JP2535221Y2 - 乳房受けカップを有する衣類 - Google Patents

乳房受けカップを有する衣類

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JP2535221Y2
JP2535221Y2 JP418693U JP418693U JP2535221Y2 JP 2535221 Y2 JP2535221 Y2 JP 2535221Y2 JP 418693 U JP418693 U JP 418693U JP 418693 U JP418693 U JP 418693U JP 2535221 Y2 JP2535221 Y2 JP 2535221Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、乳房受けカップを有す
る衣類に関するものである。特に本考案は、運動追従性
の改良された乳房カップを有する衣服に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ブラジヤー、ボディスーツ、
スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミソール、
ブラスリップ、レオタードあるいは水着などの乳房受け
カップを有する衣類は女性用の被服として広く普及して
いる。一般にこれらの女性用の衣類は、乳房の形を整
え、そのシルエットをできるだけ美しくするために乳房
受けカップ部を有している。これらの乳房受けカップを
有する衣類は、通常表カップ部とその裏側に裏打ちカッ
プ部が設けられた2重構造になっているものが大部分で
あり、裏打ちカップ部は通常その全周辺部が表カップ部
に縫製などで接合されているか、または、一部のものに
は裏打ちカップ部がその上辺部を除く周辺部で前記表カ
ップ部に接合されているものも見受けられる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、裏打ち
カップ部の全周辺部が表カップ部に縫製などで接合され
ているタイプの乳房受けカップを有する衣類において
は、身体の運動などにより例えば乳房が上側にズレ上が
った場合には、カップの上辺部が柔軟な乳房の肉部に食
い込むため乳房が元の位置に戻りにくいと言う問題があ
り、また、このようなズレに対する対策が考慮されてい
ないので、運動時に乳房とカップ部とのズレが生じやす
いと言う問題がある。また、乳房の左右への動きによ
り、その動きが表カップ部にもストレートに影響を与え
るので、その影響で次第にストラップ(肩紐)が外側に
逃げるようになり、従って乳房の脇部が脇方向に流れる
傾向が生じやすく乳房の美しい形状の保持が出来にくく
なると言った問題も生じている。
【0004】また、裏打ちカップ部が、その上辺部を除
く周辺部で表カップ部に接合されているタイプの乳房受
けカップを有する衣類においては、その裏打ちカップ部
の上辺部は、表カップ部に接合されていないため、それ
だけ乳房の動きに対する追従性は改良されるが、着用中
に乳房の動きで、裏打ちカップに皺が生じやすく、くし
ゃくしゃになって着用感が低下し、従って運動追従性も
低下してしまうと言う問題がある。
【0005】本考案はこれらの問題点を解決し、対運動
性に優れ、安定した着崩れしない乳房受けカップを有す
る衣類を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本考案の乳房受けカップを有する衣類は次の構成を
有するものである。
【0007】(1)乳房受け用の表カップ部とその裏側
に設けられた裏打ちカップ部とを有する衣類であって、
前記裏打ちカップ部はその上辺部が前記表カップ部の上
辺部よりやや低い位置にある大きさの裏打ちカップ部で
あって、前記裏打ちカップ部はその上辺部を除く周辺部
で前記表カップ部に接合されており、且つ前記裏打ちカ
ップ部はその上辺部に沿ってワイヤーが設けられている
ことを特徴とする乳房受けカップを有する衣類。
【0008】(2)裏打ちカップ部の上辺部が、表カッ
プ部の上辺部と表カップ部のトップバスト部位とのほぼ
中間に位置する大きさの裏打ちカップ部である前記
(1)項に記載の乳房受けカップを有する衣類。
【0009】(3)裏打ちカップ部の上辺部に沿って設
けられているワイヤーがフレキシブルで柔軟性のあるワ
イヤーである前記(1)または(2)項のいずれかに記
載の乳房受けカップを有する衣類。
【0010】(4)フレキシブルで柔軟性のあるワイヤ
ーがアモルファス合金の単線またはその繊維状物の集合
体、テグス、合成繊維の撚線状物、フレキシブルで柔軟
性のある金属の単線またはその繊維状物の集合体、合成
樹脂単線、ならびにこれらの組み合わせからなる群から
選ばれた素材からなるワイヤーである前記(3)項に記
載の乳房受けカップを有する衣類。
【0011】(5)乳房受けカップを有する衣類が、ブ
ラジャー、ボディスーツ、スリーインワン、テディ、ブ
ラスリップから選ばれた衣服である前記(1)〜(4)
項のいずれかに記載の乳房受けカップを有する衣類。
【0012】
【作用】本考案の乳房受けカップを有する衣類は、裏打
ちカップ部の上辺部が表カップ部の上辺部よりやや低い
位置にある大きさの裏打ちカップ部であって、前記裏打
ちカップ部はその上辺部を除く周辺部で前記表カップ部
に接合されている。すなわち、裏打ちカップ部の上辺部
は表カップ部と接合されておらず、分離独立しており、
しかも表カップ部の上辺部よりその上辺部がやや低い位
置にあるので、裏打ちカップ部の上辺部近傍は人体の動
きに対応しやすく、従って運動時に乳房とカップ部との
ズレが生じにくく、また、乳房の動きがストレートには
表カップ部に伝播されないので、次第にストラップ(肩
紐)が外側に逃げて乳房の脇部が脇方向に流れる傾向な
どを防止でき、美しい乳房の形状を保持出来ると共に、
前記裏打ちカップ部はその上辺部に沿ってワイヤーが設
けられているので、着用中に乳房の動きで、裏打ちカッ
プ部に皺が生じて最悪の場合に裏打ちカップ部がくしゃ
くしゃになって着用感が低下し、従って運動追従性も低
下してしまうことが防止でき、運動追従性に優れ、安定
した着崩れしない乳房受けカップを有する衣類を提供で
きる。
【0013】また、前記(2)項に記載したように、裏
打ちカップ部の上辺部が、表カップ部の上辺部と表カッ
プ部のトップバスト部位とのほぼ中間に位置する大きさ
の裏打ちカップ部である本考案の好ましい態様とするこ
とにより、裏打ちカップ部の上辺部が表カップ上辺部と
ほぼ同程度の位置にある大きさの裏打ちカップ部を用い
た場合には、仮に裏打ちカップ部の上辺部が表カップ部
に接合されていなくても運動追従性の作用を有効に発揮
しやすい裏打ちカップの上辺部が余りに上方に位置する
ので、表カップ部のみの場合とほぼ同じ機能になり、十
分な運動追従性を発揮することができず、また、裏打ち
カップ部の上辺部が余りに表カップ部の上辺部の位置に
比べて低すぎる位置にあるような大きさの裏打ちカップ
部を用いた場合には、乳房のトップバスト部が人体の動
きにより裏打ちカップ部の上辺部の上にずれて裏打ちカ
ップ部の上にはみ出して裏打ちカップ部から外れやすく
なる傾向があるが、裏打ちカップ部の上辺部が、表カッ
プ部の上辺部と、当該表カップ部のトップバスト部位す
なわち表カップ部の身体側から前側方向に最も突出した
部分、言い換えれば表カップ部の山状に盛り上がった頂
点部分とのほぼ中間に位置するような大きさの裏打ちカ
ップ部とすることにより、前述した本考案の作用をより
十分に発揮することができる。
【0014】また、前記(3)項に記載したように、裏
打ちカップ部の上辺部に沿って設けられているワイヤー
がフレキシブルで柔軟性のあるワイヤーである本考案の
好ましい態様とすることにより、より硬いワイヤーに比
べて運動追従性の機能を阻害しにくく、着用感も良好で
あり、また、従来例のような、着用中に裏打ちカップに
皺が生じて回復しなくなるというような欠点は防止で
き、本考案の前述した作用をより十分に発揮しやすくな
る。
【0015】また、前記(4)項に記載したように、フ
レキシブルで柔軟性のあるワイヤーがアモルファス合金
の単線またはその繊維状物の集合体、テグス、合成繊維
の撚線状物、フレキシブルで柔軟性のある金属の単線ま
たはその繊維状物の集合体、合成樹脂単線、ならびにこ
れらの組み合わせからなる群から選ばれた素材からなる
ワイヤーである本考案の好ましい態様とすることによ
り、これらの素材からなるワイヤーは、容易にフレキシ
ブルで柔軟性のあるワイヤーにしやすく、また、乳房の
運動に追従しやすく乳房を逃さずにキープでき、前述し
た本考案の作用をより一層発揮できる。
【0016】また、前記(5)項に記載したように、乳
房受けカップを有する衣類が、ブラジャー、ボディスー
ツ、スリーインワン、テディ、ブラスリップから選ばれ
た衣服である本考案の好ましい態様とすることにより、
これらの衣類の乳房受け用のカップ部は、いずれも類似
した構造や形状ならびに機能を有しており、いずれも本
考案の前述した機能を発揮させるのに好ましい衣類であ
り、本考案による機能が十分発揮出来る衣類を提供しや
すいので好ましい。
【0017】
【実施例】以下、本考案の理解を容易にするために、図
面を参照しながら、本考案の衣類の具体例の一つとして
ブラジャーについて説明するが、本考案はこの実施例の
もののみに限定されるものではなく、また、例えば、ボ
ディスーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キ
ャミソール、ブラスリップ、レオタードあるいは水着な
どの乳房受けカップを有する衣類についてもほぼ、同様
に適用できるものである。
【0018】図1は本考案の衣類の1つであるフルカッ
プタイプのブラジャーの表側から見た概略斜視図であ
る。図2は図1のブラジャーの左側乳房用の乳房受けカ
ップ近傍を裏側から見た部分平面図である。また、図3
は図1のA−A´方向の切断面の端面を示しいている模
式図である。
【0019】図1〜3に於いて、1は表カップ部、2は
前記表カップ部1を構成する上カップ部材、3は前記表
カップ部1を構成する下カップ部材、6は前記上カップ
部材2と下カップ部材3との接合部であって、図3で示
す縫製ライン35で接合されている。13は表カップ部
のトップバスト部位、すなわち表カップ部の身体側から
前側方向に最も突出した部分、言い換えれば表カップ部
の山状に盛り上がった頂点部分を示している。この図の
例のような表カップ部1が上カップ部材2と下カップ部
材3の様に個別の部材が接合されて構成されているよう
なカップに於いては、特に限定するものではないが、通
常、表カップ部のトップバスト部位13は、この接合部
6上に存在するものが一般的である。勿論、表カップ部
が上カップ部材と下カップ部材の個々の部材からなるも
のではなく、表カップ部が連続した生地を用いて成型さ
れていて、上カップ部材と下カップ部材の接合部がない
ような表カップ部のトップバスト部位は、前述の説明に
従って容易に認識できる。また、表カップ部が3つ以上
の部材から構成される場合に於いても同様である。7は
カップの下辺部であり乳房のバージスライン(乳房の付
け根のライン)に沿ったほぼ半円状の円弧の形をしてい
る。10は表カップ部1の上辺部であり、11はカップ
の脇部、12はストラップ(肩紐)で、ここでは一方の
端の図示を省略している。8はカップが取り付けられて
いるブラジャーの土台布であり、9は土台布の両脇に接
合されたバック布を示している。4は通常ブラジャーの
表側からは見えないが、図2や図3で示されている裏打
ちカップ部25の上辺部の位置を示しており、同様に5
は裏打ちカップ部の上辺部4に沿って設けられているワ
イヤーを示している。
【0020】図2、図3に於いて、26は裏打ちカップ
部25を構成する上カップ部材、27は裏打ちカップ部
25を構成する下カップ部材、28は上カップ部材26
と下カップ部材27の接合部に当てがったテープ布、3
2も上カップ部材26と下カップ部材27の接合部に当
てがったテープ布であり、ジグザグ状の縫製ライン38
でテープ布32と上カップ部材26と下カップ部材27
ならびにテープ布28を一体に縫製している。
【0021】裏打ちカップ部25の上辺部4に沿ってワ
イヤー5が設けられており、ワイヤー5は、この例では
テープ布21と2本の縫製ライン40で形成された空間
に挿入された状態で取り付けられている。もちろんワイ
ヤー5は、この例に限られず例えば、上カップ部材26
を介して図3の位置と反対側の位置に設けてもよいし、
上カップ部材26の上側に取り付けてもよい。
【0022】裏打ちカップ部25の上辺部4は表カップ
部とは接合されておらず、乳房の動きに対応できるよう
になっている。裏打ちカップ部25は、下辺部7、脇部
11に於いて表カップ部1に縫製されて接合されてい
る。例えば下辺部の接合構造は、特に限定されるもので
はないが、図3に示されるように、必要に応じて通常ブ
ラジャーなどに使用されているブラジャーカップの下辺
部に沿った半円状のカップワイヤー23が設けられ、テ
ープ布39でカップワイヤー23が挿入できる空間部が
形成されるような形にして裏打ちカップ部25、表カッ
プ部1、土台布8、また必要に応じて設ける下辺ストレ
ッチテープ31と共に縫製ライン36で一体に縫製され
ている。図3に於いて、37は下辺ストレッチテープ3
1と土台布8を縫製している縫製ラインを示している。
【0023】裏打ちカップ部25の大きさは上記から明
らかなように、その上辺部4の位置が表カップ部の上辺
部10と、表カップ部1における前記したトップバスト
部位13との間に位置するような大きさにするのがよ
く、特にそのほぼ中間的な位置になるような大きさにす
るのがより好ましい。裏打ちカップ部25の下辺部や脇
部は前述の説明からも明らかなように表カップ部のそれ
と同じ部分で接合できるような形にしてある。24は表
カップ部1の上辺部10に沿って設けられ、縫製ライン
33で表カップ部1に縫製されているテープ布である。
また図3に於いて34は表カップ部1の下カップ部材3
と上カップ部材2の接合部6で内側に折り返した各カッ
プ部材の端部を処理するための縫製ラインである。
【0024】また、図3に於いてはカップの下辺部に沿
って設けられたカップワイヤー23の位置は、この例で
は裏打ちカップ部25の裏側に設けられている例を示し
ているが、何等これらに限定されるものではなく、必要
に応じて、例えば、裏打ちカップ部25と表カップ部1
との間に設けてもよいし、また、表カップ部1の表側に
取り付けてもよいし、あるいは、裏打ちカップ部25の
下辺部の先端に取り付けるなど任意である。また、この
カップの下辺部に沿って設けられたカップワイヤー23
を必要としないタイプの場合にはこのワイヤーはなくて
もよい。
【0025】図4は本考案の衣服である別のタイプのブ
ラジャーの表側から見た概略斜視図である。このタイプ
はいわゆる3/4カップのタイプのブラジャーに適用し
た場合の一例を示すもので、前述したフルカップタイプ
のものに比べて、そのカップの上部が更にカットされて
その分カップの大きさがやや小さくなったようなブラジ
ャーであって、表カップ部や裏打ちカップ部のそれぞれ
の上辺部がやや下に下がっているタイプである。
【0026】このタイプのブラジャーについても前述し
た図1〜3に示したものと本質的には同一であるので、
同一部分に同一の符号を付して説明は省略した。また、
図5は本考案の衣服である更に別のタイプのブラジャー
の表側から見た概略斜視図である。このタイプはいわゆ
る1/2カップのタイプのブラジャーに適用した場合の
一例を示すもので、前述した3/4カップタイプのもの
に比べて、更にもう一段とそのカップの上部がカットさ
れてその分カップの大きさが更に小さくなったブラジャ
ーであって、表カップ部や裏打ちカップ部のそれぞれの
上辺部が更に下に下がっているタイプである。
【0027】このタイプのブラジャーについても前述し
た図1〜3ならびに図4に示したものと本質的には同一
であるので、同一部分に同一の符号を付して説明は省略
した。ただ、このタイプは図1〜3ならびに図4に示し
た脇部11に相当する部分がなくなっている。この点以
外は実質的に前述した図1〜3ならびに図4に示したも
のと本質的には同一である。
【0028】裏打ちカップ部25の上辺部4の位置は前
述したように表カップ部1の上辺部10と、表カップ部
1における前記した接合部6との間に位置するようされ
るのがよく、特にそのほぼ中間的な位置になるようにす
るのがより好ましく、この位置を具体的に数値で示すこ
とは、衣類の種類、同一の種類の衣類でも前述したよう
なタイプの違い、更に同一のタイプでも大きさの違いな
どによって大幅に変化し得るので一概に規定することは
無理であるが、一つの目安の例として強いて記載するな
らば、それぞれの上辺部の長さ方向の中間地点で測定し
た場合に、裏打ちカップ部25の上辺部4の位置は表カ
ップ部1の上辺部10より5mm下の位置で、且つ、表
カップ部1における前記した表カップ部のトップバスト
部位13の位置より5mm上方の範囲が好ましい場合の
一例である。
【0029】次に本考案に於いて裏打ちカップ部の上辺
部に沿って設けられているワイヤーとしては、フレキシ
ブルで柔軟性のあるワイヤーを用いることが運動追従
性、着用感等の点からも好ましい。ただ、全く腰がな
く、ワイヤーを用いない場合とほとんど区別がつかない
と言うようなものではなく、柔軟でフレキシブルではあ
るがある程度の腰のあるもの、特に柔軟で、且つバネと
しての性質を有するものが好ましく用いられる。
【0030】このようなワイヤーは幾つか提案された
り、市販されているものも多いのでその中から適当なも
のを選定することもできる。具体的には、アモルファス
合金の単線またはその細い繊維状物の集合体、テグス、
合成繊維の撚線状物または必要に応じて合成樹脂含浸し
たもの、フレキシブルで柔軟性のある金属の単線または
その細い繊維状物の集合体、合成樹脂単線、ならびにこ
れらの組み合わせ等が例示される。
【0031】中でも特にアモルファス合金の単線または
その細い繊維状物の集合体、例えば特に撚線状物あるい
はその合成樹脂によるコーティング品等が特に好まし
く、これらは柔らかくてかつバネとしての復元性を有
し、従って、乳房の運動に追従して変形するが常に直線
状態に戻ろうとする性質があり、裏打ちカップ部の皺の
発生などの着崩れがなくカップの形状を常に安定した形
状に戻そうとする作用があり、また着用感もよい。アモ
ルファス合金の組成としては、この種の性質を具現でき
る組成のものであればよく、例えばコバルト−鉄−クロ
ム−ケイ素−ホウ素系アモルファス合金、鉄−ケイ素−
ホウ素系アモルファス合金、コバルト−鉄−ケイ素−ホ
ウ素系アモルファス合金等適宜のものが用いられる。
【0032】このワイヤーの太さは、上記のような性質
が発揮できる程度の太さにすればよく、用いる素材によ
っても変わるので一該に規定しにくいが、例えば平均径
にして0.3〜1.5mm程度が特に好ましい範囲であ
る。
【0033】本考案のカップ部の素材は、特に限定され
るものではなく、通常、これらの衣類にもちいられてい
るものが適用される。例えば裏カップ部の素材として
は、この部分に用いられている不織布、ウレタンフォー
ム、織物、編物などが用いられ、通常裏打ちカップとし
ては伸びの比較的小さいものが用いられる。表カップの
素材の伸びについては特に限定はなく、一般には余り伸
びの大きくないものが用いられるが、伸びがあるもので
も用いることができる。ブラジャーに於いてはバック布
などは伸びの良好な素材が用いられるのが一般的であ
る。
【0034】本考案の衣類としては、乳房受けカップを
有する衣類であればよく、例えば、ブラジャー、ボディ
スーツ、スリーインワン、ウインタム、テディ、キャミ
ソール、ブラスリップ、レオタードあるいは水着などの
乳房受けカップを有する衣類等が挙げられ、中でも、ブ
ラジャー、ボディスーツ、スリーインワン、テディ、ブ
ラスリップは、これらの衣類の乳房受け用のカップ部
が、いずれも類似した構造や形状ならびに機能を有して
おり、本考案の前述した機能を発揮させやすく、本考案
にの効果が十分発揮出来るので好ましい衣類である。
【0035】
【考案の効果】本考案の衣類は、美しい乳房の形状を保
持し、且つ、運動追従性に優れ、安定した着崩れしない
乳房受けカップを有する衣類を提供できる。
【0036】また、本考案に於いて、裏打ちカップ部の
上辺部が、表カップ部の上辺部と表カップ部のトップバ
スト部位とのほぼ中間に位置する大きさの裏打ちカップ
部である本考案の好ましい態様とすることにより、乳房
のトップバスト部が人体の動きにより裏打ちカップ部の
上辺部の上にずれて裏打ちカップ部の上にはみ出して裏
打ちカップ部から外れやすくなる傾向を防止でき、且
つ、前述した本考案の効果をより十分に発揮し得る乳房
受けカップを有する衣類を提供できる。
【0037】また、本考案に於いて、裏打ちカップ部の
上辺部に沿って設けられているワイヤーがフレキシブル
で柔軟性のあるワイヤーである本考案の好ましい態様と
することにより、より運動追従性の機能に優れ、着用感
も良好であり、着用中に裏打ちカップに皺が生じにく
く、且つ、本考案の前述した効果をより十分に発揮し得
る乳房受けカップを有する衣類を提供できる。
【0038】また、本考案に於いて、フレキシブルで柔
軟性のあるワイヤーがアモルファス合金の単線またはそ
の繊維状物の集合体、テグス、合成繊維の撚線状物、フ
レキシブルで柔軟性のある金属の単線またはその繊維状
物の集合体、合成樹脂単線、ならびにこれらの組み合わ
せからなる群から選ばれた素材からなるワイヤーである
本考案の好ましい態様とすることにより、これらの素材
からなるワイヤーは、容易にフレキシブルで柔軟性のあ
るワイヤーにしやすく、また、乳房の運動に追従しやす
く乳房を逃さずにキープでき、前述した本考案の効果を
より一層発揮し得る乳房受けカップを有する衣類を提供
できる。
【0039】また、本考案に於いて、乳房受けカップを
有する衣類が、ブラジャー、ボディスーツ、スリーイン
ワン、テディ、ブラスリップから選ばれた衣服である本
考案の好ましい態様とすることにより、本考案の前述し
た効果を十分に発揮でき、本考案による機能が十分生か
された衣類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のフルカップタイプのブラジ
ャーの表側から見た概略斜視図である。
【図2】本考案の一実施例の図1のブラジャーの左側乳
房用の乳房受けカップ近傍を裏側から見た部分平面図で
ある。
【図3】図1のA−A´方向の切断面の端面を示しいて
いる模式図である。
【図4】本考案の別の一実施例の3/4カップタイプの
ブラジャーの表側から見た概略斜視図である。
【図5】本考案の別の一実施例の1/2カップタイプの
ブラジャーの表側から見た概略斜視図である。
【符号の説明】
1 表カップ部 2 表カップ部を構成する上カップ部材 3 表カップ部を構成する下カップ部材 4 裏打ちカップ部の上辺部 5 裏打ちカップ部の上辺部に沿って設けられているワ
イヤー 6 上カップ部材2と下カップ部材3との接合部 7 カップの下辺部 8 土台布 9 バック布 10 表カップ部の上辺部 11 カップの脇部 12 ストラップ(肩紐) 13 表カップ部のトップバスト部位 21 テープ布 23 カップワイヤー 24 テープ布 25 裏打ちカップ部 26 裏打ちカップ部を構成する上カップ部材 27 裏打ちカップ部を構成する下カップ部材 28 テープ布 31 下辺ストレッチテープ 32 テープ布 33 縫製ライン 34 縫製ライン 35 縫製ライン 36 縫製ライン 37 縫製ライン 38 縫製ライン 39 テープ布 40 縫製ライン

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳房受け用の表カップ部とその裏側に設
    けられた裏打ちカップ部とを有する衣類であって、前記
    裏打ちカップ部はその上辺部が前記表カップ部の上辺部
    よりやや低い位置にある大きさの裏打ちカップ部であっ
    て、前記裏打ちカップ部はその上辺部を除く周辺部で前
    記表カップ部に接合されており、且つ前記裏打ちカップ
    部はその上辺部に沿ってワイヤーが設けられていること
    を特徴とする乳房受けカップを有する衣類。
  2. 【請求項2】 裏打ちカップ部の上辺部が、表カップ部
    の上辺部と表カップ部のトップバスト部位とのほぼ中間
    に位置する大きさの裏打ちカップ部である請求項1に記
    載の乳房受けカップを有する衣類。
  3. 【請求項3】 裏打ちカップ部の上辺部に沿って設けら
    れているワイヤーがフレキシブルで柔軟性のあるワイヤ
    ーである請求項1または2に記載の乳房受けカップを有
    する衣類。
  4. 【請求項4】 フレキシブルで柔軟性のあるワイヤーが
    アモルファス合金の単線またはその繊維状物の集合体、
    テグス、合成繊維の撚線状物、フレキシブルで柔軟性の
    ある金属の単線またはその繊維状物の集合体、合成樹脂
    単線、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選ば
    れた素材からなるワイヤーである請求項3に記載の乳房
    受けカップを有する衣類。
  5. 【請求項5】 乳房受けカップを有する衣類が、ブラジ
    ャー、ボディスーツ、スリーインワン、テディ、ブラス
    リップから選ばれた衣服である請求項1〜4のいずれか
    に記載の乳房受けカップを有する衣類。
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