JP2535232B2 - 音声出力回路 - Google Patents

音声出力回路

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、モーショナル・フィードバック方式を用い
て音声信号の低周波数帯域での再生帯域を拡大するよう
に構成された音声出力回路に関する。
(従来の技術) モーショナル・フィードバック方式とは、スピーカの
動作状態を検出し、この検出に応じて音声信号増幅回
路、いわゆるパワーアンプ、にその動作状態に対応した
帰還音声信号を与え、この帰還音声信号に応答させて音
声信号増幅回路の動作を制御し、スピーカの特性の改善
を図る方式のことである。
そして、このような特性の改善を図るモーショナル・
フィードバック方式においては、各種のタイプがある
が、そのうち、スピーカの低周波数帯域の拡大を目的と
した方式の場合では、スピーカのインピーダンス変化を
利用して、そのインピーダンス変化に応じた電圧を検出
し、これを音声信号増幅回路に復帰音声信号としてフィ
ードバックする方式が用いられることが多い。
第2図は、このインピーダンス変化を利用する場合の
モーショナル・フィードバック方式を採用した従来例の
音声出力回路の回路図であって、回路系として音声信号
回路系1、および帰還信号回路系2を有している。音声
信号回路系1においては、加算回路3および音声信号増
幅回路4を有している。帰還信号回路系2においては、
検出抵抗5、増幅回路6、およびバンドパスフィルタ7
を有している。
音声信号回路系1において、加算回路3は、音声信号
入力端子8からの入力音声信号と、帰還信号回路系2か
らの帰還音声信号とを加算し、この加算音声信号を音声
信号増幅回路4に出力する。音声信号増幅回路4は、加
算音声信号を増幅してスピーカ9に出力する。
帰還信号回路系2において、検出抵抗5は、スピーカ
9からの出力音声信号を、そのスピーカ9のインピーダ
ンス変化に対応させて帰還音声信号として検出出力す
る。増幅回路6は検出抵抗5からの帰還音声信号を増幅
する。バンドパスフィルタ7は、増幅された帰還音声信
号のうち、低周波数帯域の帰還音声信号を加算回路3に
出力する。
上記の場合、スピーカは一般にそのインピーダンスが
一定ではなく音声信号の周波数帯域に応じて変化するも
のであり、第3図に示すように例えばf0と称される最低
共振周波数においてはインピーダンスが高くなり、この
f0を中心としたインピーダンスの山が形成される。そし
て、このf0は低い再生周波数帯域の限界に対して大きな
ファクターを占め、f0以下の低周波数帯域ではスピーカ
の再生音圧のレベルが一定の比率で低下してくる。した
がって、第3図のモーショナル・フィードバック方式を
採用した音声出力回路においては、検出抵抗5によりス
ピーカ9のインピーダンス変化に対応した帰還音声信号
を得、その帰還音声信号のうち、低周波数帯域の帰還音
声信号をバンドパスフィルタ7で取り出し、これを加算
回路3で入力端子8からの全周波数帯域の入力音声信号
に加算し、その加算音声信号を音声信号増幅回路4に出
力するようになっている。その結果、音声信号増幅回路
4には、低周波数帯域がブーストされた加算音声信号が
与えられることになって、低域の再生周波数帯域が拡大
されることになる。
(発明が解決しようとする課題) 上記構成を有する従来例の音声出力回路においては、
一般には低域での再生が困難な小型のスピーカに適用さ
れる。この適用の理由の1つとして例えばスピーカが小
型である場合は、口径が小さくなって振動板の面積が小
さくなっている。そして、振動板の面積が小さいと、当
然のことであるが低い周波数帯域に対して振動板を効率
よく振動させることが困難になってきて、その結果とし
て、低い周波数帯域での再生が低下してくる。
そのため、小型のスピーカでは低域の再生を容易に可
能にするための上記のようなモーショナルフィードバッ
ク方式の音声出力回路が採用されるのである。
ところで、かかるモーショナルフィードバック方式を
採用した第3図の音声出力回路では、低い周波数帯域の
帰還音声信号が入力音声信号に加算されて音声信号増幅
回路4に入力されたときにはその加算音声信号の低域出
力レベルが増加してくるために、該低周波数帯域の帰還
音声信号が、中・高周波数帯域のそれに比較して音声信
号増幅回路4のダイナミックレンジを越えやすくなる。
このダイナミックレンジを越えたときはその音声信号が
クリッピングされてしまって低域での再生特性が悪化し
てしまう。
したがって、本発明においては、音声信号がクリッピ
ングされることなく、低域での再生を改善できるように
することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明の請求項(1)に係る音声出力回路において
は、 音声信号回路系、および帰還信号回路系を有してお
り、 音声信号回路系は、加算回路、および音声信号増幅回
路を有しており、 加算回路は、入力音声信号と帰還音声信号とを加算
し、この加算音声信号を音声信号増幅回路に出力するも
のであり、 音声信号増幅回路は、加算音声信号を増幅してスピー
カに出力するものであり、 帰還信号回路系は、検出回路、および帰還量制御回路
を有しており、 検出回路は、スピーカからの出力音声信号のうち、低
周波数帯域の出力音声信号を帰還音声信号として検出出
力するものであり、かつ、その帰還音声信号を、加算回
路と帰還量制御回路とにそれぞれ出力するものであり、 帰還量制御回路は、帰還音声信号の入力に応答して音
声信号増幅回路の加算音声信号がクリッピングされない
ような入力音声信号を増幅制御して加算回路に出力する
ものであることを特徴とするものである。
(作用) 請求項(1)においては、検出回路から加算回路およ
び帰還量制御回路にそれぞれ低周波数帯域の帰還音声信
号が与えられる。帰還量制御回路は、与えられた帰還音
声信号に基づいて音声信号増幅回路のダイナミックレン
ジを越えないように入力音声信号を増幅制御して加算回
路に出力する。
したがって、音声信号増幅回路においては、加算回路
からの加算音声信号をそれのダイナミックレンジを越え
ないように増幅してスピーカに出力することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して参照に説明す
る。
第1図は本発明の実施例に係る音声出力回路の回路図
であって、第3図と対応する部分には同一の符号を付
し、同一の符号に係る部分についての詳細な説明は省略
する。
実施例の音声出力回路は、音声信号回路系1および帰
還信号回路系2を有している。
音声信号回路系1は、加算回路3および音声信号増幅
回路4を有している。加算回路3は、入力音声信号と帰
還音声信号とを加算するとともに、この加算音声信号を
音声信号増幅回路4に出力するようになっている。音声
信号増幅回路4は、加算音声信号を増幅してスピーカ9
に出力するようになっている。
帰還信号回路系2は、検出回路10および帰還量制御回
路11を有している。検出回路10は、第3図の従来回路と
同様に検出抵抗5、増幅回路6およびバンドパスフィル
タ7からなる。検出回路10は、スピーカ9からの出力音
声信号のうち、低周波数帯域の出力音声信号を帰還音声
信号として検出出力し、その帰還音声信号を、加算回路
3と帰還量制御回路11とにそれぞれ出力するようになっ
ている。
帰還量制御回路11は、整流回路12、増幅回路13および
電圧制御型増幅回路14からなる。帰還量制御回路11にお
いて、整流回路12は、帰還音声信号の直流化するもので
ある。増幅回路13は、音声信号増幅回路4のダイナミッ
クレンジに合わせた特性を有するものであって、直流化
された帰還音声信号の入力が、ある一定の帰還量を越え
たときに、音声信号増幅回路4の加算音声信号がクリッ
ピングされないようにする増幅度制御信号を出力する。
電圧制御型増幅回路14は、増幅度制御端子を備えてお
り、かつその増幅度制御端子には増幅度制御信号が与え
られるようになっている。そして、電圧制御型増幅回路
14は、増幅度制御信号の入力に応答して音声信号入力端
子8からの入力音声信号を増幅制御して加算回路3に出
力するようになっている。
上記構成において、音声信号入力端子8に入力音声信
号が与えられると、その入力音声信号は、電圧制御型増
幅回路14で増幅制御されて加算回路3に与えられる。加
算回路3は、検出回路10からの帰還音声信号と入力音声
信号とを加算し、これを加算音声信号として音声信号増
幅回路4に出力する。音声信号増幅回路4は、その加算
音声信号を増幅してスピーカ9に出力する。スピーカ9
からの出力音声信号は、検出回路10に与えられる。検出
回路10からは、低周波数帯域の音声信号が帰還音声信号
として出力される。帰還量制御回路11は、帰還音声信号
の帰還量が音声信号増幅回路4のダイナミックレンジを
越えているときは、入力音声信号のレベルを低下させて
加算回路3に出力する。したがって、加算回路3から音
声信号増幅回路4には、該音声信号増幅回路4のダイナ
ミックレンジ以下の加算音声信号が与えられる。これに
より、音声信号増幅回路4からはクリッピングのない音
声信号がスピーカ9に出力されることになる。
(発明の効果) 以上説明したことから明らかなように本発明によれ
ば、請求項(1)においては入力音声信号に対して、帰
還量制御回路の作用により、音声信号増幅回路のダイナ
ミックレンジを越えないように加算回路で入力と帰還の
各音声信号を加算できるように構成したから、MFB回路
によって増幅された低域周波数音声信号がクリッピング
されることがなくなり、その結果として、低域での再生
の改善ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る音声出力回路の回路図で
ある。また、第2図は従来例に係る音声出力回路の回路
図、第3図はスピーカの周波数特性を示す図である。 1……音声信号回路系、2……帰還信号回路系、3……
加算回路、4……音声信号増幅回路、9……スピーカ、
10……検出回路、11……帰還量制御回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声信号回路系(1)、および帰還信号回
    路系(2)を有しており、 音声信号回路系(1)は、加算回路(3)、および音声
    信号増幅回路(4)を有しており、 加算回路(3)は、入力音声信号と帰還音声信号とを加
    算し、この加算音声信号を音声信号増幅回路(4)に出
    力するものであり、 音声信号増幅回路(4)は、加算音声信号を増幅してス
    ピーカ(9)に出力するものであり、 帰還信号回路系(2)は、検出回路(10)、および帰還
    量制御回路(11)を有しており、 検出回路(10)は、スピーカ(9)からの出力音声信号
    のうち、低周波数帯域の出力音声信号を帰還音声信号と
    して検出出力するものであり、かつ、その帰還音声信号
    を、加算回路(3)と帰還量制御回路(11)とにそれぞ
    れ出力するものであり、 帰還量制御回路(11)は、帰還音声信号の入力に応答し
    て音声信号増幅回路(4)の加算音声信号がクリッピン
    グされないように入力音声信号を増幅制御して加算回路
    (3)に出力するものである、 ことを特徴とする音声出力回路。
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