JP2534363B2 - ヒ―トパイプ式冷却器 - Google Patents

ヒ―トパイプ式冷却器

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JP2534363B2 JP1234202A JP23420289A JP2534363B2 JP 2534363 B2 JP2534363 B2 JP 2534363B2 JP 1234202 A JP1234202 A JP 1234202A JP 23420289 A JP23420289 A JP 23420289A JP 2534363 B2 JP2534363 B2 JP 2534363B2
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博 谷田部
進 荻原
孝志 村瀬
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体素子などの発熱を、ヒートパイプを
用いて拡散させて、強制空冷するヒートパイプ式冷却器
に関するものである。
〔従来の技術〕
サイリスタ,パワートランジスタなどの発熱量が中容
量の半導体素子の冷却は、ファンを用いた強制空冷方式
のものが多い。
第12図は、従来の強制空冷式冷却器の一例を示した斜
視図である。
冷却ブロック7は、銅またはアルミニウムなどの熱伝
導性材料を用いて、押出成形や鋳造により、ベース部7a
とフィン部7bをもつような形状に作製されたものであ
る。発熱素子6は、冷却ブロック7のベース部7aの表側
の平面に密着して搭載されており、ファン4によりフィ
ン部7bを強制空冷していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前述した従来の冷却器では、発熱素子の放熱
量が増大するに伴って、冷却ブロック7の重量が重くな
るとともに、形状も大型になるという問題があった。
また、冷却ブロック7のフィン部7bのピッチを一定間
隔以下に狭くできず、容量が一定の場合には、放熱面積
に制限を受け、冷却能力が低下するという問題があっ
た。
さらに、冷却ブロック7のベース部7aに搭載できる発
熱素子の数が、性能的にも、面積的にも限られていた。
一方、電子機器などの場合には、限られた内部空間に
他の素子などとともに配置されるので、冷却器の基本的
な形状はそのままにして、冷却性能を向上させるととも
に、占有体積の減少や軽量化を実現しなければならな
い。
本発明の目的は、前述の課題を解決し、冷却性能の向
上と、発熱素子の搭載数の増加を実現した、小型かつ軽
量なヒートパイプ式冷却器を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
前記課題を解決するために、本発明によるヒートパイ
プ式冷却器は、外側に素子搭載面が内側にヒートパイプ
取付部がそれぞれ設けられており筒形の4面または断面
コの字の3面と一方の側面を塞ぐ1面に配置された第1,
第2,第3および第4のベース板と、前記第1,第2,第3お
よび第4のベース板のヒートパイプ取付部に蒸発部が取
り付けられ凝縮部が曲げ起こされた1本以上のヒートパ
イプと、前記ヒートパイプの凝縮部に取り付られた複数
枚のフィンと、前記フィンと直交するいずれかの面に設
けられた強制空冷用のファンとから構成されている。
〔作用〕
前記構成によれば、各ベース板に搭載された発熱素子
からの熱をヒートパイプを用いて末端のフィンにまで効
率よく伝達できるとともに、ファンにより強制冷却する
ことができる。
〔実施例〕
以下、図面等を参照して、実施例について、本発明を
詳細に説明する。
第1図〜第6図は、本発明によるヒートパイプ式冷却
器の第1の実施例を示した図であって、第1図は斜視
図、第2図は平面図、第3図は正面図、第4図は側面
図、第5図はヒートパイプの取付部を示した斜視図、第
6図はフィンの取付部を示した斜視図である。
ベース板1,1A,1B,1Cは、銅またはアルミニウムなどの
熱伝導性の材料を用いて、押出法またはダイキャスト法
等により作製されたものであり、この実施例では、ベー
ス板1,1Aとベース板1B,1Cをそれぞれ断面L字状に一体
成形して、筒状に組み合わせてある。
ベース板1〜1Cには、それぞれ外側にフラットな素子
搭載面1aが形成され、内側に取付凹部1bが形成されてい
る。ベース板1〜1Cの各素子搭載面1aには、サイリスタ
やパワートランジスタなどの発熱素子6〜6Cが1個また
は複数個搭載されている。
ヒートパイプ2A,2Bは、断面が円形,矩形,異形の銅
製コンテナの内面に溝が形成されたり、メッシュ等のウ
イックが挿入されたものであり、内部には作動液として
純水等が封入されたものである。
ヒートパイプ2Aは、U字形に曲げ加工されており、蒸
発部となる腕部2a,基部2bがベース板1,1Aの取付凹部1b
にそれぞれ挿入され、固定板1cで上側から覆ってねじ止
めすることにより、密着して固定されている(第5
図)。ヒートパイプ2Aは、ベース板1,1Aの取付凹部1bに
取り付けられるので、接触面積を十分にとれるととも
に、腕部2a,基部2bと取付凹部1bおよび固定板1cの間に
は熱伝導性グリースなどを塗布することにより、外側の
素子搭載面1aに搭載された発熱素子6,6Aからの熱を内側
のヒートパイプ2Aに効率的に伝達できる。なお、ヒート
パイプ2Bも同様にして、ベース板1B,1Cに取り付けられ
ている。
フィン3,3Aは、ヒートパイプ2A,2Bの凝縮部となる腕
部2cに、圧入またはロウ付けなどにより別々に取り付け
られている(第6図)。このフィン3,3Aは、銅またはア
ルミニウム等の金属を、0.1〜0.5mm程度の薄肉板状に加
工したものであり、1〜5mm程度の比較的小さいピッチ
で、必要な枚数だけ取り付けられている。
ファン4は、強制空冷用のものであり、軸流ファン等
が用いられており、フィン3,3Aと直交するいずれかの面
に取り付けられている。
第7図は、本発明によるヒートパイプ式冷却器の第1
の実施例の変形例を示した斜視図である。
第7図に示したヒートパイプ2Aのように、U字形に曲
げ加工して、蒸発部である腕部2a,基部2b側をベース板
1,1Aの取付凹部1bにロウ材1dにより、接合することがで
きる。このヒートパイプ2Aの凝縮部となる腕部2cに、第
6図と同様にフィン3を取り付ければよい。
なお、ヒートパイプ2A,2Bは、熱伝導量等を考慮し
て、3本以上の構成でもよい。
第8図〜第11図は、本発明によるヒートパイプ式冷却
器の第2の実施例を示した図であって、第8図は斜視
図、第9図は平面図、第10図は正面図、第11図は側面図
である。
なお、前述した第1の実施例と同様な機能を果たす部
分には、同一系統の符号が付してある。
第2の実施例では、ベース板1D,1E,1Fを断面コの字状
に配置して、その側面をベース板1Gで覆うように配置し
た形状であって、この実施例でも、断面L字形に一体成
形したベース板1D,1Eとベース板1F,1Gとを組み合わせて
いる。各ベース板1D〜1Gの外側の素子搭載面1aには、そ
れぞれ発熱素子6D,6E,6F,6Gが密着固定されている。
ヒートパイプ2Cは、蒸発部となる腕部2aがベース板1G
の取付凹部1bに取り付けられ、基部2bがベース板1Fの取
付凹部1bに取り付けられている(第9図)。また、ヒー
トパイプ2Dは、蒸発部となる腕部2aがベース板1Eの取付
凹部1bに取り付けられ、基部2bがベース板1Dの取付凹部
1bに取り付けられている(第11図)。さらに、各ヒート
パイプ2D,2Eの凝縮部となる腕部2cには、フィン3C,3Dが
別々に取り付けられている。
ベース板1D,1F,1Gの下側には、ファン4が設けられて
いる。
つぎに、本発明によるヒートパイプ式冷却器の実施例
の送風方向について説明する。
ベース板2とファン4との取付位置によって、送風方
向を変化させることができる。
例えば、第1図に示した第1の実施例のように、ファ
ン4の全ての側面を4枚のベース板1〜1Cで覆っている
ので、ファン4と対向する面から冷却風airを直線的に
排気することができる。
また、第8図に示した第2の実施例のように、ファン
4の対向する面がベース板1Eで覆われており、フィン3
とファン4に直交する側面が解放されているので、冷却
風airを直角に屈曲して排気することができる。
このように送風方向を選択できるので、本発明による
ヒートパイプ式冷却器を電子機器などに組み込む場合
に、冷却風airの流入および流出方向が限定されるとき
でも、容易に取り付けることができる。
なお、前述した各実施例では、組み立てを容易にする
ために、ベース板を2枚ずつ組みにして作製した例で説
明したが、4枚を一体に成形してもよい。また、各ヒー
トパイプに独立してフィンを取り付けた例を示したが、
2本のヒートパイプを同一のフィンに取り付けるように
してもよい。
〔発明の効果〕
以上詳しく説明したように、本発明によれば、ベース
板に搭載した発熱素子からの熱をヒートパイプを用いて
拡散して末端のフィンに至るまで伝達できるので、フィ
ン効率が改善され、従来の冷却器に比較して、フィンの
占有する体積を大幅に減少させることができる。
また、フィンを極めて薄くでき、フィンを取り付ける
ピッチを狭くできるので、占有する体積の減少とあいま
って、同一容積では重量を大幅に減少させることができ
る。
したがって、同一の冷却能力では占有体積と重量の両
者を大幅に減少させることができる。
さらに、ベース板を4枚設けてあるので、従来と同様
な大きさで、4倍の発熱素子を搭載することができる。
一方、冷却風の流れ方向を多様化させることができる
ので、取付場所の自由度が広がる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は、本発明によるヒートパイプ式冷却器
の第1の実施例を示した図であって、第1図は斜視図、
第2図は平面図、第3図は正面図、第4図は側面図、第
5図はヒートパイプの取付部を示した斜視図、第6図は
フィンの取付部を示した斜視図である。 第7図は、本発明によるヒートパイプ式冷却器の第1の
実施例の変形例を示した斜視図である。 第8図〜第11図は、本発明によるヒートパイプ式冷却器
の第2の実施例を示した図であって、第8図は斜視図、
第9図は平面図、第10図は正面図、第11図は側面図であ
る。 第12図は、従来の強制空冷式冷却器の一例を示した斜視
図である。 1……ベース板 2……ヒートパイプ 3……フィン 4……ファン 6……発熱素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻原 進 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 村瀬 孝志 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 松本 厚二 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外側に素子搭載面が内側にヒートパイプ取
    付部がそれぞれ設けられており筒形の4面または断面コ
    の字の3面と一方の側面を塞ぐ1面に配置された第1,第
    2,第3および第4のベース板と、前記第1,第2,第3およ
    び第4のベース板のヒートパイプ取付部に蒸発部が取り
    付けられ凝縮部が曲げ起こされた1本以上のヒートパイ
    プと、前記ヒートパイプの凝縮部に取り付られた複数枚
    のフィンと、前記フィンと直交するいずれかの面に設け
    られた強制空冷用のファンとから構成したヒートパイプ
    式冷却器。
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