JP2536192B2 - 車両のエンジン出力制御方法 - Google Patents

車両のエンジン出力制御方法

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JP2536192B2
JP2536192B2 JP1281953A JP28195389A JP2536192B2 JP 2536192 B2 JP2536192 B2 JP 2536192B2 JP 1281953 A JP1281953 A JP 1281953A JP 28195389 A JP28195389 A JP 28195389A JP 2536192 B2 JP2536192 B2 JP 2536192B2
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throttle valve
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晃 高橋
徹 橋本
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、車両のエンジン出力を制御する方法に関す
る。
<従来の技術とその課題> 従来より、自動車がスリップした場合に、そのスリッ
プ量に応じてエンジン出力を低下させてスリップを防止
するトラクションコントロールが知られている。また、
エンジン出力の制御は、車両の安定走行等を保つため
に、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量にかかわ
らずエンジン出力を制御したい場合にも適用される。
エンジン出力を低下させる方式には空燃比を変えるな
どいくつかの方式があり、その一つに吸入空気量を変え
る方式がある。つまり、スロットル弁の開度を制御する
のである。
しかしながら、エンジンの吸気系におけるスロットル
弁からシリンダまでは距離があるため、スロットル弁を
制御してからシリンダ内の空気量がスロトッル弁開度に
応じた所定の空気量になるまでには時間がかかる。つま
り、エンジン出力低下の信号が出てから実際にエンジン
出力が低下するまでに遅れがあるのである。
トラクションコントロールにおいては、スリップを防
止するために、できるだけ早くエンジン出力を低下する
必要があり、上記のような応答遅れをできるだけなくし
たい。また、他の制御においても応答性を高めることが
必要である。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するため、本発明では、車両の運転状
況に応じて、アクセル開度に関係なくスロットル弁開度
を制御してエンジン出力を制御する車両のエンジン出力
制御方法において、前記車両を所定の運転状態とするた
めの目標トルクを前記運転状態に応じて設定し、前記エ
ンジン出力が前記目標トルクに近付くように前記スロッ
トル弁開度を制御すると共に、同スロットル弁開度の制
御開始と同時にエンジンの点火時期を所定量遅角させ、
エンジン出力制御中には前記遅角位置を基準にして前記
目標トルクと前記エンジンの実際の出力トルクとの偏差
に基づく量だけ前記点火時期を進角あるいは遅角制御す
るようにしたのである。
<作用> 上記スロットル弁開度の制御を開始した時点で所定量
遅角された点火時期を基準にして、目標トルクとエンジ
ンの実際の出力トルクとの偏差に基づく量だけ点火時期
を進角あるいは遅角制御するようにしているので、スロ
ットル弁開度の制御によりエンジンの出力トルクを目標
トルクに近付ける際の過不足分だけ点火時期を制御する
ことにより、所定の運転状態を得るために必要なエンジ
ン出力トルクを精度良く得ることができる。又、スロッ
トル弁開度についても、エンジンの出力トルクが目標ト
ルクに近付くように制御を行うため、より精度の高い制
御を行うことができる。
<実 施 例> 以下、図面に基づき本発明の一実施例に係るエンジン
出力制御方法について説明する。
先ず、本発明が適用されるガソリンエンジンシステム
の概略を第6図に基づき説明する。
エンジンEにおける各気筒の燃焼室1には、吸気通路
(吸気系)2および排気通路(排気系)3が連通接続さ
れており、吸気通路2と各燃焼室1とは吸気弁4によっ
て連通制御されるとともに、排気通路3と各燃焼室1と
は排気弁5によって連通制御されるようになっている。
なお、図において、1aは点火プラグである。
また、吸気通路2には、上流側から順にエアクリーナ
6,スロットル弁7およびインジェクタ8が設けられてお
り、排気通路3には、その上流側から順に排ガス浄化用
の触媒コンバータ(三元触媒)9および図示しないマフ
ラ(消音器)が設けられている。なお、吸気通路2に
は、サージタンク2aが設けられている。インジェクタ8
は吸気マニホルド部分に気筒数だけ設けられている。
上記スロットル弁7の開度を変えると、吸入空気量が
変わるため、エンジンEの出力を制御することができ
る。
スロットル弁7を回転駆動するための機構を第7,8図
に示す。
スロットル弁7は吸気通路2に介装されたスロットル
ボテー70内に設けられているが、このスロットル弁7に
は、スロットルシャフト71が一体に取り付けられてい
て、このスロットルシャフト71がスロットルボテー70を
貫通して吸気通路外へ延在している。そして、このスロ
ットルシャフト71の吸気通路外部分には、第1レバーと
してのアクセルレバー72と、第2レバーとしてのスロッ
トルレバー73とが同軸的に嵌合されている。なお、アク
セルレバー72の方がスロットルレバー73よりもスロット
ルシャフト71の外端寄りに嵌合されている。
ここで、アクセルレバー72は車室内のアクセルペダル
(人為的操作部材)100にアクセル索101を介して連係接
続されており、これによりアクセルレバー72はアクセル
ペダル100の踏込量に応じて回動するようになっている
が、このアクセルレバー72はスロットルシャフト71に対
しては遊嵌されている。即ち、スロットルシャフト71の
外端部には、スペーサ74および樹脂リング75を介してア
クセルレバー72の円筒部72bが嵌合されており、樹脂リ
ング75とスペーサ74との間が相対摺動可能となってい
る。
また、スロットルレバー73はスロットルシャフト71と
一体に取り付けられており、これによりスロットルレバ
ー73を回動駆動すると、スロットルシャフト71ひいては
スロットル弁7も回転するようになっている。なお、ス
ロットルレバー73には、アクセルレバー72側へ延びた係
合アーム部73aが形成されており、この係合アーム部73a
がアクセルレバー72付きのストッパ部72aと係合できる
ようになっている。
ここで、アクセルレバー72とスロットルレバー73とが
係合するのは、スロットルレバー73がスロットル弁開方
向へ回動していったとき、あるいはアクセルレバー72が
スロットル弁閉方向へ回動していったときである。
さらに、スロットルボテー70とスロットルレバー73と
の間には、スロットルレバー73の係合アーム部73aがア
クセルレバー72のストッパ部72aに係合するように、即
ち第7図において矢印A方向(スロットル弁開方向)に
付勢するリターンスプリング76が装填されている。な
お、このリターンスプリング76は、コイルスプリングと
して構成されて、スロットルシャフト71に嵌合されてお
り、このリターンスプリング76はその一端がスロットル
ボテー70に係止されるとともにその他端がスロットルレ
バー73に係止されている。また、このリターンスプリン
グ76の各端部とスロットルシャフト71との間には、リタ
ーンスプリング76の収縮を許容しうるように間隔をあけ
て配設された樹脂リング77,78が介装されている。これ
により、このリターンスプリング76は、スロットルレバ
ー73とアクセルレバー72とを接続してスロットルレバー
73をアクセルレバー72に追従させるよう付勢する付勢手
段を構成する。
なお、スロットルボテー70とアクセルレバー72との間
には、リターンスプリング76とは反対方向(スロットル
弁閉方向)に付勢しアクセルペダル100に対してディテ
ント感を付与するリターンスプリング79が装填されてい
る。このリターンスプリング79は、アクセルレバー72の
円筒部72bの外側から樹脂リング80を介してスロットル
シャフト71に嵌合されており、このリターンスプリング
79はその一端がスロットルボテー70に係合されるととも
にその他端がアクセルレバー72に係止されている。
また、上記のような各部品72〜80をスロットルシャフ
ト71に取り付けたあとは、スロットルシャフト外端の雄
ねじ部71aにナット81を螺合させて締め付けることが行
なわれる。このナット81の締め付けに際しては、ワッシ
ャ82を介在させるが、このときワッシャ82がスペーサ74
を押しつけている。しかし、このとき、樹脂リング75の
長さはスペーサ74の長さより短く設定されているので、
ワッシャ82に樹脂リング75の端面は押さえられていな
い。従って、樹脂リング75とスペーサ74との間が相対摺
動可能な状態となり、これにより、アクセルレバー72が
スロットルシャフト71に対して遊嵌されることになるの
である。
なお、第8図において、72cはアクセルレバー72と一
体に形成されてスロットル弁7が全閉位置より更に全閉
側となるのを規制する全閉ストッパで、この全閉ストッ
パ72cはアクセルレバー72がスロットル弁全閉位置まで
回動してくると、スロットルボデー部分70aに当接し
て、アクセルレバー72のそれ以上のスロットル弁閉方向
への回動を阻止するようになっている。
さらに、第6図〜8図(但し、第6図には、図面の煩
雑化を避けるため、アクセルレバー72はその図示を省略
されている)に示すごとく、スロットルレバー73には、
ロッド90を介してアクチュエータ(ブーストモータ)91
が連結されている。ここで、アクチュエータ91は、ケー
シング本体91aとダイアフラム91bとで形成される圧力室
91cをそなえており、この圧力室91c内には、2つのソレ
ノイド弁92,93で調圧された圧力が制御通路94を介して
供給されるようになっている。
また、アクチュエータ91の圧力室91c内には、リター
ンスプリング91dが装填されており、このリターンスプ
リング91dは前述のリターンスプリング76と同様スロッ
トルレバー73とアクセルレバー72とを接続してスロット
ルレバー73をアクセルレバー72に追従させるよう付勢す
るもので、これによりこのリターンスプリング91dと前
述のリターンスプリング76とで、上記の付勢手段を構成
するのである。ここで、リターンスプリング76,91dによ
る付勢力は、リターンスプリング79による付勢力よりも
弱くなるように設定されている。
2つのソレノイド弁92,93は、一方92がバキューム制
御用のソレノイド弁で、他方93がベンチレーション制御
用のソレノイド弁であって、バキューム制御用ソレノイ
ド弁92は、バキュームタンク95(このバキュームタンク
95は省略可)およびチェック弁96を介して、スロットル
弁配設部分より下流側の吸気通路2に接続されており、
ベンチレーション制御用ソレノイド弁93はフィルタ97を
介して大気側に連通している。なお、ベンチレーション
制御用ソレノイド弁93においては、孔98を制御通路94に
つなぎ、孔99を吸気管2のスロットル弁7上流側(大気
側)につなぐようにしてもよい。
各ソレノイド弁92,93には、電子制御ユニット(ECU)
23からデューティ制御のための信号が供給されるように
なっている。そして、バキューム制御用ソレノイド弁92
はデューティ率100%で全開、デューティ率0%で全閉
となり、ベンチレーション制御用ソレノイド弁93はデュ
ーティ率100%で全閉、デューティ率0%で全開とな
る。
したがって、各ソレノイド弁92,93についてデューテ
ィ率100%とすると、アクチュエータ91の圧力室91c内が
吸気マニホールド圧となり、各ソレノイド弁92,93につ
いてデューティを小さくしていくと、圧力室91c内の圧
力が大きくなっていき、各ソレノイド弁92,93について
デューティ率を0%にすると、圧力室91c内の圧力は大
気圧になる。これにより、ソレノイド弁92,93について
デューティ率100%とすると、ロッド90はリターンスプ
リング91d,76の付勢力に抗して矢印a方向に駆動され、
その結果、スロットルレバー73を矢印B方向に回動させ
アクセルレバー72から切り離した状態でスロットル弁7
を閉側へ回転駆動させることができる。一方、ソレノイ
ド弁92,93についてデューティを小さくしていくと、ロ
ッド90はリターンスプリング91d,76によって徐々に矢印
b方向に駆動されていくようになっている。これによ
り、このアクチュエータ91は、スロットルレバー73をア
クセルレバー72から切り離した状態で、即ちアクセルペ
ダル100で設定されるスロットル弁開度よりも小さいス
ロットル弁開度範囲でスロットル弁7を回転駆動するこ
とによりエンジンEの出力を制御するアクチュエータを
構成する。
なお、ソレノイド弁92,93についてデューティ率を0
%にすると、スロットルレバー73はその係合アーム部73
aがリターンスプリング91d,76によってアクセルレバー7
2のストッパ部72aに当接してスロットルレバー73がアク
セルレバー72に追従するようになる。
したがって、アクセルペダル100によってエンジン出
力を制御するには、まず、ソレノイド弁92,93について
デューティ率を0%にした状態(アクチュエータ91の圧
力室91c内を大気圧状態にした状態)で、アクセルペダ
ル100を操作する。これにより、アクセルペダル100を踏
み込むと、アクセル索101が矢印C方向にひっぱられ、
アクセルペダル100に連動してアクセルレバー72が矢印
A方向に駆動され、更にはこれに連動してリターンスプ
リング76,91cによってアクセルレバー72に追従している
スロットルレバー73も矢印A方向に駆動されて、スロッ
トル弁7が開く。逆に、アクセルペダル100から足を離
すと、リターンスプリング79によってアクセル索101が
矢印C方向とは逆の方向にひっぱられ、これによりアク
セルペダル100に連動してアクセルレバー72が矢印B方
向に駆動され、更にはこれに連動してスロットルレバー
73も矢印B方向に駆動されて、スロットル弁7が閉じ
る。その結果スロットル弁7がアクセルペダル100の操
作量に応じた量だけ回転駆動されることにより、エンジ
ン出力もアクセルペダル100の操作量に応じて制御され
る。
一方、アクセルペダル100の操作量とは別にアクチュ
エータ91によってエンジン出力を制御するには、ソレノ
イド弁92,93についてスリップ量に応じたデューティ率
にすることにより、アクチュエータ91を駆動させればよ
い。これにより、スロットルレバー73がアクセルレバー
72から切り離された状態で、即ちアクセルペダル100で
設定されるスロットル弁開度よりも小さいスロットル弁
開度範囲でスロットル弁7が回転駆動される。その結
果、エンジン出力もアクチュエータ91のロッド駆動量に
応じて制御される。そして、この場合は、アクセルペダ
ル100で設定される場合に比べエンジン出力をトルクダ
ウン状態にできる。
なお、アクチュエータ91によるスロットル弁閉方向駆
動は、スロットル弁が全閉位置以下とならないように制
御されている。すなわち、スロットルセンサ14で検出さ
れたスロットル弁開度を常に検出しておき、スロットル
弁開度が全閉位置以下にならないよう、各ソレノイド弁
92,93へのデューティ率を制御するのである。
また、バキューム制御用ソレノイド弁92はデューティ
率0%で全閉、ベンチレーション制御用ソレノイド弁93
はデューティ率0%と全開となるので、ソレノイド弁9
2,93が故障して作動しなくなった場合は、バキューム制
御用ソレノイド弁92は全閉、ベンチレーション制御用ソ
レノイド弁93は全開となるため、この状態では、スロッ
トルレバー73がアクセルレバー72に当接して追従する状
態となる。これにより、フェールセーフ機能が付与され
ていることとなる。
なお、ロッド90のスロットルレバー73への取付部はス
ロットルレバー73の回動を許容すべく枢着されている。
このような構成により、スロットル弁7の開度に応じ
エアクリーナ6を通じて吸入された空気が吸気マニホル
ド部分でインジェクタ8からの燃料と適宜の空燃比とな
るように混合され、燃焼室1内で点火プラグ1aで点火さ
せることにより、燃焼せしめられて、エンジントルクを
発生させる。
上記のように、このエンジンシステムにおいては、ア
クセル開度に応じてエンジン出力を決定する通常の制御
のほかに、アクセル開度にかかわりなくエンジン出力を
低減制御するトラクションコントロールなどがなされ
る。例えばトラクションコントロールであれば、車両の
前後車輪にスリップが生じると、このスリップ量に応じ
てスロットル弁7の開度が制御されるのである。しか
し、前述の如く、スロットル弁7の開度制御に対しエン
ジン出力トルクの変化には遅れがある。そのため、本発
明では、エンジン出力低減指令を受けた場合、トラクシ
ョンコントロール開度と同時にエンジンの点火時期を一
定量遅角(リタード)させるようにしたのである。この
リタード量は例えば15゜C.A(クランク角)とされる
が、運転ゾーン等により変更してもよい。第4図におい
て、Sが正規の点火時期であり、その位置に対するリタ
ード量をΔSaで示してある。
トラクションコントロール中に目標の出力が変化した
場合には、このリタードさせた位置S′を基準に進角あ
るいは遅角制御を行う。ただし、進角側は、正規の点火
時期を規制され、遅角側は、点火時期の遅角限度により
規制される。
トラクションコントロール中のスロットル制御、点火
時期制御の概略を第2図に示す。なお、スリップが生じ
ているか否か及びスリップ量は、第9図に示すように、
前輪(駆動輪)FWに設けられている前車輪速センサ20
A、後輪(従動輪)RWに設けらている後車輪速センサ20B
の検出信号から判断され、あるいは求められる。スリッ
プ量は|前輪速−後輪速|から算出され、スリップの有
無の判定は、|前輪速−後輪速|≧αであればスリップ
が生じたとし、そうでなければスリップは生じていない
ものとすることにより行う。
先ず、スリップ量などを基に目標駆動トルクT0が求め
られ、この目標(駆動)トルクT0とエンジンEの回転数
Neとから演算によりあるいはマップ51から目標スロット
ル開度が求められ、このスロットル開度となるようにス
ロットル弁7がアクチュエータ91により回転制御され
る。アクチュエータ91の制御は前述の如く、ソレノイド
弁92,93のデューティ率を制御することによりなされ
る。
一方、吸入空気の体積効率Evとエンジン回転数Neより
実際の駆動トルク(実トルク)Trが演算によりあるいは
マップ52により求められ、目標トルクT0と実トルクTr
からトルク偏差ΔTが求められる。また、体積効率Ev
エンジン回転数Neとによりマップ53からクランクシャフ
トの角度1゜当りのトルク低減量ΔT′(ΔT/1゜C.A)
が求められ、これと先のトルク偏差ΔTとから点火時期
制御量が求められ、この制御量に基づき点火制御系のパ
ワトランジスタが制御される。
なお、マップ51,52は正規の点火時期から所定角度リ
タードした状態で設定する。
次に、より具体的な制御態様を第1図のフローチャー
トに基づき説明する。
先ず、ステップ(1)において初期設定をする。つま
り、フラグS2を0にすると共に、バキューム制御用ソレ
ノイド弁92及びベンチレーション制御用ソレノイド弁93
のデューティ率DVA及びDVEを0にする。
次に、ステップ(2)で、前後の車輪速,吸入空気
量,エンジン回転数,冷却水温,スロットル開度,アク
セル開度等の各種入力情報を読み取る。
次に、ステップ(3)で、制御中を示すフラグS2が立
っているかどうか判断する。
初期設定をして当該制御が始まった時点では制御中で
はないので、ステップ(9)へ行き、ここでスリップが
発生しているかどうかが判断される。
スリップが発生していると判断されると、ステップ
(10)において、前述した如くスリップ量等から求めら
れた目標トルクT0及びエンジン回転数Neから演算により
あるいはマップ51により目標スロットル開度θonが設定
される。
次に、ステップ(11)においては、スロットル弁7の
実バルブ開度θと目標スロットル開度θonとの差が不
感帯θ内にあるかどうかが判断される。
不感帯θを越えててかつステップ(12)で実バルブ
θの方が目標スロットル開度θonより大きいと判断さ
れれば、ステップ(13)において、スロットル弁7を閉
側に駆動させるべく、スリップ量に応じたバキューム制
御用のデューティ率DVAの値βが求められる。一方、ベ
ンチレーション制御用のデューティ率DVEは100%に設定
される。つまり、ベンチレーション制御用ソレノイド弁
93は全閉とされるのである。その結果、アクチュエータ
91の圧力室91c内は負圧状態となり、ロッド90が矢印a
方向に駆動され、これによりスロットルレバー73が、矢
印B方向に回動せしめられて、アクセルレバー72から離
れ、アクセルペダル100で設定されているスロットル開
度よりも小さいスロットル開度が設定される。ここで、
第5図に示すように、スリップ量が大きいほど、デュー
ティが大きくなるように設定されているので、スリップ
量が大きいほど、アクチュエータ91に作用する負圧の絶
対値が大きくなるため、このアクチュエータ91によって
設定されるスロットル開度は、スリップ量が大きいほ
ど、小さく設定される。従って、スリップ量が大きいほ
ど、エンジン出力を抑制できる。
前記ステップ(11)で実バルブ開度θと目標スロッ
トル開度θonとの差が不感帯θの範囲内であることが
判定された場合には、ステップ(15)でバキューム制御
用、ベンチレーション制御用のデューティ率DVA,DVE
共に0%とし、つまりスロットル弁7の開閉制御は行な
わず、リターンする。
前記ステップ(12)で、目標スロットル開度θonの方
が実バルブ開度θより大きい場合には、ステップ(1
6)において、スロットル弁7を開側に駆動させるべ
く、スリップ量に応じたベンチレーション制御用のデュ
ーティ率γが求められる。バキューム制御用のデューテ
ィ率DVAは0%に設定される。
ステップ(13)あるいは(16)が終了すると、ステッ
プ(14)においてフラグS2が1とされ、リターンされ
る。したがって、次回の制御においては、ステップ
(3)で制御中であることが判断される。
ステップ(3)で制御中であることが判断されると、
ステップ(4)において点火時期を正規の点火時期から
一定量ΔSa(例えば15゜C.A)リタードさせる。
次に、ステップ(5)において、演算あるいはマップ
52から実トルクTrが求められる。
ステップ(6)において、スリップ量から求められた
目標トルクT0と実トルクTrとの偏差ΔTが算出される。
ステップ(7)においては、トルク偏差ΔTと1゜C.
Aあたりのトルク低減量ΔT′とから点火時期制御量ΔS
a′が求められる。これは、一定量リタードさせた点火
時期を基準にしたさらに遅角あるいは進角させる量であ
る。ΔSa′は、ΔT>0のときΔSa′<0となり、ΔT
<0のときΔSa′>0となる。
したがって、ステップ(8)において、点火時期を正
規の点火時期に対してどれくらいリタードさせるかが求
められる。このリタード量(ΔSa+ΔSa′)に基づき点
火制御系パワトランジスタが制御され、点火時期が遅ら
される。
ステップ(4)〜(8)は、第3図における位置
(トラクションコントロール開始点)及び位置の変化
に対応する。つまり、目標トルクT0を下げるように制御
信号が出されると、点火時期が一定量ΔSa(15゜C.A)
リタードされ、かつ目標トルクT0を達成できるようにさ
らに点火時期がΔSa′リタードされてエンジン出力の低
下が図られるのである。したがって、吸入空気量変化の
応答遅れにもかかわらずエンジン出力低下の応答性は読
くなるのである。
また、トラクションコントロール中にスリップがなく
なり、エンジン出力を増加させるよう目標トルクが設定
された場合には、スロットル弁7の開動作に対する吸入
空気量の増加を遅れ(第3図中c部)を点火時期を早め
ることにより補うのである。つまり、ステップ(7)に
おけるΔSa′は負の値、即ち進角量となり、正規の点火
時期よりΔSaリタードした位置を基準として点火時期が
ΔSa′進角され、エンジン出力の増加が図られるのであ
る。第3図(b)中、d部が点火時期を早めたことを示
している。なお、第3図において、eがトラクションコ
ントロール終了点である。
以後のステップ(9)〜(16)は前回と同様になされ
る。
前記ステップ(9)において、スリップ有と判断され
なかった場合には、ステップ(17)において再度フラグ
S2が1かどうか、つまり制御中かどうかが判断される。
制御中であれば、ステップ(18)で、目標スロットル
開度θonが(アクセル開度θ−不感帯θ′)より大
きくなっているかどうか判断する。
目標スロットル開度θonが(アクセル開度θ−不感
帯θ′)より大きくなっていれば、トラクションコン
トロールをする必要がないので、ステップ(19)におい
てフラグS2を0とし、ステップ(20)でバキューム制御
用のデューティ率DVA,ベンチレーション制御用のデュー
ティ率DVEを共に0%としてリターンする。
ステップ(18)で目標スロットル開度θonが(アクセ
ル開度θ−不感帯θ′)より小さいと判断された場
合には、ステップ(21)で前回の目標スロットル開度θ
on-1に所定量Δθずつ加えて今回のスロットル開度θon
とする。つまり、スロットル弁7を徐々に開いて加速す
るのである。
以後、ステップ(11)へ移行し、前述と同様のステッ
プ(11)〜(16)を行う。
上記実施例はトラクションコントロールにおけるエン
ジン出力の制御であるが、その他の場合例えば車両の旋
回時横すべりを生じることなく車両を制御する場合にも
適用可能である。
また、本発明は出力制御を吸気量の制御によって行う
エンジンシステム全般に適用可能であり、したがって吸
気系にメインスロットル弁とサブスロットル弁とを有す
るものにも使用し得る。
<発明の効果> 本発明に係る車両のエンジン出力制御方法によれば、
スロットル弁開度の制御を開始した時点で所定量遅角さ
れた点火時期を基準にして、目標トルクとエンジンの実
際の出力トルクとの偏差に基づく量だけ点火時期を進角
あるいは遅角制御するようにしているので、スロットル
弁開度の制御によりエンジンの出力トルクを目標トルク
に近付ける際の過不足分だけ点火時期を制御することに
より、所定の運転状態を得るために必要なエンジン出力
トルクを精度良く得ることができる。又、スロットル弁
開度についても、エンジンの出力トルクが目標トルクに
近付くように制御を行うため、より精度の高い制御を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のフローチャート、第2図は
一実施例の制御系統図、第3図は目標トルク変化に対応
する点火時期等の変化を示す線図、第4図は点火時期と
出力との関係を示すグラフ、第5図はデューティ率の特
性図、第6図は本発明の一実施例を適用したエンジンシ
ステムの全体構成図、第7図,第8図はスロットル弁作
動機構の概略図と詳細図、第9図は車輪速検出の説明図
である。 図面中、 Eはエンジン、 1は燃焼室、 1aは点火プラグ、 2は吸気通路、 7はスロットル弁、 91はアクチュエータ、 92はバキューム制御用ソレノイド弁、 93はベンチレーション制御用ソレノイド弁である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 秀紀 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−67257(JP,A) 特開 平1−125567(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の運転状況に応じて、アクセル開度に
    関係なくスロットル弁開度を制御してエンジン出力を制
    御する車両のエンジン出力制御方法において、前記車両
    を所定の運転状態とするための目標トルクを前記運転状
    況に応じて設定し、前記エンジン出力が前記目標トルク
    に近付くように前記スロットル弁開度を制御すると共
    に、同スロットル弁開度の制御開始と同時にエンジンの
    点火時期を所定量遅角させ、エンジン出力制御中には前
    記遅角位置を基準にして前記目標トルクと前記エンジン
    の実際の出力トルクとの偏差に基づく量だけ前記点火時
    期を進角あるいは遅角制御するようにしたことを特徴と
    する車両のエンジン出力制御方法。
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