JPH033525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、乳房の機能や大きさが著しく変化
する産前・産後を通じて着用可能なマタニテイブ
ラジヤーの改良に関し、特に授乳期の乳房の成長
に合つた乳首の保護と良好な管理が行えるように
したものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

一般に、妊娠から分娩、授乳及び離乳期に至る
女性の乳房は、、機能的及び形状的に著しく変化
するものであり、従つて、特に母乳の分泌機能を
十分に確保するためには、、着用されるマタニテ
イブラジヤーは乳房を常に直円錐形（乳房軸を立
てた状態）にして圧迫しないこと、即ち、乳房全
体を持ち上げるようにして直円錐形に保持し、乳
首の圧迫を軽減して血液の循環をスムースにする
ことが要求される。

しかしがら、、従来のこの種マタニテイブラジ
ヤーとしては、そのカツプ部分が一定の形状に成
型加工されているもの、或いは乳房を包み込むた
めのタツクを有し、ブラジヤー主体の下縁で打ち
合わせて締着するものなどがあるが（実開昭59−
51010号公報参照）、前者は、成長する乳房の形状
変化に対応して順次サイズの異なるものを着用す
るとしても、少なからず乳首をその上面から圧迫
して血行を妨げることゝなり、また後者は、ブラ
ジヤー主体の下縁をアンダーバストに締着した場
合に、乳房の押上げ力がなく、上記いずれのブラ
ジヤーでも上述したように、乳房を圧迫すること
なく直円錐形の状態に維持することは到底望めな
かつたのである。

また特に授乳期においては、比較的カツプ部分
の大きさにゆとりのある所謂乳帯が多用されてい
るが、これには保形性が殆ど望めないため、上述
したように乳房全体を上方に持ち上げるには別
途、タオル等を乳房の下面に当接させねばならな
い手間を余儀なくされただけでなく、乳房の揺れ
に伴つてタオルが変位し、十分な乳房の保護・管
理が行えないという問題点が見られた（例えば実
開昭57−83101号公報参照）。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本案は、、内面下方に乳房を包み込むた
めの母乳パツドと、該ポケツトの前面側に対応す
る外面下縁部に乳房の大きさに応じて伸縮できる
タツクを備えたカツプ部並びに該カツプ部の上方
に広幅の肩帯を連成してなる前合わせ式のブラジ
ヤー主体を、横方向に伸縮可能なメリヤス地で縫
製する一方、該主体の下縁に両端が面フアスナー
によつて係脱自在な比較的広幅で乳房を適当位置
に持ち上げる機能を有する伸縮性乳房支持帯を縫
着することにより、上述した問題点を一気に解決
したものである。

〔作用〕

上記の構成とした本案の乳房管理ブラジヤー
は、そのカツプ部が乳房の大きさに応じて膨縮
し、常に乳房全体を包み込むと同時に、肩帯とア
ンダーバストに締着される乳房支持帯によつて、
乳房を常に安定した良好な直円錐形に支持すると
いう格別の作用を奏するものである。

〔実施例〕

以下、本案の構成を図面に示す実施例に基づい
て更に具体的に述べると、１は緯糸にスパンデツ
クスを利用して編織し、横方向にのみ伸縮可能な
メリヤス地からなる前合わせ式のブラジヤー主
体、２は該主体の内面下方に母乳パツドＰ装着用
のポケツト７と、該ポケツトの前面側に対応する
外面下縁部の一乃至複数箇所に比較的大きなタツ
ク２′を設けたカツプ部、、３は該カツプ部の上方
に一体に連成された広幅の肩帯、また４は上記主
体１の下縁を除く各周縁に縫着された伸縮性のレ
ース、更に５は上記主体１の下縁に縫着された伸
縮性布地からなる広幅の乳房支持帯であつて、互
いに重合する両端の比較的長い範囲に亘り、面フ
アスナー６を設けてアンダーバストに沿つて巻着
し得るようにしたものである。ところで、上記面
フアスナー６は、乳房支持帯の一端側外面と他端
側内面の一定範囲にわたつてそれぞれ雌型６ａ，
６ｂを設け、上記雌型６ｂ上に、適宜な間隔をお
いて雄型６ｃを取付けたものである。

而して本案マタニテイ乳房管理ブラジヤーは、
上記主体１の肩帯３を双方の肩に掛合した後、上
記面フアスナー６を利用して上記乳房支持帯５を
アンダーバストに締着して着用するのであるが、
この場合、上記カツプ部２は、その生地自体の横
方向への伸縮特性とタツク２′とが相作用して、
産前・産後に亘つて順次変化する乳房の大きさに
追随して、常に乳房全体を圧迫することなく適度
にフイツトした状態で包み込むのである。

かゝる状態でカツプ部２に包み込まれた双方の
乳房は、上記肩帯３と乳房支持帯５とによつて吊
持されて、、確実に直円錐形に保持されるのであ
る。

また、この場合、ブラジヤー主体１の肩帯は広
幅に形成されているため、乳房の重量が分散さ
れ、肩の疲労を著しく軽減し得ると同時に、ブラ
ジヤー主体１の周縁に縫着されたレース４の伸縮
性により、ブラジヤー主体の周縁部分が上体の各
部位に密着して、その着用感並びにフアツシヨン
性を良好に保ち得るのである。

更に、上記各カツプ部内面のポケツト７を利用
して別途母乳パツトＰを装着しておくことによ
り、乳もれによる衣服の汚損とパツトの移動を確
実に防止することができる。

他方、授乳時には、上記乳房支持帯５の一端を
引いて面フアスナー６の係止を解除するだけで、
胸部を全面に亘つて開放することができるから、
無理のない姿勢で授乳が行える他、その際に上記
面フアスナー６の雄型６ｃ側を折り曲げて、これ
らを下層の雌型６ｂに係着しておけば、硬直な鉤
状雄型６ｃが乳幼児の肌に当接することがなく、
更に又、この状態でブラジヤー主体を洗濯すれ
ば、その雄型６ｃに糸屑等が付着するような不都
合を確実に防止できるのである。

〔考案の効果〕

以上述べたように本案マタニテイ乳房管理ブラ
ジヤーによれば、産前・産後を通じて形態の異な
る乳房の保護・管理に当り、数種類のブラジヤー
を用意しなければならなかつた従来の管理手段と
は異なり、それ一種で順次大きさの変化する乳房
を常に最適な状態で支持し、血液の循環を促進し
て母乳の分泌機能等を確保し得る上、授乳期にお
ける乳帯の使用が省略できる等、構造簡単ながら
優れた多くの実用的利益が齎らされるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るブラジヤーの前面を打合
せた状態における斜視図、第２図は前面を開放し
た状態の斜視図、また第３図はその着用状態を示
す側面図である。 尚、図中１…ブラジヤー主体、２…カツプ部、
３…肩帯、５…乳房支持帯、６…フアスナー、７
…ポケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブラジヤー主体と乳房支持帯から構成されるマ
   タニテイ乳房管理ブラジヤーにおいて、 (i) ブラジヤー主体１が、内面下方に母乳パツド
   装着用のポケツト７と該ポケツト７の前面側に
   対応する外面下縁部にタツク２′を備えたカツ
   プ部２並びに該カツプ部２の上方に広幅の肩帯
   ３を有し、かつ横方向に伸縮自在なメリヤス地
   製の前合わせ式のものであり、 (ii) 乳房支持帯５は、両端が面フアスナー６を介
   して係脱自在とされた広幅の伸縮性布地を前記
   ブラジヤー主体１の下縁部に縫着したものであ
   る マタニテイ乳房管理ブラジヤー。