JP2003313703A - 人体骨格に有機的に対応する女性用衣料、及びこれに用いる人体骨格に有機的に対応する面状芯体 - Google Patents

人体骨格に有機的に対応する女性用衣料、及びこれに用いる人体骨格に有機的に対応する面状芯体

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JP2003313703A
JP2003313703A JP2002119701A JP2002119701A JP2003313703A JP 2003313703 A JP2003313703 A JP 2003313703A JP 2002119701 A JP2002119701 A JP 2002119701A JP 2002119701 A JP2002119701 A JP 2002119701A JP 2003313703 A JP2003313703 A JP 2003313703A
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Akira Takatsu
章 高津
Satoshi Kanzaki
磋利 神崎
Setsuo Kanzaki
説夫 神崎
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 ブラジャー等の女性用衣料の設計思想を
根本的に変え、当該女性用衣料の商品設計を着用時の伸
張方向(力線の作用方向)に基づき、且つバストの連結
部(実質空間部)に与える力及び歪み量を除去するデザ
インをベースにして、ファンデーションとしての機能を
十分に発揮させることを可能とした女性用衣料を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 身頃体は、人体骨格のバスト又はヒップ
の断面形状を全周にわたって覆うように、且つその一部
が少なくとも伸縮性を有するように構成され、女性のバ
スト又はヒップを覆う左右のカップ部は、その上端部に
連結された連結部材を備え、前記連結部材がカップ部を
上方に吊り上げる力が、前記身頃体がカップ部を体側方
向に引っ張る力と、略バランスするように構成して課題
を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人体骨格に有機
的に対応する身頃体を備えたブラジャーや水着、ボディ
スーツ等の女性用衣料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のブラジャー、水着、ボデ
ィスーツ等の女性用衣料は、バスト収容部であるバスト
カップ体およびバスト以外の人体胸部に当接される身頃
体からなり、前記バストカップ体は布体あるいはモール
ド成形により略バスト形状に対応した椀形形状に形成さ
れ、該バストカップ体の周縁部が布体あるいはモールド
成形により形成された前記身頃体との対応接合周縁部に
おいて縫合あるいは接合されて一体に構成されている。
【0003】しかしながら、図18に示したように身頃
体111は通常はほぼ平板状に形成されるか、僅か湾曲
されて形成されているにすぎない。したがって、該身頃
体111に縫合あるいは接合されるバストカップ体11
2の周縁部113もほぼ平板状に形成されるか、僅か湾
曲されて形成されているにすぎない。したがって、この
ような従来の平面的なトップを着用すると、図19に示
したように、バストカップ体112の頂部Tが外側に開
いてしまう他、人体骨格B1の曲面に対応できない部分
BT(斜線内)がバストカップ体112の全体の形状を
歪めることになる。特に、前記身頃体111が布体によ
って構成されている場合には、トップの着用によってバ
スト寄せやバストアップ効果等は殆ど期待できないた
め、それらのために種々の複雑な構造の対策が講じられ
ている。また通常、前記バスト寄せやバストアップ効果
を補完するためにバストカップ体112の保形および整
容を目的として、バスト補正のためのワイヤーボーンも
多用されている。
【0004】このため、このような従来構成の女性用衣
料においては、図19(A)の一点鎖線のように着用前
のバストカップ体112の位置を人体のバスト(太点
線)B2より僅かからだの中央を向いた形状に形成する
ことによって、トップ着用時のバスト寄せ効果を得るよ
うにしていた。ところが、通常はほぼ平板状に形成され
るか、僅か湾曲されて形成されているにすぎない身頃体
111を着用者の人体骨格の胸部断面形状B1に沿って
装着していくことによって、着用後には前記バストカッ
プ体112は幾分外側を向いてしまい、バスト寄せ効果
を損なう結果を招いていた。
【0005】そこで、本出願人は、上記の問題点を解決
するものとして、着用後における確実なバスト寄せ効果
が得られる簡素な構成の人体骨格に有機的に対応するバ
ストカップ体及びそのボディ構造を、既に提案している
(特許第2619229号)。
【0006】この特許第2619229号に係る人体骨
格に有機的に対応するバストカップ体及びそのボディ構
造は、人体骨格に有機的に対応するバストカップ体およ
び身頃体からなるブラジャー等トップの乳房中心下辺近
傍のボディ構造において、前記身頃体の人体骨格に沿う
着用前の断面形状を着用者の人体骨格の胸部断面形状よ
り僅かにその曲率を大きく形成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記特許第2619229号に係る人体骨格に
有機的に対応するバストカップ体及びそのボディ構造
は、身頃体の人体骨格に沿う着用前の断面形状を着用者
の人体骨格の胸部断面形状より僅かにその曲率を大きく
形成することにより、着用前に人体骨格の胸部断面形状
より僅かにその曲率を大きく形成された断面形状の身頃
体を人体骨格の胸部断面形状に沿って着用すると、前記
身頃体は人体の前胸部中間点を中心にして拡開し、やや
剛性のある前記身頃体によって該身頃体に縫合あるいは
接合されたバストカップ体を体の中央を向いた方向に傾
動させることができ、バスト寄せ効果がある程度得られ
るものであった。
【0008】しかし、上記特許第2619229号に係
る人体骨格に有機的に対応するバストカップ体及びその
ボディ構造の場合には、ブラジャー等トップの乳房中心
下辺近傍のボデイ構造に限定したものであるため、バス
トの中心下辺近傍は、ある程度バスト寄せ効果が得られ
ても、乳房の基底部はそのまま人体骨格であり、その人
体骨格のベースの上に乳房の接続点(輪郭)があり、身
頃体とバストカップ体との切替線(縫製加工部分)がバ
ストサイドにあるとの認識に基づくため、バストトップ
部の満足のいく形状を創出することができないという問
題点を有していた。
【0009】更に説明すると、上記ブラジャー等のファ
ンデーション200は、図20に示すように、アウター
と異なり、人体への対応は、程よい緊縛感をもって装着
されることを前提としている。この程よい緊縛感を得る
手段は、ブラジャー200の身頃体201に伸縮性素材
を使用し、当該身頃体201が程よい緊縛感を得られる
伸び代D(身頃体の伸張率)をもって着用されるように
構成したものである。
【0010】しかし、乳房部を形成するバストカップ体
202は、原則として基底を持たないため、伸縮性素材
からなる身頃部201によって、図21に示すように、
身頃部201の全域(人体の中央部から体側部まで)に
力線1B’が働く領域は、問題ないが、バストカップ体
202の1A’、2A’、3A’の領域には、伸縮性素
材からなる身頃部201の伸張力によって、ボデイサイ
ドに引っ張られる力線が作用する。このバストカップ体
201の1A’、2A’、3A’の領域をボデイサイド
に引っ張る力線は、反作用として人体の中央部に向かう
力が存在しないため、結果的に、バストのトップ部を押
さえる乳房圧Gとバランスし、図22に示すように、バ
ストを圧迫して偏平にさせてしまい、バストトップ部の
満足のいく形状を創出する本来のファンデーションとし
ての役割を十分果たすことができないという問題点を有
していた。
【0011】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、ブラジャー等の女性用衣料の設計思想を根本的
に変え、当該女性用衣料の商品設計を着用時の伸張方向
(力線の作用方向)に基づき、且つバストの連結部(実
質空間部)に与える力及び歪み量を除去するデザインを
ベースにして、ファンデーションとしての機能を十分に
発揮させることを可能とした女性用衣料を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、人体骨格に有機的に
対応する身頃体を備えたブラジャー等の女性用衣料にお
いて、前記身頃体は、人体骨格回りの略全周を覆うよう
に、且つその一部が少なくとも伸縮性を有するように構
成され、女性のバストを覆う左右のカップ部又はヒップ
を覆う左右のカップは、その身頃体と接合される基底部
の輪郭形状が、人体骨格のバスト又はヒップの基底部の
湾曲形状よりも、僅かに大きな曲率形状を有するように
構成したことを特徴とする人体骨格に有機的に対応する
女性用衣料である。
【0013】また、請求項2に記載された発明は、人体
骨格に有機的に対応する身頃体を備えたブラジャー等の
女性用衣料において、前記身頃体は、人体骨格のバスト
又はヒップの断面形状を全周にわたって覆うように、且
つその一部が少なくとも伸縮性を有するように構成さ
れ、女性のバスト又はヒップを覆う左右のカップ部は、
その上端部に連結された連結部材を備え、前記連結部材
がカップ部を上方に吊り上げる力が、前記身頃体がカッ
プ部を体側方向に引っ張る力と、略バランスするように
構成したことを特徴とする人体骨格に有機的に対応する
女性用衣料である。
【0014】ところで、女性用衣料としてブラジャーを
例に、本発明について更に説明する。ブラジャーは、略
円錐体であるバストを保持するものであるが、略円錐体
であるバストを保持するためには、図27(a)に示す
ように、バストに作用する360度の力A〜Hを均衡さ
せる必要がある。人体のバストは、加齢と共に下垂す
る。これは、バストに作用する360度の力A〜Hのう
ち、上向きに作用する力A、B、Cの張力が弱化するこ
とによる。これを、バストを上方に引き上げるBの力
(肩紐)の力と、D〜H間の保持力(格子部分を押さえ
る)とによってバストを保持するのがブラジャーであ
る。しかし、次に説明するように、ブラジャーには、バ
スト基底スペースを保持する(維持する)布体が無いこ
とから、身頃体の伸張がバストを押さえ込む力に転換さ
れてしまう。この身頃体の伸張がバストを押さえ込む力
をカットさせる役割を従来果たしているのが、ワイヤー
ボーンである。つまり、従来のブラジャーは、バスト基
底スペースを保持する(維持す る)力を、身頃体がバ
ストを横方向に引っ張る力により発生させているため、
ブラジャーには、図27(b)に示すように、基本的
に、三角形を成す力が働いている。
【0015】つまり、本発明は、上記の点に鑑みて、身
頃体の伸張力によって、バストを圧迫する力線が働かな
い三次元形状と面状芯体を創造するものである。
【0016】その第1が人体骨格の認識(人体に固定す
る部分)と、バストをカットした人体骨格の空白部分
(バスト基底)の認識による。その第2が製品特性か
ら、さらにチェスト部が欠除しているとの認識に基づく
ものである。
【0017】図28(A)に示すように、バスト全体に
身頃体がある場合には、身頃体がバストを横方向に引っ
張る力によって発生する歪は、バストの左右両側に中央
部から上下方向に行くに従って徐々に小さくなる略楕円
形状の歪となる。
【0018】これに対して、肩紐無しのブラジャーの場
合には、図28(B)に示すように、バストを覆う身頃
体のうち、バストの上部を覆う身頃体がないため、身頃
体の上端部の歪が大きくなった状態となる。
【0019】また、通常の肩紐付きブラジャーの場合に
は、図28(C)に示すように、バストを覆う身頃体の
上端部にプラス指向の歪が発生するが、肩紐によって上
方に引っ張られているため、このプラス方向の歪は、図
28(A)(B)の場合よりも小さい。さらに、バスト
を覆うカップ部の上方は、肩紐によって上方に引っ張ら
れているとともに、身頃体によって側方に引っ張られて
いるため、当該バストを覆うカップ部の上方には、マイ
ナス指向の歪が発生する。
【0020】従来、上記図28(C)に示す歪を考慮し
て、ブラジャーのチェスト部等の3次元形状を考慮した
設計又はボーン性能を設計したものは無い。
【0021】そこで、本発明は、上述した考察に基づい
て、ブラジャーとしての力の働きを考慮し、従来のブラ
ジャーの欠点である歪を少なく設計又は考慮し、着用感
及び補正機能等に優れたブラジャー等の女性用衣料を提
供するものである。
【0022】図29に示すように、バスト輪郭部全域に
身頃体があり、かつ身頃体が伸びないものであれば、原
則としてバスト基底部空白部に大きな歪は発生しない。
【0023】しかし、通常、ブラジャーのカップ部は、
バスト輪郭の略半分をカバーし、かつ弾性(伸張力)に
富むことにより、利点の反面、欠点として歪を発生させ
る。そのため、カップ部及び身頃体の材質やハード性に
よって異なるが、この歪を解消する設計が必要となる。
【0024】そこで、本発明は、請求項1に記載したよ
うに、女性のバストを覆う左右のカップ部又はヒップを
覆う左右のカップは、その身頃体と接合される基底部の
輪郭形状が、人体骨格のバスト又はヒップの基底部の湾
曲形状よりも、僅かに大きな曲率形状を有するように構
成したものである。
【0025】なお、上記肩紐等の連結部材によってカッ
プ部を上方に吊り上げる力が作用すると、図30に示す
ように、カップ部に製品の膨らみを設計上考慮しても、
当該カップ部の上側の両サイドの端縁が直線状になり、
バストを圧迫して、着用者のバストが段になる場合があ
る。特に、肩紐を有しないストラップレス方式のブラジ
ャー(所謂、1/2カップブラ)の場合には、バストカ
ップの上辺の線が、身頃体の張力によって引き延ばさ
れ、角度が鋭角になり、バスト上部に喰い込む虞れがあ
る。
【0026】そこで、本発明は、図31に示すように、
人体骨格に基づくバスト基底の凹状化形状をチェストを
含めてデザインすることにある。具体的には、図31に
おいて、破線を付した部分が、人体骨格としてバストか
ら差し引かれる部分(内面の凹状化)である。また、図
31の下方に示すバストの下面図において、バスト基底
の凹状部分は、チェストに向かってカーブを描いて差し
引かれる。
【0027】更に説明すると、本発明は、例えば、女性
用衣料を着用した時に、身頃体がカップ部を体側方向に
引っ張る力と、略バランスするように、当該身頃体のカ
ップ部との接続部における曲率を大きく設定するように
構成される。
【0028】また更に、本発明は、別の表現をすると、
女性用衣料の身頃体は、着用時に、人体骨格にフィット
して、人体のバストやヒップなどに圧迫力を与えないの
が理想である。そのためには、女性用衣料の身頃体を着
用したときに、当該身頃体がバストやヒップを人体骨格
の体側方向に引っ張る力を、カップ部や身頃体そのもの
が、あるいは肩紐等の連結部材や、面状芯体などを用い
て打ち消すように構成すれば良い。
【0029】また、請求項3に記載された発明は、前記
左右のカップ部の少なくとも体側側に、身頃体がカップ
部を体側方向に引っ張る力を支持する剛性を持った面状
芯体を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
人体骨格に有機的に対応する女性用衣料である。
【0030】さらに、請求項4に記載された発明は、前
記左右のカップ部の下方端縁に、身頃体がカップ部を体
側方向に引っ張る力に対抗する弾性力を持ったワイヤー
ボーンを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載
の人体骨格に有機的に対応する女性用衣料である。
【0031】また更に、請求項5に記載された発明は、
人体骨格に有機的に対応する面状芯体において、前記面
状芯体は、弾性材料によって構成され、人体骨格のバス
ト又はヒップの膨出部の下端縁に沿って配置される面状
の芯体であって、前記人体骨格の膨出部の下端縁におけ
る、少なくとも人体骨格側及び膨出部側のいずれか一方
に配置される面状の部分を有することを特徴とする人体
骨格に有機的に対応する面状芯体である。
【0032】又、請求項6に記載された発明は、前記面
状芯体が、当該面状芯体が装着される女性用衣料を成形
して製造するときに、同時に成形され及び/又は女性用
衣料に装着されることを特徴とする請求項5に記載の人
体骨格に有機的に対応する面状芯体である。
【0033】この発明の請求項1に係る女性用衣料は、
女性のバストを覆う左右のカップ部又はヒップを覆う左
右のカップは、その身頃体と接合される基底部の輪郭形
状が、人体骨格のバスト又はヒップの基底部の湾曲形状
よりも、僅かに大きな曲率形状を有するように構成し、
身頃体による引っ張り力を、女性のバストを覆う左右の
カップ部又はヒップを覆う左右のカップの大きな曲率形
状が、拡開されることによる反発力によって打ち消すよ
うにしたものである。
【0034】また、上述した請求項2に記載されている
ように、女性のバスト又はヒップを覆う左右のカップ部
が、その上端部に連結された連結部材を備え、前記連結
部材がカップ部を上方に吊り上げる力が、前記身頃体が
カップ部を体側方向に引っ張る力と、略バランスするよ
うに構成することによって、身頃体がカップ部(ひいて
はバスト又はヒップ)を体側方向に引っ張る力を遮断さ
せ、カップ部が不本意にバスト又はヒップを押圧するの
を防止することを意図するものである。
【0035】しかも、この発明に係る女性用衣料は、こ
れを通常使用されるワイヤーボーンによって解決するで
はなく、連結部材がカップ部を上方に吊り上げる力が、
前記身頃体がカップ部を体側方向に引っ張る力と、略バ
ランスするように構成することによって解決したもので
あり、その具体的な手段として、より人体に自然(無理
なく)に対応した面状の芯体を使用したものである。
【0036】この面状芯体は、当然、人体骨格の形状に
有機的に対応した3次元形状であり、これまでの線状芯
体の問題点である局部的抵抗を解消し、極力広い面をも
って役割を担うことになる。
【0037】また、この面状芯体は、女性用衣料の製品
化自体を、当該3次元的形状の思想に基づき、設計製造
するモールドプレス等の成形時に、同時に接着及び/又
は形状化させることが可能であり、経済的である。
【0038】つまり、上記請求項6に記載したように、
前記面状芯体が、当該面状芯体が装着される女性用衣料
を成形して製造するときに、同時に成形され及び/又は
女性用衣料に装着されるのが望ましい。
【0039】さらに、上記面状芯体は、これに製品本来
のバストアップやヒップアップ等のサポート補正機能を
一体的に設計しても良いし、更にはこれに必要であれば
線状芯体を組み入れるように構成しても良い。この場
合、面状芯体が線状芯体をカバーする役割を併設し、製
品自体の凹凸感を解消し、且つ破損をカバーすることが
できる。
【0040】また更に、面状芯体は、製品の表裏を構成
する身頃体の中間にデザインカットされた合成樹脂フィ
ルム体又は合成樹脂のコーティング、更には合成樹脂を
含浸させた布等、又はインジェクション方式による単体
の面状芯体を接着し、又は縫い止め又は挿入するように
構成しても良い。
【0041】本発明は、上述したように、請求項2に記
載されている如く、人体骨格に有機的に対応する身頃体
を備えたブラジャー等の女性用衣料において、前記身頃
体は、人体骨格のバスト又はヒップの断面形状を全周に
わたって覆うように、且つその一部が少なくとも伸縮性
を有するように構成され、女性のバスト又はヒップを覆
う左右のカップ部は、その上端部に連結された連結部材
を備え、前記連結部材がカップ部を上方に吊り上げる力
が、前記身頃体がカップ部を体側方向に引っ張る力と、
略バランスするように構成したことを基本とする。
【0042】この基本的な発明を具体化するにあたって
は、人体骨格のバスト又はヒップの全域形状をベース
に、よりフィット保形するよう、請求項4に記載されて
いる如く、内蔵形成された面状芯体を採用したものであ
る。
【0043】その際、人体骨格のバスト又はヒップを構
成する被覆・ブラジャー等のカップ構造を、バスト又は
ヒップの全域形状を想定の上に、より人体骨格の形状に
フィットさせ、並びに補正能力を持たせる面状芯体を内
蔵した被服として、例えば具体化される。これには、カ
ップ部がバストカップ部等の全周を構成しないものを含
むものである。
【0044】上記面状芯体は、人体骨格の膨出部の下端
縁、例えば、バスト基底下辺の脇側部をハード指向に、
バスト基底上辺の前側部をソフト指向に構成される。
【0045】また、上記面状芯体は、基本的に、単独で
用いられるが、より補正力を高め且つ引っ張り力を支持
する剛性を持ったワイヤーボーン等を補強材として、併
用しても良い。
【0046】さらに、上記面状芯体は、当該面状芯体を
構成するシート体を、接着又は商品成形時に同時プレス
熱セットにより接着させるように構成してもよい。この
技術は、主に、モールド成形方式(一部又は全部)によ
って形成するファンデーションガーメントに生かされや
すく、求められる機能(ブラジャーの場合、バスト引き
上げ、バスト引き寄せ等の機能)を、請求項1及び2に
記載された構想のもとに、製品を構成する表裏二面の中
間部又は表地裏面(又は裏地外面)に、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂等を目的とする部位に、パターン的に塗
布又はフィルム状に介在させ、モールド成形等と一体的
に成形することにより、面状芯体を一体的に構成化する
ことができる。
【0047】また、上記面状芯体には、更に形状記憶合
金線、又はアモルファス合金等の線状体を、バスト輪郭
部などに合成させ、身頃体による引っ張り力をカットさ
せても良い。
【0048】更に、インジェクション方式による3次元
的な面状芯体、又はフィルム状シートを適宜にデザイン
化したものを熱成形し、独立したボーン体とし、製品に
適宜装着しても良い。
【0049】なお、表裏二枚の製品本体の中間部に、成
形時同時に面状芯体を構成することがより効率的である
が、製品に別途二次的にセットさせても良いことは勿論
である。
【0050】従来の線状芯体は、人体に局部的抵抗感を
与え苦痛を与えるものであったが、当該発明は製品本体
に、人体骨格に有機的に適合する曲面を持つ面状芯体
を、必要に応じて一体的に内蔵させたものであり、局部
的芯体を内蔵したものとはまったく異なるものである。
【0051】従来の線状芯体は、飽くまでもバスト等を
引き伸ばそうとする力(図1のB等)に対抗するもの
で、当該面状芯体のように、バスト引き上げる、又は引
き寄せる、さらにはヒップを上げる、腹部を抑える等の
力は無い。
【0052】さらには、本発明の面状芯体は、製品の身
頃体の伸張を妨げることなく、上記の作用を発揮し得る
ものである。また、面状芯体の領域を拡大することによ
り、より面状芯体の肉厚を薄くし、人体並びにシルエッ
トに影響を与えるのを軽減することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0054】実施の形態1 図2はこの発明の実施の形態1に係る人体骨格に有機的
に対応する女性用衣料としてのブラジャーを示すもので
ある。
【0055】図2において、1は女性用衣料としてのブ
ラジャーを示すものであり、このブラジャー1は、女性
の左右のバストをそれぞれ覆う左右のバストカップ部
2、3を備えている。これらの左右のバストカップ部
2、3は、当該左右のバストカップ部2、3の下方から
側方にわたって設けられる身頃体4と一体的に縫着され
ている。上記ブラジャー1は、身頃体4の背面側に位置
する両端部を、フックやアイ等の係止具によって連結す
ることにより、当該身頃体4は、人体骨格5の全周を覆
うように円筒形状に形成されている。この身頃体4は、
人体骨格5の全周にわたる1枚の帯状布片で構成しても
よいし、左右のバストカップ部2、3の下部にそれぞれ
位置する左右の身頃体と、これら左右の身頃体に体側部
でそれぞれ縫着されて背面側に位置する身頃体とから構
成しても、あるいは左右のバストカップ部2、3の中央
部の下方に位置する身頃体と、左右のバストカップ部
2、3の下部から体側側にそれぞれ位置する左右の身頃
体と、これら左右の身頃体に体側部でそれぞれ縫着され
て背面側に位置する身頃体など、複数枚の身頃体から構
成してもよい。なお、上記身頃体4は、その背面側を構
成する素材に伸縮性を持たせるとともに、当該身頃体4
を円筒状に形成することによって、フックやアイ等から
なる係止具を使用しないように構成しても良い。図2
中、6、7は左右の肩紐としての肩にかける連結部材と
してのストラップを示すものである。
【0056】また、上記身頃体4は、図1示すように、
少なくともその一部、例えば、女性の体の背面側に位置
する部分、あるいはその全部が伸縮性を有する素材によ
って形成されているとともに、当該身頃体4の長さは、
女性の人体骨格の全周長よりも、長さDだけ短く設定さ
れており、ブラジャー1を女性の人体骨格に装着する際
に、伸縮性素材からなる身頃体4が伸張して、程よい緊
縛感をもって装着されるように構成されている。
【0057】上記左右のバストカップ部2、3は、発泡
ウレタン等の軟質樹脂によってモールド成形等により、
所定のカップ形状に一体的に構成しても良いし、図3に
示すように、当該バストカップ部2、3の表面側を構成
する素材8と、当該カップ部2、3の裏面側を構成する
素材9とから構成されている。なお、上記左右のバスト
カップ部2、3は、図3に示すように、当該カップ部
2、3の表面側を構成する素材8と、当該カップ部2、
3の裏面側を構成する素材9と、これら表面側を構成す
る素材8と裏面側を構成する素材9との間に介在された
乳房パッド10とから構成しても勿論よい。
【0058】ところで、この実施の形態では、例えば、
女性のバストを覆う左右のカップ部又はヒップを覆う左
右のカップは、その身頃体と接合される基底部の輪郭形
状が、人体骨格のバスト又はヒップの基底部の湾曲形状
よりも、僅かに大きな曲率形状を有するように構成し、
身頃体による引っ張り力を、女性のバストを覆う左右の
カップ部又はヒップを覆う左右のカップの大きな曲率形
状が、拡開されることによる反発力によって打ち消すよ
うになっている。また、この実施の形態では、人体骨格
に有機的に対応する身頃体を備えたブラジャー等の女性
用衣料において、前記身頃体は、人体骨格の胸部断面形
状を全周にわたって覆うように、且つその一部が少なく
とも伸縮性を有するように構成され、女性のバストを覆
う左右のバストカップ部は、その上端部に連結された肩
紐部材を備え、前記肩紐部材がバストカップ部を上方に
吊り上げる力が、前記身頃体がバストカップ部を体側方
向に引っ張る力と、略バランスするように構成されてい
る。
【0059】また、この実施の形態では、前記左右のバ
ストカップ部の少なくとも体側側に、身頃体がバストカ
ップ部を体側方向に引っ張る力を支持する剛性を持った
面状芯体を設けるように構成されている。
【0060】すなわち、上記ブラジャー1は、図1及び
図2に示すように、女性のバストを覆う左右のバストカ
ップ部2、3が、その上端部に連結された肩紐部材5、
6を備えており、当該肩紐部材5、6は、ゴム紐等の弾
性を有する部材によって構成されており、左右のバスト
カップ部2、3を所定の張力Eで、上方に吊り上げるよ
うに構成されている。
【0061】そして、上記肩紐部材5、6が左右のバス
トカップ部2、3を上方に吊り上げる張力Eは、身頃体
4がバストカップ部2、3を体側方向に引っ張る力B
と、略バランスするように構成されている。
【0062】つまり、上記肩紐部材5、6が左右のバス
トカップ部2、3を上方に吊り上げる張力Eは、その分
力として、バストカップ部2、3の幅方向の両端部を、
バストトップ部に引き寄せる力Fを作用させる。その結
果、これらのバストトップ部に引き寄せる力Fが、身頃
体4がバストカップ部2、3を体側方向に引っ張る力B
と、略バランスするように設定されている。
【0063】その際、上記身頃体4がバストカップ部
2、3を体側方向に引っ張る力Bの方が、肩紐部材5、
6が左右のバストカップ部2、3を上方に吊り上げる張
力Eよりも強い場合には、図4(a)に示すように、バ
ストカップ部2、3に横方向のシワを発生させてしま
う。一方、上記身頃体4がバストカップ部2、3を体側
方向に引っ張る力Bの方が、肩紐部材5、6が左右のバ
ストカップ部2、3を上方に吊り上げる張力Eよりも弱
い場合には、図4(b)に示すように、バストカップ部
2、3に縦方向のシワを発生させてしまうことになる。
なお、図4に示す実施の形態では、左右のバストカップ
部2、3の下方端縁に、ワイヤーボーン10を設けた場
合を示している。
【0064】これに対して、身頃体4がバストカップ部
2、3を体側方向に引っ張る力Bと、肩紐部材5、6が
左右のバストカップ部2、3を上方に吊り上げる張力E
とがバランスしている場合には、図4(a)(b)に示
すように、バストカップ部2、3に横方向のシワや、縦
方向のシワが発生することがなく、バストカップ部2、
3が本来の形状を維持することになる。
【0065】但し、上記左右のバストカップ部2、3
は、図3に示すように、当該バストカップ部2、3の表
面側を構成する素材8や、当該カップ部2、3の裏面側
を構成する素材9、あるいはこれら表面側を構成する素
材8と裏面側を構成する素材9との間に介在された乳房
パッド10とから構成されているため、左右のバストカ
ップ部2、3自体は、それ程剛性が高くない。そのた
め、上記左右のバストカップ部2、3に身頃体4の引っ
張り力Bが、そのまま作用すると、当該身頃体4の引っ
張り力Bと、肩紐部材5、6が左右のバストカップ部
2、3を上方に吊り上げる張力Eとがバランスしていて
も、左右のバストカップ部2、3の形状が本来の形状か
ら崩れてしまう虞れがある。
【0066】そのため、上記左右のバストカップ部2、
3の体側部分と身頃体4との間に、身頃体4がバストカ
ップ部2、3を体側方向に引っ張る力Bを支持する剛性
を持った面状芯体11を設けるのが望ましい。この面状
芯体11は、バストカップ部2、3側に設けても、身頃
体4側に設けてもよく、又、バストカップ部2、3から
身頃体4の双方に渡って設けてもよい。
【0067】この面状芯体は、人体骨格に有機的に対応
する面状芯体において、前記面状芯体は、弾性材料によ
って構成され、人体骨格のバスト又はヒップの膨出部の
下端縁に沿って配置される面状の芯体であって、前記人
体骨格の膨出部の下端縁における、少なくとも人体骨格
側及び膨出部側のいずれか一方に配置される面状の部分
を有するように構成されている。
【0068】また、上記面状芯体は、必要に応じて、当
該面状芯体が装着される女性用衣料を成形して製造する
ときに、同時に成形され及び/又は女性用衣料に装着さ
れる。
【0069】上記面状芯体11としては、例えば、図5
に示すように、左右のバストカップ部2、3の体側部に
位置する身頃体4に、コーテイングや裏当て等を施すこ
とによって、剛性を持たせた部材が用いられる。
【0070】また、上記面状芯体11としては、図6に
示すように、左右のバストカップ部2、3を、女性の人
体骨格に装着した状態を想定し、当該バストカップ部
2、3の裾野に位置する乳房の輪郭線12を境として、
当該乳房の輪郭線12のバスト側に位置する部分を短い
直線で近似したカップ線13a、13b、13c・・・
と、当該カップ線13a、13b、13c・・・に対し
て所定の角度で連結され、かつカップ線13a、13
b、13c・・・よりも女性の人体骨格側に位置する部
分を短い直線で近似した身頃線14a、14b、14c
・・・とを、バストカップ部2、3の下方の端縁に沿っ
て、複数(図示例では、5本)設定し、これら複数のカ
ップ線13a、13b、13c・・・と身頃線14a、
14b、14c・・・とを、図7に示すように、バスト
カップ部2、3の裾野に位置する乳房の輪郭線12に沿
って滑らかに連結するとともに、カップ線13a、13
b、13c・・・側に位置する曲面15と、身頃線14
a、14b、14c・・・側に位置する曲面16とを有
する面状芯体11を、合成樹脂やコーテイングした布地
等によって形成する。図6は、乳房輪郭線を基点にバス
トカップ部2、3と身頃体4(人体骨格)の接続角度を
も示すものである。
【0071】なお、上記女性の人体骨格は、その正面形
状が図15に示すようになっており、また、女性の人体
骨格のうち、バスト部分の形状は、図16及び図17に
示すように、バストを除いた部分の人体骨格の断面形状
が、略楕円形状になっているとともに、バスト部分は、
略円錐形状であるが、重力の影響によって、その上面及
び下面が下向きに凸の曲線を描くように湾曲している。
【0072】また、上記面状芯体11は、図7(A)
(C)に示すように、極力、コーティング方式がベース
になるが、フィルム状又は布帛体等なるものであっても
良い。さらに、上記面状芯体11の代わりに、ボーン状
芯体として、射出成形方式等によるボーン構造を形成し
ても良い。また、図7(B)に示すように、複数のカッ
プ線13a、13b、13c・・・と身頃線14a、1
4b、14c・・・に対応して、図中の符号17a、1
7b、17c・・・で示す断面形状を持たせることによ
り、より強度を高めるように構成しても良い。なお、基
本的には、ワイヤー構造(線状)は飽くまでボーン状態
の芯又は面状芯体のコーティング部に挿入又はサンドす
る方式にて採用(当然ハードなものではない)されるの
が望ましい。なお、図7(A)の湾曲線19は、図7
(C)の湾曲線19と一致している。また、図7(B)
の湾曲線20を有する傾斜した部分は、フラットに形成
されていても良い。なお、上記面状芯体11は、射出成
形によって形成しても良い。
【0073】図7は図6に基づき図中央が図6の乳房輪
郭部(膨出部の下端縁)を面状芯体とした一例であり、
上図は乳房領域側にその芯体領域を拡大した事例で、下
図が逆に身頃骨格側を芯体領域とした事例であり、これ
ら上下を一体に形成しても良い。
【0074】また、上記面状芯体は、極力エッジを薄く
することが製品として望ましいが、乳房輪郭線に厚みを
持たせることは、当該面状芯体の能力を高めるために望
ましい。
【0075】さらに、上記面状芯体を構成する材料は、
弾性材料が望ましく、熱硬化性を有することが必要であ
るが、極力人体への抵抗を生じないように、熱セット後
の弾性と表面の柔軟性を有することが望ましい。
【0076】以上の構成において、この実施の形態1に
係るブラジャーでは、次のようにして、ブラジャー等の
女性用衣料の設計思想を根本的に変え、当該女性用衣料
の商品設計を着用時の伸張方向(力線の作用方向)に基
づき、且つバストの連結部(実質空間部)に与える力及
び歪み量を除去するデザインをベースにして、ファンデ
ーションとしての機能を十分に発揮させることが可能と
なっている。
【0077】すなわち、この実施の形態1に係るブラジ
ャーでは、図1に示すように、肩紐部材5、6がバスト
カップ部2、3を上方に吊り上げる力Eが、前記身頃体
4がバストカップ部2、3を体側方向に引っ張る力B
と、略バランスするように構成されているので、身頃体
4がバストカップ部2、3を体側方向に引っ張る力Bに
よって、バストカップ部2、3が体側方向に引っ張ら
れ、バストカップ部2、3によって女性のバストが押圧
されることがなく、バストカップ部2、3は、本来の形
状を維持・創出することができるため、ファンデーショ
ンとしての機能を十分に発揮させることが可能となって
いる。
【0078】実施の形態2 図8はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記
実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明
すると、この実施の形態2では、左右のバストカップ部
の下方端縁に、身頃体がバストカップ部を体側方向に引
っ張る力に対抗する弾性力を持ったワイヤーボーンを、
面状芯体と共に設けるように構成されている。
【0079】すなわち、この実施の形態2では、図8に
示すように、左右のバストカップ部2、3の下方端縁
に、合成樹脂や金属、あるいは形状記憶合金等からな
り、上向きの略U字形状に形成されたワイヤーボーン2
0が設けられている。このワイヤーボーン20は、両端
部の間隔が、所定の幅よりも狭く設定されており、ブラ
ジャーを着用した際に、ワイヤーボーン20が拡開し
て、身頃体4がバストカップ部2、3を体側方向に引っ
張る力Bと略バランスするように構成されている。
【0080】なお、上記ワイヤーボーン20は、図23
に示すように、左右のバストカップ部2、3の中央部分
を円形状に囲む面状芯体11、又は左右のバストカップ
部2、3の下端近傍部分を囲む面状芯体11を備えてい
る。この面状芯体11は、図24に示すように、芯体と
裏地にコーティングしたり、又は表地にコーティングし
てもよく、あるいは面状芯体11をベースに表裏をコー
ティングしても良い。その際、上記ワイヤーボーン20
は、面状芯体11の裏面側に配置しても、表面側に配置
しても良い。
【0081】また、上記ワイヤーボーン20としては、
上向きの略U字形状に形成されたワイヤーボーン20に
限らず、図9に示すように、左右のバストカップ部2、
3の下方端縁を含むバストカップ部2、3の全周にわた
って、環状に形成されたワイヤーボーン30を用いても
よい。この環状のワイヤーボーン30は、図9に示すよ
うに、合成樹脂や金属、あるいは形状記憶合金等からな
り、断面形状が所定の肉厚を有する平板状に形成されて
おり、角部には面取りが施されている。
【0082】また、上記環状のワイヤーボーン30は、
図10乃至図12に示すように、当該ワイヤーボーン3
0が装着される人体骨格の3次元形状に対応して、複雑
に湾曲した3次元形状に形成されている。図10はバス
トの上部よりチェスト側(上側)を示し、図11はバス
トの上部よりアンダー側(下側)を示し、図12はバス
トの正面から見た状態を示すものである。
【0083】上記環状のワイヤーボーン30は、図9に
示すように、その下端部が人体骨格に対応して、略垂直
な面状に形成されているとともに、人体骨格の曲面に対
応して、体側部に行くに従って、体の背面側に向けて湾
曲するように構成されている。
【0084】さらに、上記環状のワイヤーボーン30
は、図13に示すように、左右のバストカップ部2、3
に縫着等の手段によって装着される。
【0085】但し、上記ワイヤーボーン30は、図9乃
至図12に示すように、環状に形成したものを基本形状
とするが、必ずしもこれに限定される訳ではなく、図1
4(a)に示すように、下向きの略U字形状、図14
(b)に示すように、体側部側を切り欠いた略C字形
状、図14(c)に示すように、バストカップ部の上部
を切り欠くとともに、肩紐部材5、6に渡って延長させ
た略J字形状、図14(d)に示すように、バストカッ
プ部2、3の内側の端縁に沿ってのみ設けた略S字形状
などに形成してもよい。
【0086】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】実施の形態3 図25及び図26はこの発明の実施の形態3を示すもの
であり、この実施の形態3に係る女性用衣料は、ブラジ
ャー等に限定されるものではなく、ガードル等に適用し
たものである。
【0088】このガードル40は、図25及び図26に
示すように、女性の人体骨格のヒップ部を含む腰の部分
を覆うように構成されており、当該ガードル40は、左
右のヒップ部の膨出部41、42を、身頃部43が左右
に引っ張る力と、連結部材44が膨出41、42を上方
に吊り上げる力が、略バランスするように構成されてい
る。
【0089】なお、この実施の形態3に係る女性用衣料
においても、必要に応じて、左右のヒップ部の膨出部4
1、42において、その下端縁などに、面状芯体が用い
られる。
【0090】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、その説明を省略する。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、ブラジャー等の女性用衣料の設計思想を根本的
に変え、当該女性用衣料の商品設計を着用時の伸張方向
(力線の作用方向)に基づき、且つバストの連結部(実
質空間部)に与える力及び歪み量を除去するデザインを
ベースにして、ファンデーションとしての機能を十分に
発揮させることを可能とした女性用衣料を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る女性用
衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る女性用
衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係る女性用
衣料としてのブラジャーを示す断面構成図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係る女性用
衣料としてのブラジャーの作用を示す説明図である。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態1に係る女性用
衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。
【図6】 図6はこの発明の実施の形態1に係る面状芯
体を示す構成図である。
【図7】 図7はこの発明の実施の形態1に係る面状芯
体を示す構成図である。
【図8】 図8はこの発明の実施の形態2に係る女性用
衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態2に係る女性用
衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図である。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図であ
る。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図であ
る。
【図12】 図12はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図であ
る。
【図13】 図13はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーの要部を示す構成図であ
る。
【図14】 図14はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーの他の例を示す構成図であ
る。
【図15】 図15は人体骨格を示す説明図である。
【図16】 図16は人体骨格を示す説明図である。
【図17】 図17は人体骨格を示す説明図である。
【図18】 図18は従来の女性用衣料としてのブラジ
ャーを示す説明図である。
【図19】 図19は従来の女性用衣料としてのブラジ
ャーを示す説明図である。
【図20】 図20は従来の女性用衣料としてのブラジ
ャーを示す説明図である。
【図21】 図21は従来の女性用衣料としてのブラジ
ャーを示す説明図である。
【図22】 図22は人体骨格を示す説明図である。
【図23】 図23はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図24】 図24はこの発明の実施の形態2に係る女
性用衣料としてのブラジャーを示す断面構成図である。
【図25】 図25はこの発明の実施の形態3に係る女
性用衣料としてのガードルを示す断面構成図である。
【図26】 図26はこの発明の実施の形態3に係る女
性用衣料としてのガードルを示す断面構成図である。
【図27】 図27はこの発明の原理を示す説明図であ
る。
【図28】 図28はこの発明の原理を示す説明図であ
る。
【図29】 図29はこの発明の原理を示す説明図であ
る。
【図30】 図30はこの発明の原理を示す説明図であ
る。
【図31】 図31はこの発明の原理を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1:ブラジャー(女性用衣料)、2、3:左右のバスト
カップ部、4:身頃体、6、7:ストラップ(連結部
材)、E:連結部材が左右のバストカップ部を上方に吊
り上げる張力、B:身頃体がバストカップ部を体側方向
に引っ張る力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 説夫 神奈川県厚木市田村町6番11号、株式会社 ダッチェス内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体骨格に有機的に対応する身頃体を備
    えたブラジャー等の女性用衣料において、前記身頃体
    は、人体骨格回りの略全周を覆うように、且つその一部
    が少なくとも伸縮性を有するように構成され、女性のバ
    ストを覆う左右のカップ部又はヒップを覆う左右のカッ
    プは、その身頃体と接合される基底部の輪郭形状が、人
    体骨格のバスト又はヒップの基底部の湾曲形状よりも、
    僅かに大きな曲率形状を有するように構成したことを特
    徴とする人体骨格に有機的に対応する女性用衣料。
  2. 【請求項2】 人体骨格に有機的に対応する身頃体を備
    えたブラジャー等の女性用衣料において、前記身頃体
    は、人体骨格のバスト又はヒップの断面形状を全周にわ
    たって覆うように、且つその一部が少なくとも伸縮性を
    有するように構成され、女性のバスト又はヒップを覆う
    左右のカップ部は、その上端部に連結された連結部材を
    備え、前記連結部材がカップ部を上方に吊り上げる力
    が、前記身頃体がカップ部を体側方向に引っ張る力と、
    略バランスするように構成したことを特徴とする人体骨
    格に有機的に対応する女性用衣料。
  3. 【請求項3】 前記左右のカップ部の少なくとも体側側
    に、身頃体がカップ部を体側方向に引っ張る力を支持す
    る剛性を持った面状芯体を設けたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の人体骨格に有機的に対応する女性用
    衣料。
  4. 【請求項4】 前記左右のカップ部の下方端縁に、身頃
    体がカップ部を体側方向に引っ張る力に対抗する弾性力
    を持ったワイヤーボーンを設けたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の人体骨格に有機的に対応する女性用
    衣料。
  5. 【請求項5】 人体骨格に有機的に対応する面状芯体に
    おいて、前記面状芯体は、弾性材料によって構成され、
    人体骨格のバスト又はヒップの膨出部の下端縁に沿って
    配置される面状の芯体であって、前記人体骨格の膨出部
    の下端縁における、少なくとも人体骨格側及び膨出部側
    のいずれか一方に配置される面状の部分を有することを
    特徴とする人体骨格に有機的に対応する面状芯体。
  6. 【請求項6】 前記面状芯体は、当該面状芯体が装着さ
    れる女性用衣料を成形して製造するときに、同時に成形
    され及び/又は女性用衣料に装着されることを特徴とす
    る請求項5に記載の人体骨格に有機的に対応する面状芯
    体。
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