JP2561550B2 - 後輪操舵装置の差動型制限弁 - Google Patents

後輪操舵装置の差動型制限弁

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JP2561550B2
JP2561550B2 JP2063404A JP6340490A JP2561550B2 JP 2561550 B2 JP2561550 B2 JP 2561550B2 JP 2063404 A JP2063404 A JP 2063404A JP 6340490 A JP6340490 A JP 6340490A JP 2561550 B2 JP2561550 B2 JP 2561550B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車の後輪をステアリングハンドルの
操舵に応じて駆動することにより、後輪操舵角を電子的
に制御して可変する自動車の後輪操舵装置の差動型制限
弁に関する。
(従来の技術) この種の後輪操舵装置は、ステアリングハンドルによ
って前輪操舵角が可変されるとき、後輪操舵角もまた同
時に可変するようにしたものであり、これにより、前輪
及び後輪が同位相で操舵される場合にあっては、低速時
での自動車の操向を容易にし、また、高速時での操向を
安定させることができる。
ここで、上述した後輪操舵装置の構成について簡単に
説明すれば、この後輪操舵装置は、後輪を駆動して、そ
の後輪操舵角を可変するために、液圧シリンダからなる
液圧アクチュエータを備えており、この液圧アクチュエ
ータは、液圧回路を介して圧液供給源に接続されてい
る。また、液圧回路には、液圧アクチュエータに供給さ
れる圧液を制御する電磁制御弁が介挿されており、この
電磁制御弁の作動は、電子コントローラによって制御さ
れるようになっている。即ち、電子コントローラは、前
輪操舵角センサ及び後輪操舵角センサに電気的に接続さ
れているとともに、上記電磁制御弁にも電気的に接続さ
れており、そして、電子コントローラ内には、前輪操舵
角に対する後輪操舵角の可変特性が予め設定されてい
る。
従って、電子コントローラに、前輪及び後輪操舵角セ
ンサからのセンサ信号が夫々入力されることにより、電
子コントローラ内では、先ず、前輪操舵角センサからの
センサ信号、即ち、前輪操舵角に対応する後輪の目標操
舵角が上記可変特性から決定される。そして、その目標
操舵角は、後輪操舵角センサからのセンサ信号から得ら
れる実後輪操舵角と比較され、そして、これら目標操舵
角と実後輪操舵角との差に応じて、電子コントローラ
は、電磁制御弁に向けて駆動信号を出力する。これによ
り、電磁制御弁が駆動信号を受け取ると、この電磁制御
弁が切り換え作動されて、液圧アクチュエータに供給さ
れる圧液、つまり、圧液の流れ方向が制御され、これに
より、液圧アクチュエータは、後輪操舵角を目標操舵角
に一致させるべく作動されることになる。
(発明が解決しようとする課題) 上述した後輪操舵装置は、液圧アクチュエータの作動
の電子コントローラにより制御する方式であるから、電
気及び電子回路に於けるショート等の故障や、外部から
の電磁的なノイズに起因した電子コントローラ並びに前
輪及び後輪操舵角センサの誤作動に対し、後輪操舵装置
の作動上の信頼性を確保しておく必要がある。このた
め、従来から、後輪操舵装置の信頼性を確保する上で、
種々の安全対策が施されており、その1つとして、後輪
操舵角が前述した可変特性から許容範囲以上外れたと
き、液圧アクチュエータの作動を強制的に中止させる差
動型制限弁を上記液圧回路中に介挿しておくことが考え
られている。ここで、この種の差動型制限弁は、前述し
た事情から機械的に差動される開閉弁から構成されなけ
ればならず、このため、差動型制限弁は、例えば、前輪
操舵角に応動して機械的に回転する前輪側入力軸と、後
輪操舵角に応動して機械的に回転する後輪側側入力軸と
の回転位相差に基づいて開閉されるものであることが望
ましい。このような差動型制限弁は、その弁ハウジング
内に同心的にして且つ互いに回転自在に嵌合された円筒
形状の前輪側及び後輪側の弁体を収容し、そして、これ
ら弁体を前輪側入力軸及び後輪側入力軸の夫々に連結す
る一方、これら弁体の周面に弁口手段を形成することで
実現することができる。即ち、弁ハウジングには、液圧
回路の圧力供給側に接続される圧力ポート及び液圧回路
の低圧側に接続される戻りポートを夫々形成する一方、
前輪側及び後輪側の弁体の周面には、圧力ポートから戻
りポートに至る内部通路の一部を構成する弁口としての
例えば周溝を夫々形成し、そして、前輪側入力軸及び後
輪側入力軸、つまり、各弁体の相対的な回転位相差に基
づき、この回転位相差が許容範囲を越えたときに、上記
周溝を介して、内部通路を開くようにすればよい。即
ち、内部通路が開かれると、前述した液圧アクチュエー
タに供給されるべき圧液が差動型制限弁を通じて、低圧
側に逃がされるから、これにより、液圧アクチュエータ
による後輪操舵制御を強制的に中止することが可能とな
る。
ところで、前述した差動型制限弁に於いて、前輪側入
力軸及び後輪側入力軸、即ち、各弁体は、前輪の操舵方
向により、正逆回転されるものであるから、前輪がいず
れの方向にも操舵された場合でも、また、後輪の操舵角
が許容範囲から何れの方向にはずれて変化した場合で
も、前述した内部通路を開く構成とするには、各弁体の
同一断面でみたとき、その同一円周上に形成すべき弁
口、つまり、周溝の数が非常に多くならざるを得ない。
この場合、各弁体の周面に於いて、その同一円周上での
周溝間の間隔を十分に確保することができず、このた
め、後輪側の弁体の許容回転角領域、即ち、後輪に於け
る操舵角の許容可変範囲を小さくせざるを得ない。
また、同一円周上での周溝間の間隔が狭いと、各弁体
の回転角のみで、遊びが少なくなるので、差動型制限弁
での開閉が不所望に実施されたりするばかりでなく、周
溝の加工精度及び各弁体の組付け精度をもまた、高精度
が要求されることにもなる。
この発明は、上述したような事情に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、内部通路を開閉する
ための弁口の配置が容易となって作動上の信頼性を確保
できるばかりでなく、その加工及び組立精度に高精度が
要求されず、しかも、後輪の許容可変領域を大きく確保
すくことができる後輪操舵装置の差動型制限弁を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) この発明の差動型制限弁は、弁ハウジング内に少なく
とも一部が互いに回転自在にして且つ同心的に嵌合して
収容され、前輪操舵角及び後輪操舵角の変化に夫々応動
して回転される円筒状の前輪側及び後輪側の弁体と、弁
ハウジングに設けられ、一端が液圧回路の圧力供給側及
び低圧側に夫々接続されるとともに、他端が弁ハウジン
グ内に於いて、弁ハウジングの軸方向に離間して夫々開
口する圧力ポート及び戻りポートと、各弁体内を通じて
設けられ、圧力及び戻りポート間を夫々接続する2個の
内部通路と、各弁体に周面に於いて同一円周上に形成さ
れ、通常は、一方の内部通路を閉じた状態にあるが、前
輪操舵角の変化に対し、後輪操舵角が許容範囲以上に一
方の方向に変化したとき、前輪側及び後輪側の弁体の相
対的な回転角変位に基づき、一方の内部通路を開く第1
弁口手段と、各弁体の周面に於いて、第1弁口手段とは
軸方向に異なる同一円周上に形成され、通常は、他方の
内部通路を閉じた状態にあるが、前輪操舵角の変化に対
し、後輪操舵角が許容範囲以上に他方の方向に変化した
とき、前輪側及び後輪側の弁体の相対的な回転角変位に
基づき、他方の内部通路を開く第2弁口手段とを備えて
構成されている。
(作用) 上述した差動型制限弁によれば、各弁体の周面に、第
1及び第2弁口手段を夫々設けてあるから、後輪操舵角
が許容範囲の何れか一方からはずれた場合、前輪側及び
後輪側の弁体の相対的な回転角変位に基づき、対応する
弁口手段により、差動型制限弁を開弁させることができ
る。
(実施例) 第2図を参照すると、一実施例に係わる電子制御式液
圧後輪操舵装置の全体が液圧システムとして示されお
り、第2図中、参照符号1,2は、前輪及び後輪を夫々示
しており、前輪1は、ナックルアーム3を介して、前輪
パワーシリンダ4に於けるピストンロッド5に連結され
ている。即ち、前輪パワーシリンダ4は、両ロッド型の
液圧シリンダからなっており、この前輪パワーシリンダ
4の他方のピストンロッド5もまた、図示しないけれど
も、他方の前輪にナックルアームを介して連結されてい
る。
前輪パワーシリンダ4は、圧液供給源6に前輪側液圧
回路7を介して接続されている。ここで、圧液供給源6
は、自動車のエンジン9によって駆動される前輪側液圧
ポンプ8を備えており、この前輪側液圧ポンプ8は、圧
液タンク10から吸い込んだ圧液をその吐出ポートから吐
出する。そして、前輪側液圧回路7は、前輪側液圧ポン
プ8の吐出ポートから延びる供給管路11を備えており、
この供給管路11は、方向制御弁12よりも、その下流側が
2本の分岐管路13,14に分岐されている。これら分岐管
路13,14は、前輪パワーシリンダ4の両圧力室に夫々接
続されている。
方向制御弁12は、4ポート3位置の方向切換弁からな
っており、従って、その4つのポートのうちの3つに
は、供給管路11及び分岐管路13,14が夫々接続されてお
り、そして、残りのポートは、戻り管路15を介して圧液
タンク10に接続されている。
方向制御弁12の切換動作は、詳細には図示しないけれ
ども、ステアリングハンドル16の操作によってなされ、
これにより、前輪側液圧ポンプ8から前輪パワーシリン
ダ4に供給される圧液の流れ方向がステアリングハンド
ル16の操作方向に応じて制御されるようになっている。
従って、ステアリングハンドル16が操作されると、この
操作方向に応じて前輪パワーシリンダ4が作動されるこ
とにより、ステアリングハンドル16の操作力を補助する
ことができる。即ち、公知の如く、前輪パワーシリンダ
4のピストンロッド5は、ステアリングハンドル16の操
作に連動するラック・ピニオン17によって作動されるよ
うになっており、この際、前輪パワーシリンダ4もまた
同時に作動されることで、ステアリングハンドル16の操
作を容易に行えるようになっている。尚、ステアリング
ハンドル16が操作されていない場合、方向制御弁12は、
中立位置にあり、これにより、前輪パワーシリンダ4の
両圧力室は共に、方向制御弁12を介して、低圧側、即
ち、圧液タンク10に接続される。尚、第2図に於いて、
ラック・ピニオン17のラックは、その軸線を90゜異なら
して図示してある。
一方、後輪2は、ナックルアーム19を介して、液圧ア
キュムレータ20のピストンロッド21に連結されている。
即ち、液圧アクチュエータ20は、前述した前輪パワーシ
リンダ4と同様な両ロッド型の液圧シリンダ22と、この
液圧シリンダ22に於けるピストンの復帰機構23とから構
成されている。この復帰機構23は、液圧シリンダ22の一
方のピストンロッド21を外側から囲むように配置された
ケーシング24を有しており、このケーシング24内には、
圧縮コイルばねからなる復帰ばね25が収容されている。
この復帰ばね25の両端は、ケーシング24のストッパ面26
に当接可能な一対のばね座27間に位置付けられている。
そして、ケーシング24内に位置するピストンロッド21の
部位には、このピストンロッド21の何れかの方向に動い
たとき、対応するばね座27と係合して、復帰ばね25を圧
縮させる一対のフランジ28が設けられており、従って、
液圧シリンダ22が作動されるとき、そのピストンロッド
21は復帰ばね25を圧縮することから、液圧シリンダ22
は、復帰ばね25に抗して作動されることになる。尚、液
圧シリンダ22の他方のピストンロッド21にも図示されて
いないけれども、他方の後輪2がナックルアームを介し
て連結されていることは勿論である。
上述した液圧アクチュエータ20、即ち、液圧シリンダ
22は、後輪側液圧回路29を介して、前述した圧液供給源
6に接続されている。ここで、圧液供給源6は、前輪側
液圧ポンプ8とは別に後輪側液圧回路29用の後輪側液圧
ポンプ30を備えており、そして、後輪側液圧回路29は、
後輪側液圧ポンプ30の吐出ポートに接続された供給管路
31を有している。この供給管路31は、電磁制御弁32より
も下流側の部位が一対の分岐管路33に分岐されており、
これら分岐管路33は、液圧シリンダ22の両圧力室に夫々
接続されている。
電磁制御弁32は、第2図から明らかなように、4ポー
ト3位置の方向切換弁からなっており、従って、その4
つのポートのうちの3つは、供給管路31及び分岐管路33
に夫々接続されており、そして、残りのポートは、戻り
管路34を通じて圧液タンク10に接続されている。第2図
では、電磁制御弁32は、中立位置で示されており、この
中立位置では、液圧シリンダ22の両圧力室は共に、電磁
制御弁32及び戻り管路34を介して低圧側、即ち、圧液タ
ンク10に接続されている。
電磁制御弁32の両ソレノイド35は、電子コントローラ
36に電気的に接続されており、電磁制御弁32は、電子コ
ントローラ36から駆動信号を受け取ったときに、切換作
動される。
電子コントローラ36には、車速センサ37で得た車速
V、前輪操舵角θF及び後輪操舵角θR、更に、前輪側
液圧ポンプ8から吐出された圧液の圧力を示すセンサ信
号が夫々入力されるようになっている。この実施例の場
合、前輪操舵角θFは、ステアリングハンドル16の回転
軸に取付けられた前輪舵角センサとしてのハンドル角セ
ンサ38から得られるようになっており、このハンドル角
センサ38は、例えば、ロータリ型エンコーダからなって
いる。一方、後輪操舵角θRは、液圧シリンダ22の一方
のピストンロッド21に取付けられた後輪舵角センサ39か
ら出力される。この後輪舵角センサ39は、ハンドル角セ
ンサ38と同様に、ロータリ型エンコーダからなり、そし
て、液圧シリンダ22の一方のピストンロッド21と協働す
る前述したラック・ピニオン17と同様なラック・ピニオ
ン40のピニオンに同軸にして連結されている。従って、
このような後輪舵角センサ39によれば、液圧アクチュエ
ータ20、即ち、液圧シリンダ22が作動されて、そのピス
トンロット21が動くと、このピストンロッド21が動く
と、このピストンロッド21の軸線方向の動きは、ラック
・ピニオン40によって回転に変換され、これにより、後
輪操舵角θRを得ることができる。尚、第2図に於い
て、ラック・ピニオン40のラックもまた、その軸線を90
゜異ならして図示してある。
そして、前述した後輪側液圧回路29には、差動型制限
弁43が介挿されている。この差動制限弁34は、常閉の弁
であり、その入口ポートは、供給管路31に於ける後輪側
液圧ポンプ30と電磁制御弁32との間に、接続管路44を介
して接続され、そして、その出口ポートは、逃がし管路
45を介して戻り管路34に接続されている。
差動型制限弁43は、前述した前輪操舵角θF、後輪操
舵角θRに夫々応動して回転する前輪側応動軸46び後輪
側応動軸47より、その開閉が機械的になされるようにな
っている。ここで、この実施例の場合、前輪側応動軸46
は、一端が差動型制限弁43に接続されているとともに、
その他端は、図示しないけれども、例えばベベルギア機
構を介して、前述したラック・ピニオン17のピニオンに
接続されている。従って、ステアリングハンドル16が操
作されて、前輪1の操舵角が変化されると、この変化
は、ラック・ピニオン17及びベベルギア機構を介して、
前輪側応動軸46の回転に変換され、これにより、前輪側
応動軸46は、前輪操舵角θFに応動して回転されること
になる。
一方、後輪側応動軸47の一端は、同じく差動型制限弁
43に接続されているとともに、その他端は、図示しない
けれども、前輪側応動軸46の場合と同様にベベルギア機
構を介して、前述したラック・ピニオン40のピニオンに
接続されている。従って、この場合でも、液圧アクチュ
エータ20により後輪2の操舵角が変化される場合、この
変化は、ラック・ピニオン40及びベベルギア機構を介し
て後輪側応動軸47の回転に変換され、これにより、後輪
側応動軸47もまた、後輪操舵角θRに応動して回転され
ることになる。
第1図を参照すると、前述した差動型制限弁43が詳図
されており、以下には、この差動型制限弁43について説
明する。
差動型制限弁43は、弁ハウジング50を備えており、こ
の弁ハウジング50は、2つのハウジング部51,52からな
っている。これらハウジング部51,52は共に段付きの円
筒形状をなしている。一方のハウジング部51には、シリ
ンダ孔53が貫通して形成されており、ハウジング部51の
小径端部側に位置するシリンダ孔53の開口端は、端部キ
ャップ54により、液密を存して閉塞されている。
ハウジング部51のシリンダ孔53内には、端部キャップ
54側に位置して、前輪側入力軸55が同心的に収容されて
いる。この前輪側入力軸55は、一対の軸受56を介して、
ハウジング部51に回転自在に支持されている。前輪側入
力部55は、端部キャップ54のシールリンク57を介し、外
側に液密を存して突出しており、その突出端部は、ねじ
部58として形成されている。従って、前輪側入力軸55
は、そのねじ部58を介して、前述した前輪側応動軸46と
連結されるようになっており、これにより、前輪側入力
軸55は、前輪側応動軸46と一体に回転することができ
る。
前輪側入力軸55の内端部には、中空の円筒形状をなし
た外側弁体59が連結されている。即ち、この外側弁体59
の一端部は、前輪側入力軸55の内端部に外側から嵌合さ
れており、そして、これら前輪側入力軸55と外側弁体59
とは、連結ピン60により相互に連結されて、一体に回転
するようになっている。更に、前輪側入力軸55内には、
その内端面に開口する軸方向穴61が形成されている。
一方、ハウジング部52は、その小径部がハウジング部
51のシリンダ孔53内に嵌合されている。ハウジング部52
の小径部は、外側弁体59にスペーサリング62を介して当
接するまで、シリンダ孔53に挿入されている。このと
き、ハウジング部52の大径部は、ハウジング部51の他端
面に当接されているとともに、連結ピン63を介して、ハ
ウジング部51に固定されている。即ち、ハウジング部5
1,52は、その回転位相を合わせた状態で、連結ピン63に
より相互に連結されている。
ハウジング52内には、同心にしてシリンダ孔64が貫通
して形成されており、このシリンダ孔64は、その内端側
から順次拡径していくような段付き孔からなっている。
シリンダ孔64の最小径部分は、第1図から明らかなよう
に、外側弁体59の内径と同一の内径を有し、ハウジング
部51を越えて延びている。
また、シリンダ孔64に於いて、ハウジング部52の外端
面、即ち、その大径部の端面に開口した開口端は、前述
した端部キャップ54と同様な端部キャップ64により液密
を存して閉塞されている。
そして、端部キャップ65には、シールリング66を介し
て、後輪側入力軸67が液密を存して貫通し、そして、端
部キャップ65の外側から弁ハウジング50内に同心にして
延びている。後輪側入力軸67の端部キャップ66から突出
した部位は、ねじ部68として形成されており、従って、
このねじ部68を介して、後輪側入力軸67は、前述した後
輪側応動軸47と連結されるようになっている。
ハウジング部52内の大径部内に於いて、後輪側入力軸
67は、軸受69を介して回転自在に支持されている。そし
て、後輪側入力軸67の内端部分は、ハウジング部52の小
径部内から外側弁体59内に亙って回転自在に嵌合され、
この内端は、前輪側入力軸55の内端近傍まで延びてい
る。
そして、上述した後輪側入力軸67の内端部分は、内側
弁体70として構成されるものであり、即ち、後輪側入力
軸67の内端部分には、その内端から後輪側入力軸67の大
径部内まで同心的に延びる圧入穴71が形成されており、
この圧入穴71には、インナロッド72が圧入されている。
従って、後輪側入力軸67とインナロッド72とは、一体に
して回転することができる。また、インナロッド72は、
後輪側入力軸67の内端から突出した突出軸部73を有して
おり、この突出軸部73は、前輪側入力軸55の軸方向穴61
内に進入し、そして、前輪側入力軸55に対し、ニードル
軸受74を介して回転自在に支持されている。
そして、外側弁体59及び内側弁体70内には、前輪側及
び後輪側入力軸55,67の回転位相差に基づき、第2図に
示す前述した接続管路44と逃がし管路45との間の断接を
なすための内部通路が夫々形成されており、以下には、
これら内部通路及びこれら内部通路中の弁口手段につい
て説明する。
先ず、ハウジング部52に於ける小径部の外周面には、
環状溝75が形成されており、この環状溝75は、一方に於
いて、圧力ポート76に連通されている。この圧力ポート
76は、ハウジング部51に形成された接続管路44と接続さ
れており、従って、圧力ポート76には、常時、後輪側液
圧ポンプ30(第2図参照)から吐出された圧液の圧力が
伝達されている。また、環状溝75の底壁には、ハウジン
グ部52の直径方向に離間した2個のスロット77が形成さ
れており、これらスロット77は、ハウジング部52に於け
る小径部の内周面に開口されている。
一方、外側弁体59の外周面にもまた、環状溝78が形成
されており、この環状溝78は、一方に於いて、戻りポー
ト79に連通されている。この戻りポート79は、ハウジン
グ部51に形成された戻り管路45と接続されており、従っ
て、戻りポート79は、常時、低圧側、圧液タンク10に接
続されている。また、環状溝78の底壁には、ハウジング
部52の直径方向に離間した2個のスロット80が形成され
ており、これらスロット80は、ハウジング部52に於ける
小径部の内周面に開口されている。ここで、スロット7
7,80は、後輪側入力軸67の周方向でみて、同一の回転角
位相を有して位置付けられている。
そして、内側弁体70内、即ち、インナロッド72内に
は、周方向に等間隔を存して、3個の軸方向通路81L,81
R,81Fが夫々形成されている。これら軸方向通路81L,81
R,81Fは、第1図に示されているように、インナロッド7
2の内端面から外側弁体59の領域に亙って延びており、
そして、インナロッド72の内端面に開口した開口端は、
ボールプラグ82により夫々閉塞されている。尚、第1図
には、軸方向通路81Lのみが図示されている。また、イ
ンナロッド72の中央には、軸方向に延びる貫通孔83が形
成されている。
内側弁体70の外周面には、スロット77が開口されてい
る軸方向領域に、3対の径方向孔84F,84R,84Lが夫々形
成されている。これら径方向孔84F,84R,84Lは、インナ
ロッド72の外周面まで延びており、後輪側入力軸67に於
ける小径部の内周面に開口されている。第1図では、径
方向孔84Fしか図示されていないが、しかしながら、こ
ら径方向孔84F,84R,84Lは、後輪側入力軸67の軸方向に
所定の間隔を存して位置付けられている。この点に関し
ては、第1図中の3A−3A線、4A−4A線、及び5A−5A線に
沿う断面を夫々示した第3A図,第4A図、及び第5A図から
明らかである。そして、対をなす径方向孔84の夫々は、
第3A図、第4A図、及び第5A図に示されるように、後輪側
入力軸67の直径方向に離間して配置されている。また、
この場合、径方向孔84Fは、スロット77と連通した状態
にあり、径方向孔84R,84Lは、スロット77に対して、ハ
ウジング部52の内周面により閉塞された状態にある。
更に、後輪側入力軸67の周方向でみて、第3A図から明
らかなように、径方向孔84Fとスロット77の幅はほぼ同
一となっており、また、径方向孔84R,84Lの幅は、スロ
ット77の幅よりも大きな同一の幅を有している。そし
て、第4A図及び第5A図を比較すれば明らかなように、径
方向孔84Rと径方向孔84Lは、周方向でみて、スロット77
に対して、互いに逆向きに同一の回転角だけずれて位置
付けられている。即ち、第4A図でみて、径方向孔84R
は、スロット77に対して反時計方向にずれており、ま
た、第5A図でみて、径方向孔84Lは、スロット77に対し
て時計方向にずれている。
そして、インナロッド72の外周面には、径方向84F,84
R,84Lに夫々連通した環状溝85F,85R,85Lが夫々形成され
ているとともに、切欠86F,86R,85Lが夫々形成されてい
る。これら切欠86F,86R,86Lは、第3A図、第4A図及び第5
A図から明らかなように、同一の添字を有した環状溝85
と軸方向通路81のみを連通させるように形成されてい
る。
一方、内側弁体70の外周面には、スロット80が開口さ
れている軸方向領域に、3対の周溝87F,87R,87Lが夫々
形成されている。これら周溝87F,87R,87Lは、インナロ
ッド72の外周面に至る深さを有しており、後輪側入力軸
67に於ける小径部の内周面に開口されている。第1図で
は、周溝87R,87Lのみが図示されているが、これら周溝8
7F,87R,87Lもまた、後輪側入力軸67の軸方向に所定の間
隔を存して位置付けられている。この点に関しては、第
1図中の3B−3B線、4B−4B線、及び5B−5B線に沿う断面
を夫々示した第3B図,第4B図、及び第5B図から明らかで
ある。そして、対をなす周溝87の夫々は、第3B図、第4B
図、及び第5B図に示されるように、後輪側入力軸67の直
径方向に離間して配置されている。また、この場合、周
溝87R,87Lは、スロット80と連通した状態にあり、周溝8
7Fは、スロット80に対して、外側弁体59の内周面により
閉塞された状態にある。
更に、後輪側入力軸67の周方向でみて、第3B図から明
らかなように、周溝87Fは、スロット80に対し、90゜回
転位相が異なった領域に位置付けられているとともに、
その周方向長さは、所定の値に設定されている。
そして、第4B図及び第5B図を比較すれば明らかなよう
に、周溝87Rと周溝87Lは、いずれもスロット80と連通し
た状態となっているが、しかしながら、これら周溝87R
及び周溝87Lは、後輪側入力軸67の周方向でみて、スロ
ット80に対して、互いに逆向きに同一の回転角だけずれ
て位置付けられている。即ち、第4B図でみて、周溝87R
は、スロット80に対して反時計方向にずれており、ま
た、第5B図でみて、周溝87Lは、スロット80に対して時
計方向にずれている。更に、周溝87R,87Lは、同一の周
方向長さを有し、且つ、その周方向長さは、所定の値に
設定されている。
そして、インナロッド72の外周面には、周溝87F,87R,
87Lに夫々連通した環状溝88F,88R,88Lが夫々形成されて
いるとともに、切欠89F,89R、89Lが夫々形成されてい
る。これら切欠89F,89R,89Lは、第3B図、第4B図及び第5
B図から明らかなように、同一の添字を有した環状溝88
と軸方向通路81のみを連通させるように形成されてい
る。
図面に示された状態は、ステアリングハンドル16が操
作されていない状態、つまり、自動車が直進状態にある
ことを意味しており、このとき、上述した差動型制限弁
43に於いて、その圧力ポート76から戻りポート79に至る
内部通路は、閉じられた状態にある。この実施例の場
合、前述した説明から明らかなように、内部通路には、
内側弁体70内に3個の軸方向通路81F,81R,81Lを含む3
個の経路90F,90R,90Lがあり、これら経路90F,90R,90Lの
全ては閉じられた状態にある。即ち、軸方向通路81Fを
含む経路90Fについてみた場合、この軸方向通路81Fは、
一方に於いては、第3A図から明らかなように、切欠86F,
環状溝85F,径方向孔84F、スロット77及び環状溝75を介
して、圧力ポート76に接続されているが、しかしなが
ら、他方に於いては、第3B図から明らかなように、軸方
向通路81Fに切欠89F及び環状溝88Fを介して接続されて
いる周溝87Fが外側弁体59の内周面により閉塞されてい
ることで、戻りポート79への接続は絶たれている。即
ち、経路90Fに於いて、軸方向通路81Fと圧力ポート76と
の間に構成されている弁91FTは、開弁状態にあり、ま
た、軸方向通路81Fと戻りポート79との間に構成されて
いる弁91FTは、閉弁状態にある。
また、軸方向通路81Rを含む経路91Rでみた場合、一方
に於いて、第4A図に示されているように、軸方向通路81
Rに切欠86R及び環状溝85Rを介して接続されている径方
向孔84Rがハウジング部52の内周面により閉じられてい
ることにより、軸方向通路81Rと圧力ポート76との間に
構成される弁92RPは、閉弁状態にある。しかしながら、
軸方向通路81Rは、他方に於いて、戻りポート79に対し
ては、第4B図から明らかなように、切欠89R、環状溝88
R、周溝87R、スロット80及び環状溝59を介して接続され
ていることから、軸方向通路81Rと戻りポート79との間
に構成される弁92RTは、開弁状態にある。
更に、軸方向通路81Lを含む経路90Lでは、軸方向通路
81Lは、第5A図に示されているように、その経路中の径
方向孔84Lがハウジング部52の内周面により閉じられて
いることで、軸方向通路81Lと圧力ポート76との間に構
成される弁93LPは閉弁状態にあり、これに対し、第5B図
から明らかなように、軸方向通路81Lと戻りポート79と
の間に構成される弁93LTは、開弁状態にある。
上述の説明は、差動型制限弁43の構成を回路として表
した第6図を参照すれば、より明らかとなる。
上述した差動型制限弁43は、ステアリングハンドル16
が操作されることにより、前述したように、前輪操舵角
に対して後輪操舵角も変化されるとき、この変化量が許
容範囲を越えたときに、差動型制限弁43内の3つの内部
通路、即ち、3つの経路90F,90R,90Lの少なくとも1つ
が開かれるようになっている。この点に関して、第7図
を参照すれば、前輪操舵角θFに対する後輪操舵角θR
の可変特性Aが示されている。この第7図から明らかな
ように、後輪操舵角θRの可変特性Aは、前輪の操舵方
向に対して対称になっており、また、第7図中、斜線を
施して示した領域が後輪操舵角θRの許容範囲以外を示
す領域、即ち、差動型制限弁43の開弁領域OR,OL,OFであ
り、また、第7図中、可変特性Aを中心としたBの領域
が後輪操舵角θRの許容範囲、つまり、差動型制限弁43
の閉弁領域を示している。
第7図に於ける後輪操舵角θRの可変特性Aから明ら
かなように、この実施例の場合、後輪操舵角θRは、前
輪操舵角θFが所定の範囲X内にあるときは可変され
ず、範囲Xを越えて前輪操舵角θFが可変されて初め
て、可変されることになるが、ここで、後輪操舵角θR
の可変領域の全域に亙り、後輪操舵角θRの変化量が前
輪操舵角θFの変化量よりも大きくなることはない。
上述した差動型制限弁43の差動に関して、具体的に説
明する。
今、ステアリングハンドル16により、前輪操舵角θF
が一方向に前記範囲Xの端X1まで可変されるとき、この
間では、後輪操舵角θRは第7図から明らかなように変
化されることがなく、この場合、第3B図、第4B図及び第
5B図に於いては、前輪操舵角θFの変化に応動して、前
輪側入力軸55、即ち、外側弁体59のみが例えばR方向に
回転されることになる。従って、この場合、第3B図、第
4B図及び第5B図の状態は、第3C図、第4C図及び第5C図に
示される状態に夫々変化する。即ち、この場合、第4C図
に示されるように、外側弁体59のスロット80は、内側弁
体70の外周面によって閉塞されている。
上述した第3C図、第4C図及び第5C図の状態から、即
ち、第7図中の前述したX1点から前輪操舵角θFが更に
大きく変化されると、この場合には、第7図の可変特性
Aから明らかなように、前輪操舵角θFの変化に伴っ
て、後輪操舵角θRもまた変化される。従って、この場
合には、前輪操舵角θF及び後輪操舵角θRが共に変化
されるから、前輪側及び後輪側入力軸55,67、つまり、
外側弁体59及び内側弁体70は共に、同じくR方向に回転
されることになる。ここで、これら外側弁体59及び内側
弁体70が同時に回転されることから、第3C図、第4C図及
び第5C図に於いては、外側弁体59及び内側弁体70間の状
態が実質的に維持され、そして、第3A図、第4A図及び第
5A図に於いては、ハウジング部52に対し、内側弁体70の
みが回転される。この場合、内側弁体70がR方向に回転
されると、第4A図から明らかなように、内側弁体70の径
方向孔84Rがハウジング部52のスロット77と連通する状
態に至って、軸方向通路81Rが圧力ポート76と連通する
ことになるが、しかしながら、この場合、軸方向通路81
Rに関しては、第4C図に示されるように、外側弁体59の
スロット80が内側弁体70の外周面により閉塞された状態
にあるので、軸方向通路81Rを含む経路90Rが開かれるこ
とはない。
従って、上述の説明から明らかなように、後輪操舵角
θRが第7図の可変特性Aに従って変化される限り、前
述した電磁制御弁32が正常に作動している限りに於いて
は、差動型制限弁43内に於ける全ての経路90F,90R,90L
は閉じた状態にある。即ち、差動型制限弁43は、閉弁状
態にある。
しかしながら、前輪操舵角θFが第7図中X1点に至る
まで過程に於いて、即ち、第4C図に示されるように、外
側弁体59のスロット80が内側弁体70の外周面によって閉
塞されることになる過程に於いて、後輪操舵角θRが第
7図の可変特性Aから外れて、OR領域に至ると、即ち、
後輪操舵角θRが許容範囲を越えて大きく変化すると、
この場合には、第4A図でみて、内側弁体70の径方向孔84
Rがハウジング部52のスロット77と連通することにな
り、また、このときには、第4B図の場合と同様に、外側
弁体59のスロット80の内側弁体70の周溝87Rとは相互に
連通したままの状態であるから、軸方向通路81Rを含む
経路90Rが開かれることになり、これにより、差動型制
限弁43は開弁状態となる。また、前輪操舵角θFがX1点
から更に変化し、そして、この変化に伴って後輪操舵角
θRが変化されるときに、この後輪操舵角θRが許容範
囲を越えて、OR領域に至るような場合にあっては、第4A
図の状態から、ハウジング部52のスロット77と内側弁体
70の径方向孔84Rとが相互に連通した状態に到り、そし
て、この状態が維持されているときに、第4C図に関して
は、この状態から、外側弁体59に対し、内側弁体70が更
にR方向に回転されることになって、外側弁体59のスロ
ット80と内側弁体70の周溝87Rとが相互に連通すること
になる。従って、この場合にも、軸方向通路81Rを含む
経路90Rが開かれ、これにより、差動型制限弁43は開弁
状態となる。
このように差動型制限弁43が開弁されると、第2図を
参照すれば明らかなように、後輪側液圧回路29内、即
ち、液圧アクチュエータ20内の圧力が低圧側、つまり、
圧液タンク10に逃がされるから、電磁制御弁32の切換位
置に拘らず、液圧アクチュエータ20は休止位置に復帰さ
れて、後輪操舵角制御は中止される。この場合、後輪操
舵角θRが0に復帰されることで、後輪2は、直進状態
に戻されることになる。
更に、上述した差動型制限弁43の差動に関しては、後
輪操舵角θRが、その変化方向と同じ方向に上記許容範
囲から外れてしまうような場合について説明したが、し
かしながら、後輪操舵角θRが逆向きの方向に許容範囲
からずれてしまうような場合にあっても、差動型制限弁
43は、開弁されることになる。
即ち、この場合、前輪操舵角θFの変化に伴い、第5A
図及び第5B図の状態から、外側弁体59及び内側弁体70が
互いに逆向きに回転してしまって、後輪操舵角θRが前
輪操舵角θFの変化方向とは逆向きに、その許容範囲を
越えて、第7図中OL領域にずれてしまうと、この場合、
第5A図から明らかなように、内側弁体70がL方向に回転
することで、この内側弁体70の径方向84Lがハウジング
部52のスロット77に連通することになる。この場合、第
5B図及び第5C図の夫々の状態を比較検討すれば明らかな
ように、外側弁体59のスロット80の内側弁体70の周溝87
Lとは相互に連通したままである。従って、この場合に
は、軸方向通路81Lを含む経路90Lが開いた状態となり、
この結果、差動型制限弁43は開弁されることになる。従
って、この場合にも、後輪2の操舵角制御は中止され
る。尚、このような軸方向通路81Lを含む経路90Lの開状
態は、第5A図でみて、ハウジング部52のスロット77と内
側弁体70の径方向孔84Lとが相互に連通した状態で、前
輪操舵角θLがX1点を越え、所定の範囲まで更に変化さ
れるまで、つまり、第5C図の状態でみて、前輪側操舵角
θFが更に変化され、そして、外側弁体59のスロット80
が内側弁体70によって閉塞されるまで継続されることに
なる。
そして、この実施例の場合、第3A図と第3C図とを参照
すれば明らかなように、前輪操舵角θLがX1点から更に
変化されるにも拘らず、後輪操舵角θRが変化されず
に、0に維持されるような場合には、第3C図でみて、外
側弁体59のみがR方向に回転されて、この外側弁体59の
スロット80の内側弁体70の周溝87Fとが連通し、この結
果、軸方向通路81Fを含む経路90Fが開かれることで、差
動型制限弁43は開弁されることになる。また、この場
合、この後輪操舵角θRが前輪操舵角θFの変化に対
し、例え同方向に変化したとしても、この変化が可変特
性Aに比べて許容範囲以上に小さい場合、また、前輪操
舵角θFの変化に対し、後輪操舵角θRが逆向きに変化
するような場合にあっては、第3A図に示されるように、
ハンジング部53のスロット77と内側弁体70の径方向孔84
Fとが相互に連通している状態で、上述したように、外
側弁体59のスロット80と内側弁体70の周溝87Fとが連通
することになり、この場合でも、軸方向通路81Fを含む
経路90Fが開かれ、そして、差動型制限弁43が開弁され
ることになる。尚、経路90Fが開かれる領域は、第7図
中、OFで示されている。
以上の差動型制限弁43に関する作動に関しては、前輪
操舵角θFが一方の方向に変化される場合、即ち、前輪
側入力軸55の外側弁体59がR方向に回転される場合を例
にして説明したが、前輪操舵角θFが他方の方向に変化
され、そして、前輪側入力軸55の外側弁体59がL方向に
回転される場合であっても、上述した差動型制限弁43
は、同様に機能することは勿論である。
即ち、前述したように、ハウジング部52のスロット77
に対しは、内側弁体70の径方向孔84R,84Lが対称に配置
されており、また、外側弁体59のスロット80に対して
も、内側弁体70の周溝87R,87Lが対称に配置されている
ことから、差動型制限弁43は、前述した場合と同様に作
動することは明らかであり、それ故、説明の重複を避け
るため、前輪操舵角θFが他方の方向に変化される場合
に関する差動型制限弁43の差動についての説明は省略す
る。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明の後輪操舵装置の差動
型制限弁は、弁ハウジングの圧力ポーと戻りポートとの
間を接続する2つの内部通路を前輪側及び後輪側の各弁
体内を通じて設け、そして、各弁体の周面に、各内部通
路を通常は閉じており、そして、前記操舵角に対して後
輪操舵角が許容範囲から何れか一方の方向にずれたと
き、各弁体の相対的な回転角変位に基づき、対応する内
部通路を開く第1及び第2弁口手段を夫々設け、そし
て、これら第1及び第2弁口手段を各弁体の周面に於い
て、その軸線方向に離間して配置したものとなってい
る。従って、この発明の差動型制限弁によれば、一方の
弁口手段を構成するにあたり、各弁体の周面に於いて、
同一の円周上に形成すべき、弁口としての周溝や孔の配
置が容易となるばかりでなく、これら同一円周上での各
弁口間の間隔を大きく確保することができる。従って、
この発明の場合には、弁体の回転方向でみた場合での各
弁体の遊びを十分に得られることから、差動型制限弁が
不所望に開閉されたりすることもないし、また、弁口の
加工や弁ハウジング内への各弁体の組付けをも容易とな
り、しかも、後輪側の弁体の許容回転角領域、つまり、
後輪操舵角の許容可変領域を大きく確保できる等の優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の一実施例を示し、第1図は、差動型
制限弁の断面図、第2図は、差動型制限弁を含む後輪操
舵装置の液圧システムを示す回路図、第3A図は、第1図
中3A−3A線に沿う断面図、第3B図は、第1図中3B−3B線
に沿う断面図、第3C図は、第3B図の状態から外側弁体が
所定の回転角でだけ内側弁体に対して回転した状態を示
す断面図、第4A図は、第1図中4A−4A線に沿う断面図、
第4B図は、第1図中4B−4B線に沿う断面図、第4C図は、
第4B図の状態から外側弁体が所定の回転角でだけ内側弁
体に対して回転した状態を示す断面図、第5A図は、第1
図中5A−5A線に沿う断面図、第5B図は、第1図中5B−5B
線に沿う断面図、第5C図は、第5B図の状態から外側弁体
が所定の回転角でだけ内側弁体に対して回転した状態を
示す断面図、第6図は、差動型制限弁を液圧回路で示し
た回路図、第7図は、前輪操舵角に対する後輪操舵角の
可変特性を示すグラフである。 43……差動型制限弁、50……弁ハウジング、51,52……
ハウジング部、55……前輪側入力軸、59……外側弁体、
67……後輪側入力軸、70……内側弁体、76……圧力ポー
ト、79……戻りポート、84……径方向孔(弁口)、87…
…周溝(弁口)、90……経路(内部通路)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西森 政義 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 繁原 暁雄 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 増田 広之 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社岡崎 事業所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪を液圧回路内の液圧アクチュエータに
    よって駆動することで、後輪の操舵角を可変可能とする
    とともに、前輪操舵角に変化に応じ、電子コントローラ
    により、液圧回路中の電磁制御弁を介し、液圧アクチュ
    エータの作動を制御して、後輪操舵角を可変するように
    した後輪操舵装置に於いて、 弁ハウジング内に少なくとも一部が互いに回転自在にし
    て且つ同心的に嵌合して収容され、前輪操舵角及び後輪
    操舵角の変化に夫々応動して回転される円筒状の前輪側
    及び後輪側の弁体と、弁ハウジングに設けられ、一端が
    液圧回路の圧力供給側及び低圧側に夫々接続されるとと
    もに、他端が弁ハウジング内に於いて、弁ハウジングの
    軸方向に離間して夫々開口する圧力ポート及び戻りポー
    トと、各弁体内を通じて設けられ、圧力及び戻りポート
    間を夫々接続する2個の内部通路と、各弁体に周面に於
    いて同一円周上に形成され、通常は、一方の内部通路を
    閉じた状態にあるが、前輪操舵角の変化に対し、後輪操
    舵角が許容範囲以上に一方の方向に変化したとき、前輪
    側及び後輪側の弁体の相対的な回転角変位に基づき、一
    方の内部通路を開く第1弁口手段と、各弁体の周面に於
    いて、第1弁口手段とは軸方向に異なる同一円周上に形
    成され、通常は、他方の内部通路を閉じた状態にある
    が、前輪操舵角の変化に対し、後輪操舵角が許容範囲以
    上に他方の方向に変化したとき、前輪側及び後輪側の弁
    体の相対的な回転角変位に基づき、他方の内部通路を開
    く第2弁口手段とを具備したことを特徴とする後輪操舵
    装置の差動型制限弁
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