JP2535367B2 - プラスチックス製レンズ - Google Patents

プラスチックス製レンズ

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JP2535367B2 JP63010948A JP1094888A JP2535367B2 JP 2535367 B2 JP2535367 B2 JP 2535367B2 JP 63010948 A JP63010948 A JP 63010948A JP 1094888 A JP1094888 A JP 1094888A JP 2535367 B2 JP2535367 B2 JP 2535367B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は特定のポリエステルからなる高屈折率で高ア
ッベ数を有するプラスチックス製レンズに関し、詳しく
はCa化合物,Ge化合物を触媒として用いたポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレーシからなる前記特
徴を有するプラスチックス製レンズに関するものであ
る。
[従来技術] 従来から眼鏡や顕微鏡用のレンズには無機ガラス(ク
ラウンガラス,フリントガラス等)レンズが使用されて
きたが、軽量化,易染色製,ファッション性,安全性等
の面から、有機ポリマーを用いたプラスチックス製レン
ズも最近普及してきている。現在レンズに使用されるプ
ラスチック材料の主流はCR−39(ジエチレングリコール
ビスアリールカーボネートモノマーの重合体)であり、
比重が無機ガラスに較べて小さいため、軽量化に成功し
今日多量に使用されている。しかしながらこのCR−39
は、屈折率が1.5程度であるために無機ガラスと同等の
機能を発現させるには相当なレンズの厚みが必要とな
る。
従って、軽くて、薄くて、無機ガラスと同等の機能を
有するレンズを提供するために高屈折率を有する有機ポ
リマーの開発が要求され、この課題に対応して、例えば
特開昭50−98341,特開昭57−28118,特開昭57−85002,特
公昭58−14449,特公昭62−50488等に示される技術開発
がなされてきた。
一方、この軽量化・薄型化のためにレンズに必要とさ
れる高屈折率と並んでアッベ数もレンズ用材料には重要
な要素である。すなわちアッベ数が大きい程分散(屈折
率の波長依存性)が小さいことから色収差(光の波長に
よってレンズによりまげられた光が別の点に集まる現
象)も小さくなり、レンズとして良質なものとなる。
しかしながら、無機ガラスにおいても有機ポリマーに
おいても、屈折率が高い素材においてはアッベ数が小さ
く、逆にアッベ数の高い素材においては屈折率が低い傾
向がある。言い換えると、高屈折率で高アッベ数を備え
たプラスチックス製レンズとして有用な有機ポリマーは
殆どその例を見ない。
また従来公知の有機ポリマーをプラスチックス製レン
ズとして成形する場合には、これら有機ポリマーの多く
が熱硬化性であるために、成形型あるいは注型を用いて
重合させながら成形する、いわばバッチ式の成形方法で
作成され、流動性,成形性,耐熱性等多くの性質を満足
する必要のある射出成形機を利用した連続成形で生産さ
れるものも殆どない。
そこで、本発明者は、高屈折率と高アッベ数を兼備し
た有機ポリマーを精力的に捜したところ、熱可塑性樹脂
であってレンズ等の光学部材に熔融成形可能なものとし
てポリスチレン及びポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレートを見い出した。前者のポリマーは、し
かしながら、安定な熔融成形が得難く、可塑剤や熱安定
性を併用すると、成形品の屈折率の低下をもたらす等の
問題があるため実用化は困難であると判断された。これ
に対し、後者のポリエステルは屈折率が1.6を超え、ま
たアッベ数もポリマーの製造条件及び成形条件によって
25程度にまで到達できる可能性を見い出した。もっと
も、通常知られている製造条件では、色相の良好なもの
(実質的に無色なものの意)、透明度の高いもの、成形
歪のないもの等が得られず、また熱安定性が不足すると
成形によって黄褐色系に変色する等の問題が潜在してい
ることが判明した。
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
は公知のポリマーであるが、これを光学レンズ等に供す
るには、上述の物性を備えるような製造条件が確立され
ねばならない。例えば、ポリエステル類の製造条件とし
て通常実施されている直接エステル化法とは、鋭意検討
したものの高透明度の成形品が得られなかった。そこ
で、エステル交換法と重縮合法とを組合せてポリマーを
得る方法に依ったのであるが、この場合にも、ポリエス
テルの代表的な重合触媒であるアンチモン化合物はポリ
マーに対する溶解性が乏しいため透明性が不足すること
が判った。またチタン系化合物を触媒として使用すると
ポリマーに着色が生じ光学器材に適さないことも判明し
ている。ポリエステルのエステル交換反応や重縮合反応
に用いる触媒は極めて多数知られているものの、光学レ
ンズに適する高い透明性,無色性に加えて、アッベ数を
高めるものは全く知られていない。そして、ある種の触
媒を用いて得られたポリマーは成形時に歪が生じるなど
の問題もあることが判った。
[発明の目的] 本発明は、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートから高屈折率で高アッベ数を有し、色相(無
色性)、透明性の良好な成形歪の少ないプラスチックス
製レンズを提供することを目的とする。
[発明の構成] 上記の技術上の課題は、次の要件を満足するとき達成
される。
即ち、カルシウム(Ca)化合物の存在下でエステル交
換反応を施し、次いでゲルマニウム(Ge)化合物の存在
下、重縮合反応を行なうことにより得られ、固有粘度
[η]が少なくとも0.3でありかつ溶液ヘーズが10%以
下であるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートからなり、成形後の屈折率(n)が1.64以上,ア
ッベ数(ν)が25以上でかつ色彩色差計で測定したcol
b値が3.0以下であることを特徴とするプラスチックス製
レンズである。
本発明の素材として用いるポリマーは、「ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート」である。該
ポリマーは、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の低級ア
ルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換
反応し、縮重合することによって得られる。ここに、
「低級アルキル」とは炭素数1〜4のアルキル基をい
う。
該ポリマーを製造するにあたり、エステル交換触媒と
して用いる「カルシウム化合物」としては、有機酸塩、
炭酸塩等が挙げられる。具体的には酢酸カルシウム,安
息香酸カルシウム,炭酸カルシウム等が例示される。こ
れらのうち、酢酸カルシウムが特に好ましい。カルシウ
ム化合物の使用量は通常ポリエステルを構成する酸成分
に対して50〜150mmol(ミリモル)%である。
ここで必要に応じて整色剤としての酢酸コバルトを0
〜10mmol%添加しても良い。
エステル交換触媒としてマグネシウム化合物,マンガ
ン化合物を用いた場合、透明性は良好であるが、色相
(無色性)はカルシウムより若干劣り、成形時の溶融安
定性は悪い。また亜鉛化合物は色相が悪いうえ、透明
性,溶融熱安定性が劣る。更にリチウム化合物は、熱安
定性が比較的良好であるが、透明性,色相が悪くなる。
本発明において重合触媒として用いる「ゲルマニウム
化合物」としては、酸化物,有機酸塩,アルキル又はア
リール化合物が挙げられ、具体的には酸化ゲルマニウ
ム,四酢酸ゲルマニウム,蓚酸ゲルマニウム,酒石酸ゲ
ルマニウム,テトラフェニルゲルマニウム等が例示され
る。これらのうち特に二酸化ゲルマニウムが好ましい。
Ge化合物の使用量は通常ポリエステルを構成する酸成分
に対して10〜100mmol%である。Ti化合やSb化合物を使
用した場合には、ポリマー及び成形品の色相が悪く、し
かも成形品に歪が生じやすい。
しかし、Ca−Ge系の場合には、理由は明らかでない
が、驚くべきことに成形歪は生ぜず、光学レンズに適す
ることがわかった。更にこのレンズは高屈折率且つ高ア
ッベ数であり、光学レンズとして好適なものである。
更に、Ca−Ge系で得たポリマーは高度に透明であり、
溶液ヘーズが10%以下となる。この溶液ヘーズは積分球
式濁度計によって測定される。通常の透明なポリエステ
ルは溶液ヘーズが20%前後であるが、光学レンズに供す
る場合には10%以下であることが好ましい。高透明度の
レンズ材料の要求は自明なことであるが、高屈折率と高
アッベ数とを同時に満足しなけばならない点で、厳しい
制約がある。このCa−Ge系触媒の適宜な使用条件によっ
て、8〜10%の溶液ヘーズを備えたポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレートが得られる。
また、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの
重合度の目安である固有粘度は、0.3以上であることが
必要である。0.3未満であると成形品がもろくなる。固
有粘度が高すぎると溶融粘度が高くなり、成形困難とな
って、Ca−Ge系でも成形歪が残る。好ましい[η]範囲
は0.35〜0.70更に好ましくは0.40〜0.65である。
[発明の効果] 本発明のプラスチックス製レンズは、高屈折率であ
り、しかもアッベ数もある程度の高い値を有し、無色性
(色相)、透明性が良好で成形歪が少なく、射出成形機
による連続成形も可能な優れた特徴を有し、薄型、軽量
品の作成が可能である。
[実施例] 以下実施例によって本発明を具体的に説明する。なお
実施例において部とは重量部を表わす。又、各物性値は
下記の試験法により測定した。
(1) 屈折率 アッベ屈折計((株)アタゴ社製Type 1T)を用いて2
0℃における屈折率を測定した。中間液にはイオウヨウ
化メチレン溶液を使用した。
(2) アッベ数 屈折率同様アッベ屈折計を用いて屈折率の測定と同時
に分散値(NF−Nc)を求め、ν=(ND−1)/(NF
−NC)の式より計算した。
(3) ポリマーの固有粘度[η] 1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノールの2:3混合
溶液中35℃で測定した溶液粘度より算出した値 (4) Col b (株)ミノルタ製色彩色差計CR−100を用い、成形レ
ンズをCR−100付属の標準白色板上に重ねて測定した値 (5) ポリマーヘーズ 20%o−クロロフェノール溶液を20℃で積分球式濁度
計を用いて測定 (6) 成形歪 可視光源上に厚さ1mmの偏光フイルムを固定しさらに
その上に成形したレンズを固定し、もう1枚の偏光フイ
ルムを回転させ、レンズ歪による環状あるいは縞状の発
光現象の有無を観察する。
実施例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル33.5部とエチ
レングリコール17.0部を原料とし酢酸カルシウム0.02部
(82.7mmol%)を触媒として使用し、エステル交換反応
後引き続いて酸化ゲルマニウム0.01部(69.6mmol%)を
重合触媒として、重縮合反応を実施し、重縮合反応によ
って得られた化有粘度[η]=0.60のポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートポリマーを用いて、
小型射出成形機及び縦(20mm)×横(10mm)×厚み(3m
m)の測定サンプル作成用金型を用いて作成したサンプ
ルの屈折率とアッベ数を測定した。この時の屈折率は1.
65,アッベ数は26.0であった。
さらにこのポリマーを直径60mmの虫メガネ用凸レンズ
金型を用いてメガネレンズ作成時の射出成形性を検討し
たが、成形性に特に問題がなく、無色透明レンズを得る
ことができた。
実施例2,3及び比較例1〜6 実施例1における酢酸カルシウム及び二酸化ゲルマニ
ウムの代わりに各種化合物を用いて作成したポリマー及
び固有粘度を変更したポリマーの物性及び成形品の物性
を表−1に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に無色であり、高度に透明であり、
    成形歪が実質的になく、屈折率が1.64以上,アッベ数が
    25.0以上であるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカル
    ボキシレートよりなるプラスチックス製レンズ。
  2. 【請求項2】カルシウム化合物の存在下でエステル交換
    反応を行ない、次いでゲルマニウム化合物の存在下で重
    縮合反応を行って得られた固有粘度が0.3乃至0.7の範囲
    にあり、色彩色差計によるcol b値が3.0以下であり、
    しかも溶液ヘーズが10%以下のポリエチレン−2,6−ナ
    フタレンジカルボキシレートよりなる請求項1記載のプ
    ラスチックス製レンズ。
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