、この場合、第3
図中に、その内容に符合Aを付して示されている切欠溝
32内の圧力を立上げるべく、位相制御弁42を中立位置か
ら一方の切換位置に切り換え作動させる。つまり、この
場合、位相制御弁42は、第3図に実線で示されているポ
ート35aから圧液を供給する一方、破線で示されている
ポート35bから圧液を排出するように、切り換え作動さ
れる。このようにして、符合Aが付されている切欠溝32
内の圧力が立上げられると、その切欠溝32と組をなすシ
リンダ孔31内のプランジ33の夫々は、そのシリンダ孔31
から軸方向溝29側に変位されることから、制御シリンダ
25に対し、入力軸21自体は駆動爪30を介して、相対的に
時計方向に回転されることになる。このことは、トーシ
ョンバー52を上側部分が強制的に捩じられることによ
り、入力軸21に対しピニオン60が、制御シリンダ25、つ
まり、前輪操舵制御弁7の回転弁体49及びピニオン軸55
を介して進角して回転されることを意味し、よって、ス
テアリングハンドル14の操作を基準とした前輪5の操舵
角に対し、実際の前輪5の操舵角は進角して制御される
ことになる。
尚、上述した場合とは逆方向に、ステアリングハンド
ル14が操作される場合にあっては、位相制御弁42がその
中立位置から他方の切換位置に切り換え作動されること
により、この場合でも、ステアリングハンドル14の操作
に対し、前輪5の操舵角を進角して制御することができ
る。尚、上述した位相制御弁42が中立位置に復帰されれ
ば、トーションバー52の上側部分の捩じりが解放され
て、前輪5の進角制御が中止されることになる。
以上の説明は、前輪5の操舵システムに関してのもの
であるが、後輪65の操舵システムもまた、第1図に示さ
れているように、前輪5の操舵システムと同様な操舵シ
ステムによって構成することができる。即ち、後輪65の
操舵システムもまた、後輪パワーステアリングユニット
装置66を備えており、この後輪パワーステアリング装置
66は、前輪パワーステアリング装置1と同様に、駆動シ
リンダユニット67及び後輪操舵制御弁68を備えて構成さ
れている。ここで、これら駆動シリンダ67及び後輪操舵
制御弁68は、前輪パワーステアリング装置1のものと基
本的に構造が同じであるから、第1図に於いて、同一の
機能を有する部材には同一符号を付して、その具体的な
説明は省略し、相違する点のみを以下に説明する。
前述したポンプ8aから延びる圧液供給管路10には、分
流弁70が介挿されており、この分流弁70からは、後輪側
圧液供給管路71が延びている。この後輪側圧液供給管路
71は、後輪操舵制御弁68を介して、分岐供給管路71a,71
bに分岐されており、これら分岐供給管路71a,71bは、駆
動シリンダ67の両圧力室に夫々接続されている。また、
後輪操舵制御弁68からは、圧液の戻り管路72が延びてお
り、この戻り管路72は、前述した戻り管路45に接続され
ている。
そして、後輪パワーステアリング装置66と前輪パワー
ステアリング装置1との間は、後輪側操舵経路73を介し
て機械的に接続されている。即ち、後輪操舵経路73に
は、先ず、後輪側液圧機構74が設けられており、この後
輪側液圧機構74は、前述した前輪側液圧機構23と同様な
構造を有している。従って、前述した前輪側液圧機構23
と前輪操舵性弁7との間の関係と同様な関係を存して、
後輪側液圧機構74は、後輪操舵制御弁68と協働するよう
に組み込まれている。
そして、後輪操舵経路73、即ち、後輪側液圧機構74の
入力軸75は、回転伝達軸76を介して調整機構77に接続さ
れており、そして、この調整機構77からは、回転伝達軸
78が前輪パワーステアリング装置1に向かって延びてい
る。回転伝達軸78の先端には、ピニオン79が取付けらさ
れており、これに対し、前輪パワーステアリング装置
1、つまり、その駆動シリンダに於ける他方のピストン
ロッド3には、詳細には図示しないけれどもピニオン79
と噛合するラック80が形成されている。
そして、前述した調整機構77は、前輪5の操舵角と後
輪65と操舵角のの間の舵角関数を決定するものであり、
この実施例の場合、調整機構77は、減速ギアボックスか
ら構成されている。従って、減速ギアボックス内には、
回転伝達軸76,79の双方の端部に取付けられた減速ギア8
1,82が収容されており、これら減速ギア81,82は相互に
噛合されている。それ故、前輪パワーステアリング装置
1が駆動されて、その駆動シリンダ2のピストンロッド
3が軸方向に変位されると、この変位量は、ピニオン80
を介して回転伝達軸78の回転に変換され、そして、この
回転伝達軸78の回転は、減速ギアボックスの減速ギア8
1,82により減速されて、回転伝達軸76、即ち、後輪側液
圧機構74の入力軸75に伝達させることになる。
このようにして、入力軸75が回転されると、前輪パワ
ーステアリング装置1での場合と同様にして、後輪パワ
ーステアリング装置66が駆動され、これにより、後輪65
は、前輪5の操舵と同位相にして操舵されることにな
る。また、このとき、後輪パワーステアリング装置66の
場合にも、入力軸75の回転に応動して、後輪操舵制御弁
68を切り換えがなされるから、その駆動シリンダ67が液
圧で作動されることは勿論である。
そして、後輪側液圧機構74は、前輪側液圧機構23の場
合と同様に、前述した位相制御弁42に接続されることに
なるが、しかしながら、後輪側液圧機構74に於いては、
その一方のポート35aが管路83aを介して、位相制御弁42
と前輪側液圧機構23との間の分岐供給管路44bの部位に
接続されており、また、他方のポート35bは、管路83bを
介して、位相制御弁42と前輪側液圧機構23との間の分岐
供給管路44aの部位に接続されている。それ故、後輪側
液圧機構74は、前輪側液圧機構23とは逆向きに作動され
ることになる。従って、前輪パワーステアリング装置1
が作動し、そして、後輪操舵経路73を介して入力軸75に
回転力が伝達されると同時に、後輪側液圧機構74が作動
される場合、この後輪側液圧機構74による操作量の方が
大きいと、制御シリンダ25、即ち、後輪パワーステアリ
ング装置66のピニオン60は、入力軸75に伝達される回転
方向とは逆向きにして、入力軸75に対して回転されるこ
とになり、その結果、後輪65は、前輪5の操舵に対して
逆位相に操舵されることになる。尚、この後、後輪側液
圧機構74の作動が停止されれば、後輪65は、前輪パワー
ステアリング装置1側からの回転力を受けることで、前
述したように前輪5の操舵に対して同位相に操舵される
こととなる。
以上説明した前輪5の進角制御並びに後輪65の一瞬逆
位相制御は、第4図に於いて破線を施した領域で示され
ている。そして、このような前輪5及び後輪65の進相及
び逆相制御は、位相制御弁42の切り換えをコントローラ
46によって制御することで容易に得られ、このコントロ
ーラ46は、ハンドル角センサ47及び車速センサ48からの
センサ信号に基づき、基本的には、車速が中低速域にあ
り、そして、ハンドル角又はハンドル角速度が大きいと
きに位相制御弁42を切換作動して、前輪5の進相制御並
びに後輪65の一瞬逆位相制御を実施する。従って、この
場合には、自動車のヨー応答及び横加速度応答を共に向
上して、自動車の回頭性並びにその操縦安定性をも向上
することができる。一方、車速が大きいときには、コン
トローラ46は、位相制御弁42の切換作動を停止すること
で、自動車の走行安定性をも向上することができる。
そして、この実施例では、位相制御弁42に於ける切換
及び復帰作動のタイミングを、車速及びハンドル角又は
ハンドル角速度に応じて設定しておくことにより、前輪
操舵の進相制御並びに後輪操舵の一瞬逆位相制御をきめ
細かく実施することができる。
また、この実施例の場合、後輪パワーステアリング装
置66への圧液管路等が万一破損しても、後輪パワーステ
アリング装置66は、前輪パワーステアリング装置1に対
し、後輪操舵経路73を介して機械的に接されているか
ら、ステアリングハンドル14を操作することで、後輪パ
ワーステアリング装置66の駆動シリンダ67を機械的に駆
動して、後輪65の操舵をなすことができ、後輪65の操舵
が不能になることはない。
更に、前輪側液圧機構23及び後輪側液圧機構74の作動
により、その操舵経路中のトーションバー52の上側部分
が万一切損したりしても、入力軸21,76の回転は、その
駆動爪30を介して制御シリンダ25に機械的に伝達され、
そして、この制御シリンダ25から回転弁体49及びトーシ
ョンバー52の下側部分を介して、ピニオン軸55、即ち、
ピニオン60に伝達することができるので、この場合に
も、前輪5及び後輪65の操舵が不能になることはない。
この発明は、上述した一実施例に制約されるものでは
なく、種々の変形が可能である。即ち、第5図を参照す
れば、この発明に係わる他の実施例の4輪操舵システム
が示されている。この第5図の4輪操舵システムは、第
1図に示した4輪操舵システムと大部分が同じ構成であ
るので、第1図のものと同一の機能を有する部位及び部
材には同一の符号を付して、その説明は省略し、以下に
は、相違する点のみを説明する。
第5図の4輪操舵システムに於いては、後輪側液圧機
構74は、位相制御弁42に接続されておらず、この位相制
御弁42とは別の位相制御弁90と組をなしている。この位
相制御弁90は、位相制御弁42と同様に4ポート3位置の
方向切換弁から構成され、そして、コントローラ46に電
気的に接続されている。
後輪側液圧機構74の一方の管路83aは、位相制御弁90
を介して、位相制御弁42とリリーフ弁43との間の分岐供
給管路44aに接続されている。また、後輪側液圧機構74
の他方の管路83bは、位相制御弁90を介して戻り管路72
に接続されている。
従って、上述したように、位相制御弁42の他に、後輪
側液圧機構74と組をなす位相制御弁90が別に設けられて
いれば、前輪側液圧機構23の作動とは独立して、後輪側
液圧機構74の作動を制御することができる。この結果、
第1図の実施例では、車速が中低速域にあるとき、前輪
操舵に対して後輪は、基本的に第6図中F1で示されるよ
うな特性で制御されるだけであるが、第5図の実施例の
場合には、前輪操舵が開始されると同時に、位相制御弁
90の切換作動を実施することで、第6図中、例えばF2,F
3で示されるように、F1の特性を平行移動させたような
特性をも得ることができる等、後輪の操舵を要求に応じ
て、更にきめ細かく制御することができる。
また、第1図及び第5図の実施例では、調整機構77と
して減速ギアボックスを使用したが、この減速ギアボッ
クスの代わりに、カム機構を使用するようにしてもよ
い。即ち、このカム機構は、例えば、前輪パワーステア
リング装置1に於いて、その駆動シリンダ2のピストン
ロッド3の軸方向の変位を、後輪パワーシリンダ装置66
の入力軸75の回転に変換するものであればよい。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明の自動車の4輪操舵装
置によれば、前輪パワーステアリングユニットと後輪パ
ワーステアリングユニットとの間を後輪操舵経路を介し
て機械的に連結してあるから、後輪パワーステアリング
ユニット側の液圧回路が故障しても、後輪パワーステア
リングユニットの作動、即ち、後輪の操舵が不能になる
ことはない。また、前輪及び後輪パワーステアリングユ
ニットには、前輪側及び後輪側液圧機構が夫々組み合わ
されているから、ステアリングハンドルのハンドル角に
対して、前輪の進相制御が可能であるとともに、後輪の
一瞬逆位相制御もまた可能になり、前輪及び後輪の操舵
をきめ細かく制御することが可能となる。更に、後輪操
舵経路中に、調整機構を介挿してあることにより、前輪
及び後輪パワーステアリングユニットと同一のユニット
を使用することが可能となるので、4輪操舵装置のコス
トをも低減できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図乃至第4図は、この発明の一実施例を示し、第1
図は、4輪操舵システムの概略的構成図、第2図は、前
輪操舵経路及び前輪パワーステアリング装置の夫々の一
部を具体的に示した断面図、第3図は、第2図中III−I
II線に沿う断面図、第4図は、前輪及び後輪に於いて、
その進相及び一瞬逆位相制御を示すグラフ、第5図は、
この発明の他の実施例を示す4輪操舵システムの概略的
構成図、第6図は、前輪に対する後輪の操舵特性を示す
グラフである。 1……前輪パワーステアリング装置(前輪パワーステア
リングユニット)、5……前輪、16……前輪操舵経路、
23……前輪側液圧機構、42,90……位相制御弁、65……
後輪、73……後輪操舵経路、74……後輪側液圧機構、77
……調整機構。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングハンドルの操作により駆動さ
    れて、前輪操舵角を可変する電輪パワーステアリングユ
    ニットと、ステアリングハンドルと前輪パワーステアリ
    ングユニットとの間を機械的に連結する前輪操舵経路に
    介挿され、ステアリングハンドルの操作による前輪操舵
    に対し、前輪操舵角の位相を制御する前輪側液圧機構
    と、前輪パワーステアリングユニットに対し後輪操舵経
    路を介して機械的に連結され、前輪パワーステアリング
    ユニットに応動して駆動されて、後輪操舵角を可変する
    後輪パワーステアリングユニットと、上記後輪操舵経路
    に介挿され、この後輪操舵経路により前輪パワーステア
    リングユニットから後輪パワーステアリングユニットに
    伝達される操作量を調整する調整機構と、後輪操舵経路
    に介挿され、前輪パワーステアリングユニットに応動し
    て実施される後輪操舵に対し、後輪操舵角の位相を制御
    する後輪側液圧機構と、前輪側及び後輪側液圧機構と圧
    液供給源との間を接続する液圧回路に介挿され、前輪側
    及び後輪側液圧機構に対する圧液の供給を制御する位相
    制御弁と、この位相制御弁の作動を制御するコントロー
    ラとを具備したことを特徴とする自動車の4輪操舵装
    置。
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