JP2535321Z - - Google Patents
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Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、基材の全面に弱粘着剤層を形成したシークレットはがき用などとし
て使用するメールフォーム、さらに詳しくいえば、密着面の周縁部や折返部を強
粘着剤層で補強したメールフォームに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、金融機関や官庁からの通知等で親展性のあるものには、封書が使用され
ていた。このような封筒には、メールフォーム自体を折りたたんで、周囲を封緘
し封筒にして送る3つ折りメールフォームが現在主流となっている。 この3つ折りメールフォームは、預金残高や借入金額などの秘密情報を印字し
て、そのまま封筒の形態にしてしまうために、封入封緘作業が不要であるうえ、
送付先と秘密情報のマッチングが確実に図れる。また、送付先と秘密情報が同一
面に印字できるので、ノンインパクトプリンタ(NIP)等の高速プリンタで一度
に印字でき、効率的な処理ができる。 しかし、3つ折りメールフォームは、周縁部のみ感圧接着剤でシールするため 、郵便法での扱いは「封筒」であり、「はがき」に比べて郵便料金が高い。 一方、年金の支払い通知や税金の未払い金の督促状等は、はがきで通知される
場合が多く、プライバシーを守れないという苦情が多かった。 このため、メールフォームを2つ折りまたは3つ折りにし、はがきの大きさに
して、その内側に秘密情報を記入し、そのメールフォームを熱により密着させて
はがきとして郵送し、受取人はそのメールフォーム間を剥離して開くことにより
、秘密情報を読むことができるシークレットはがきが認可され、一部実施されて
いる。 第10図,第11図は、シークレットはがきの従来例を示した図である。 シークレットはがき3は、メール用紙31,32が連設されており、中央部で2つ
折りした形態であり、メール用紙31の外側に宛名情報33を印字し、メール用紙31
,32の内側に秘密情報34を記入したものである。このメール用紙31,32の内側は、
積層粘着シート35により、全面密着させてある。 この状態では、はがき料金で郵送でき、秘密情報34は第三者に読まれることは
ない。受取人は、積層粘着シート35の剥離部35cから剥離すれば、秘密情報34を
毀損することなく、開封でき秘密情報34を読むことができる。 シークレットはがき4は、メール用紙41,42,43が連設され、3つ折りされる形
態であり、メール用紙41の外側に宛名情報44を印字し、メール用紙42の内側とそ
れと対向するメール用紙43の面に秘密情報45を印字するので、1度の印字で宛名
情報44と秘密情報45を印字できる。メール用紙壮42間は完全接着させ、メール用
紙42,43間は前述した積層粘着シートで再剥離可能に全面密着させる。 〔考案が解決しようとする課題〕 しかし、前者のシークレットはがき3は、2つ折りするメールフォームの外側
に宛名情報を印字し、内側に秘密情報を印字しなければならない。このため、2
度印字しなければないので、処理速度が約半分に低下するとともに、宛名情報と
秘密情報がミスマッチして、秘密情報が他の宛名に送られる可能性がある。 また、後者のシークレットはがき4は、3つ折りするために、メール用紙や積
層粘着シート,粘着剤等がはがき1枚分だけ余分に必要となるという問題があっ
た。 前記いずれの場合でも、NIPにて印字後に積層粘着シートを挟み込んで熱によ
り全面接着させるため、その作業に手間がかかるうえ、前述した現在主流となっ
ている封筒用の3つ折りメールフォームと異なる処理機や処理工程が含まれるの
で、設備の大幅な変更が必要となってしまう。 本考案の目的は、封筒用の3つ折りメールフォームの処理機や処理工程はその
ままで使用でき、製造コストを下げ、処理速度を大幅に向上できるメールフォー
ムを提供することである。 〔課題を解決するための手段〕 前記課題を解決するために、請求項1の考案は、基材の密着予定面のほぼ全面
に加圧により粘着する1層の弱粘着剤層を形成し、前記弱粘着剤層の表面に印字
層を形成し、前記基材を折り返しまたは積層して、対向する面の前記弱粘着剤層
同士を密着して前記印字層を隠ぺいしたのちに、前記弱粘着剤層間から剥離する
メールフォームであって、前記基材ど前記弱粘着剤層との間の粘着力をα、前記
弱粘着剤層同士の粘着力をβ、前記弱粘着剤層と前記印字層の裏面との粘着力を
γ、前記弱粘着剤層と前記印字層の表面との粘着力をδとした場合に、粘着力α
>粘着力β,粘着力γ>粘着力δの関係となるように、前記弱粘着剤層の粘着強
度を設定し、 前記基材または前記弱粘着剤層上であって前記基材を折り返しまたは積層したと
きの周縁部または折返部に、連続してまたは不連続に、加圧により粘着する強粘
着剤層を形成した ことを特徴とする。 〔実施例〕 以下、図面等を参照して、実施例につき、本考案を詳細に説明する。 第1図は、本考案によるメールフォームの第1の実施例を示した図、第2図は
、第1図のA−A線断面図、第3図は、同実施例フォームを折り返して密着させ
た状態を示した図、第4図は、同実施例フォームを剥離した図である。 メールフォーム1は、第1図に示すように、通常はがき(定形はがき)の3倍
の大きさの用紙であり、2点鎖線で示した折曲予定線p,qから3つ折りして使用
され、左欄を宛名情報等を記入する公開情報記入領域Xとし、中欄と右欄を秘密 情報等を記入する秘密情報記入領域Yとしてあり、裏面は記入領域としては使用
しない。 第2図は、メールフォーム1を第1図のA−A線で破断して示したものであり
、基材11の両側の密着予定面に弱粘着剤層12が形成されている。また、このメー
ルフォーム1を折り返して密着させたときの周縁部に、補強のための強粘着剤層
13A〜13Dが形成されている。 第3A図は、メールフォーム1を印字して印字層14を形成した後に、折り曲げて
シールした状態を示したものである。 第3B図は、第3A図のB部の拡大図であり、基材11と弱粘着剤層12との間の粘着
力をα、弱粘着剤層12同士の粘着力をβ、弱粘着剤層12と印字層14の裏面との粘
着力をγ、弱粘着剤層12と印字層14の表面との粘着力をδとした場合に、粘着力
α>粘着力β,粘着力γ>粘着力δの関係にしてある。 第3C図は、第3A図のC部の拡大図であり、基材11と強粘着剤層13との間の粘着
力をα1,強粘着剤層13A,13B同士の粘着力をβ1とした場合に、粘着力β1>粘着
力α1の関係にしてある。 つぎに、具体的な層構造について、さらに詳しく説明する。 基材11は、通常は、白色の上質紙が用いられるか、コロナ処理やマット処理な
どにより表面をザラザラにしておけば、PET,PE,PP,塩化ビニル等の合成樹脂フィ
ルム等を使用することもできる。 弱粘着剤層12は、樹脂分としてSBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、揮発分
として水、顔料分としてマイクロシリカなどを主成分とする粘着剤を使用するこ
とができる。 なお、弱粘着剤同士の密着性を向上させるために、微量のNR(天然ゴム)や、PM
MA(ポリメチルメタクリレート)などを添加してもよい。また、樹脂分よりも紫
外線の吸収がよいアンモニアなどのアルカリ成分を添加して、紫外線による劣化
を防止することができる。さらに、微量の酢酸ビニルを加えてもよい。 印字適性を向上させるための添加物は、マイクロシリカの他に、各種のディス
パージョンや非金属粉等を使用してもよい。 前述した粘着剤の成分の中で、SBRは、普通紙への密着性がよく、粘着剤同士 の自着性はあまりよくない。NRは、密着性はよくないが、自着性がよい。PMMAは
、密着性,自着性ともによい。 したがって、粘着力αを強固なものにするために、粘着剤同士の自着性がほと
んどなく、代わりに密着性のよいSBRを主成分としたものを使用するわけである
。しかし、このままでは、前述の式のうちで「粘着力α>粘着力β」の関係式は
満たすものの、粘着力γを高めることができないので、弱粘着剤にマイクロシリ
カを添加して、表面を若干ザラザラにして、NIPによる印字適性を高め、弱粘着
剤層12と印字層14となるトナーの密着力を高めるようにした。 なお、トナーは熱により弱粘着剤層12に定着されるので、シール時に対向する
面から圧力がかかっても、剥離時にそのトナーが対向する面に転移することはな
い。また、トナーによる印字層14が重なるように密着させると、トナー自体にも
弱粘着性が有るものの、その部分の粘着力が弱くなるので、印字のレイアウトに
より、重なり合わないようにすることが望ましい。 この実施例では、弱粘着剤層12の各成分を次のような割合で混合して使用した
。 SBR 20〜25部 水 65〜70部 マイクロシリカ 10部 NR 微量 PMMA 微量 強粘着剤層13は、NRを主成分として、酢酸ビニル,アクリル樹脂(例えば、PM
MA),SBR等を添加して、粘着力を増加させたものである。 この実施例では、強粘着剤層13の各成分を次のような割合で混合して使用した
。 NR 20〜30部 水 60〜70部 マイクロシリカ 10部 酢酸ビニル 微量 PMMA 微量 SBR 微量 弱粘着剤層12や強粘着剤層13を形成するときの粘着剤の塗布方式としては、ス
プレー方式,グラビア方式,ノズル方式、フレキソ方式などが使用できる。 つぎに、このメールフォーム1の使用方法を説明する。 メールフォーム1は、NIPなどのプリンタを用いて、公開情報記入領域Xに住
所,氏名などの宛名その他の公開情報を、秘密情報記入領域Yに金融商品の満期
通知等の秘密情報を、一度に片面印字する。公開情報と秘密情報を片面に一度で
印字できるので、印字速度が速いとともに、両情報をマッチングさせることが容
易かつ確実である。 こののち、メールフォーム1を折曲予定線p,qから折り曲げて、3つ折りにし
て、弱粘着剤層12を全面密着させる。このとき、第3A図のように、強粘着剤層13
Aと強粘着剤層13Bおよび強粘着剤層13Cと強粘着剤層13Dが強く粘着しているので
、郵送途中などで不用意に開封してしまうことはない。 この状態でメールフォーム1を郵送すれば、郵便料金がはがき扱いとなる。受
取人は、第4図に示すように基材11を剥離することにより、秘密情報を毀損する
ことなく開くことができ、その秘密情報を読むことができる。その際、弱粘着剤
部は層間剥離を、強粘着剤部はどちらかの基材と強粘着剤層との間で剥離する。
このとき、強粘着剤層13Cと強粘着剤層13D側が綴じられた冊子状になり、秘密情
報を読みやすいとともに、通知などの整理がしやすい。 第5図は、本考案によるメールフォームの第2の実施例を示した図、第6図は
、第5図のA−A線断面図、第7図は、同実施例フォームを折り返して密着させ
た状態を示した図である。 なお、前述した実施例と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して説
明する。 本実施例には、第1の実施例と同じ弱粘着剤と強粘着剤を使用した。基材11の
全面に弱粘着剤層12を設け、さらに強粘着剤層13E〜13Hを設けた。また開封のた
めのミシン目rを設けた。 強粘着剤層13E〜13Hを第6図のように凸状にすることで、微妙な見当合わせが
不要になり、また、強粘着剤層が厚くなり、シーラで圧力をかける際、相対的に 圧力が高く加えられるためにより強い接着力が得られる。 第8図〜第9図は、本考案によるメールフォームの他の実施例を示した図であ
る。 第8図の実施例は、第1図の場合と略同様であるが、周縁部のみでなく、折返
部にも強粘着剤層15を形成したものである。このようにすれば、折返部が補強さ
れ、シーラで強く加圧しても、折返部から切断される心配はない。 第9図の実施例は、強粘着剤層16,17をスポット状に形成したものである。こ
の場合に、第9B図に示すように、強粘着剤層16の外周に切取ミシン目sを設ける
ことにより、郵送中は強粘着剤層16で強固に封止されるとともに、開封後に切取
ミシン目sから切り取るとパンチ孔として使用でき、適宜のバインダにファイル
することができる。なお、強粘着剤層17のようにスポット状であっても、不用意
な開封を防ぐためには十分である。 以上説明した実施例に限定されず、本考案の範囲内で種々の変形ができる。 強粘着剤層は、帯状,スポット状に限らず、1本またはそれ以上のライン状に
したり、任意の模様状にすることもできる。また、重なり合う部分の両側に設け
てた例で説明したが、片側であってもよい。 メールフォームは、3つ折りに限らず、2つ折りでも4つ折り以上でもよく、
印字面数や印字情報も特に限定されない。折ったときの大きさや重量が郵便法で
定める普通はがきであることが望ましいが、使用形態を考慮して特に限定されな
い。このメールフォームは、情報を印字するときの形態は、連続用紙でも、単票
用紙でもよいし、プリンタもNIPに限らずドットインパクトプリンタなどを使用
してもよい。このメールフォームには、秘密を要しない情報などを適宜印刷して
おくことができる。 〔考案の効果〕 以上詳しく説明したように、本考案によれば、現在広く使用されている封筒用
の3つ折りメールフォームの処理機や処理工程はそのまま使用できる。 また、弱粘着剤層の他に、周縁部等に強粘着剤層を形成したので、確実に密着
することができ、不用意に開封してしまう心配はない。
て使用するメールフォーム、さらに詳しくいえば、密着面の周縁部や折返部を強
粘着剤層で補強したメールフォームに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、金融機関や官庁からの通知等で親展性のあるものには、封書が使用され
ていた。このような封筒には、メールフォーム自体を折りたたんで、周囲を封緘
し封筒にして送る3つ折りメールフォームが現在主流となっている。 この3つ折りメールフォームは、預金残高や借入金額などの秘密情報を印字し
て、そのまま封筒の形態にしてしまうために、封入封緘作業が不要であるうえ、
送付先と秘密情報のマッチングが確実に図れる。また、送付先と秘密情報が同一
面に印字できるので、ノンインパクトプリンタ(NIP)等の高速プリンタで一度
に印字でき、効率的な処理ができる。 しかし、3つ折りメールフォームは、周縁部のみ感圧接着剤でシールするため 、郵便法での扱いは「封筒」であり、「はがき」に比べて郵便料金が高い。 一方、年金の支払い通知や税金の未払い金の督促状等は、はがきで通知される
場合が多く、プライバシーを守れないという苦情が多かった。 このため、メールフォームを2つ折りまたは3つ折りにし、はがきの大きさに
して、その内側に秘密情報を記入し、そのメールフォームを熱により密着させて
はがきとして郵送し、受取人はそのメールフォーム間を剥離して開くことにより
、秘密情報を読むことができるシークレットはがきが認可され、一部実施されて
いる。 第10図,第11図は、シークレットはがきの従来例を示した図である。 シークレットはがき3は、メール用紙31,32が連設されており、中央部で2つ
折りした形態であり、メール用紙31の外側に宛名情報33を印字し、メール用紙31
,32の内側に秘密情報34を記入したものである。このメール用紙31,32の内側は、
積層粘着シート35により、全面密着させてある。 この状態では、はがき料金で郵送でき、秘密情報34は第三者に読まれることは
ない。受取人は、積層粘着シート35の剥離部35cから剥離すれば、秘密情報34を
毀損することなく、開封でき秘密情報34を読むことができる。 シークレットはがき4は、メール用紙41,42,43が連設され、3つ折りされる形
態であり、メール用紙41の外側に宛名情報44を印字し、メール用紙42の内側とそ
れと対向するメール用紙43の面に秘密情報45を印字するので、1度の印字で宛名
情報44と秘密情報45を印字できる。メール用紙壮42間は完全接着させ、メール用
紙42,43間は前述した積層粘着シートで再剥離可能に全面密着させる。 〔考案が解決しようとする課題〕 しかし、前者のシークレットはがき3は、2つ折りするメールフォームの外側
に宛名情報を印字し、内側に秘密情報を印字しなければならない。このため、2
度印字しなければないので、処理速度が約半分に低下するとともに、宛名情報と
秘密情報がミスマッチして、秘密情報が他の宛名に送られる可能性がある。 また、後者のシークレットはがき4は、3つ折りするために、メール用紙や積
層粘着シート,粘着剤等がはがき1枚分だけ余分に必要となるという問題があっ
た。 前記いずれの場合でも、NIPにて印字後に積層粘着シートを挟み込んで熱によ
り全面接着させるため、その作業に手間がかかるうえ、前述した現在主流となっ
ている封筒用の3つ折りメールフォームと異なる処理機や処理工程が含まれるの
で、設備の大幅な変更が必要となってしまう。 本考案の目的は、封筒用の3つ折りメールフォームの処理機や処理工程はその
ままで使用でき、製造コストを下げ、処理速度を大幅に向上できるメールフォー
ムを提供することである。 〔課題を解決するための手段〕 前記課題を解決するために、請求項1の考案は、基材の密着予定面のほぼ全面
に加圧により粘着する1層の弱粘着剤層を形成し、前記弱粘着剤層の表面に印字
層を形成し、前記基材を折り返しまたは積層して、対向する面の前記弱粘着剤層
同士を密着して前記印字層を隠ぺいしたのちに、前記弱粘着剤層間から剥離する
メールフォームであって、前記基材ど前記弱粘着剤層との間の粘着力をα、前記
弱粘着剤層同士の粘着力をβ、前記弱粘着剤層と前記印字層の裏面との粘着力を
γ、前記弱粘着剤層と前記印字層の表面との粘着力をδとした場合に、粘着力α
>粘着力β,粘着力γ>粘着力δの関係となるように、前記弱粘着剤層の粘着強
度を設定し、 前記基材または前記弱粘着剤層上であって前記基材を折り返しまたは積層したと
きの周縁部または折返部に、連続してまたは不連続に、加圧により粘着する強粘
着剤層を形成した ことを特徴とする。 〔実施例〕 以下、図面等を参照して、実施例につき、本考案を詳細に説明する。 第1図は、本考案によるメールフォームの第1の実施例を示した図、第2図は
、第1図のA−A線断面図、第3図は、同実施例フォームを折り返して密着させ
た状態を示した図、第4図は、同実施例フォームを剥離した図である。 メールフォーム1は、第1図に示すように、通常はがき(定形はがき)の3倍
の大きさの用紙であり、2点鎖線で示した折曲予定線p,qから3つ折りして使用
され、左欄を宛名情報等を記入する公開情報記入領域Xとし、中欄と右欄を秘密 情報等を記入する秘密情報記入領域Yとしてあり、裏面は記入領域としては使用
しない。 第2図は、メールフォーム1を第1図のA−A線で破断して示したものであり
、基材11の両側の密着予定面に弱粘着剤層12が形成されている。また、このメー
ルフォーム1を折り返して密着させたときの周縁部に、補強のための強粘着剤層
13A〜13Dが形成されている。 第3A図は、メールフォーム1を印字して印字層14を形成した後に、折り曲げて
シールした状態を示したものである。 第3B図は、第3A図のB部の拡大図であり、基材11と弱粘着剤層12との間の粘着
力をα、弱粘着剤層12同士の粘着力をβ、弱粘着剤層12と印字層14の裏面との粘
着力をγ、弱粘着剤層12と印字層14の表面との粘着力をδとした場合に、粘着力
α>粘着力β,粘着力γ>粘着力δの関係にしてある。 第3C図は、第3A図のC部の拡大図であり、基材11と強粘着剤層13との間の粘着
力をα1,強粘着剤層13A,13B同士の粘着力をβ1とした場合に、粘着力β1>粘着
力α1の関係にしてある。 つぎに、具体的な層構造について、さらに詳しく説明する。 基材11は、通常は、白色の上質紙が用いられるか、コロナ処理やマット処理な
どにより表面をザラザラにしておけば、PET,PE,PP,塩化ビニル等の合成樹脂フィ
ルム等を使用することもできる。 弱粘着剤層12は、樹脂分としてSBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、揮発分
として水、顔料分としてマイクロシリカなどを主成分とする粘着剤を使用するこ
とができる。 なお、弱粘着剤同士の密着性を向上させるために、微量のNR(天然ゴム)や、PM
MA(ポリメチルメタクリレート)などを添加してもよい。また、樹脂分よりも紫
外線の吸収がよいアンモニアなどのアルカリ成分を添加して、紫外線による劣化
を防止することができる。さらに、微量の酢酸ビニルを加えてもよい。 印字適性を向上させるための添加物は、マイクロシリカの他に、各種のディス
パージョンや非金属粉等を使用してもよい。 前述した粘着剤の成分の中で、SBRは、普通紙への密着性がよく、粘着剤同士 の自着性はあまりよくない。NRは、密着性はよくないが、自着性がよい。PMMAは
、密着性,自着性ともによい。 したがって、粘着力αを強固なものにするために、粘着剤同士の自着性がほと
んどなく、代わりに密着性のよいSBRを主成分としたものを使用するわけである
。しかし、このままでは、前述の式のうちで「粘着力α>粘着力β」の関係式は
満たすものの、粘着力γを高めることができないので、弱粘着剤にマイクロシリ
カを添加して、表面を若干ザラザラにして、NIPによる印字適性を高め、弱粘着
剤層12と印字層14となるトナーの密着力を高めるようにした。 なお、トナーは熱により弱粘着剤層12に定着されるので、シール時に対向する
面から圧力がかかっても、剥離時にそのトナーが対向する面に転移することはな
い。また、トナーによる印字層14が重なるように密着させると、トナー自体にも
弱粘着性が有るものの、その部分の粘着力が弱くなるので、印字のレイアウトに
より、重なり合わないようにすることが望ましい。 この実施例では、弱粘着剤層12の各成分を次のような割合で混合して使用した
。 SBR 20〜25部 水 65〜70部 マイクロシリカ 10部 NR 微量 PMMA 微量 強粘着剤層13は、NRを主成分として、酢酸ビニル,アクリル樹脂(例えば、PM
MA),SBR等を添加して、粘着力を増加させたものである。 この実施例では、強粘着剤層13の各成分を次のような割合で混合して使用した
。 NR 20〜30部 水 60〜70部 マイクロシリカ 10部 酢酸ビニル 微量 PMMA 微量 SBR 微量 弱粘着剤層12や強粘着剤層13を形成するときの粘着剤の塗布方式としては、ス
プレー方式,グラビア方式,ノズル方式、フレキソ方式などが使用できる。 つぎに、このメールフォーム1の使用方法を説明する。 メールフォーム1は、NIPなどのプリンタを用いて、公開情報記入領域Xに住
所,氏名などの宛名その他の公開情報を、秘密情報記入領域Yに金融商品の満期
通知等の秘密情報を、一度に片面印字する。公開情報と秘密情報を片面に一度で
印字できるので、印字速度が速いとともに、両情報をマッチングさせることが容
易かつ確実である。 こののち、メールフォーム1を折曲予定線p,qから折り曲げて、3つ折りにし
て、弱粘着剤層12を全面密着させる。このとき、第3A図のように、強粘着剤層13
Aと強粘着剤層13Bおよび強粘着剤層13Cと強粘着剤層13Dが強く粘着しているので
、郵送途中などで不用意に開封してしまうことはない。 この状態でメールフォーム1を郵送すれば、郵便料金がはがき扱いとなる。受
取人は、第4図に示すように基材11を剥離することにより、秘密情報を毀損する
ことなく開くことができ、その秘密情報を読むことができる。その際、弱粘着剤
部は層間剥離を、強粘着剤部はどちらかの基材と強粘着剤層との間で剥離する。
このとき、強粘着剤層13Cと強粘着剤層13D側が綴じられた冊子状になり、秘密情
報を読みやすいとともに、通知などの整理がしやすい。 第5図は、本考案によるメールフォームの第2の実施例を示した図、第6図は
、第5図のA−A線断面図、第7図は、同実施例フォームを折り返して密着させ
た状態を示した図である。 なお、前述した実施例と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して説
明する。 本実施例には、第1の実施例と同じ弱粘着剤と強粘着剤を使用した。基材11の
全面に弱粘着剤層12を設け、さらに強粘着剤層13E〜13Hを設けた。また開封のた
めのミシン目rを設けた。 強粘着剤層13E〜13Hを第6図のように凸状にすることで、微妙な見当合わせが
不要になり、また、強粘着剤層が厚くなり、シーラで圧力をかける際、相対的に 圧力が高く加えられるためにより強い接着力が得られる。 第8図〜第9図は、本考案によるメールフォームの他の実施例を示した図であ
る。 第8図の実施例は、第1図の場合と略同様であるが、周縁部のみでなく、折返
部にも強粘着剤層15を形成したものである。このようにすれば、折返部が補強さ
れ、シーラで強く加圧しても、折返部から切断される心配はない。 第9図の実施例は、強粘着剤層16,17をスポット状に形成したものである。こ
の場合に、第9B図に示すように、強粘着剤層16の外周に切取ミシン目sを設ける
ことにより、郵送中は強粘着剤層16で強固に封止されるとともに、開封後に切取
ミシン目sから切り取るとパンチ孔として使用でき、適宜のバインダにファイル
することができる。なお、強粘着剤層17のようにスポット状であっても、不用意
な開封を防ぐためには十分である。 以上説明した実施例に限定されず、本考案の範囲内で種々の変形ができる。 強粘着剤層は、帯状,スポット状に限らず、1本またはそれ以上のライン状に
したり、任意の模様状にすることもできる。また、重なり合う部分の両側に設け
てた例で説明したが、片側であってもよい。 メールフォームは、3つ折りに限らず、2つ折りでも4つ折り以上でもよく、
印字面数や印字情報も特に限定されない。折ったときの大きさや重量が郵便法で
定める普通はがきであることが望ましいが、使用形態を考慮して特に限定されな
い。このメールフォームは、情報を印字するときの形態は、連続用紙でも、単票
用紙でもよいし、プリンタもNIPに限らずドットインパクトプリンタなどを使用
してもよい。このメールフォームには、秘密を要しない情報などを適宜印刷して
おくことができる。 〔考案の効果〕 以上詳しく説明したように、本考案によれば、現在広く使用されている封筒用
の3つ折りメールフォームの処理機や処理工程はそのまま使用できる。 また、弱粘着剤層の他に、周縁部等に強粘着剤層を形成したので、確実に密着
することができ、不用意に開封してしまう心配はない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案によるメールフォームの第1の実施例を示した図、第2図は、
第1図のA−A線断面図、第3図は、同実施例フォームを折り返して密着させた
状態を示した図、第4図は、同実施例フォームを剥離した図である。 第5図は、本考案によるメールフォームの第2の実施例を示した図、第6図は、
第5図のA−A線断面図、第7図は、同実施例フォームを折り返して密着させた
状態を示した図である。 第8図〜第9図は、本考案によるメールフォームの他の実施例を示した図である
。 第10図,第11図は、シークレットはがきの従来例を示した図である。 1,1A,1B,1C…メールフォーム 11…基材 12…弱粘着剤層 13,15,16,17…強粘着剤層 14…印字層 p,q…折曲予定線 r,s…ミシン目 X…公開情報記入領域 Y…秘密情報記入領域
第1図のA−A線断面図、第3図は、同実施例フォームを折り返して密着させた
状態を示した図、第4図は、同実施例フォームを剥離した図である。 第5図は、本考案によるメールフォームの第2の実施例を示した図、第6図は、
第5図のA−A線断面図、第7図は、同実施例フォームを折り返して密着させた
状態を示した図である。 第8図〜第9図は、本考案によるメールフォームの他の実施例を示した図である
。 第10図,第11図は、シークレットはがきの従来例を示した図である。 1,1A,1B,1C…メールフォーム 11…基材 12…弱粘着剤層 13,15,16,17…強粘着剤層 14…印字層 p,q…折曲予定線 r,s…ミシン目 X…公開情報記入領域 Y…秘密情報記入領域
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 基材の密着予定面のほぼ全面に加圧により粘着する1層の弱粘
着剤層を形成し、前記弱粘着剤層の表面に印字層を形成し、前記基材を折り返し
または積層して、対向する面の前記弱粘着剤層同士を密着して前記印字層を隠ぺ
いしたのちに、前記弱粘着剤層間から剥離するメールフォームであって、前記基
材と前記弱粘着剤層との間の粘着力をα、前記弱粘着剤層同士の粘着力をβ、前
記弱粘着剤層と前記印字層の裏面との粘着力をγ、前記弱粘着剤層と前記印字層
の表面との粘着力をδとした場合に、粘着力α>粘着力β,粘着力γ>粘着力δ
の関係となるように、前記弱粘着剤層の粘着強度を設定し、 前記基材または前記弱粘着剤層上であって前記基材を折り返しまたは積層したと
きの周縁部または折返部に、連続してまたは不連続に、加圧により粘着する強粘
着剤層を形成した ことを特徴とするメールフォーム。
Family
ID=
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