JP2536407Y2 - 圧電振動子ジャイロ - Google Patents

圧電振動子ジャイロ

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JP2536407Y2
JP2536407Y2 JP1991042319U JP4231991U JP2536407Y2 JP 2536407 Y2 JP2536407 Y2 JP 2536407Y2 JP 1991042319 U JP1991042319 U JP 1991042319U JP 4231991 U JP4231991 U JP 4231991U JP 2536407 Y2 JP2536407 Y2 JP 2536407Y2
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piezoelectric vibrator
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哲男 吉田
力 増子
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は圧電振動子ジャイロに
関するものであり、さらに詳しくは船舶や自動車などに
搭載されてその姿勢や航路制御を行なうジャイロスコー
プのうち特に圧電振動子の超音波振動を利用した圧電振
動子ジャイロにおける圧電振動子の支持構造の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子ジャイロは、振動している物
体に回転角速度が加わるとその振動方向と直交する方向
にコリオリ力を生じるという力学現象を利用した、ジャ
イロスコープの一種である。圧電振動子を回転させる
と、このコリオリ力の作用によりこの振動と直交する方
向に力が働き、他方の振動が励振される。この振動の大
きさは入力側の振動の大きさおよび回転角速度に比例す
る。したがって入力電圧を一定にした状態では、出力電
圧の大きさから回転角速度の大きさを求めることができ
る。
【0003】図8に示すのは、従来のこのような圧電振
動子ジャイロの一例である。圧電振動子である金属製角
柱7の隣り合う面に厚さ方向に分極された圧電セラミッ
クス薄板8、9が接合されている。この角柱7は互いに
直交する2つの方向にほぼ同じ共振周波数で屈曲振動す
ることが可能であり、圧電セラミックス薄板8にこの共
振周波数に等しい周波数の電圧を印加すると、圧電セラ
ミックスを接合した面が凹凸となる方向に屈曲振動す
る。この状態で角柱7を矢印Zで示すように長さ方向を
軸として回転させると、コリオリ力の作用により角柱7
は圧電セラミックス9を接合した面が凹凸になる方向に
屈曲振動し、圧電セラミックス9に回転角速度に比例し
た電圧が発生する。
【0004】ところで、上記したような構造、性質の圧
電振動子である角柱7の支持は従来一般にYおよびX方
向に行なわれる。すなわち長さ方向の一方の端面から全
長のほぼ22.4%の位置に対向する金属面の中央部に
垂直にそれぞれ細い金属線からなる支持線10、10’
がY方向を指向して熔接されている。さらに他方の端面
から全長のほぼ22.4%の位置に対向する金属面の中
央部に垂直にそれぞれ細い金属線からなる支持線11、
11’がX方向を指向して熔接されている。これら金属
線10、10、11および11’が熔接されている部分
は、角柱7の屈曲共振振動モードに対する振動の節点と
なっており、互いに直交する屈曲振動でそれぞれに対す
る影響を極力少なくするように、支持には細い金属線を
用いているのである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】図8に示すような従来
の支持方法によると、図9に示すように支持線10、1
0´は矢印の方向の屈曲振動に対してはほぼ理想的に振
動の節点を支持していることになる。しかしこのとき支
持線11、11´には屈曲の歪みが発生し、矢印の方向
の屈曲振動に悪い影響を与えることになる。一方、図中
の矢印と直交する方向の屈曲振動に対しては、支持線1
1、11′はほぼ埋想的に振動の節点を支持しているこ
とになるが、このとき支持線10、10´には屈曲の歪
みが発生し、矢印と直交方向の屈曲振動に悪い影響を与
えることになる。屈曲振動に与える影響を少なくする為
には支持線の直径をできるだけ小さくすればよいが、支
持線をあまり細くすると、圧電振動子自身の耐振動特性
や耐衝撃特性を劣化させる危険がある。さらに、この考
案では、圧電セラミックス円柱、角柱またはパイプ単体
などを用いており、その外周面上に形成された帯状電極
はスクリーン印刷または蒸着などにより形成されてい
る。従ってあまり細い金属線からなる支持線を熔接また
はハンダ付けして支持することは、耐振動特性や耐久衝
撃特性の面から見てさらにー段と危険があることにな
る。そこで、本考案の技術的課題は、上記欠点に鑑み、
圧電振動子ジャイロにおいて横方向(長さ方向と直交す
る方向)の屈曲振動に与える振動子支持構造の影響を低
減する圧電振動子ジャイロを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の圧電振動子ジャ
イロは、入出力端子を具えた圧電振動子と、この圧電振
動子を収容し内面上一波長屈曲共振モードの振動の節点
の位置2個所と内端の一部とに微小突起を具えた軟弾性
体からなる円筒状支持具と、この支持具を収容し端部内
面に微小突起を具えた円筒状外ケースとからなることを
要旨とする。
【0007】
【作用】圧電振動子を支持具に収容すると、支持具内面
上の微小突起が圧電振動子を浮遊状に支持する。支持具
は外ケースの内面微小突起により外ケース内に固定収容
される。
【0008】
【実施例】次に、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。図1に示すのは、この実施例において共通に用い
る圧電振動子の一例である。すなわち、圧電セラミック
ス円柱20の外周面上には長さ方向と平行に複数個の帯
状電極21が形成されている。これらの帯状電極21は
入出力端子を構成するものであって、曲面スクリーン印
刷により直接形成されるか、またはメッキなどで全面に
形成された電極の不要部分をフォトエッチングにより除
去することにより容易に得られるものである。
【0009】この圧電セラミックス円柱20により構成
される圧電振動子は、前記の帯状電極21を介して分極
処理を施した後、これらの帯状電極の一部にこの圧電セ
ラミックス円柱20の屈曲振動の共振周波数にほぼ等し
い交流電圧を印加して屈曲振動を起こした状態で、圧電
セラミックス円柱20を長さ軸を中心に回転させると
(図8の矢印Zと同様に)、振動方向と直交する方向に
コリオリ力を発生し、駆動用の帯状電極とは別の帯状電
極に回転角速度に比例した電圧が発生する。
【0010】図2に示すのは、この考案の第1の実施例
における支持具30である。この支持具30はシリコン
などの軟弾性体からなる円筒状の構造を有している。こ
の円筒の内周面上にはー波長屈曲共振モードの振動の節
点の位置2個所に微小突起31、32が形成されるとと
もに、両端のー部にも微小突起33、34が形成されて
いる。
【0011】図3に示すのは、この考案の第1の実施例
の圧電振動子ジャイロの組立状態であり、図2に示すよ
うな支持具30には図1の圧電振動子20が収容されて
おり、この支持具30がさらに金属またはプラスチック
からなる円筒状の外ケース40に収容されている。こ
の外ケース40の内面上一端部には支持具30の対応す
る端部に接触する微小突起(図示せず)が形成されてい
る。
【0012】上記のような第1の実施例によった場合、
軟弾性体で形成された支持具30内に圧電セラミックス
円柱からなる圧電振動子20が収容されているので、2
つの直交する方向の屈曲振動に与える支持構造の影響も
少なく、それぞれの影響の度合いもほぼ等しくなる。ま
た支持具30の軟弾性体により圧電振動子20の両端が
支持されているので、振動方向または振動方向と直交す
る方向からの外的影響も少ないのである。
【0013】図4、5に示すのはこの考案の第2の実施
例である。なお圧電振動子20としては図1に示すもの
を用いてある。内面上図2に示す支持具30と同様な位
置には同様に微小突起31〜34が形成されている。ま
た開放端から少なくともこれに近い方の節点に亘って複
数個のスリット35が互いに平行に形成され、これらの
スリット35を経てリード線36が引き出されている。
その他の構造は図2、3に示すものと実質的に同一であ
る。
【0014】図6、7に示すのはこの考案の第3の実施
例である。なお圧電振動子20としては図1に示すもの
を用いてある。内面上図2に示す支持具30と同様な位
置には同様に微小突起31〜34が形成されている。た
だしこの実施例では支持具30が互いに組み合わされた
2個の半割り円筒体30a、30bから構成されてい
る。その他の構造は図2、3に示すものと実質的に同一
である。
【0015】なお以上の例では圧電振動子として圧電セ
ラミックス円柱を用いたが、圧電セラミックス角柱やパ
イプで圧電振動子を構成したものについても、この考案
は同様に応用できるものである。
【0016】
【考案の効果】この考案によれば、圧電振動子ジャイロ
が、入出力端子を具えた圧電振動子と、この圧電振動子
を収容し内面上一波長屈曲共振モードの振動の節点の位
置2個所と内端のー部とに微小突起を具えた軟弾性体か
らなる円筒状支持具と、この支持具を収容し端部内面に
微小突起を具えた円筒状外ケースとで構成したので、直
交する方向の屈曲振動に与える影響が少なく、しかも影
響を与える度合いが振動方向について対称的であり、圧
電振動子ジャイロの特性に与える影響が少なくて信頼性
が大幅に向上する。また組立が容易であり、小型化も可
能で実用性に富んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の圧電振動子ジャイロにおいて用いる
圧電振動子を示す斜視図である。
【図2】この考案の第1の実施例の支持具を示す一部切
除斜視図である。
【図3】第1の実施例の組立状態を示す一部切除斜視図
である。
【図4】この考案の第2の実施例の支持具を示す一部切
除斜視図である。
【図5】第2の実施例の組立状態を示す一部切除斜視図
である。
【図6】この考案の第3の実施例の支持具を示す一部切
除斜視図である。
【図7】第3の実施例の組立状態を示す一部切除斜視図
である。
【図8】従来の圧電振動子ジャイロにおける圧電振動子
支持構造を示す斜視図である。
【図9】従来の圧電振動子ジャイロの屈曲振動状態を示
す側面図図である。
【符号の説明】
20 圧電振動子 30 支持具 31〜34 微小突起 35 スリット 40 外ケース

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出力端子(21)を具えた圧電振動子
    (20)と、この圧電振動子を収容し内面上一波長屈曲
    共振モードの振動の節点の位置2個所と内端のー部とに
    微小突起(31〜34)を具えた軟弾性体からなる円筒
    状支持具(30)と、この支持具を収容し端部内面に微
    小突起を具えた円筒状外ケース(40)とからなること
    を特徴とする圧電振動子ジャイロ。
  2. 【請求項2】 支持具(30)の開放端から少なくとも
    近くの節点まで複数個のスリットが形成され、これらの
    スリットを経てリード線が引き出されていることを特徴
    とする請求項1に記載の圧電振動子ジャイロ。
  3. 【請求項3】 支持具(30)が2個の互いに組み合わ
    された半割り円筒体(30a、30b)から形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子ジャ
    イロ。
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