JP2570746Y2

JP2570746Y2 - ブラジャー

Info

Publication number: JP2570746Y2
Application number: JP1993008006U
Authority: JP
Inventors: 理智子皆川
Original assignee: 鐘紡株式会社; カネボウシルクエレガンス株式会社
Priority date: 1993-02-03
Filing date: 1993-02-03
Publication date: 1998-05-13
Anticipated expiration: 2008-02-03
Also published as: JPH0661907U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、カップ部を備え、乳房
を美しく整形する作用を奏するブラジャーに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来から、女性は、乳房の形を美しく整
形することを目的として、カップ部を備えるファンデー
ション、即ちブラジャー、ブラスリップ、ボディースー
ツ等（以下、ブラジャーと総称する）を着用している。

【０００３】乳房の形を美しく整えるためには、乳房
を下側から持ち上げる、外側（脇側）へ広がろうとす
る左右の乳房を前中心側に引き寄せる、乳房全体にボ
リュームをもたせる、という３つのことを実現すること
が必要とされる。そして、これらを実現することを目的
としたブラジャーが、予てから多数提案され消費者に提
供されている。その中で、特に多く提案されているもの
が、例えば実開昭６３−１９５０８号公報に示されてい
るように、ブラジャーのカップ部の下縁部に沿って曲げ
強度の強い材質からなる芯材を取り付けてなるものであ
る。しかしながら、このような構成をとるブラジャー
は、乳房を下から支える作用のみを奏するものであっ
て、上記３つのうち、のバストアップを辛うじて実現
するに留まるものである。

【０００４】また、実開昭６２−１０１８０７号公報に
は、カップ布の裏面に、カップの底部から肩紐が接続さ
れる上尖端部にかけて帯状パッドを沿設したブラジャー
が提案されている。このブラジャーは、上記のバスト
アップ効果のみならず、の乳房を前中心側に寄せる効
果、更にはのボリュームアップ効果をも奏しうるもの
である。しかしながら、このブラジャーは、単にパッド
材をカップの底部から上尖端部にかけて沿設しただけの
ものであって、上記のすべての効果を充分に満足できる
程度に奏しうるものではない。また、パッド材をカップ
布の裏面、即ちカップの内側で乳房に直接当たる部分に
取り付けているため、これがカップの内側でごろついた
りして着用感が損なわれるという問題が引き起こされる
おそれがあった。更に、このブラジャーのように、パッ
ド材をカップ布の内側に設けることはカップの元々の内
容積を変えることとなり、製造時にパッド材を取り付け
る際の寸法誤差やパッド材の経時変化によりカップの内
容積にばらつきが生じるという問題も発生しかねなかっ
た。

【０００５】このように、ありとあらゆるブラジャーが
提供される中でも、乳房の形を美しく整えるための上記
〜の３つを実現して優れた乳房整形効果を発揮し、
且つ着用感に優れたブラジャーとして充分に満足しうる
ものは、未だ見出されていないのが実情であった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上述のよう
な実情に鑑みなされたものであって、乳房を下側から持
ち上げるとともに左右両側から前中心側に寄せる効果を
奏し、乳房全体のボリュームアップを実現し、且つ着用
感に優れたブラジャーの提供を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案のブラジャーは次のような構成をとる。即
ち、左右一対のカップの表面側に、カップの下側湾曲縁
から脇側縁に沿ってカップに縫着されるとともに、カッ
プ上端縁よりも上方に延設されて肩紐と連結される当て
布を設け、該当て布が、カップとの縫着部の寸法をカッ
プと同寸法に形成した非伸縮性の表生地と、この表生地
よりも小さく形成した伸縮性の裏生地との周縁部を合わ
せて縫合した２重構造布であることを特徴とするもので
ある。

【０００８】

【作用】上記のように、本考案のブラジャーにおいて
は、カップの下側湾曲縁から脇側縁に沿ってカップに縫
着され、更にカップ上端縁から上方に延びて肩紐と連結
される当て布が、乳房を下側から持ち上げるとともに外
側から前中心側に押し寄せる作用を奏するため、乳房の
形を効果的に整えることが可能となる。また、当て布を
カップの表面側に設けているため、カップの内側が何ら
影響を受けることなく、着用感が損なわれることがな
い。更に、当て布を、カップとの縫着部の寸法をカップ
と同寸法に形成した非伸縮性の表生地と、この表生地よ
りも小さく形成した伸縮性の裏生地との周縁部を合わせ
て縫合した２重構造布とすると、伸縮性の裏生地が引っ
張られた状態で表生地と一体化されたものとなるため、
裏生地がストレッチ作用を奏し、上記の乳房整形作用を
より一層効果的に得ることができるようになる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

【００１０】図１は、本考案のブラジャーの一実施例を
示している。同図に示すように、このブラジャーは、両
乳房を覆う部分である左右一対のカップ（１）と、この
両カップ（１）を連結するカップ下布Ａ（２）と、両カ
ップ（１）の脇側に位置するカップ下布Ｂ（３）と、カ
ップ下布Ｂ（３）の左右両端縁から着用者の背中側に延
びるバック布（４）と、伸縮性テープからなる肩紐
（５）とから構成されている。そして、上記両カップ
（１）の下側湾曲縁（６）には、その縁部に沿ってカッ
プ（１）を保形するための芯材（図示せず）が設けられ
ている。

【００１１】上記両カップ（１）の表面側には、その下
側湾曲縁（６）に沿って前中心側から外側に向かい、脇
側縁（７）に沿って上方に延びる弓状の当て布（８）が
取り付けられている。この当て布（８）は、カップ
（１）の下側湾曲縁（６）の前中心側約３分の１の辺り
を起点として該下側湾曲縁（６）に沿って上方に延び、
更に脇側縁（７）に沿ってカップ上端縁（９）に到るま
でカップ（１）及び上記カップ下布Ａ（２）、Ｂ（３）
と一体的に縫着され、更にカップ上端縁（９）から約５
cm（図中Ｌ１で示す）上方に延びて上記肩紐（５）と連
結されている。

【００１２】上記当て布（８）は、図２及び図３に示す
ように、大きさの異なる２枚の生地を表生地（８ａ）及
び裏生地（８ｂ）（図２中、点線で示す）とした２重構
造布に構成されているものである。即ち、図３の左側の
図に示すように、表生地（８ａ）は、上記カップ（１）
との縫着部をカップ（１）と同寸法とし、カップ（１）
に縫着した際にカップ（１）の表面の膨らみに沿う大き
さに形成されており、その素材として非伸縮性のレース
布等が用いられている。そして、この実施例では、その
長手方向寸法Ｌ２は約１７５ｍ／ｍに設定されている。
一方、裏生地（８ｂ）は、図３の右側の図に示すよう
に、長手方向寸法Ｌ３を上記表生地（８ａ）より短く形
成してなり、その素材としては伸縮性のあるサテンネッ
ト、パワーネット等が用いられている。この実施例で
は、上記表生地（８ａ）の長手方向寸法Ｌ２に対し裏生
地の長手方向寸法Ｌ３を１５５ｍ／ｍ〜１６５ｍ／ｍに
設定している。

【００１３】そして、この表生地（８ａ）と裏生地（８
ｂ）とを重ね、裏生地（８ｂ）を図３の点線の位置まで
引っ張り、同図中１点鎖線Ｓで示すように仮止めステッ
チを施して互いの周縁部を合わせて両者を一体化するこ
とにより、表生地（８ａ）が裏生地（８ｂ）に引っ張ら
れてその周縁部にギャザーが形成された当て布（８）と
なる。そして、この当て布（８）をカップ（１）に取り
付ける際に、上記表生地（８ａ）のギャザーを伸ばすよ
うにして縫着することにより、裏生地（８ｂ）の周縁部
が引っ張られ、乳房を下から上へ持ち上げるとともに外
側から前中心側へと押し寄せる作用を奏するようになる
のである。

【００１４】そして、この当て布（８）は、カップ上端
縁（９）までカップ（１）に縫着され、更にここから上
方に延びて上記肩紐（５）とつなぎ合わされる。この延
長長さＬ１は、この実施例では約５cmとなっているが、
当然ブラジャー全体のデザイン等によって１〜１０cmの
範囲内で適宜設定されるものである。このように、当て
布（８）をカップ上端縁（９）からフリーの状態で延長
して肩紐（５）とつなぎ合わせることにより、肩紐
（５）からの引っ張り力が効果的に当て布（８）に伝え
られ、良好な乳房整形作用が得られる。

【００１５】また、肩紐（５）としては、伸縮性を有す
るテープ材を用いているが、カップ（１）の上側から背
中側の長さ調節部（１０）の上方に至るまでの間を、上
記テープ材の上に当て布（８）の表生地（８ａ）の素材
と同じ素材を重ねたものとすることにより、当て布
（８）と肩紐（５）とのつなぎ合わせ部（１１）が目立
たないようにしている。

【００１６】以上ように構成したブラジャーにおいて
は、カップ（１）の下側湾曲縁（６）から脇側縁（７）
に沿ってカップ（１）に縫着され、更にカップ上端縁
（９）から上方に延びて肩紐（５）に連結される当て布
（８）が、乳房を下から上へ持ち上げるとともに外側か
ら前中心側へと押し寄せる作用を奏するため、乳房の形
を理想的な形に整えることができる。また、この当て布
（８）が、非伸縮性素材をカップ（１）に沿う形状に形
成してなる表生地（８ａ）と、伸縮性素材を表生地（８
ａ）よりも小さく形成してなる裏生地（８ｂ）との周縁
部を縫合した２重構造布となっているため、肩紐（５）
からの引っ張り力等に対しても柔軟に対応し、より一層
効果的に上記の乳房整形作用が得られるとともに、乳房
の大きさとカップ（１）の内容積との間の若干の誤差も
吸収し、どのような体型に対しても効果的に上記作用を
奏することが可能となる。

【００１７】尚、上記の実施例においてはブラジャーを
挙げて説明したが、カップ部を備える他のファンデーシ
ョン、即ちブラスリップ、ボディースーツ等にも本考案
を適用できることはいうまでもない。

【００１８】

【考案の効果】以上のように、本考案のブラジャーは、
カップの下側湾曲縁から脇側縁に沿ってカップに縫着さ
れ、更にカップ上端縁から上方に延びて肩紐と連結され
る当て布を設けてなるため、乳房を下側から持ち上げる
とともに外側から前中心側に押し寄せる作用が奏され、
乳房の形を効果的に整えることが可能となる。また、当
て布をカップの表面側に設けているため、カップの内側
が何ら影響を受けることなく、その着用感も極めて良好
なものである。更に、当て布を、カップとの縫着部の寸
法をカップと同寸法に形成した非伸縮性の表生地と、こ
の表生地よりも小さく形成した伸縮性の裏生地との周縁
部を合わせて縫合した２重構造布としているので、伸縮
性の裏生地が引っ張られた状態で表生地と一体化された
ものとなるため、裏生地がストレッチ作用を奏し、上記
の乳房整形作用をより一層効果的に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のブラジャーの一実施例を示す正面図で
ある。

【図２】上記実施例に用いる当て布の正面図である。

【図３】上記当て布の説明図である。

【符号の説明】

１カップ２カップ下布Ａ３カップ下布Ｂ４バック布５肩紐６下側湾曲縁７脇側縁８当て布９カップ上端縁

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】左右一対のカップ（１）の表面側に、カ
ップ（１）の下側湾曲縁（６）から脇側縁（７）に沿っ
てカップ（１）に縫着されるとともに、カップ上端縁
（９）よりも上方に延設されて肩紐（５）と連結される
当て布（８）を設け、該当て布（８）が、カップ（１）
との縫着部の寸法をカップ（１）と同寸法に形成した非
伸縮性の表生地（８ａ）と、この表生地（８ａ）よりも
小さく形成した伸縮性の裏生地（８ｂ）との周縁部を合
わせて縫合した２重構造布であることを特徴とするブラ
ジャー。