JPH0417522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、女性用アンダーウエアの一つである
ブラジヤーに関するものである。

［従来の技術］ 乳房の形状を良好に整形しうるブラジヤーとし
て、従来、例えば実開昭62−101807号公報に開示
されるように、カツプに、このカツプの底部から
カツプ外周側を介して肩紐が接続される上尖端部
にかけて帯状パツトを沿設したブラジヤーや、実
開昭63−19508号公報に開示されるように、カツ
プの底辺に沿う部分に強度の高い材質でなる芯材
を保持させたブラジヤー等が提案されている。

［考案が解決しようとする課題］ ブラジヤーを着用する目的の一つとして、外側
へ広がろうとする左右の乳房を内側へ寄せてバス
トを美しく見せるみせることがあるが、これを実
現するには、ブラジヤーそのものの乳間寸法すな
わち乳頭から乳頭までの距離が所定通りに形成さ
れている必要がある。しかしながら、上述した従
来例のものは、いずれもカツプの底部からこのカ
ツプの外周側を介して上尖端部に至る部分を支持
するかあるいは単にカツプの底辺の形状を保持す
るための帯状パツトあるいは芯材を設けているい
だけであるため、左右のカツプの寸法はそれぞれ
所定通りであつても、これらを連結する中央部の
縫製の具合により乳間の仕上がり寸法にバラツキ
が生じ、良好なバスト形状を得るための品質を確
実に得ることができないという問題があつた。ま
た、上記各従来例のようなブラジヤーでは、使用
時においても乳房の状態によつてはカツプごと変
形してしまい、良好な整形ができないという問題
もあつた。

本考案は上記のような事情に鑑みなされたもの
であつて、乳間の寸法を常に所定通りに形成する
ことができるとともに、使用時においても乳房の
状態に拘らずその良好な整形が確実にできるブラ
ジヤーを提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案によるブラジヤーは上記目的を達成する
ために、特に各カツプの底辺に胴回りにフイツト
する添布が連設されたブラジヤーにおいて、前記
各カツプに、これらカツプの底辺に沿う略Ｕ字状
のカツプ保形体が固設されるとともに、前記添布
に、前記各カツプの底辺に沿う一対のＵ字状部と
各カツプの中間部において前記各Ｕ字状部を連結
しカツプの裾方向に湾曲する連結部とからなるカ
ツプ支持体が固設され、且つ前記カツプ保形体と
カツプ支持体は非伸縮性材でなるとともに各カツ
プの底辺に対応する部分で連結された一体形成物
であることを特徴としている。

［作用］ 上記のようにしたブラジヤーは、カツプ支持体
の二つのＵ字状部をカツプの中間部に位置する連
結部で連結するようにしているから、乳間の距離
を正確に所定寸法として形成することが容易とな
る。また、同様の理由により、使用時においても
乳間が所定寸法に維持されるとともに、カツプ保
形体にかかる乳房による圧力が大きくても、この
圧力をカツプ保形体とカツプ支持体のＵ字状部が
一体となつて受け止めるため、カツプ底辺の形状
及び添布からのカツプの立ち上がり角度が強固に
維持される。

また、上記カツプ支持体およびカツプ保形体を
形状記憶樹脂もしくは形状記憶合金を樹脂でモー
ルドしたもので構成すると、その形状戻り作用
で、たとえ洗濯時あるいは他の何らかの外力によ
つてカツプ支持体およびカツプ保形体が変形した
としても、カツプ支持体およびカツプ保形体を再
び元の状態に戻すことができ、設定した乳間の距
離およびカツプの立ち上がり角度を長期間維持す
ることができる。

［実施例］ 以下、本考案を図示した実施例に基づいて説明
する。

第１図は実施例のブラジヤーの一部を切り欠い
た正面図、第２図は使用状態における要部の拡大
縦断面図、第３図はカツプ保形体及びカツプ支持
体の平面図であつて、図において１はブラジヤー
本体、２，２はカツプ保形体、３はカツプ支持体
である。

ブラジヤー本体１は、その大きさがＡ，Ｂ，
Ｃ，Ｄといつた記号により識別されるカツプ１
１，１１と、これらカツプ１１，１１の略Ｕ字状
の底辺に連結され、着用者の乳房下方の胴回りに
フイツトする添布１２と、この添布１２の両側に
連設され着用者の背中側にフイツトする側帯１
３，１３とからなるものである。これらの内、前
記カツプ１１，１１は非伸縮性布地により形成さ
れ、一方添布１２及び側帯１３，１３は適度な伸
縮性を有する布地で形成されている。また、各側
帯１３，１３の端部には着用時に互いを結合させ
るために、フツク１４ａと係合部１４ｂがそれぞ
れ取着されている。

カツプ保形体２，２とカツプ支持体３は、シリ
コン樹脂を始めとする軟質合成樹脂等の弾性材に
より一体形成されている。

カツプ保形体２，２は、その下辺が前記カツプ
１１，１１の底辺に沿うよう正面から見て略Ｕ字
状に形成されており、第２図に示すように、カツ
プ１１，１１の裏側に縫着２ａによつて固設され
ている。

一方、カツプ支持体３は、その上辺がカツプ１
１，１１の底辺に沿うよう形成されたＵ字状部３
１，３１と、各Ｕ字状部３１，３１における前記
カツプ１１，１１の中間部に位置する側の先端部
同士を連結する連結部３２とを一体に形成してな
るもので、前記Ｕ字状部３１，３１の上辺が前記
カツプ保形体２，２の下辺と連結されている。す
なわち、カツプ保形体２，２とカツプ支持体３は
カツプ１１，１１の底辺に対応する部分で連結さ
れている。また、カツプ支持体３はその周縁が前
記添布１２の裏側に縫着３ａにより固設されてい
る。また、連結部３２は、第３図に示すように、
カツプ１１，１１の裾方向へ湾曲しており、これ
によつてこの連結部３２は着用時にカツプ１１，
１１の内側を支持することができるようになつて
いる。

尚、第１図において４，４はカツプ１１，１１
の上尖端部１１ａ，１１ａと前記側帯１３，１３
に架け渡された肩紐である。

以上のようにしてなるブラジヤーは、添布１２
に縫い付けられるカツプ支持体３が連結部３２を
備えているため、前記カツプ１１，１１の頂部間
すなわち乳間が正確に所定寸法に設定されたブラ
ジヤーとして形成される。また、前記連結部３２
が存在することにより、使用時においても乳間の
寸法が確実に所定寸法に維持される。さらに、カ
ツプ１１，１１に垂れ下がつた乳房による下方向
の圧力がかかつても、添布１２からのカツプ１
１，１１の立ち上がり角度が強固に保持され、乳
房の垂れ下がりが確実に矯正される。すなわち、
上記のようなブラジヤーであれば、例え垂れ下が
りの著しい乳房であつてもカツプ保形体２による
高い保形性で持ち上げられ、しかも乳間が強固に
一定に保持されて、持ち上げられた乳房が横方向
に拡がつて偏平になることもない。

尚、上記実施例では、カツプ保形体２，２及び
カツプ支持体３はそれぞれカツプ１１，１１もし
くは添布１２の裏側に縫い付けられているため直
接着用者の肌に接触するが、第４図に示すよう
に、カツプ保形体２，２とカツプ支持体３をカツ
プ１１，１１及び添布１２を形成する布地中に縫
い込んでしまうようにして、これらカツプ保形体
２やカツプ支持体３が直接肌に触れないようにし
てもよく、このようにしても乳房に対して前述の
ものと同様の整形効果が得られる。

また、本考案では、カツプ１１，１１のＵ字状
底辺の形状をより強固に保持するために、第５図
に示すように、カツプ保形体２，２とカツプ支持
体３の境界部すなわちカツプ１１，１１の底辺相
当部にワイヤ５を埋設するようにしてもよい。こ
のワイヤ５は、カツプ保形体２を合成樹脂で一体
成型する場合には、成型前に予め所定位置に配置
しておくことにより容易に埋設することができ
る。

また、カツプ保形体及びカツプ支持体は、良好
な着用感を得るためにシリコン樹脂を始めとする
弾性材で形成することが好ましいが、本考案で
は、伸縮性がないかもしくはきわめて小さい非伸
縮性材であれば特にその材質を問うものではな
い。

また、本考案は、第１図〜第４図に示されるカ
ツプ保形体２，２及びカツプ支持体３を、シリコ
ン樹脂等に代えて、形状記憶樹脂もしくは形状記
憶合金をシリコン樹脂等の軟質樹脂でモールドし
たものを使用してもよい。そして、形状記憶樹脂
を使用する場合は、これが硬い場合、第６図に示
すように布地中に保持させて固設することが好ま
しく、また、形状記憶合金をシリコン樹脂等の軟
質樹脂でモールドしたものを使用する場合は、第
７図ａ，ｂに示すように布地に縫着させて固設し
てもよいし、また第７図ｃに示すように布地中に
保持させて固設してもよい。なお、第７図ａ，
ｂ，ｃ中、Ａはシリコン樹脂等よりなる軟質樹
脂、Ｂは形状記憶合金を示している。

また、本考案は、上記実施例で説明したブラジ
ヤーに限らず、たとえばオールインワン型ブラジ
ヤーに適用することができるのは勿論である。

［考案の効果］ 以上のように、本考案によるブラジヤーによれ
ば、つぎのような効果を奏する。

カツプ支持体が中央部で連結していることに
より、乳間の間隔が所定寸法通りに形成された
ブラジヤーとなり、バストを確実に良好なもの
に整形することができる。

添布からのカツプの立ち上がり角度が強固に
維持され、且つ各乳間の寸法も強固に保持され
るから、垂れ下がりの著しい弾力のない乳房で
も常に良好な形状に整形することができる。

上記カツプ支持体およびカツプ保形体を形状
記憶樹脂もしくは形状記憶合金を樹脂でモール
ドしたもので構成すると、たとえ外力によつて
カツプ支持体およびカツプ保形体が変形したと
しても、その形状戻り作用で、再び元の状態に
戻すことができるため。設定した乳間の距離お
よびカツプの立ち上がり角度を長期間維持で
き、上記，の効果をさらに長い期間に亘り
持続させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例のブラジヤーの一部を切
り欠いた正面図、第２図は同じく使用状態におけ
る要部の拡大縦断面図、第３図はカツプ保形体の
平面図、第４図は他の実施例による要部の縦断面
図、第５図はさらに他の実施例によるカツプ保形
体とカツプ支持体の縦断面図、第６図はカツプ保
形体とカツプ支持体を形状記憶樹脂で構成した場
合の要部の縦断面図、第７図ａ，ｂ，ｃはそれぞ
れカツプ保形体とカツプ支持体を、形状記憶合金
を樹脂でモールドしたもので構成した場合の要部
の縦断面図である。 １１，１１……カツプ、１２……添布、２……
カツプ保形体、３，３……カツプ支持体、３１，
３１……Ｕ字状部、３２……連結部、Ａ……シリ
コン樹脂等よりなる軟質樹脂（樹脂）、Ｂ……形
状記憶合金。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 各カツプの底辺に胴回りにフイツトする添布
   が連設されたブラジヤーにおいて、 前記各カツプに、これらカツプの底辺に沿う
   略Ｕ字状のカツプ保形体が固設されるととも
   に、前記添布に、前記各カツプの底辺に沿う一
   対のＵ字状部と各カツプの中間部において前記
   各Ｕ字状部を連結しカツプの裾方向に湾曲する
   連結部とからなるカツプ支持体が固設され、且
   つ前記カツプ保形体とカツプ支持体は非伸縮性
   材でなるとともに各カツプの底辺に対応する部
   分で連結された一体形成物であることを特徴と
   するブラジヤー。 (2) カツプ保形体およびカツプ支持体が形状記憶
   樹脂よりなる請求項(1)記載のブラジヤー。 (3) カツプ保形体およびカツプ支持体が形状記憶
   合金を樹脂でモールドしたものよりなる請求項
   (1)記載のブラジヤー。